バルト3国旅行記

2019年5月19日~26日(8日)
ヴィリニウス、カウナス、シャウレイ、リガ、タルトゥへ、タリン

スリランカ旅行記

2019年1月20日~26日(7日)
コロンボ、シギリヤロック、キャンディ、ゴール、ポロンナルワ

ポルトガル旅行記

2018年4月13日~20日(8日)
リスボン、ポルト、コインブラ、オビドス、ナザレ、バターリャ

ベトナム旅行記

2017年12月18日~23日(6日)
ホーチミン、フエ、ホイアン、ミーソン、ハロン湾、ハノイ

イギリス旅行記

2017年4月18日~25日(8日)
ロンドン、湖水地方、コッツウォルズ、コンウイ、オックスフォード

カンボジア旅行記

2016年12月9日~13日(5日)
シェリムアップ、アンコールワット、プレアヴィヒア、ペンメリア

北欧旅行記

2016年7月5日~12日(8日)
コペンハーゲン、オスロ、ベンゲル、ストックホルム、ヘルシンキ

クロアチア旅行記

2015年3月3日~12日(10日)
リュビリャーナ、ドブロヴニク、コトル、モスタル、スプリット

オランダ・ベルギー旅行記

2014年5月26日~6月2日(8日)
ブリュッセル、ブルージュ、ゲント、アムステルダム、ケルン

中欧旅行記

2013年8月19日~26日(8日)
ウィーン、プラハ、ドレスデン、プラチスラバ、ブダベスト

スイス旅行記

2012年8月26日~9月4日(8日)
ツェルマット、グリンデルワルト、ベルン、チューリッヒ

香港・マカオ旅行記

2011年12月25日~28日(4日)
香港、マカオ

フランス旅行記

2011年8月29日~9月5日(8日)
パリ、ロワール、モンサンミッシェル、ルーアン、ヴェルサイユ

スペイン旅行記

2010年8月23~30日(8日)
マドリッド、トレド、セビリア、グラナダ、ミハス、バルセロナ

イタリア旅行記

2008年8月7日~14日(8日)
ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ピサ、ベローナ、ローマ

台湾旅行記

2009年8月30日~9月2日(4日)
台北、高雄

韓国旅行記

2007年3月26日~29日(4日)
ソウル、水原

海外旅行記

ハロン湾
ハロン湾

ベトナム旅行記

日程表

日 程 主なスケジュール
初 日 9:30成田発ベトナム航空直行便でホーチミンへ。ホーチミン到着後、ホーチミン市内観光(統一会堂、サイゴン大教会、中央郵便局)。夕食は南部ベトナム料理。夕食後、ベトナム伝統芸能「水上人形劇」を観賞。(ホーチミン泊)
2日目 11:00ホーチミン発国内線でフエへ。フエ到着後、名物ブンボーフエなどのフエ伝統料理の昼食。フエ観光(グエン朝王宮、ティエンムー寺)。王宮内で世界無形文化遺産ベトナム雅楽「ニャーニャック」を観賞。夕食はグエン朝時代の衣装を着て宮廷料理。(フエ泊)
3日目 午前:ホイアンへ移動。ホイアン到着後、旧市街観光(遠来橋、フーンフンの家、福建会館、海のシルクロード博物館)。昼食は中部郷土料理ミークアン。午後:ミーソン聖城観光。夕食はホイアン名物料理。夕食後、夜のホイアン散策と灯篭流し体験。(ホイアン泊)
4日目 11:40ダナン発国内線でハノイへ。ハノイ到着後、バスでハロン湾へ。途中、陶磁器の村バッチャンに立ち寄り。夕食は北部ベトナム料理。(ハロン湾泊)
5日目 午前:ハロン湾クルーズ。昼食は船内でハロン湾海鮮料理。下船後、バスでハノイに移動。ハノイ市内観光(タンロン城、ホアンキエム湖、ホーチミン廟)。民芸品店でショッピング。夕食はカジュアルフレンチ。
最終日 0:40ハノイ発ベトナム航空直行便で帰国の途へ。7:00成田到着予定。

初日 ベトナム縦断、5つの世界遺産を巡る旅に出発!

昨年末に旅行したカンボジアが予想以上に良かったので、次のアジアはベトナムと決めていた。ネットでツアーを物色していると、見つけたのが、H社の「ベトナム縦断 5つの世界遺産めぐり6日間」。ベトナムを旅行するなら、フエやホイアンの中部を含め北から南まで縦断したかったので、ピッタリのツアー。ただし、ツアー料金はやや高めで、昨年のTC社の格安ツアーに比べると2倍以上。高い料金に躊躇うものの、ツアーの充実度を期待して申し込んでしまった。

早朝集合のため空港近くの東横インに前泊!

今回のツアー、早朝の7:30成田空港集合のため空港近くのホテルに前泊することに。始発の電車に乗れば、間に合わなくはないが、万一寝過ごしたりすると、大変なことになるので、無理をせず前泊。楽天トラベルでリーズナブルなホテルを探すと、東横イン成田空港が予約できた。この東横インは、かつて仕事で出張したときによく利用したホテル。朝食が無料で付いているのが好評。
前日の夕刻、西武線とJR山の手線を乗り継いで、日暮里からスカイライナーで成田空港に向かう。空港からは、無料の送迎バスを利用して、8時前にはホテルにチェックイン。ホテル周辺には食事するところもないだろうと思って、日暮里駅で弁当を買ったが、ホテルに1階にローソンが。わざわざ駅で買って持ち込む必要がなかった。
このホテル、思った以上に大きな規模。宿泊室がどれほどあるのか、想像できないが、大半の宿泊者は中国人旅行者で、日本人は僅かしかいないようだ。ロビーやローソンには、必ずといっていいぐらい中国人を見かける。
寝るだけだったので、一番安い部屋を予約したが、思った以上に部屋が狭く、スーツケースを広げるスペースを確保するのがやっと。部屋が狭いのを我慢すると、それなりに設備が完備されており、不満はない。翌日の出発が早いので、夕食を済ますと、早めに就寝。

グエン朝王宮タイホア殿
グエン朝王宮タイホア殿
ミーソン聖城の遺跡
ミーソン聖城の遺跡

ベトナム航空の受付カウンターには長蛇の列!

6時前に起床。無料の朝食が6時30分からなので、その前にチェックアウト。朝食を簡単に済ませて、7:00発の送迎バスで空港に向かう。途中第2ターミナルに立ち寄り、第1ターミナルには15分後に到着。送迎バスは到着フロアに停車したため、エスカレーターで4Fの出発ロビーへ。H社の受付でEチケットとイヤホンガイドを受けとり、ベトナム航空の受付カウンターでチェックインをしようとしたが、すでに長蛇の列。隣のデルタ航空は、ほとんどが自動チェックイン機なのに、こちらはすべて人的受付。30分ほど並んでようやく搭乗券を発券してもらい、スーツケースを預ける。チェックインの際、ANAのマイレージカードを提示。今回搭乗するベトナム航空便は、ANAとのコードシェア便(共同運航便)で、ANAマイルを貯められるので、とてもラッキー。
チェックインにとどまらず、セキュリティーと出国審査を通過するのにも時間がかかる。利用客が多いわけではなく、早朝のため係員が少なく、すべての窓口を開けていないためかなり待たされる。これにも30分ほどかかり、搭乗ゲートに辿り着いたときは、搭乗開始10分前。免税品の煙草を購入し、両替所で両替をしただけでタイムオーバー。両替は米ドル。ベトナムの通貨はベトナムドン(VND)であるが、事前の添乗員からの連絡で米ドルを持っていればすべ賄えるとのこと。昨年のカンボジア旅行で$15残っていたので、両替額は$150。レートは\115.10/$。

意外に美味しいベトナム航空の機内食!

飛行機は定刻9:30に成田を離陸し、一路ホーチミンに向かう。所要時間は6時間35分。ヨーロッパ便に比べるとはるかに短い。離陸1時間半後、朝食にしては遅すぎて昼食にしては早すぎるタイミングで食事が出される。和食と洋食を選択できたが、私たちに配られたときは和食が完売で洋食のみ。主菜はパスタが入った豚肉のワイン煮。これが意外に美味しかった。デザートのチーズケーキも絶品。昨年のカンボジア旅行の大韓航空とは雲泥の差で、イギリス旅行のブリティッシュエアウェイズよりも上。JALやANAと比べても遜色がない。
機内では、いつもように映画を観て過ごすが、6時間余りであれば、それほど苦労なく時間を潰せる。飛行機は、定刻14:05(現地時間)よりも15分早くホーチミンに着陸。入国審査も待たされることなく、スムーズに通過。ベトナムは1ヵ月以内の再入国でなければ、査証(ビザ)は不要。ところがスーツケースがなかなか出てこない。待つこと30分、ようやくスーツケースを手にすることができた。出口で係員によるタグのチェックを受けて、やっと外に出られた。

今回のツアー人数は6人。これまでの最少人数を更新!

成田で1℃だった外気温は、ホーチミンでは一気に30℃近くまで上昇。ダウンジャケットとセーターを脱いで半袖のポロシャツ1枚で十分にしのげる陽気。スーツケースをドライバーに預けてバスに乗り込み、ホーチミン市内観光に出発。
今回のツアー人数はたった6人。添乗員付きのツアーでこれまでの最少人数は、7年前のフランス旅行の8人。これよりも2人少なく、よく催行したものだと感心する。添乗員の話では、出発1月前にキャンセルが続出して6人になったとのこと。最初から催行が立ったツアーなので、キャンセルが多いからといって不催行にできなかったようだ。6人の内訳は夫婦が3組。私たちを含めいずれも60代から70代の夫婦。バスの中は、1人で2座席を使っても、3列で収まってしまう。

ホーチミンのバイク
ホーチミンのバイク
統一会堂
統一会堂

バイクの多さに圧倒されるホーチミン!

ホーチミンの市街地を走っていて一番驚くのは、異常な数のバイク。半端な数ではない。路地や車の隙間から湧き出るように現れ、道一杯に群がって走るバイクは、まるで蜂の群れ。バイクの多さに圧倒される。人口900万人のホーチミンで車200万台に対し、バイクは600万台あるという。車の3倍のバイクがひしめいているのがベトナムのようだ。
最初に訪れたのは統一会堂。南ベトナム政権時代の大統領官邸を博物館に再利用している。1975年4月人民解放軍の戦車が正面から突入し占拠。ベトナム戦争が終結したという。館内には、内閣会議室や地下指令室など、100以上の部屋があり、一部が当時のままの状態で公開されているが、現地ガイドによると、入館料4万VND(200円)を支払ってまで見るべき価値はあまりないとのこと。ここは外から写真を撮るだけ。
現地ガイドは、30代のがっしりしたスポーツマンタイプの青年。流暢な日本語を話すので、日本の滞在経験が長いのかと思いきや、大学で日本語を勉強し、日本には研修で1週間いただけだという。きちんと敬語まで話すのには驚く。 統一会堂の次は、サイゴン大教会。19世紀に建てられた2つの尖塔を持つ赤レンガ造りの優美な教会。教会前は、観光名所とともに市民の憩いの広場になっており、多くの人びとが集まる。その混雑を押し分けて記念撮影。残念ながら教会は現在改修中、一部フェンスで覆われている。

サイゴン大教会
サイゴン大教会
中央郵便局
中央郵便局

サイゴン大教会の隣が中央郵便局。19世紀のフランス統治時代に建てられたヨーロッパの駅に似た造りの建物。当時の雰囲気を漂わせている。中に入ってみると、正面にはベトナムの民族的英雄、ホー・チ・ミンさんの大きな肖像画。その下で今も郵便局の営業を行っている。
ここで30分のフリータイム。付近を散策したあと、郵便局の売店で切り絵のクリスマスカードを購入。1枚2万VND。米ドル($1)で支払うことができた。観光客が集まるところは、米ドルで支払いができるらしい。

初日からベトナム料理を堪能!

フリータイムのあと、夕食のために旧市街のレストランにバスで移動。すでに夕方の通勤ラッシュが始まり、幹線道路はバイクで溢れ大渋滞。なかなか前に進まず、数キロの距離を行くのに30分を要して、ようやくレストランに到着。
4時半すぎに夕食を食べることになるが、通常であれば早すぎる時間帯も、日本とベトナムの時差が2時間。機内食の昼食が11時(ベトナム時間で9時)頃だったので、ほどよくお腹が空いて、ちょうど良いタイミング。
メニューは南部ベトナム料理。エビが入ったお好み焼きのような「バインセオ」。魚介類のスープに春雨風の細い麺が入った「フーティウ」。昨年カンボジアで食べた麺料理をよく似た味だった。このほかに料理名は分からないが、魚のフライ、野菜炒め、揚げ豆腐など食べきれない量の料理が出てきた。いずれも日本人好みに味つけを変えているのか、美味しく食べられて、とても満足。
ツアーメンバー6人全員でテーブルを囲んでいたので、どこから来たのかを自己紹介。70代のご夫婦は神奈川の茅ケ崎、私たちと同年配のご夫婦は千葉から参加していた。酒好きの千葉のご夫婦は、早速サービスの地ビールを美味しそうに飲んでいた。添乗員は、30代の小柄な青年。普段は東京本社で企画の仕事をしており、今回は特別に添乗業務に就いたようだ。道理でいつものH社の添乗員とは感じがまるで違う。

バインセオ
バインセオ
フーティウ
フーティウ

一見の価値があるベトナム伝統芸能「水上人形劇」

夕食後、ベトナム伝統芸能「水上人形劇」を観賞するためにバスで劇場に向かう。水上人形劇は、ベトナム北部に伝わる伝統芸能。今では南部のホーチミンでも、本場さながらの迫力の劇が楽しめる。劇場は、収容人数200人程度の小さな映画館並みの規模。黄土色に濁った水面を舞台に魚釣りや田植え、ボートレースといった生活に根差した民話が、3~5分のスパンで次々と展開。民族音楽の演奏と奏者のかけ声に合わせて演目が進むので、言葉は分からなくても十分に楽しめる。見ているだけでは、どのようにして人形を操っているのか、分からなかったが、あとで現地ガイドに尋ねると、水中に潜ったり、道具を使って外から操作しているらしい。16の演目が45分間休みなく演じられ、とても見応えがあった。

水上人形劇の劇場
水上人形劇の劇場
水上人形劇の実演
水上人形劇の実演

水上人形劇の鑑賞後、再びバスでホーチミンの中心にあるホテルに向かう。「宿泊は全都市ワンランク上のスーペリアホテル!」という触れ込みに違わず、高級感のあるホテル。部屋は広く、前泊した成田の東横インの2.5倍。シャワー室とバスタブが別れていて、バスローブまで備え付けられている。朝が早かったのと長時間のフライト疲れで、シャワーを浴びて早々に就寝。

2日目 ベトナム最後の王朝、グエン朝王宮を訪れる!

6時すぎに起床。7時から1Fのレストランで朝食。メニューは、和・洋・中から昨夜食べた「フーティウ」の麺類まで豊富に用意されている。あまり食欲がないので、ハム・ウインナー、茹で卵、野菜サラダ、パンなどで簡単に済ます。ベトナムのコーヒーは、エスプレッソのような濃いコーヒーに甘い練乳を入れて飲むのが一般的のようだったが、コーヒーそのものは苦いだけで風味がなく、まったく口に合わない。
今回のツアー、ワンランク上のスーペリアホテルに宿泊するだけあって、ポーターサービス付き。レストランに行く前にスーツケースを廊下に出しておくだけで、ポーターがバスまで運んでくれていた。

国内線でホーチミンからフエへ!

午前中のスケジュールは、フエまでの移動。8時30分ホテルを出発して空港に向かう。ちょうど朝の通勤ラッシュの時間帯。蜂の群れのようなバイク集団が縦横無尽に道路を駆け巡っている様子は、躍動感に溢れ、活気を感じる。今まさに発展しつつあるベトナムの姿が、このバイクの群れを通して垣間見られる気がする。
道路は渋滞していたが、空港が近いので、30分で到着。パスポートとEチケットを提示してチェックイン、スーツケースを預ける。受付カウンターは混んでいなかったが、セキュリティーチェックに長蛇の列。30分並んでやっと通過。セキュリティーゲートを潜る際に靴まで脱がされた。搭乗開始まで時間が余ったので、空港内を散策。お店の大半がレストランか、お土産物の売店。これといったものがなく、何も買わなかった。
搭乗口からバスで飛行機まで行き、タラップを登って機内に乗り込む。定刻の11:10飛行機は離陸し、12:30フエに着陸。所要時間は1時間20分。

ホーチミン発フエ行の飛行機
ホーチミン発フエ行の飛行機
フエ名物「ブンボーフエ」
フエ名物「ブンボーフエ」

都会的な雰囲気が一変、フエは純粋な田舎町!

都会的な雰囲気が漂ったホーチミンとは風景が一変して、フエは純粋な田舎町。昨年旅行したカンボジアのシュリムアップと感じが似ている。半袖で十分に過ごせたホーチミンと比べると、気温が少し下がり、上に長袖のシャツを羽織ると、ちょうど良い感じ。空港からバスで昼食を摂るレストランに直行する。
昼食はフエ伝統料理。まずは名物「ブンボーフエ」から。米麺ブンを使った牛肉のピリ辛味のスープが絶妙で、思わず舌鼓を打つ。麺料理の次は、蒸した白魚、チンゲン菜、魚のフライ、鶏肉などの料理が次々に出てきた。デザートはカステラとお茶。どれも美味しくて大満足。

昼食後、フエ観光がスタート。フエは、ベトナム最後の王朝、グエン朝の都が置かれたところ。フォン川のほとりに王宮、寺院、皇帝廟など、風格ある建造物が静かに佇んでいる。かつて栄えたこれらの建造物群は、1993年ベトナム初の世界遺産に登録。まずは、その中心的な存在であるグエン朝王宮を訪れる。東西642m、南北568m、高さ6mの城壁に囲まれ、さらにその外側に壕を張り巡らせた長方形の王宮は、中国の紫禁城を模して建てられたという。13代にも及ぶ歴代皇帝の居城として使われた。東西南北にそれぞれ門があり、正門は南の午門、東に顕仁門、西に彰徳門、北に和平門。
私たちは駐車場でバスを降り、現地ガイドの案内で東の顕仁門から入場する。南の午門に回って写真を撮ったあと、王宮の正殿、タイホア殿に向かう。これも紫禁城の太和殿を模して建てられたもの。中央に玉座が置かれ、即位式など、さまざまな儀式が行われていたようだ。現在は一部改修中で足場が組まれている。タイホア殿の北側に朱色の回廊があり、色鮮やかな装飾は、当時の栄華を偲ばれる。

顕仁門
顕仁門
色鮮やかな朱色の回廊
色鮮やかな朱色の回廊

ベトナムの伝統雅楽「ニャーニャック」を観賞!

回廊近くのロイヤルシアター(閲是堂)でベトナムの伝統雅楽「ニャーニャック」を観賞。かつて皇族のみが楽しんだといわれた劇場を復元し、一般に公開。劇場内は、煌びやかな舞台を設え、100人程度の椅子が並べられているが、観客は私たちを含め10人ほど。最前列の特等席で観ることができた。楽団だけの演奏で始まり、龍の舞、美女の舞、王と王妃の舞など、40分間雅楽と宮廷舞踊を楽しませてくれた。このニャーニャックは、ユネスコの世界無形遺産に登録されている。

ニャーニャック観賞後は、王宮内をほぼ1周散策して駐車場に戻り、バスでティエンムー寺に向かう。ティエンムー寺は、フォン川沿いの崖の上にあるお寺。1601年創建、高さ21mの八角形七層の仏塔、トゥニャン塔が有名。石段を登ってトゥニャン塔をバックに写真撮影。このお寺、境内が想像以上に広く、お堂や石碑などが建てられている。ベトナム戦争中、このお寺の住職が政府に抗議して焼身自殺したことでも有名。そのときに住職がサイゴンまで乗った自動車が中庭に展示されている。

伝統雅楽「ニャーニャック」
伝統雅楽「ニャーニャック」
トゥニャン塔
トゥニャン塔

グエン朝時代の衣装を着て宮廷料理を食する!

ティエンムー寺のあと、ホテルに行ってチェックインしたあと、再集合してバスで夕食のレストランに向かう。フエの繁華街にあるレストランでの夕食は宮廷料理。食事の前にグエン朝時代の衣装を着て記念撮影。食事中は、衣装を纏った4人の若い男女が奏でるベトナム伝統楽器による生演奏が流れる。途中で「夕焼け小焼け」「花」などの日本の童謡まで披露され、サービス満点。
最初に出されたキュウリやニンジンで鳥や花を細工した前菜に一同感激。次はカニの入った魚介類のスープ。これが絶品でとても美味しい。続いてエビや魚のフライ、さつま揚げのような揚げ物、ご飯は白米ではなく、チャーハン。いずれも日本人が好みそうなアッサリした味付けで、サービスの地ビールを飲みながら美味しくいただく。期待以上に美味しい料理に大満足。

鳥や花を細工した前菜
鳥や花を細工した前菜
ベトナム伝統楽器の生演奏
ベトナム伝統楽器の生演奏

帰りはバスに乗らずに現地ガイドに付近を案内してもらいながら徒歩でホテルに戻る。現地ガイドは、20代の浅黒い肌のいかにもベトナム人という青年。流暢な日本語を話すので、日本で学んだと思いきや、独学で勉強しただけで、日本には一度も行ったことがないとのこと。これにはとても驚いた。
フエの中心部にあるホテルは、クリスマスのイルミネーションがとても綺麗なシティホテル。部屋が広く、高級感が溢れていたが、如何せんシャワーの出が悪かった。これもお国柄かもしれない。

3日目 幻想的な風景に一変するホイアンの街に感動!

ホーチミンのホテルの階数表示は、日本と同じ1階から始まっていたが、ここフエのホテルは、1階を「G階」と表示され、実質2階が1階の表示だったので、少し戸惑う。同じ国なのに階数表示が異なるのにはビックリ。
6時前に起床し、6時半からG階のレストランで朝食を摂る。昨日は、昼・夜ともに美味しい料理を食べ尽したので、朝は食べすぎないように、野菜サラダ、パン、果物、ジュースなどで簡単に済ます。
部屋に戻ってスーツケースを廊下に出す。このホテルもポーターサービス付き。出発までの時間、お湯を沸かして日本から持ち込んだドリップコーヒーを味わう。すでにベトナムでは美味しいコーヒーが飲めないと諦めていた。

フエからホイアンにバスで移動

8時にホテルを出発、バスでホイアンに向かう。移動距離は180km。途中に東南アジアで最長、全長6kmのトンネルを通過。このトンネル、バイクは通行禁止。ではどうするのか。バイクをトラックの荷台に積み込んで運んでもらい、人間はバスで通過するらしい。因みに、料金は両方で3万VDN(150円)。
ダナンに入ったところで、お土産物店でトイレ休憩。このお店、商品の説明が日本語で書かれており、しかも日本語が通じるので、とても便利。お土産用にチョコレート、ココナッツクリーム、ココナッツクッキーなどを大量に購入。支払いも米ドルでOK。

フエのホテル
フエのホテル
ダナンの街並み
ダナンの街並み

風情ある古い街並みが残るホイアン旧市街!

11時30分ホイアンに到着。直ちに観光がスタート。約180年前の街並みが残る旧市街には、風情ある木造家屋が建ち並ぶ。かつては、アジアとヨーロッパの交易の中心地として栄え、16~17世紀には日本人街がつくられ、ベトナムの中でもっとも日本人にゆかりのある街といえる。
旧市街の駐車場でバスを降り、現地ガイドの案内で旧市街を散策。最初に訪れたのは、中国福建省の出身者たちの集会所で、今も活用されているという福建会館。ピンク色の派手な門を潜ると、赤と黄色のいかにも中国風な建物が佇む。中に祭壇が設けられ、航海安全の守り神、天后聖母が祀られている。全員で線香を立ててお参りする。
福建会館の次は、海のシルクロード博物館。伝統的な2階建て民家を博物館として再利用。中に入ると、ごく普通の民家で、フエ周辺で発掘された陶磁器、沈没船から引き揚げられた遺物などが展示されている。日本人街や朱印船を描いた絵巻の写真から、当時の日本人の暮らしぶりが伺える。

福建会館
福建会館
海のシルクロード博物館
海のシルクロード博物館

日本人ゆかりの来遠橋!

福建会館や海のシルクロード博物館が建ち並ぶチャンフー通りの突き当りが来遠橋。16世紀末ホイアンに住む日本人が建造したといわれている屋根付き橋。「日本人橋」とも呼ばれている。橋の中にお寺があり、大ナマズ伝説が信じられた当時、その怪物を鎮魂する目的でお寺が造られたという。1月前の大洪水で橋の大半が水没したらしい。
最後に来遠橋の隣にあるフーンフンの家に立ち寄る。約200年前に貿易商人の家として建てられた木造建築。ベトナム様式と中国様式が混ざった建物で、屋根には日本の建築様式も取り入れられた一風変わった建物。家の中でシルク製品や民芸品などの土産物を販売。

来遠橋(日本人橋)
来遠橋(日本人橋)
フーンフンの家
フーンフンの家

チャンフー通りを引き返し、駐車場の近くのレストランで昼食。メインの麺料理は、ホイアン名物「ミークアン」。幅が広い汁なし麺。甘辛く煮付けたエビや豚肉が添えられ、麺と一緒にゴマせんべいに載せて食べる。これまでの麺とはひと味違うが、微妙に美味しかった。そのほかにバナナの実のサラダ、蒸した魚のすり身、野菜炒め、魚のフライ、スープなどが出てきた。スープだけがイマイチで、コンソメ風味のスープに甘いパイナップルが入っていて、味のアンバランスが甚だしい。しかしスープを除くと、美味しいものばかりで、お腹一杯中部郷土料理を味わう。

チャンバ王国の聖地、ミーソン聖城!

昼食後、バスで世界遺産ミーソン聖城に向かう。ミーソン聖城は、チャンバ時代の寺院遺跡。2世紀から17世紀の間、長くベトナム中南部で外国との交易で栄えたチャンバ王国、その中心的聖地がミーソン。四方を山に囲まれた盆地の中央にある。ヒンズー教のシヴァ神が祀られていたという。

ミーソン聖城の入口ゲート
ミーソン聖城の入口ゲート
ミーソン聖城の遺跡群
ミーソン聖城の遺跡群

ホイアンから1時間半で到着。駐車場でバスを降り、徒歩で入口ゲートを潜り、200m先の橋を渡ったところで電気自動車に乗車。5分ほど走ると遺跡の入口があり、そこで下車し、さらに10分ほど歩いてようやく遺跡に到着。レンガ造りの古い建物が点在しているが、ベトナム戦争時、米軍の空爆により多くが破壊され、残念ながら元の形を完全に残しているものはほとんどない。しかし歴史的価値が高いことで、世界遺産に登録。70棟もの遺構が草木に埋もれ、自然に溶け込んでいる風景がとても美しい。
遺跡の入口まで戻り、管理小屋の中で「チャムダンスショー」を観賞。ベトナムの伝統楽器の演奏に合わせて、色鮮やか衣装を着た女性が踊るのは、昨年カンボジアで観たアプサラダンスとよく似ている。僅か15分間の短いショーであったが、多くの観客が楽しんでいた。

遺跡の中に作られた展示室
遺跡の中に作られた展示室
チャムダンスショー
チャムダンスショー

絶品のホイアン名物を堪能!

往路と同様に電気自動車に乗って駐車場まで引き返し、バスでホイアン市街地に戻る。午前中に停めた同じ駐車場でバスを降り、チャンフー通りのレストランまで歩き、そこで夕食。メニューはホイアン名物料理。
最初に「揚げワンタン」と「ホワイトローズ」。揚げワンタンは、豚ミンチとエビのすり身を皮で包んで揚げたもの。ホワイトローズは、米粉の皮にエビのすり身を詰めて蒸したもので、半透明の皮が開いている白いバラのように見えることからのネーミング。どちらもエビを素材したものだが、ビールのおつまみに最適。
メインの麺料理は「カオラウ」。ホイアン名物の汁なし麺で、コシの強い麺に野菜や豚肉などを載せて食べる甘辛い一品。食欲がそそられる。このほかに炒め物とご飯が出され、すべて食べ尽すとほぼ満腹。この食事も評価は満点。

揚げワンタン・ホワイトローズ
揚げワンタン・ホワイトローズ
カオラウ
カオラウ

夕暮れどきにランタン流しを体験!

夕食後は、ホイアン市街地を流れる川でランタン(灯篭)流しを体験。日が暮れて辺りが暗くなると、お店の軒先や商店街のアーチに吊るされたランタンが鮮やかに映える。川にもランタンが流され、ホイアンの街がランタン一色になり、幻想的な風景に一変する。現地ガイドの案内で、ランタンショップでロウソクに火をつけてもらい、願いを込めて川に流すことに。川面まで1mほどあるので、竹竿の先にランタンを載せて川面に浮かべる。

ランタンを浮かべた川面
ランタンを浮かべた川面
ランタンを吊るしたアーチ
ランタンを吊るしたアーチ

ここで30分間のフリータイム。川の両岸でナイトマーケットが開催。しばらく辺りを散策するが、人出が多く、露店やランタン売りの客引きが煩く、のんびり歩いていられない。
フリータイム終了後、バスでホテルに向かう。ビーチ沿いにあるホテルは、高級感溢れるリゾートホテル。部屋が広くゴージャスで、窓から海が見えるオーシャンビュー。このホテルもポーターサービスが付き。スーツケースを運ぶ必要がなかった。1日歩き回った疲れで、シャワーを浴びると、バタンキューで就寝。

4日目 シャワーが使えないトラブル発生!

今日の予定はホイアンからハロンまでの移動。11:40ダナン発の飛行機に搭乗予定で、ホテル出発も遅く9時30分。7時に起床してレストランで朝食を摂ったあと、ホテルの目の前にあるビーチを散歩しようと目論んだが、生憎の雨で波も高く、断念する。出発までの時間を日本から持ち込んだドリップコーヒーを飲んで寛ぐ。
予定通り9時30分バスでホテルを出発したものの、航空会社から添乗員にハノイ行の飛行機が遅延する旨の連絡があり、急遽時間調整のためダナンのショッピングモールに立ち寄ることに。
大きなビルのショッピングモールには、貴金属店や家電量販店、アパレルショップ、スーパーなどがあったが、特にほしいものがなく、ただ時間を潰すだけ。30分そこで過ごしたあと、再びバスで空港に向かう。

ホテル前のビーチ
ホテル前のビーチ
フォーボー
フォーボー

1時間10分遅れでハノイに到着!

11時ダナン空港に到着。ベトナム航空のカウンターでチェックイン。セキュリティーチェックも混雑はなく、すんなり通過。あとは搭乗を待つだけであったが、これがなかなか始まらない。1:55搭乗開始の予定が、待つこと45分、やっと飛行機に乗り込むことができ、当初予定より1時間10分遅れてダナンを離陸。
出発が遅れたものの、フライト時間は変わらず午後2時10分にハノイに着陸。ところがスーツケースがなかなか出てこない。お国柄なのか、人手不足なのか、分からないが、ターンテーブルで30分以上も待たされ、ようやくスーツケースを手にすることができた。

全員のスーツケースが揃ったところで、空港ビル4階のレストランで遅くなった昼食。最初に麺料理の「フォーボー」。お腹が空いていたので、直ちに完食。現地ガイドの話では、ベトナムの味つけをひと言で表すと、「北は薄く、中部は濃く、南は甘い」。これが的を射ており、薄めのアッサリした味は、日本人の口に合う。それにしても、今回のツアー、行くところで名物の美味しい麺料理を食べられる。麺好きの私たちには、堪らないツアーになりつつある。フォーボー以外に、海鮮野菜サラダ、揚げた豆腐、炒めたチンゲン菜、カボチャのスープが出てきた。すべて美味しく食べ尽し、大満足。

陶磁器の村バッチャンで工房見学

3時40分バスでハノイ空港を出発。40分ほどで陶磁器の村、バッチャンに到着。バッチャンは、ベトナムを代表する陶磁器づくりの里。1,000軒ものバッチャン焼の窯があるという。店先には、人や動物の置物、壺や食器など、たくさんの陶磁器が並べられている。そのうちの1軒を訪れ、トイレ休憩を兼ねて工房を見学。機械で作られた素焼きの食器を手作業で絵付けする作業を見ることができた。記念に小さなレンゲを2個購入($4×2)。
工房見学後、バスでハロン湾に向かう。約4時間かかるため、途中お土産物店に立ち寄り、トイレ休憩。ここで試飲した蓮茶がとても美味しく、$12を$10に割り引いてくれるというので、予定外に購入。

店先の並べられた陶磁器
店先の並べられた陶磁器
絵付けの作業風景
絵付けの作業風景

ラスベガス並みのネオンが輝くハロン湾のホテル街!

8時30分長いバス移動の末、ようやくハロン湾に到着。着いてビックリ。ハロン湾のホテル街は、ラスベガス並みのネオンが煌々と輝く艶やかさ。数多くのホテルがひしめき、今なお建設中のホテルも多いという。とても自然遺産の街であるとは思えない派手さ。
私たちのホテルも、そこそこ高級で派手なホテル。部屋に入る前にホテルのレストランで遅くなった夕食。メニューは北ベトナム料理。最初の麺料理は、ハノイ名物ベトナム風つけ麺「ブンチャー」。細めの米麺ブンを揚げ春巻きやつくね、豚肉、野菜と一緒にたれにつけて食べる。このたれが、酸味と甘みが絶妙にミックスした味付けで、食が大いに進む。ブンチャー以外にも、エビのチリソースや野菜と鶏肉の炒め物、トマトのスープなど、多くの料理が出されたが、すべて食べ尽し、北ベトナム料理を満喫する。ただし、最後に出されたデザートのぜんざいだけは、評価がイマイチ。

ブンチャー
ブンチャー
ハロン湾のホテル
ハロン湾のホテル

トラブル発生! お湯が熱くならない!

食事中に添乗員がチェックインをしてくれていたので、食後に部屋に直行すると、スーツケースが運び込まれていた。このホテルもポーターサービス付き。長距離移動の疲れですぐにシャワーを浴びようとしたが、ここでトラブル発生。シャワーのお湯が熱くならない。ベトナムのホテルはタンク式なので、カードキーを差し込んでも、しばらくしないとお湯が使えないと聞いていたので、30分ほど待ったが、生温いお湯しか出てこない。この状態でシャワーを浴びると、風邪を引きかねないので、内線電話で添乗員に連絡をとり、フロントにかけあってもらうことにした。しばらくして添乗員がフロントの女性と一緒に部屋にやってきたので、お湯の状態を実際に見てもらう。フロントの女性は、しばらくすると、熱くなるはずだからもう少し待ってほしいと言い訳したが、1時間前から同じ状態だと反論する。このままではシャワーを浴びれないので、部屋を替えてもらうことができないかを添乗員に交渉してもらうことにする。
替わりの部屋が見つかったというので、添乗員と一緒に部屋を見に行くと、少し熱めのお湯が出るものの、シャワーで使うまでの温度には上がらない。替わりの部屋がこれでは、移る意味がないので、諦めて部屋に戻ると、同じフローの日本人客が廊下に出て、お湯が熱くならないと騒いでいた。騒がしいに気づいた千葉のご夫婦も廊下に出てきて、はやりお湯が熱くならないとのこと。私たちの部屋だけではなく、すべての部屋で同じ状況なのだ。現地ガイドも駆けつけてくれ、廊下でフロントの女性に交渉してくれたが、状況はまったく変わらない。ホテルの作業員が調べた結果、これからタンクにお湯が貯まるので、あと数時間すれば、お湯が使えるようになるとのこと。ここまま廊下で話をしていても埒が明かないので、タンクにお湯が貯まることを祈って解散するほかはなかった。
ということで、この日はシャワーを浴びずに就寝。

5日目 ハロン湾クルーズを楽しむ!

朝5時に目が覚めたので、恐る恐るお湯を出してみると、昨夜の騒ぎが嘘のように熱いお湯が出てきた。すぐにシャワーを浴びてスッキリする。夜の飛行機で帰国するため、今晩は機内泊になるので、シャワーを浴びられてホッとする。ベッドで寝そべってウトウトしていると、突然のモーニングコール。慌てて身支度をしてレストランで朝食を摂る。事前に添乗員から昼食は早めで、11時すぎになると知らされていたので、フォー(麺)と果物(スイカ)だけで軽く済ませる。
昨夜のお湯のトラブル、添乗員の情報では、何らかの原因でホテル全体の給湯器のスイッチが切れたらしい。タンクにお湯がなくなっているのに気づき、慌ててスイッチを入れたらしいが、すぐにお湯が貯まらないので、大騒ぎになったようだ。私たちのフロアだけではなく、ホテルの全部屋で同じ状況で、フロントにクレームが殺到したらしい。

クルーズ船に乗り込む
クルーズ船に乗り込む
ハロン湾の風景
ハロン湾の風景

風光明媚な「海の桂林」と称されるハロン湾!

8時30分バスでホテルを出発、ハロン湾クルーズ船の乗場に向かう。以前はホテル街の近くにあった乗場が、今はトゥアンチャウ島に集められている。島といっても橋が架かっているので、バスで直行できる。15分で乗場に到着。宿泊ができる大型船から小さな船まで、大小さまざまな多くのクルーズ船が停泊。
ハロン湾の「ハロン」とは、「龍が降りる地」という意味。静かな海面から2,000もの奇岩がそそり立つ風光明媚な景観は幻想的で「海の桂林」と形容されている。その昔、外敵の侵略に悩まされていたこの地に、龍の親子が降り立ち、敵を打ち破って宝玉を吹き出し、それが奇岩となり、海からの外敵の侵入を防いだという。深いエメラルドグリーンの海は、この伝説がよく似合っている。世界遺産に登録されて以来、世界各国の旅行者の注目を集め、近年の観光開発が著しい。外資系のホテルや観光スポットが次々と建設され、今やベトナムを代表する一大観光地になっている。

クルーズ船内で海鮮料理を堪能!

私たちは、20~30人が乗れる中型船に乗り込む。貸し切りなので、乗船客は現地ガイドと添乗員を含め8人だけ。予定通り9時に出航。すでに湾内には無数のクルーズ船が航行している。現地ガイドの案内では、ハロン湾クルーズは、3時間、6時間、1日、2日、3日の5つのコース。私たちの船は最短の3時間コースなので、ハロン湾のほんの一部しか見ることができない。
出航して30分、ハロン湾を代表する鍾乳洞「ティエンクン洞窟」でいったん下船。現地ガイドの案内で鍾乳洞を見学。洞窟の中は、階段やフットライトで順路が整備されているので、とても歩きやすい。洞窟特有のジメジメ感はなく、カラッとしている。真ん中に高さ20mほどの大きな空間があり、ブルーやグリーンにライトアップして幻想的な雰囲気を漂わせている。

ティエンクン洞窟の入り江
ティエンクン洞窟の入り江
ティエンクン洞窟の鍾乳洞
ティエンクン洞窟の鍾乳洞

約30分で順路を1周して船に戻り、再びハロン湾内をゆっくりと航行。突然小さな船がクルーズ船に近寄ってきたのを訝しく思っていたら、若い女性がこちらの船に飛び乗ってきた。手にしていた籠の中には、ハロン湾で獲れたと思われる魚や貝が入っている。どうやら魚や貝を売りにきたようだ。美味しそうに見えたが、この場で食べるならまだしも、生の魚介類を日本に持ち帰るわけにもいかず、誰も買おうとしない。断られるのに慣れているのか、彼女は笑顔で手を振って船に戻っていった。
ハロン湾の名所の1つで、鶏が闘っているように見える「闘鶏岩」に接近したあと、クルーズ船は帰路につく。船室に戻って早めの昼食。メニューは海鮮料理。海鮮料理といっても、生のものはなく、茹でる、揚げる、炒めるなど、調理をしたものばかり。茹でたエビ、揚げ春巻き、魚のフライ、イカと野菜の炒めものなど、盛りだくさんの料理が出された。味は申し分なく、お昼からお腹が満杯。いつもの昼食では、地ビールのサービスが付いていないが、昨夜のお湯のトラブルのお詫びに、H社が特別にドリンクを無料でサービスしてくれた。

闘鶏岩
闘鶏岩
ハロン湾のクルーズ船
ハロン湾のクルーズ船

ハロン湾からハノイにバスで移動

3時間のクルーズを終えたあと、バスでハノイに向かう。走行距離は220km。途中お土産物店でトイレ休憩。この店で、枯葉剤の被害を受けた身障者が製作した刺繍絵が販売されていた。ベトナム戦争時に米軍が投下した枯葉剤の被害は、直接の被害者だけではなく、その子孫まで及び、今なお根深い傷がベトナムに残されている。店内では、一見するだけでは身障者には見えない縫子たちが刺繍の作業をしていた。寄付する気持ちで、ベトナムの風景が描かれた小さな刺繍絵を1枚購入($10)。

1,000年の歴史を刻むタンロン城遺跡!

3時45分ハノイに到着。ハノイ観光の最初は、タンロン城遺跡を訪れる。ハノイの旧市街の西側の一画に、11~19世紀に栄えたベトナム王朝の城が築かれている。かつては、この一帯は軍の管理下におかれ、一般の入城は制限されていたが、発掘調査の終了後、遺跡の一部が一般公開。城内には、発掘現場の展示場や遺跡内から出土した遺物を展示した資料館もある。
駐車場でバスを降り、チケット売り場のゲートを抜けて城内に入ると、広い中庭。しばらく歩くと、見学に来た小学生の集団に遭遇。ワイワイガヤガヤと、どこの国でも騒がしいのが子供たち。第一城壁の正門、ドアン門を潜ると、龍の手すりの石段が見えてくる。この石段の上が皇帝の宮殿があったとされる一画。建物自体は、近年建て替えられ、発掘された土器などを展示。北側にフランス統治時代のフランス軍やその後の旧北ベトナム軍が作戦司令部として使用していた建物が現存しており、地下約10mに造られた地下室が一般公開。この作戦司令部は、ソ連の援助で造られ、原子爆弾にも耐えられる設計といわれている。

タンロン城遺跡
タンロン城遺跡
龍の手すりの石段
龍の手すりの石段

今なお多くの人びとが参拝に訪れるホーチミン廟!

タンロン城遺跡の次は、ホーチミン廟。1969年に亡くなったベトナムの民族的英雄、ホー・チ・ミン主席の遺体が安置されている。大理石造りの廟は、蓮の花をかたどったデザイン。毎日ベトナム全土から多くの人びとが参拝に訪れる。廟は24時間衛兵によって警備され、1時間ごとに交代。タイミングよく衛兵の交代式を見ることができた。

ホーチミン廟
ホーチミン廟
衛兵の交代式
衛兵の交代式

市民憩いのホアンキエム湖!

ハノイ観光の最後は、ホアンキエム湖。ハノイは東側にホン川が流れ、あちこちに湖が点在する。その中の1つであるホアンキエム湖は、観光の中心エリアで、整備された湖畔道路を行き交う人が多く、早朝や夕暮れどきは、市民の憩いの場所。湖の南端から大劇場まで延びるチャンティエン通りの両側には、ギャラリー、ブティック、カフェ、土産物店などが軒を連ねる。
ハノイ大聖堂の前でいったん解散してフリータイム。大聖堂前の広場は、クリスマスコンサートの準備中で、色鮮やかなイルミネーションが飾られていた。とてもロマンティックな雰囲気で、ハノイの恋人たちが集う場所のようだ。私たちも、大聖堂をバックに記念写真。

ホアンキエム湖
ホアンキエム湖
ライトアップのハノイ大聖堂
ライトアップのハノイ大聖堂

最後の食事カジュアルフレンチも最高!

フリータイムのあと、バスで民芸品店に立ち寄り、ショッピングタイム。無料でトイレを借りられ、お茶のサービスもしてくれたが、値段が高く、誰も買おうとしないので、30分の予定を20分に繰り上げ、旧市街のレストランに向かう。
小さなビルの2階にあるレストランでカジュアルフレンチの夕食。これが驚くほど美味しかった。ベトナム料理を食べ続けていただけに、口直しのタイミングとして絶妙のメニュー。
前菜は、生野菜をアレンジしたサラダ。これまで炒めた野菜が多かったので、生野菜を酸味の効いたドレッシングで食べると、野菜がとても新鮮に感じる。次はカボチャのスープ。あまり甘くなく、カボチャにしてはアッサリした味付け。メインは、肉料理と魚料理から選択。私は、豚肉の煮込み料理をチョイスしたが、これが正解。肉はとても柔らかく、付け合わせのニンジンやジャガイモなどと一緒に美味しくいただく。最後のデザートのプリンが格別。日本の高級洋菓子店のプリンと比べても、遜色のない味だったが、コーヒーだけは変わらずイマイチ。ベトナムコーヒーは私の口には合わないようだ。

フレンチレストラン
フレンチレストラン
メインの豚肉の煮込み料理
メインの豚肉の煮込み料理

ベトナム最後の美味しい食事を終えたあとは、帰国の途につくためバスで空港に向かう。9時すぎに空港に到着。すぐに受付カウンターでチェックインしたが、なんと並び席がとれない。3列の真ん中の席の縦並び。出発3時間以上も前なのに、なぜ席がとれないのか、添乗員にクレームをつけるが、満席なので仕方がないとの弁。私たちだけではなく、ほかの2組も同じ状況なので、これ以上文句をいわなかったが、酷い話である。添乗員が事前に席を確保していたら、決してこのようなことにはならないはず。3列の真ん中が空いているということは、両サイドは1人客で、事前の手配をしない限り真ん中が空くのが当然の結果。何もしない添乗員に対して、帰る間際になって苛立ちを覚える。
出国審査もセキュリティーチェックも、それほど待たされることがなく、すんなり通過。フライトまで約2時間、搭乗口のベンチに座って時間を潰す。

最終日 旅の疲れが出て機内で爆睡!

飛行機は定刻の0:40ハノイ空港を離陸し、帰国の途につく。夜が遅いのと旅の疲れが出て離陸とともに爆睡。数時間後、朝食のために起こされ、眠気を堪えながら完食。往路と同様洋食を選んだが、これが結構美味しかった。ベトナム航空の機内食は、ほぼ合格点が与えられる。お腹が膨らむと、再び睡魔が押し寄せて爆睡。
ガタっという振動で目を覚ますと、すでに成田に着陸していた。時刻は予定通りの7時(日本時間)。慌てて身支度をする。早朝のため入国審査場はガラガラですぐに通過。スーツケースが出てくるまで時間があるので、ターンテーブルのフロアのトイレで歯磨きと洗面。このトイレは、利用者が少なく、ちょっとした穴場。スッキリした気分でターンテーブルに行くと、ほどなくしてスーツケースが出てきた。ベトナムのように長く待たされることもなかった。
添乗員とツアー仲間に挨拶したあと、税関はスムーズ通過できたが、7:27のスカイライナーに間に合わなかった。次は8:21発。モーニングコーヒーで時間を潰しても良かったが、待つには時間がありすぎるので、7:50発のアクセス特急に乗ることにした。東松戸で武蔵野線に乗り換える。平日ならば通勤時間帯であるが、祝日の土曜日のため武蔵野線も空いていた。新秋津で西武線に乗り換えて所沢に向かうつもりだったが、JR新秋津駅から西武線秋津駅の乗り換えに時間がかかるので、東所沢で下車してタクシーを拾って自宅に戻る。

タンロン城の大太鼓と亀
タンロン城の大太鼓と亀
チャンティエン通り
チャンティエン通り

ベトナム旅行の感想

(1)食事が美味しかったに尽きる。パンフレットの「食事にこだわりました! 南北に長いベトナムは料理もさまざま! 各地の名物料理を含めた13回の全食事付! さらに1~4日目は各地の麺料理もご用意!」のキャッチコピーは、嘘ではなかった。世界遺産よりも食事が美味しかったことの方が印象深い。
(2)ホテルが期待以上に良かった。泊まったホテルはすべてワンランク上のスーペリアクラスで、「Crystal heart」並みの豪華さ。ポーターサービスが付き、中にはウエルカムドリンクを用意して出迎えてくれたホテルもあり、ゴージャスな気分に浸ることができた。
(3)ツアーを申し込む際、高額なツアー料金に躊躇ったが、付帯サービスが充実していたので、細々とした出費が少なく、結果的に経費を抑えることができた。通常は食事のたびにドリンク代を負担しなければならないが、今回のツアーでは、夕食はすべてドリンク付き。ハロン湾での昼食も無料だったので、ドリンク代を支払ったのは、2~4日目の昼食の3回だけ。ミネラルウォーターもすべてのホテルで350ml2本が無料。バスの中でも500mlを無料で配布してくれたので、水代の出費もほとんどかからなかった。
(4)H社にしては、気の効かない添乗員だった。本職が添乗員ではないので、多くを求めるのは、気の毒であるが、ただツアー客と一緒について回っているだけという感じ。帰りの飛行機の座席の手配を怠ったのは、いだだけない。こんなことは、H社を使って以来、はじめてのこと。
(5)北欧旅行のときもそうだったが、国内の飛行機移動は早くて便利であるが、空港での待ち時間が長いのがいただけない。団体旅行のため早めに空港に行くので、より長く待たされるのはやむを得ないことであるが、いつも何とかしてほしいと思う。特に今回は、飛行機の遅延で長い時間待たされた。

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