バルト3国旅行記

2019年5月19日~26日(8日)
ヴィリニウス、カウナス、シャウレイ、リガ、タルトゥへ、タリン

スリランカ旅行記

2019年1月20日~26日(7日)
コロンボ、シギリヤロック、キャンディ、ゴール、ポロンナルワ

ポルトガル旅行記

2018年4月13日~20日(8日)
リスボン、ポルト、コインブラ、オビドス、ナザレ、バターリャ

ベトナム旅行記

2017年12月18日~23日(6日)
ホーチミン、フエ、ホイアン、ミーソン、ハロン湾、ハノイ

イギリス旅行記

2017年4月18日~25日(8日)
ロンドン、湖水地方、コッツウォルズ、コンウイ、オックスフォード

カンボジア旅行記

2016年12月9日~13日(5日)
シェリムアップ、アンコールワット、プレアヴィヒア、ペンメリア

北欧旅行記

2016年7月5日~12日(8日)
コペンハーゲン、オスロ、ベンゲル、ストックホルム、ヘルシンキ

クロアチア旅行記

2015年3月3日~12日(10日)
リュビリャーナ、ドブロヴニク、コトル、モスタル、スプリット

オランダ・ベルギー旅行記

2014年5月26日~6月2日(8日)
ブリュッセル、ブルージュ、ゲント、アムステルダム、ケルン

中欧旅行記

2013年8月19日~26日(8日)
ウィーン、プラハ、ドレスデン、プラチスラバ、ブダベスト

スイス旅行記

2012年8月26日~9月4日(8日)
ツェルマット、グリンデルワルト、ベルン、チューリッヒ

香港・マカオ旅行記

2011年12月25日~28日(4日)
香港、マカオ

フランス旅行記

2011年8月29日~9月5日(8日)
パリ、ロワール、モンサンミッシェル、ルーアン、ヴェルサイユ

スペイン旅行記

2010年8月23~30日(8日)
マドリッド、トレド、セビリア、グラナダ、ミハス、バルセロナ

イタリア旅行記

2008年8月7日~14日(8日)
ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ピサ、ベローナ、ローマ

台湾旅行記

2009年8月30日~9月2日(4日)
台北、高雄

韓国旅行記

2007年3月26日~29日(4日)
ソウル、水原

海外旅行記

ノートルダム寺院(パリ)
ノートルダム寺院(パリ)

フランス旅行記

日程表

日 程 主なスケジュール
初 日 11:20成田発ANA便。16:40パリ着。到着後、ロワール渓谷の古城観光の拠点ブロワへ。(ブロワ泊)
2日目 午前:ロワール渓谷の古城(シャンボール城、ブロワ城、シュノンソー城)を観光。昼食は石切り場跡の洞窟レストラン。午後:モン・サン・ミシェルへ。(モン・サン・ミッシェル泊)
3日目 午前:モン・サン・ミシェル観光。観光後、ジャンヌ・ダルクゆかりのルーアンへ。昼食はノルマンディ地方の名物料理。午後:ルーアン観光(ノートルダム大聖堂、ジャンヌ・ダルク教会、大時計通り)。夕食はフランス最古のオーベルジュで鴨肉料理。(ルーアン泊)
4日目 午前:ヴェルサイユに移動し、ヴェルサイユ宮殿を観光。午後:シャンティーに向かい、シャンティー城を見物。夕食はシャトーホテルで。(シャンティー泊)
5日目 午前:パリに移動し、パリ市内を車窓観光(エッフェル塔、凱旋門、シャンゼリゼ通り、コンコルド広場)。オランジェリー美術館に入館。その後、フリータイム。(パリ泊)
6日目 終日フリータイム。(パリ泊)
7・8日目 出発までフリータイム。20:00パリ発ANA便。14:45成田着。

初日 フランスの3つの世界遺産を訪ねる旅に出発!

毎年恒例の海外旅行、今年はフランス。アルプスの氷河特急に乗るスイスもいいと思ったが、パンフレットを読み比べてフランスにする。「ロワール渓谷の古城、モン・サン・ミシェル、ヴェルサイユ宮殿の3つの世界遺産を訪ねる」というツアーのタイトルに魅せられ、さらに「自慢の名物料理など、ヨーロッパ本場の味を地元の雰囲気で堪能できるレストランをご用意します」というキャッチコピーに目が釘づけになり、即決でA社のツアーを申し込む。あとになって高めの料金に少々後悔。

手ぶらサービスは最高!

スーツケースなしで肩にかけたショルダーバッグのほかは、手提げ鞄1つで、早朝、所沢の自宅を出発し、成田に向う。知らずに申し込んだのだが、今回のツアーに「手ぶらサービス」というサービスが付いていた(旅行保険が付いていたことは知っていたが)。A社のANA直行便を利用するツアー特有のサービス。前日に自宅までスーツケースなどの重い荷物を引き取りに来てくれて引き渡すと、現地の空港で荷物を受け取れるというもの。もちろん、帰りも成田空港で預けると、自宅まで運んでくれるという、至れり尽くせりのサービス。成田で荷物を受け取り、チェックイン・カウンターまで運ばなくてもいいというのが心憎い。
旅行会社の受付を済ましたあと、ANAの自動チェックイン機でチェックイン。マイレージカードでマイルも登録。シャルル・ド・ゴール空港でちゃんとスーツケースを受け取れるか、一抹の不安があったので、係員に昨日の受付伝票を見せて確認してもらう。どうやら大丈夫らしい。飛行機は、定刻に離陸し、パリに向かう。所要時間は12時間20分。到着までの時間は映画を楽しむことにしている。今回は4本の映画を観ることができた。さすがに疲れたが、無理に眠ろうとしても、眠れないときは逆にストレスが溜まるだけなので、映画で時間を潰すのは案外有意義かも。

ルーアンノートルダム大聖堂
ルーアンノートルダム大聖堂
ヴェルサイユ宮殿
ヴェルサイユ宮殿

参加者は僅か8人の少人数ツアー!

定刻通りシャルル・ド・ゴール空港に到着。スーツケースも無事に着いていた。このツアー、徹底的に荷物を持たなくてもいいサービス付き。空港には専属のポーターを待機させ、荷物引取所からバスの駐車場まで運んでくれる。
上限が18名のツアー参加者数は僅か8名。これでよく催行したものだと感心する。イタリアのときは44名、スペインの23名に比べると、格段に少ない。8名の内訳は、私たちを含め夫婦が3組、母娘が1組。
空港から約3時間、途中ドライブインで休憩し、夜の8時半にブロアのホテルに到着。閑静な森の中にある洒落た2階建てのホテル。ここでもポーターが手配されており、翌日のスケジュールを確認し、鍵をもらって部屋に行くと、すでにスーツケースは運び込まれていた。そして朝8時まで廊下に出しておけば、バスに積んでおいてくれるようだ。費用はもちろんA社持ちで、チップも不要とのこと。

2日目 夕闇に映えるモン・サン・ミシェルはとても幻想的

雲ひとつない快晴。午前中は、ロワール渓谷の古城巡り。ホテルのレストランで軽めの朝食。フランスの朝食は、パンとカフェオレという簡単なものが一般的だが、ホテルでは外国人用にウンイナーやベーコン、煎り卵、フルーツやヨーグルトなども用意されている。9時にホテルを出発。部屋の前に出していたスーツケースはポーターによりバスに積み込まれていた。

ロワールの3つの古城を巡る!

まずはシャンポール城。巨大な森の中に静かに佇む城は、国営で管理。バスを降り、外から眺めるだけで、中には入らなかったが、青空を背景した古城は、雄大そのもので、写真のバックとしては最高。次はブロア城。この城もロワール川の対岸から眺めるだけで、壮大なお城を各々カメラに収める。3つ目はシュノンソー城。こちらは入場して見物。広大な敷地の中に佇む大きな城が個人の持ち物だと聞いて驚く。城の周囲にロワール川の支流が流れ、前面にはきれいに手入れされた庭園。しばらくの間のんびりと散策。
ロワール川沿いの石切り場を改装した洞窟レストランで昼食。前菜はロワール地方名物のパン。食パンを2回り小さくした四角いパンの1辺をナイフで裂き、具や薬味を入れて食べる。メインは豚の角煮。こちらはマスタードをつけて食べる。付け合せに薄く焼いたパンにカマンベールチーズを載せたもの。デザートは、リンゴパイとコーヒー。パイは中身の甘さを抑えていたが、外側はかなり甘い。コーヒーはエスプレッソ風で少々濃いめ。

シャンポール城
シャンポール城
シュノンソー城
シュノンソー城

名物のオムレツは巨大な玉子焼き?

昼食後、モン・サン・ミシェルまで移動。300kmを4時間。途中で一度休憩し、午後6時半にホテルに到着。2階建ての洒落たホテルは、モン・サン・ミシェルに最も近い街の一画にあり、2kmしか離れていない。周囲にホテルやマーケットが立ち並び、観光客で賑わっている。
夕食は、ホテル隣のレストランで。私たちのツアーのほか、20人ほどの日本人ツアーも同じ部屋。前菜はモン・サン・ミシェル名物のオムレツ。巨大な玉子焼きで、失敗したホットケーキにも見える。味は微妙で、決して美味しいものではない。メインは、パエリア風のライスが添えられたサーモンのステーキ。昼食が遅く、なおかつ食べすぎたので、ツアーメンバーは誰も食が進まず残していた。デザートはテラミスとコーヒー。テラミスは絶妙で、チョコレートが苦手な人でも美味しく食べられる。
モン・サン・ミシェルがライト・アップされるので、早々に夕食を切り上げ、ツアー仲間と歩いて出かける。かつてホテルの宿泊客が車にはねられて亡くなったという事件以来、危険防止のため蛍光塗料のついたベストがホテルの入口に用意されていた。現地ガイドからも夜は危ないので、ぜひそれをつけて歩くように勧められたが、これがけっこう派手で、着けるのが恥ずかしい代物。
日没とともに周囲が暗くなるにつれて、徐々にライト・アップされるモン・サン・ミシェルが夕闇に映し出されていく姿は、幻想的で神秘的。カメラに収めようとするが、発光する被写体を撮るのが難しく、なかなか上手くいかない。デジカメの性能に問題があるのかも?

名物のオムレツ
名物のオムレツ
夕闇のモン・サン・ミシェル
夕闇のモン・サン・ミシェル

3日目 モネが愛した街、中世の面影を残すルーアン

朝食は、クロワッサンとカフェオレで軽く済ます。昼食と夕食が重い分、どうしても朝は軽くなる。9時にホテルを出発し、モン・サン・ミシェルに向かう。

大潮で水没したモン・サン・ミシェル!

バスで5分も経たずしてモン・サン・ミシェルに到着。まずは写真撮影。大潮で唯一の連絡道路以外はすべて水没したモン・サン・ミシェルをなかなか見ることができないらしい。水没で駐車場が使えないので、私たちを降ろしたバスは、街中まで引き返して行く。入口付近はバスや乗用車で大混雑。
島の中に入ると、ホテルやレストランにお土産物屋が、狭い道路を挟んで建ち並ぶ。島そのものが修道院と思っていたが、実際は上の部分だけで、下部に商業施設の人たちが暮らしている。石段を昇り、修道院の中に入ると、異様な雰囲気が漂う。11世紀から500年もの歳月をかけてロマネスク様式やゴッシク様式の建物の増改築が繰り返され、このような建物になったという。道理でどこか統一感がないように思える。所々にバルコニーが造られ、そこからの眺めは最高。フランスの観光のメッカだけあって、来たときはそれほどでもなかったが、帰る頃には大勢の観光客が押し寄せ、路地や階段は大変な混雑で、下まで降りるのもひと苦労。潮が引け、ようやく水没した駐車場が使えるようになり、バスが待機していた。

昼食は、ノルマンディ地方の名物料理。モン・サン・ミシェルからバスで30分、カンという街にある洒落たレストランに到着。前菜は、野菜サラダと鴨のムース。メインは、子牛のリゾット? お米と一緒に煮込んだ牛肉としか表現できない。肉が柔らかく、けっこう食が進む。添えられた固いフランスパンも旨い。デザートは、青リンゴのゼリーと塩味のキャラメル。ツアーメンバーの誰もが絶賛。コーヒーが別料金だったのが想定外。午後は、ジャンヌ・ダルクゆかりの地、ルーアンに向かう。

大潮のモン・サン・ミシェル
大潮のモン・サン・ミシェル
連絡道路以外はすべて水没
連絡道路以外はすべて水没

フランス最古のオーベルジュで名物鴨のロースト!

ルーアンは、かつてのノルマンディ公国の首都で、現在はノルマンディ東部最大の都市。モネが朝に夕に描き続けたノートルダム大聖堂を中心に、中世の面影を今に残す印象的な街。ジャンヌ・ダルクが処刑された地としても知られている。
バスを降り、ノートルダム大聖堂を外から眺めてカメラに収める。フランス国内で最高の尖塔で、先の方が黒光りしているのが異様な雰囲気を醸し出している。ジャンヌ・ダルクが火炙りにされた跡地に、ジャンヌ・ダルク教会が建てられ、ステンドグラスがとてもきれい。イタリアのフレンツェと比較するのは大げさすぎるが、築150年は経ている古い石造りの建物が建ち並ぶ街並みは、情緒があり歴史を感じる。新しい近代的な建物と古い建物との調和がとれた街。犬連れが多く、ほとんど雑種で純血種は珍しい。

一度ホテルにチェックインしたあと、フランス最古のオーベルジュ(フランス語で「宿泊施設がついたレストラン)の意味)「ラ・クローンヌ」にバスで移動して夕食。前菜は、青野菜とトマトに酸っぱめのドレッシングがかかったサラダ。メインは、この店の名物である鴨のロースト。甘さを抑えたソースが肉に合っていてとても旨い。添えられたジャガイモもパンも申し分ない。多くのガイドブックで紹介されている店だけあって、とても美味しい料理だった。デザートは、アイス・シャーベット・果物の盛り合わせで、量が多くすべてを食べきるのにひと苦労。相対的にフランス料理は量が多い。
ホテルは、昨夜のモン・サン・ミシェルと同系列。珍しく室内に湯沸器が備えられていたので、持参したドリップ・コーヒーで、久しぶりに日本のコーヒーを味わう。

ジャンヌ・ダルク教会
ジャンヌ・ダルク教会
ラ・クローンヌ
ラ・クローンヌ

4日目 静かな森に佇む貴族の館、シャトーホテルに宿泊

ツアー4日目にして感じたことがある。今回のツアー、スケジュール的にゆったりしている。早朝出発、深夜到着といったことはなく、長時間歩かされることもない。これはこれで悪くないが、なぜか物足りなさを覚える。3年前のイタリア、昨年のスペインは、かなりハードな旅程で、毎日けっこう歩かされた記憶がある。昨夜の夕食も、ホテルから車で10分のレストランであれば、徒歩で20分程度、おそらく歩かされたはず。それをバスで送り迎え、贅沢でのんびりしたツアーなのかもしれないが、歩かない分疲れもせず、食欲も湧かない。これが食事の美味しさを損ねている原因かも。海外旅行で、ガツガツとハードなスケジュールをこなさないと物足りなく感じるのは、貧乏人の性かもしれない。

成金主義的な煌びやかなヴェルサイユ宮殿!

フランスで慣例となったクロワッサンとカフェオレの朝食を済ませ、8時半、ヴェルサイユに向けてホテルを出発。ルーアンから1時間半でヴェルサイユ宮殿に到着。
噂に違わず成金主義的な煌びやかな造りに呆然となる。予約した入場時刻まで40分ほど時間があったので、先に庭園を散策。これが途轍もなく広い。とても歩いては回れない広さ。ゴルフ場や遊園地でよく見かける電動カートが巡行している。
集合時刻に入場口に行くと、すでに一般入口は長蛇の列。私たちは団体入口からすぐに入れたが、予約がないと1時間は待たされる。中に入ってみてさらに驚く。外だけではなく中身も凄い。「鏡の間」「ルイ14世の居室」「マリーアントワネットの寝室」など、贅の限りを尽くした装飾や調度品は、見事というより滑稽に思えてくる。
昼食は、ヴェルサイユ宮殿近くのレストラン。前菜は野菜サラダ、メインは牛肉のパスタ。パスタはきしめん風の平たいパスタで、これが絶妙の美味しさ。デザートはプリュレ(プリンの表面をこんがり焼いたもの)で、日本の4倍はあるかと思える大きさ。これがまた旨い。多い多いと言いながら、残した者は誰もいない。

ヴェルサイユ宮殿の中庭
ヴェルサイユ宮殿の中庭
煌びやかなヴェルサイユ宮殿
煌びやかなヴェルサイユ宮殿

森の中に優雅に佇むシャンティー城!

昼食後、競馬場で有名なシャンティーに向かう。道路事情もよく、予定よりかなり早くシャンティー城に到着。鬱蒼と茂る森の中に優雅に佇むシャンティー城は、中世の古城の雰囲気をそのまま今に伝えている。お城の中には入らず、背景にして写真を撮る。周りをとり囲む堀の水面が太陽の陽を反射し、白いお城が一段と映える。近くに競馬の調教施設があるのか、馬に騎乗した少女たちが通りかかる。
今夜宿泊するホテル「シャトー・ドモンヴィラルジェンヌ」に予定より1時間も早く到着。このホテル、今回のツアーの目玉の1つ。「シャンティー郊外の静かな森に佇む、貴族の館を改装したシャトーホテルに宿泊」という触れ込み。古いが由緒正しき奥ゆかしいホテルで、さすが四つ星だけあって、室内の設備もひと味違う。天蓋つきベッド、バスグローブ、スリッパ、巨大な液晶テレビなど。これまでのホテルになかった備品が備えつけられている。
夕食まで2時間近くあったので、ホテル近辺を散歩に出かける。森の中に別荘と思われる民家、リゾートマンション、競走馬の厩舎などが点在しているだけで、お店の類や娯楽施設などは皆無。これまでのヨーロッパツアーで、朝の散歩をしたことがあるが、日中の散歩ははじめて。これも時間的余裕のある優雅なツアーならではである。他のツアーメンバーは、レンタサイクルでサイクリングに出かけるらしい。

シャンティー城
シャンティー城
シャトーホテル
シャトーホテル

食べきれないほど量が多いディナーに倦んだり!

散歩のあと、ホテルのレストランで7時から夕食。夕食が遅いフランス、7時では他の客は1人もいない。ホテルの好意でテーブルには日本語のメニュー。一流ホテルならではの心遣い。前菜は、鶏肉の付きローストとフォアグラ。あっさりとした鶏肉とフォアグラが微妙にマッチしてけっこういける1品。メインは、黒ゴマとレモングラス風味のツナの串焼き。食べてみるまでマグロを焼いて食べるのを邪道と思っていたが、香ばしく歯応えのあるマグロは、刺身とひと味違った味。デザートは、チョコレートタルトとフルーツサラダの選択で、フルーツサラダをチョイス。量が多くてとても食べきれない。普通のボール1杯分はある。やはりフランス料理は量が多すぎる。日本人感覚では、量を半分に減らし、その分品数を増やしてほしいと思うだが。せっかくのご馳走も食べきれなくなるまで食べると、美味しくなくなってしまう。

5日目 ミールクーポンで本格フレンチを味わう

朝食後、いつもより少し早い8時15分に出発。ツアーの最終目的地、パリに向かう。パリの市街地をバスの車窓から眺めたあと、モネの睡蓮で有名なオランジュリー美術館に向かう。

モネの睡蓮の間でゆっくり座って名画を観賞!

オランジュリー美術館は、2階建ての建物はそれ程大きくなく、ガイドはつかず、代わりにイヤホン・ガイドが配布され、自由に観て回ることに。入口を入ると、10m近くあるモネの睡蓮が四方を取り囲む部屋が2つ。中央に椅子が配置され、ここでは座って絵画を鑑賞するのが流儀。1Fフロアーには、ルノアール、ピカソ、ゴーギャンなどの著名な作品が展示されている。ルーブルやオルセーほど有名でないので、入場者は少なく、ゆっくり鑑賞することができた。
コンコルド広場近くにある中華レストランで昼食。このあとは帰国までフリータイムになるため、ツアーメンバーが揃って食事する最後の機会。そろそろフランス料理に飽きてきたため、中華料理とは心憎い配慮。酢豚、野菜炒め、鶏の唐揚げ、麻婆豆腐、炒飯など、日本で食べる中華料理とほとんど変わらない味付けで、次から次に料理が出てくるが、8人ですべてを食べ尽くす。皆さん、日本の味の飢えていたのかも。

モネ『睡蓮』
モネ 睡蓮
ルノアール『ピアノを弾く少女』
ルノアール ピアノを弾く少女

パリの地下鉄にはカルネ(回数券)が便利!

昼食後、オペラ座のギャラリー・ラファイアットでショッピングタイム。ショッピング後は、モンパルナスにあるホテル「プルマン・モンパルナス」にいったんチェックインしたあと、フリータイム。8人のメンバー中、母娘の2人は、グレードアッププランでオペラ座近くの「インターコンチネンタル・パリ・ル・グラン」に宿泊する別行動。しかも4泊も延泊するらしい。私たちが泊まるプルマン・モンパルナスも、高層ホテルで見晴らしもよく、駅から近いという利便性があり、決して悪いホテルではない。少しパリの中心部から離れるが、地下鉄を使えば、凱旋門、エッフェル塔、ノートルダム寺院などの観光名所のいずれにもそれほど時間をかけずに行けるため、オペラ座よりもかえって便利かもしれない。夫婦連れの1組も1日延泊するようで、結局、ツアー日程通りに帰国するのは8人中4人だけ。
パリのフリータイム、メトロ(地下鉄)を自由に乗りこなせないと話にならない。ガイドブックの説明文は読んだが、一抹の不安が残る。気をきかした添乗員が、ホテル近くの地下鉄モンパルナス駅まで同行し、切符の買い方と改札の出入をレクチャーしてくれた。因みに、切符は1枚1.6ユーロ。パリ20区内であれば均一料金で、どこへでも行ける。10枚のカルネ(回数券)が販売されており、こちらは12.1ユーロで断然お得。ただし、自動販売機はコインのみで紙幣が使えないので、クレジットカードで購入するほかはない。

エッフェル塔
エッフェル塔
コンコルド広場
コンコルド広場

オペラ座の近くで本格フレンチを食べたが‥?

まずは、地下鉄デビューをしてシテ島に向かう。目指すはノートルダム寺院。それらしき建物があり、8ユーロを払って中に入ってみると、四方にそびえる巨大ステンドグラス。その素晴らしさに感動するが、どうも様子がおかしい。手にしたパンフレットにも「ノートルダム」の文字がなく、地図で確かめると、「サント・シャペル教会」。慌てて島の反対側にまわり、ようやくノートルダム寺院の入口に辿り着くが、長蛇の列が待ち構えていた。待つこと20分余り、どうにか閉館時刻の5時30分までに入場できたが、奥に進むと、途中で係員がバリケードを作り、これ以上進めないという素振り。せっかく入場できたのに、すぐに出口に追いやろうをするのにはさすがに憤慨。それならば、入場させなければと思いつつも、フランス語で文句を言えるはずもなく、すごすごと退散。
夕食は、ミールクーポンを購入して本格フレンチを味わう。事前にバス内で回覧されたメニューの料理内容で、オペラ座近くにある「カフェ・ド・ラべ」というレストランを選ぶ。案内された席に着き、ウエイターから渡されたメニューを見てびっくり、まったく違うもの。ただしメニューに日本語の表示があったので、その中から、前菜は鯛のカルパッチョ、主菜はウサギ肉とフォアグラ、デザートはミルフィーユケーキを選ぶ。店内は静かで高級レストランの雰囲気が漂い、ウェイターによるサービスも満点だったが、イマイチ料理の味はよくわからなかった。決して不味くはないが、素直に美味しいといえるものでもなかった。

サント・シャペル教会
サント・シャペル教会
ノートルダム寺院
ノートルダム寺院

一度道を間違えると大変なことになるパリ!

夕食後、マドレーヌから地下鉄に乗るつもりが、道を間違えて迷ってしまう。どうにかコンコルド広場に辿り着き、ようやく地下鉄の12号線に乗ることができた。オペラ座付近の道路は放射線状になっており、一度道を間違うと、行けば行くほど目的地より遠ざかってしまう。ホテル近くのマーケットが夜10時まで営業しており、ミネラルウォーターを仕入れてホテルに戻る。

6日目 ルーブル美術館は、途轍もなく凄かった

午前中は、オプショナル・ツアー「ルーブル美術館半日観光」を申し込む。早めに朝食を済ませ、8時にホテルを出発。地下鉄を乗り継いでツアーの集合場所である「マイバス」へ。地下鉄は難なくクリアーしたが、下車後またも道に迷ってしまい、集合時刻ぎりぎりに到着。

ルーブル美術館半日観光に参加!

このオプショナル・ツアーは、参加者総勢23人。総勢23人。思いのほか多人数で、どこかのツアーが丸ごと参加していたようだ。60歳くらいの細身の日本人女性がイヤホンガイドを使って案内してくれる。
ルーブルは大きくて広い。30万点というコレクションが、国と時代を大別するだけで、順路もなく作者も無視して展示されているので、どのように見て回ってよいものか判断がつかない。ツアーでは、ミロの『ヴィーナス』レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』『サモトラケのニケ』『ハムラビ法典』など、ルーブルの有名作品を効率よく案内してくれたが、3時間のツアーのあと、自分たちで観てまわるうちに、どこにいるのか判らなくなり、迷子になってしまうほど。ルーブルは、展示されている絵画や彫刻だけではなく、もと宮殿だけあって壁や天井・柱の装飾が見事で、それだけも観るべき価値がある。途轍もなく凄い美術館。
終日ルーブルで過ごす予定で、館内のカフェで休憩をとったあと、しばらく印象派の画家たちの作品を観てまわったが、1時間ほどで疲れ果て、美術館を出ることに。出るのにも迷ってしまい、出口に到達するのに10分もかかってしまった。最近、銀座や秋葉原に中国人旅行客が殺到していると聞いているが、ここフランスで同じような現象が起きている。ヴェルサイユ宮殿やルーブル美術館などの観光名所では中国人の姿が目立つ。東洋人を見かけると、大半が中国人で、日本人や韓国人に出会うことが少ない。昨日のギャリ―でも、ルイ・ヴィトンのコーナーに押しかけ、長蛇の列をつくっていたのも中国人だった。

『サモトラケのニケ』
『サモトラケのニケ』
ミロの『ヴィーナス』
ミロの『ヴィーナス』

マルモッタン美術館で思う存分モネの名作を堪能!

ルーブルのあとは、ガイドブックで見つけてぜひ行ってみたいマルモッタン美術館に地下鉄を乗り継いで行くことに。マルモッタン美術館は、クロード・モネの名作を所蔵する美術館として知る人ぞ知る美術館。館内にはモネ自身が所蔵していたルノワールやユトリロの作品も併せて展示されている。
それほど大きくない建物で、1階にルノワールやユトリロなどが展示され、地下にモネ専用のギャリ―を設けている。モネの名作約30点が展示されたギャリ―は、なかなかのもので、中央には椅子が置かれ、来場者は椅子に座って思う存分モネの名作を堪能できる。あまり知られていないので、ツアーコースに含まれておらず、個人で訪れる客だけで入場者も少ない。少ないながら私たち以外に4組の日本人観光客が来ていたのには驚く。まさに知る人ぞ知る美術館。入場料10ユーロは決して高くはない。ここでの一番のおすすめは、名作『印象―日の出』。
美術館を出て、地下鉄の駅の近くに「YAMAZAKI」という看板がかかったパン屋兼カフェを見つけ、遅めの昼食。クロワッサンを食べるが、これが予想した以上に美味しい。食後、パリの市街地に戻り、凱旋門を眺め、シャンゼリゼ通りを散策。道幅が100m、片側の歩道だけでも20mはありそうな広い通りで、両側に有名ブランド店やブティックが建ち並ぶ。コンコルド広場からオペラ座まで歩いたが、この日、9月のパリとして珍しく気温が30度を超える暑さ。夕食の予約時刻までお土産物屋が建ち並ぶ一角を巡る。

ルーブル美術館
ルーブル美術館
モネ『印象―日の出』
モネ 印象―日の出

今度は大衆向きのフレンチを食べたが‥?

夕食は、オペラ座近くにある「ル・グランカフェ・カプシーヌ」という昨日よりも大衆向きのレストラン。こちらもミールクーポンで申し込み、「ブラスリー」という区分で1人55ユーロの値段。因みに、昨日の本格フレンチは90ユーロ。
窓からオペラ座大通りを眺めながらの食事。前菜にムール貝のファルシ、主菜に若鶏のソテー、デザートにクリームブリュレを選ぶ。昨日のフレンチよりも値段が安いはずなのに、私たちの口には合っていたようですべて美味しく完食。どうやら大衆向きの味覚しか持ち合わせていないようだ。

シャンゼリゼ通り
シャンゼリゼ通り
凱旋門
凱旋門

7・8日目 最後にオルセー美術館を楽しむ

夜には帰国の途につくフランスでの最終日。乗継便であれば、昼過ぎには空港にいかなければならないが、直行便を使う今回のツアーは、夜8時の飛行機で、ホテルの出発は4時15分と、ほぼ一日観光ができる。当初の計画では、朝9時にチェックアウトし、オルセー美術館、凱旋門、エッフェル塔などを意欲的に回る予定であったが、昨日歩き回ったことで多少疲れが出たことと、朝からの雨模様の天候に一気にやる気が削がれ、予定を変更してお昼までホテルで寛ぐことに。

日曜日のオルセー美術館は長蛇の列!

いつもより遅めの朝食を摂り、10時には雨が上がったので、ホテル近辺を散歩。12時前にチェックアウトを済ませ、スーツケースと手荷物として機内に持ち込むバッグをフロントに預かってもらい、地下鉄でオルセー美術館に向かう。
今回のツアーで4軒目の美術館となるオルセーは、毎月第1日曜日は入場料が無料で、入口には長蛇の列。どうしようか迷ったが、思いのほか列の進むのが速いので、並んで待つことに。待つこと30分余りで入場でき、日本語のイヤホン・ガイドを借り受け、いざ館内へ。
中は予想に反せず大混雑で、人の波を押し分け、ミレーの『落穂拾い』やゴッホの『自画像』などの有名作品をはじめ、モネやルノワールの多くの作品を急いで鑑賞。1時間余り名作を堪能する。外に出ると、雨が再び降り始めていたので、近くにあったカフェで、カフェオレを飲みながら休憩。フランスでは喫茶店というものがなく、酒を飲むのも、食事をするのも、お茶をするものすべてカフェ。雨がやみそうになかったので、エッフェル塔に登ってパリの街を眺めるのを諦めてホテルに戻ることに。

オルセー美術館
オルセー美術館
プルマン・モンパルナスホテル
プルマン・モンパルナス

4時15分にホテルを出発し、シャルル・ド・ゴール空港に向かう。日曜で道路の混雑はなく、5時前には空港に到着。航空カウンターでチェックインを済ませたあとはショッピング。飛行機は定刻の8時に離陸。フライト時間は往路よりも少し短い11時間40分。
成田に午後2時40分に到着。ターンテーブルで受け取ったスーツケースを宅急便に預けて、手ぶらで帰えれるサービスがありがたい。いつものように京成のスカイライナーで帰途につき、5時半頃には帰宅。

今回のフランス旅行の感想

(1)パリでのフリータイムでは、美術館巡りを主眼としていたので、オランジュリー、ルーブル、マルモッタン、オルセーの4つ美術館を巡ることができたのはとても満足。レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』、モネの『睡蓮』『印象―日の出』は、一見の価値がある。最終日、雨に降られてセーヌ川クルーズやエッフェル塔に登れなかったのが少し残念。
(2)ツアーについていた食事はいずれも美味しく、フリータイムにミールクーポンで食べた食事もほぼ満足できるもので、本場のフランス料理を堪能することができた。
(3)高めのツアーゆえにゆったりとしたスケジュールも悪くはないが、なぜか物足りなさを感じた。私たちには、もう少しハードなスケジュールのツアー方が性に合っているのかもしれない。
(4)唯一の反省点は、お金を使い過ぎたこと。ツアー料金がこれまでよりも1~2割ほど高く、さらに、フリータイムでのオプショナル・ツアーやミールクーポンの料金が加算されるので、これまでの旅行と比較すると、かなり高くついてしまった。

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