初日 北欧4ヵ国爽やか紀行 8日間の旅に出発!
今年の旅行は、かねてより興味があった北欧4ヵ国に決定! 数あるツアーの中からリピーター率が高いと定評のあるC社の「北欧4ヵ国爽やか紀行 8日間」を選び、コストパフォーマンスの高さに期待する。
6時前に起床し、所沢発6時42分のレッドアローに乗車し、池袋で乗り換え、日暮里から7時37分のスカイライナーで成田に向かう。成田の第2ターミナル到着は8時20分。余裕で8時30分の集合時刻に間にあう。2日連続で35℃を超えた暑さがいくぶん和らぎ、涼しく感じる。空港内は、夏休みのピーク時に比べると、少し余裕がある程度に混雑していた。
北ウイングのC社の受付には、すでに3~4組が列をなして並んでいた。列に並ぼうとすると、場内整理をしていると思われたオジさんから搭乗券を渡され、先にスーツケースを預けるように指示された。フィンランド航空のチェックインカウンターに行ってスーツケースを預け、再び受付に戻ると、1組に減っており、すぐに受付してもらえた。受付をしていた添乗員は、氷川きよしに似た20代の青年。何となく頼りなさそうだ。燃油サーチャージと海外空港使用税の追加分を支払い、ガイディングレシーバーを渡されると、9時15分にツアー客全員が一度集合し、そこで改めて説明するとのこと。
4種類の外貨の両替がとても面倒!
集合まで時間があったので、先に両替をする。今回の北欧は、ユーロが使えるのはフィンランドのみで、デンマークはデンマーククローネ、ノルウェーはノルウェークローナ、スウェーデンはスウェーデンクローネと、4週類の通貨に両替しなければならない。添乗員からの事前連絡でも、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンの3ヵ国ではユーロが使えず、それぞれの通貨を用意するようにいわれていた。
両替しようと申込書に4種類の通貨を記載したが、窓口で通貨単位に両替するので、申込書を3枚追加するようにいわれ、書き足すことに。1つの通貨ごとに受付すると、背後にいる者に回して通貨を受け取り、支払いをするというやり方で、それを4回繰り返した結果、15分近く窓口を占領して、ようやく4種類の通貨を手にすることができた。ここ数年の旅行がユーロに両替すれば足りたので、両替にこんなに時間が取られるとは、夢に思わなかった。
9時15分の集合で添乗員からは、ガイディングレシーバーの動作確認と操作方法、乗継のヘルシンキ空港での集合場所などが伝達された。セキュリティー・チェックのあと、出国審査を受けて出国手続きは完了。搭乗時刻までカフェでアイスコーヒーを飲んで喉を潤す。
飛行機は、定刻の11時前に動き出したが、滑走路で離陸の順番待ちの長蛇の列に並ぶことになり、飛び立つまで15分を要した。機内食は、予想したよりも美味しかった。最初の食事のデザートは日本製のアイスクリーム。2度目の軽食は焼うどんで、フィンランドの航空会社が提供したものとは思えない純日本的な醤油味。ともに食が進んだ。残念だったのは映画。数多く取り揃えていたが、邦画がほとんどなく、観たいと食指がそそられるものが少なかった。
 クロンボー城 |
 人形姫の像 |
ヘルシンキで自動出入国審査機を初体験!
予定より30分早く現地時間の2時50分にヘルシンキに到着。ここではじめて自動出入国審査機にお目にかかる。まずパスポートの写真面をスキャナーすると、手前のゲートが下がり中へ。右側の壁を向いて静止する。すると、カメラのレンズが動き出して止まる。しばらくレンズを睨んでいると、ブザーとともに向こう側のゲートが下がり、通過できるという代物。ゲートの先に窓口が設けられており、そこでパスポートにスタンプを押してもらうと審査は完了。日本人・韓国人であれば、自動の方へ誘導されるらしい。審査機の入口に日の丸と太極旗のマークが掲示されていたが、中国人は信用されていないのか、五星紅旗のマークはなかった。
入国審査が終わると、デンマークのコペンハーゲン行の飛行機を待つばかり。5時45発なので、時間を持て余す。カフェでお茶をし、お土産店をふらつき、ブランドショップを冷やかしてしも、まだ時間が余る。現地の気候がよくわからなかった。半袖Tシャツ姿がいると思えば、厚手のコートを着込んだ姿も見かける。
散々待った挙げ句、さらに15分遅れて飛行機はヘルシンキの空港を離陸してコペンハーゲンに向かう。フライト時間は1時間30分。現地時間の6時30分にコペンハーゲンに到着(ヘルシンキとコペンハーゲンでは時差があり、1時間遅くなる)。10年前イタリアで遭遇したロストバゲージを心配して、1泊分の下着と歯ブラシを手荷物として機内に持ち込んでいたが、スーツケースが無事に出てきて、ホッとする。
空港からバスで20分、ホテルに到着。コペンハーゲン中央駅の近くにあるハイグレードなホテル。駅の近くにスーパーやセブンイレブンがあるというので、散策を兼ねて出かけることに。スーパーで夜食用にサンドイッチとジュース・ビールを購入。合計で45DKK、日本円換算で800円。北欧の物価の高さを覚悟していたが、思いほか安かった。スーパーで買ったのが正解だったかもしれない。スーパーを出ると雨が降り始めたので、散策を取りやめてホテルに戻る。
夜10時を過ぎても外はまだ明るい。時計で確認しないと、見た目には時刻がわからない。フライト疲れと寝不足で、シャワーを浴びると、直ちに就寝。
 コペンハーゲンの街並み |
 ノーベル博物館 |
2日目 クロンボー城でハムレット一家がお出迎え
いつものことであるが、時差ボケで熟睡できなかった。寝る前にビールを飲んだのもいけなかった。2度もトイレに起きてしまった。5時45分にモーニングコール。6時30分からの朝食は、ロビー階のレストランでビュフェ。ハム・ベーコン・炒り卵にパン。飲み物はジュースとコーヒー。パンは見た目以上に美味しかったが、ジュースとコーヒーは不味かった。
人形姫の像は期待に違わずガッカリ!
7時30分、ホテルからバスでコペンハーゲンの市街観光に出発。コペンハーゲンは、デンマーク語で「商人の港」を意味する。オランダ・ルネッサンス形式の歴史的建造物が数多く残されており、近代化された建物と調和のとれた美しい街。情緒がある一方で、味気ない一面を併せ持っている感じがする。
まず向かったのはニューハウン。17世紀に新しい港として建造された街。カラフルな木造建築が建ち並び、運河にボートが浮かぶ光景は、コペンハーゲンの象徴ともいえる。
デンマークが生んだ偉大な童話作家、アンデルセンが愛した場所でもある。生憎の雨で、時折強風が吹き荒れ、観光には最悪のコンディション。雨に煙り、辺りはぼんやりと霞んで見える。
雨の中傘をさしてニューハウンからアマリエンボー宮殿に向かう。クマの毛皮の帽子を被った衛兵が立っていなければ、宮殿とは思えないほど質素な佇まい。今は夏休みで避暑に出かけて王族は誰もいないらしい。若い衛兵の姿をカメラに収める。宮殿からフレデリスク教会を眺められたので、これもカメラに収める。大理石をふんだんに使ったロマネスク・バロック様式の美しい教会で、「大理石の教会」と呼ばれている。
いったんバスに戻り、人形姫の像に向かう。観光名所だけあって、早朝雨にもかかわらず、すでに中国人らしき観光客が多く集まっていた。しかし、なんのことはない、石ころだらけの海岸縁の大きな石の上に人魚を形どった銅像があるだけ。ご存知、知る人ぞ知る世界三大ガッカリの1つ。辺りには見るべきものは何もなく、ご多聞に漏れなかった。
 ニューハウンの街並み |
 フレデリスク教会 |
雨と強風の中をずぶ濡れになりながらクロンボー城へ!
人形姫の像の次は、バスでクロンボー城へ。クロンボー城は、コペンハーゲンの北約40km、15世紀に通行税を徴収するために造られたデンマーク・ルネサンス様式のお城。「Crown Castle」王冠の城とも呼ばれ、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の舞台として有名。世界遺産に登録されている。オーレンス海峡の最狭部にあり、対岸のスウェーデンのヘルシンボリとは僅か5kmしか離れていない。堅牢な城壁に囲まれた城で、城壁の外の駐車場でバスを降ろされる。雨と強風の中をずぶ濡れになりながら歩くこと10分、ようやく城門に到着。
入口でハムレット一家が出迎えてくれた。ハムレット、母ガートルード、叔父のクローディアス、先王のハムレットの父、そして恋人のオフィーリアの5人。現地ガイドによると、このように全員が揃って出迎えてくれることは珍しく、雨と強風のため来場者が少ないからではないかと。早速一家とともに写真撮影。現地ガイドの案内で、城内と中庭を見学し、売店に辿り着いたところで解散し、短いフリータイム。
北棟入口の壁に、シェイクスピアの胸像レリーフ。そこに王子ハムレットについて記述がなされている。文中の「王子Amleth」を、シェイクスピアは最後の「h」を頭にもってきて「HAMLET」としたようだ。北側の城門からバスが待っている駐車場に徒歩で戻る頃になって、ようやく雨がやんだが、風は依然として強く吹いている。
バスでコペンハーゲンの市街地に戻る。車中でデンマーク在住の日本人ガイドがコペンハーゲンの生活を紹介。収入の約4割が所得税として徴収され、消費税は食料品などの生活必需品を含め一律25%。概ね収入の60%が税金として取られる代わりに、医療費や教育費が無料。誰もが65歳になれば年金がもらえる。年金は日本のような個人の積み立てはなく、すべて税金で賄われる。老後の心配は皆無といってよい。デンマーク人が最もよく食べるのがライ麦パン。日本の玄米ご飯のようなもので、健康食として好まれている。建物にも制限があり、市庁舎(105.6m)以上の高さの建物は建てることができない条例があるらしい。
宿泊したホテルの近くまで戻り、レストランで昼食。前菜は玉ねぎのポタージュスープ。主菜はデンマーク風ハンバーグ。ハンバーグというよりもミートボールに近い味。デミグラスソースをかけて食べるが、不味くはなかったが、美味しくもなかった。
昼食後、クリスチャンスボー宮殿の近くでバスを下車し、歩行者天国のストロイエへ。「こうのとりの泉」で解散し、フリータイム。私たちは、ロイヤル・コペンハーゲンの店を冷やかすのをやめて、ラウンド・タワーに登ることに。ラウンド・タワーは、17世紀に建てられた天体観測所。18世紀にコペンハーゲンを訪れたロシアのピョートル大帝がエカテリーナ妃とともに4頭立ての馬車で駆け上がった円塔としても有名。入口で25DKK(日本円で450円)を支払い、目が回るほどぐるぐると回りながら登って行く。高さ34.8mの展望台からは、コペンハーゲンの街並みが一望できた。
 お出迎えのハムレット一家 |
 シェイクスピアのレリーフ |
快適な大型客船での優雅な旅を満喫!
短いフリータイムのあと、バスで大型客船DFDS・シーウェイズが発着する港の乗船場に向かう。バスの駐車場でスーツケースをコンテナに預ける。1泊分の着替えと洗面用具は手荷物として船内に持ち込み、スーツケースはコンテナに預けたまま乗船する。停泊していたDFDS・シーウェイズは、途轍もなく大きな船。まるで10建てのビルがそのまま海の上を移動するような感じ。乗船券は、キャビンのカードキーを兼ねた紙製のカード。下船後は記念にもらえるらしい。
私たちのキャビンは、5階の海側。2つのベッドとシャワー室を兼ねた洗面室があるだけの狭くて質素な部屋。ベッドの間は1mしかなく、部屋にいるときは、ベッドに座るか、横になっているほかはない。仮にスーツケースを持ち込んだとしても、広げる場所もなかった。50cm×80cm程度の窓が中央に拵えてあって外の景色を眺められる。
船は4時30分に出航し、翌日の9時45分ノルウェーのオスロに到着予定。約17時間の船旅。乗船早々5時15分から夕食。何でこんなに早いの? と思ったが、おそらく乗船客全員が食事するには、3回転ぐらいさせないと、すべての客に行き渡らないのだろう。それぐらい数多くの乗客が乗り込んでいる。
夕食は8階のレストランでスモーガスボード。「スモーガス」はバター付きパン、「ボード」は食卓の意味。スウェーデンの伝統料理で、肉・魚・野菜などの各種料理を食卓に並べ、自由に取り分けて食べるもの。日本のバイキング料理の原型になっている。まずにしんの酢漬け、鮭やうなぎの燻製、キャビアなどの冷たい魚料理から食べ始め、ハムやレバーペーストなどの冷たい肉料理、そのあとに温かい魚・肉料理、最後にデザートを食べるのが本格的なスモーガスボードの流儀らしい。しかし、大勢の乗客が料理に群がる混雑した状況下では、すでになくなっているものもあり、この順番通りに料理を取ることができず、早々に流儀は諦めることに。近くにあった肉料理と野菜、デザートにフルーツ類とスイーツを食する。ひと通り食べ尽すと、満腹感があるが、物足りさが残る。バイキング形式だと質よりも量になってしまう。ドリンクが1杯サービスでついていたが、すでにビールを飲み干していたので、別料金でコーヒーを注文することに。1杯49DKK、日本円で約900円という高さに驚く。大きなマグカップに淹れられたコーヒーは、日本で出される2倍以上の量があり、これが美味しかった。機内やホテルで飲んだコーヒーがいずれも不味く、久しぶりに美味しいコーヒーにありつけた。
夕食後、キャビンに戻ってベッドに横になっていると、満腹感と心地よい船の揺れでいつの間にか眠ってしまっていた。10時に起きてシャワーを浴び、再び眠ろうとすると、今度は外洋に出ていたためか、いくぶん揺れが大きくなったと感じたが、心配ご無用、10分もしないうちに再び眠りに落ちてしまった。
 大型客船DFDS・シーウェイズ |
 大型客船からの眺め |
3日目 ホテルのテラスから眺める幻想的なフィヨルドに感動!
前夜早く眠ったため、5時に目が覚め、6時には起床。朝食は6時30分。昨夜の夕食が早くてお腹が空いていたので、ジャストのタイミングを見計らって8階のレストランに赴くと、すでに多くの乗客が食事をしていた。半数以上が中国人で、彼らは大量の食べ物をテーブルに並べ、ひたすら食べまくっているので、すぐにわかる。順番に並んでいるのを、逆回りにとったり、横から割り込んだりするのも中国人。相変わらずマナーが悪い。
10時オスロ到着。予定より15分ほど遅れて接岸。多くの乗船客が乗り込んでいたため、下船してバスが待つ駐車場に辿り着いたのは30分後。駐車場には、前日にコンテナに積み込んだスーツケースが届けられており、自分のものを確認してからバスに積み込む。
名作ムンクの「叫び」を観賞!
バスでオスロ市街地を車窓観光しながらオスロ国立美術館に直行。パリのルーブルやオルセーに比べると小規模な美術館。ノルウェーの偉大な画家、ムンクの「叫び」が有名が、ルノワール、セザンヌ、モネ、マネなどの作品も展示されている。ツアー客を一度に案内できないため、2班に別れて観賞。ちょうどJAPAN展が開催中で、安藤広重や葛飾北斎などの版画も観ることができた。
美術館の近くのレストランで昼食。前菜は生野菜のサラダ。メインはチキンとハッシュドポテトで、焼いた鶏のもも肉をデミグラスソースで食べる。今回もデザートはなし。飲み物はセルフサービスで、カウンターで購入して自席まで運ぶ。アルコール類は販売されておらず、その代わりに水が無料。もちろん水道水であるが、水質が良好で飲んでも差し支えない。食後のコーヒーを飲もうと思ったが、時間がなく断念。
昼食後、バスでロストフースに向かう。オスロの観光が国立美術館のみで、車窓から街を眺めただけなのは、いかにも物足りない。せっかくオスロに立ち寄ったのであれば、王宮や市庁舎、オペラハウスや大聖堂などを見てみたかったと思う。時間がないのであれば、国立美術館をやめてもよいと思うのだが……。
 オスロ国立美術館 |
 ムンクの「叫び」 |
岩肌の隙間から雪解け水が流れ落ちるヴォーリングの滝!
バスで20分も走ると、都会的な風景から自然豊かな山村的な風景に一変する。オスロからロストフースまで380km。高速道路はオスロ近郊だけで、すでに下道を走っている。途中ドライブインでトイレ休憩に立ち寄り、バスは、いよいよハリングダル渓谷からフィヨルド地区に入る。標高1,000mの森林限界点を超えているため、辺りに樹木がなくなり、むき出しの岩と僅かな草花だけ。山影に残雪がちらほら見え、ところどころに湖が姿を現す。この辺りは、ノルウェー政府の指定する景勝道路ナショナルツーリストの1つ、「ハダンゲルヴィッダ」。国立公園だが、大半が私有地らしい。オスロを出発する際に23℃あった気温は、11℃まで下がっている。
6時すぎにヴォーリングの滝に到着。高さ100mの岩肌の隙間から雪解け水が流れ落ちている。写真スポットに最適かもしれなかったが、到着と同時に雨が降り出し、最悪の事態に。傘をさして駐車場から200m先の絶景ポイントまで行き、写真を撮ってすぐに引き上げてきたが、雨足が強く、ただ濡れただけ。停まらずに車窓から見るだけでスルーした方がよかったかもしれない。
 ハダンゲルヴィッダ国立公園 |
 ヴォーリングの滝 |
由緒正しき高級感溢れるホテルに宿泊!
8時前にホテルに到着。「ウーレンスバング」という由緒正しき高級感溢れるホテル。フィヨルドに面して建てられたホテルは、テラスからフィヨルドが一望できる。実際には海であるが、複雑に入り組んだ入り江の先端にあるので、波はなく湖のような穏やかな海面にフィヨルドの影が美しく映し出されている。フィヨルド側の洒落た庭には、テーブルと椅子が並べられ、思う存分にフィヨルドを堪能できる配慮がなされている。まさにプライベートビーチならぬ、プライベートフィヨルド。
夕食は、ホテルのレストランでビュッフェ。肉、魚、野菜、デザートなど、数多くの種類の料理が用意されている。ビュッフェは、好きなものを好きなだけ食べることができるのよいが、美味しいものを見つけるのが難しい。質より量を重んじる食事。腹一杯食べようと思ったが、あいにく車酔いをしたのか、気分が優れず、どれを食べても美味しいと感じるものがなかった。食事を諦めて最後に食べたアイスクリームとプリンが美味しかった。
夕食後、プライベートフィヨルドの庭を散策。目の間に迫るフィヨルドの切りたった岩肌の先端が雲に隠れ、まるで雲海のようだ。夜10時をすぎ、徐々に夕闇が迫りつつあるフィヨルドは、幻想的で神秘的な雰囲気を醸し出し、別世界にいるような気分にしてくれる。
 ホテル・ウーレンスバング |
 プライベートフィヨルド |
4日目 一度は泊まりたいフィヨルドホテルに宿泊!
6時30分、熟睡したお蔭で気分爽快に起床。朝食は、7時30分から夕食を摂ったレストランで。あまり食べられなかった昨夜の分を取り返すようにいつもの2倍の量を食べる。夕食と同様に数多くの種類の料理が用意されていた。
朝食後、出発まで時間が余ったので、再びプライベートフィヨルドの庭を散策。昨夜は気づかなかったが、このホテル、温水プールや室内テニスコートなどのリゾート施設が完備されている。朝から水着になって泳いでいる人がいるのには驚いたが。因みに、外気温は13℃。
今日はフィヨルド観光のハイライト。2つの山岳鉄道と遊覧船でフィヨルドを満喫するスケジュール。
ベルゲン鉄道・フロム鉄道の2つの山岳鉄道に乗車!
8時30分バスでヴォスに向かう。1時間15分でヴォスの駅に到着。ここでベルゲン鉄道に乗車し、ミュルダールへ。電車は山の中を縫うように走り、車内放送で車窓から美しい景観をお楽しみくださいと日本語で案内されたが、乗車した列車は普通の車両。スイスの氷河特急のように展望車両にはなっておらず、窓際に座らない限り見晴らしがよくないのが残念。途中、ショーフォッセンの滝がある駅に停車し、降りて写真撮影。滝も見飽きた感じがする。
50分でミュルダールに到着。ここでフロム鉄道に乗り換える。ミュルダールからフロムまで20km。標高差860mを1時間かけてゆっくりと降りる。世界一勾配のきつい鉄道。この電車も普通の車両で、展望になっていないのが残念。
 ベルゲン鉄道 |
 フロム鉄道 |
ステーガスタイン展望台からの眺めは最高!
フロムに到着したのがちょうど正午。駅の近くのレストランで昼食。前菜はサーモンの野菜サラダ。主菜は白身魚のフライ。食べた感じだとタラのようで、それなりに美味しかった。デザートはついていなかったが、コーヒーが無料サービス。ただし、あまり美味しくなかったので、ミルクをたっぷり入れてカフェオレにして飲む。
昼食後、バスに乗車し、ステーガスタイン展望台に向かう。海岸線の道路を走ったあと、山道に入り、ひたすら山を登る。車同士が対向するのが困難な道幅しかくなく、相手が乗用車ならまだしも、バスであれば、対向できる場所が限られており、しばし立ち往生。何度も停まり、対向しながらようやく展望台に到着。1時間近くかかっていた。
苦労して来ただけあって展望台からの見晴らしは最高で、ソグネフィヨルドが一望できた。がしかし、駐車場が狭くてバスが長時間待機できないのと、展望台も狭いので、写真を撮り終ると、すぐにフロムの街に引き返すことに。滞在時間の短さを思うと、こんなに苦労して来るべき場所であったとはとても思えない。遊覧船の出航までの時間調整で来たような気がする。
フロムに戻り、フィヨルド遊覧船に乗り込む。フェリーを兼ねている船だが、車の乗船は1台もなく、代わりに大量のスーツケースやリュックサックが1階の車停めに置かれていた。私たちのスーツケースは、バスで先回りして運んでくれるので、手荷物だけを持って乗船。
 ステーガスタイン展望台から |
 フィヨルド遊覧船 |
迫力満点のスタルハイム渓谷の絶景を堪能!
3時に乗船客を満載した遊覧船が出航。世界最長、最深のソグネフィヨルドをゆっくりと走り、グドヴァンゲンに向かう。甲板は乗船客で溢れ、フィヨルドを眺めるために用意されていた椅子は、先に乗り込んだ大勢の中国人に占領され、座ることもできなかった。30分立ったまま我慢してフィヨルドを眺めていたが、さすがに脚が疲れ、同じ景色に飽きてしまい、船室に入ることにした。
遊覧船は、予定の2時間を少しオーバーしてグドヴァンゲンの船着場に接岸。先回りしていたバスでスタルハイムのホテルに向かう。スタルハイムとは「馬の小屋」という意味で、私たちが宿泊するホテルは、ガイドブックの「一度は泊まりたいフィヨルドホテル」に掲載されている由緒ある高級ホテル。九十九折りの道が続くスタルハイム渓谷を眼下に望む崖の頂上に建てられ、部屋にいながら切り立った山々が今にも迫ってきそうな迫力満点の絶景が一望できる。
私たちが到着した後、路線バスが停まり、遊覧船で見かけた日本人の若いカップルが降りてきた。スーツケースを引きずりながら入ってきたので、どうやらこのホテルに泊まるらしい。ミッキーマウスのパーカーを羽織った女性は20代半ば、男性の方は30すぎ、どう見てもハネムーンと思われる。フロムの港から路線バスを使ったとところを見ると、ツアーではなく個人旅行のようで、おそらくガイドブックのイチ押しのこのホテルを選んだのだろう。
6時45分からホテルのレストランで夕食。やはりビュッフェで好きなものを好きなだけ食べることに。昨夜のホテルとはひと味違う料理が用意されており、肉や魚を中心に精力的に食べる。料理の質は、こちらのホテルの方が上。コーヒーの無料サービスがつき、デザートのシュークリームとともに美味しくいただき、ほぼ満足できる食事だった。
夕食後、渓谷側に造られた庭を散策。幅20mの庭の先は絶壁で、目の前に切り立った岩山に挟まれたスタルハイム渓谷を見下ろせる景色は圧巻で、しばし見惚れてしまう。ハネムーンのカップルも庭に出て渓谷をバックに写真を撮っていた。
 スタルハイム渓谷 |
 スタルハイムホテル |
5日目 ベンゲルのイチ押しのお土産はタラコのペースト!
昨夜は早めに就寝して熟睡することができたので、目覚めは爽快。6時45分から朝食。コーヒーが不味いのは変わらなかったが、オレンジジュースが美味しかったのが救い。いつものように簡単に済ます。
2つの個性豊かな滝を堪能!
8時にホテルをバスで出発。スタルハイムからノルウェー第2都市、ベルゲンに向かう。走行距離は200km。途中トイレ休憩を兼ねて滝を見るために2箇所で途中下車。30分ほど走ると1つめのツヴィンネの滝に到着。これまで見た滝と違って滝の幅がとても広く30m以上。流れ落ちる水量が豊富で、水の音と量に圧倒される。10数m近づいただけで水しぶきがかかるほどの迫力で、一同感激しながらシャッターを切る。これは必見の滝だった。
再びバスに乗車し、1時間半ほど走ったところにある洒落たホテルのカフェでティータイム。セルフサービスでコーヒーや紅茶を飲んで、しばし休憩。余った時間は、フィヨルド側に造られたホテル自慢の庭を散策し、フィヨルドの絶景をカメラに収める。
さらにバスで20分、スタインダールの滝に到着。裏見の滝とも呼ばれ、滝を裏側から眺めることができる。ツヴィンネの滝に及ばないが、山の谷間から幅20mの壮大な滝となって流れ落ちる迫力は圧巻。滝を見上げるところから緩やかな坂道の遊歩道が造られ、滝の裏側を通り抜けることができる。手が届きそうなぐらい間近に瀑布を見ることができ、滝の凄さを肌で感じられる。水しぶきがかかるのは覚悟しなければならないが、一見の価値のある滝。
 ツヴィンネの滝 |
 スタインダールの滝 |
フロイエン山のミニハイキングを楽しむ!
午後1時、ベルゲンに到着。市街地のレストランで昼食。前菜はパスタのサラダ。これは可もなし不可もなし。メインはサーモンのステーキと大きなジャガイモ2個。サーモンは、淡白で塩味が薄く、さっぱりして美味しかったが、日本のスーパーで売られている切り身の3倍の大きさで、最後には飽きてくる。
現地ガイドは、中肉中背で真っ赤なウインドブレーカーを着た中年女性。話し言葉に関西弁が混ざり、とても面白い関西のオバさん。レストラン近くの港でベルゲンの街を背景に写真撮影をしたあと、バスでフロイエン山のケーブルカーの駅に向かう。ケーブルカーで5分もすると、山頂駅に到着。標高320mの頂上からベルゲンの美しい街並みを一望できる絶好の写真スポットで、思い思いのポーズをとる。夏休みに入ったばかりで、山頂付近は観光客と行楽客で溢れている。
オバさんの軽快な案内でフロイエン山のミニハイキングに出発。歩き始めると、同じようにハイキングをしている人、ジョギングをしている人、マウンテンバイクで走っている人、池でボートを漕いでいるカップル、キャンプをしている家族連れなど、様々な方法で自然に触れ、短い夏を楽しんでいるようだ。1時間30分かけてフロイエン山の山頂付近を1周し、もとのケーブルカーの山頂駅に戻る。
 フロイエン山からの眺め |
 フロイエン山のトロール |
フロイエン山のミニハイキングを楽しむ!
ケーブルカーで下山し、徒歩で世界遺産のブリッゲン地区に向かう。ブリッゲンは、木造の三角屋根が特徴な中世の建物が建ち並ぶ一帯で、ベルゲンの中心地。かつてドイツのハンザ商人が活躍した地域で、木造で密集しているため幾度も火災で焼け落ちたが、そのたびに同じように復元、修復されている。今は、表側がレストランやブティック、裏側は芸術家の工房として使われている。しかし、完全には修復できておらず、傾いているのが見た目でわかる建物も。
ブリッゲン地区の港の反対側にある魚市場に向かう。かつては魚だけを取り扱う市場であったが、今では魚のほかに、花や果物、野菜、土産物などが売られている。オバさんは、ノルウェーの特産物を紹介しながら、お勧めのお土産を教えてくれる。手軽なイチ押しが、チューブ入りのタラコのペースト。注意しなければならないのは、ノルウェーでは、魚の卵はすべて「キャビヤ」と呼ぶらしい。表示が「キャビヤ」と書かれていても、本来のチョウザメの卵ではなく、それ以外の魚の卵。そもそもチョウザメのキャビアがノルウェーの街中で売られていることはないらしい。オバさんの馴染の店でタラコのペーストの味見をさせてもらう。オバさん曰く、この店では1本45NOK(日本円で670円)もするので買っていけない。近くのスーパーで買えば、半額以下で買えると、店員には内緒で教えてくれた。
「どれを買えばいいの?」というツアー客のリクエストに応えようとするオバさんは、38人を引き連れてスーパーの売り場まで行き、お買い得の商品を手にとって説明する。スーパーの店員と化したオバさんの解説が続いている間に、レジに行ってお土産用にタラコのペーストを購入。1本19 NOK(日本円で280円)。本当に半額以下だった。
スーパーの前からバスに乗り、ベルゲンの市街を1周して車窓観光。宿泊するホテルは、ブリッゲン地区にある高級感溢れるホテル。チェックインのあと、夕食まで時間があったので、再びブリッゲンに戻り、ウインドウショッピング。1年中クリスマス商品を売っている店やブティックを覗いてみるが、値段札を見てビックリ。すべてが高く、北欧の物価の高さが伺われる。
夕食はホテルに隣接されているレストランで。前菜はサーモン入りの野菜サラダ。主菜は豚肉のソテイとジャガイモ。ともにまずまず。珍しくデザートがつき、生クリーム入りのラズベリーとブルーベリー。ヨーグルトをかけて食べる。コーヒー・紅茶のサービスもついていたが、コーヒーは不味く、ひと口飲んでギブアップ。
夕食後は、ハイキングの疲れを感じたので、外出を控え、ホテルに戻って早めに就寝。
 ベルゲンの街並み |
 ブリッゲン地区 |
6日目 ノーベル博物館名物のアイスクリームに感激!
このホテルでは、ポーターのサービスがつき、朝食前に荷作りしてスーツケースを廊下に出しておくと、バスまで運んでくれる。7時30分、ロビー階のレストランに降り、朝食を摂ったが、宿泊客が多いのか、とても混雑していた。
8時30分、ホテルからバスでベルゲンの空港に向かう。9時すぎに到着したが、フィンランド航空のチェックインカウンターは、9時30分にならないと開かないので、しばらく長蛇の列を作って待つだけ。ようやくカウンターが開き、受付が始める。チェックインすると、今日のベルゲン~ストックホルムの搭乗券のほかに、明日のストックホルム~ヘルシンキ、ヘルシンキ~成田の搭乗券も併せて発券された。明日の2枚は、失くすと困るので、添乗員がいったん回収する。
豊かな森林と湖沼に恵まれたスウェーデンへ!
昼食の時間がないため、空港で食べるか、何か買って機内で食べるか、するようにとの添乗員の指示があったが、スタルハイムで買ったお土産が免税品扱いになり、その手続きをするのに手間どり、結局、空港で食べる時間がなく、機内で有料のサンドイッチを買って食べることに。
スウェーデンのストックホルムに向かう飛行機は、10分遅れて離陸。機内の有料メニュー表に3~4種類のサンドイッチが掲載されていたが、黒パンのサンドイッチは見た目にも美味しく見えなかったので見送り、チキン・シーザー・ラップという薄いパンで巻いたサンドイッチ(€7)を購入。これがけっこう美味しかった。
午後1時すぎにストックホルムのアーランド空港に到着。スーツケースを受け取り、バスに積み込んで市街地に向かう。スウェーデンは、豊かな森林と湖沼に恵まれた高い水準の福祉国家として知られている国。その首都ストックホルムは、メーラレン湖に浮かぶ14の島を中心とした24,000にも及ぶ島からなる森と湖の都。ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルの遺志により創設されたノーベル賞の授賞式が行われることでも有名。
最初に訪れたのは、そのノーベル賞の晩餐会が行われるストックホルム市庁舎。ナショナル・ロマン様式の建物で、800万個の赤レンガが使われているという。30代の女性現地ガイドの案内で市庁舎内を見学。晩餐会が開かれる「青の間」、舞踏会が行われる「黄金の間」、市議会場など。「青の間」で開催される晩餐会は1,000人以上が参加する大規模なもので、メインテーブルの幅は70cm、その他のテーブルは60mという狭さに詰め込まれて食事をするらしい。
 ストックホルムの街並み |
 市庁舎の「黄金の間」 |
旧市街ガムラ・スタンを散策!
見学後、再びバスに乗車し、市街地を車窓観光しながら、王宮、大聖堂、リッダーホルム教会、ノーベル博物館などが集まる旧市街のガムラ・スタンへ。ノーベル博物館に入館して見学。歴代ノーベル賞を受賞した栄誉ある人たちが紹介されている。館内に併設されたカフェで、名物ノーベルアイスクリームを食する。晩餐会でデザートとして出されるものと同じで、ここでしか食べられないという。95SEK(日本円で1,400円)という値段の高さに驚かされるが、けっこう美味しかった。売店で、こちらもお土産の定番ノーベルチョコレートを購入。10枚入り130SEK(日本円で1,900円)。博物館見学後は、1時間30分のフリータイム。ガムラ・スタンを散策。
フリータイム終了後、バスでホテルに向かう。ストックホルム中央駅の隣にあるハイグレードなホテルで、立地条件は抜群。チェックインしたあと、ホテルのレストランで夕食。ビュッフェではなく、前菜・主菜・デザートの3コース。前菜はエビのサラダ。主菜は牛肉のステーキにジャガイモ・アスパラガス添え。デザートはプリントとコーヒー。中でもステーキが大好評で、皆さん絶賛。
夕食後、ホテルの近辺を散策。セブンイレブンで500mlのミネラルウォーターを購入(20SEK)。水1本が300円もする物価の高さには、驚きを通り越してただ呆れる。
 ガムラ・スタン |
 ノーベル博物館のカフェ |
7・8日目 碧のドームと白い外壁のコントラストが美しい大聖堂
前夜ベッドで転がっているままに寝入ってしまったため、5時に起床してシャワーを浴びる。慌ただしく荷作りしてスーツケースをフロントに預け、6時30分から1階のレストランで朝食。時間がないので簡単に済ます。
7時、バスでホテルを出発して空港へ。昨日のアーランド空港ではなく、市街地に近いブロマ空港に20分ほどで到着。この空港、驚くほど小さな規模で、売店とちょっとした免税店があるだけ。日本の田舎の地方空港でも、もっと設備が充実しているのではないかと思うほど、貧弱な空港だった。前日ベルゲンで発券してもらった搭乗券でスーツケースを預ける。スーツケースの行き先は成田まで。私たちは、乗継地のヘルシンキで観光するが、荷物は預け放し。
小さなプロペラ機にビックリ!
さらに驚いたのは、搭乗ゲートを潜り、外に出てみると、小さなプロペラ機が後の扉を開けて待ち構えていた。中に入ると、左右に2席ずつで80人も乗ると満席になる大きさ。かつて那覇から久米島に飛んだときに1度だけ体験したことがあったが、あまりの小ささに不安がよぎる。「大丈夫なの、この飛行機?」という声も挙がったが、それを無視するようにプロペラ機は定刻に離陸する。
1時間10分のフライトでフィンランドのヘルシンキ空港に着陸。フィンランドは、国土の3分の2が森林で、3分の1が北極圏に属している国。サウナやキシリトールガムの発症の国としても有名。その首都ヘルシンキは、「バルト海の乙女」と呼ばれる美しい街。19世紀初頭、当時の統治者ロシア皇帝アレクサンドル1世がトゥルクよりこの地に遷都したことで栄え始める。建物や街並みにロシアとスウェーデンに統治された名残が感じられる。
空港からバスで40分、ヘルシンキの中心部に到着。街のシンボルである大聖堂の前でカメラタイム。思い思いのポーズで写真を撮る。ルーテル派の総本山である大聖堂は、碧のドームと白い外壁が特徴で、そのコントラストがとても美しい。大聖堂前のアレクサンドル2世の像が立つ元老院広場で解散して、1時間30分のフリータイム。
 搭乗した小さなプロペラ機 |
 ヘルシンキ大聖堂 |
フィンランドでもアイスクリームを食べる!
エテラ港に面したマーケット広場を散策。果物や野菜、魚介類、工芸品などの露店が建ち並ぶ。広場からウスペンスキー寺院が見えたので、行ってみたが、残念ながら中に入ることができず、写真を撮っただけでマーケット広場に引き返す。
昼どきで小腹が空いたので、露店で売られている食べ物を漁った結果、ホットドッグが美味しく見えたので買って食べる。1個€4。日本円で500円。はやり物価は高い。フィンランドではユーロが使えるのがありがたい。
集合時刻まで時間が余ったので、夏休みで大勢の家族連れやカップルで賑わっているエスプラナーディ公園を散策。公園の売店でアイスクリームを買って食べる。1個€3.5。日本円で400円だが、これが途轍もなく大きい。日本の3倍以上はある大きさで1人では食べきれないほど。北欧人はアイスクリームが好きだといわれているが、まさにその通りで、小さな子供から老人まで食べきれないほどの大きさのアイスクリームにかぶりついている。
フリータイムの終了とともに、今回のツアーの観光がすべて終了し、バスで空港に向かう。空港ではセキュリティ検査を受けたあと、入国したときと同様に自動出入国審査機で出国審査をクリア。
成田に向かう飛行機は、定刻通りにヘルシンキ空港を離陸。順調な飛行で、定刻の8時55分より15分早く成田空港に着陸。入国審査を経て、スーツケースを受け取り、税関審査を難なくクリア。10時のスカイライナーに乗車し、JRと西武線に乗り換えて所沢駅に着いたのが11時半。昼前には自宅に戻ることができた。
お昼にカップラーメンを食べ、夕食はスーパーで買った握り寿司。これは毎回恒例で、海外旅行から帰ると、無性にラーメンと寿司を食べたくなる。今回の北欧では、中華料理もなく、一切ご飯や麺類を食べていなかたので、とても日本食が恋しくなっていた。
 ウスペンスキー寺院 |
 エスプラナーディ公園 |
今回の北欧旅行の感想
(1)ホテルのレベルが期待以上に高かった。プライベートフィヨルドのロストフースと渓谷が一望できたスタルハイムは、ガイドブックでもイチ押しの高級感溢れるホテルで、上質なホテルライフを満喫できた。ツアーで泊まれることが稀で、とても幸運だったといえる。コペンハーゲン、ベルゲン、ストックホルムのホテルも立地条件が良く、設備も申し分ないハイグレードのホテルだった。
(2)ツアーコースも申し分なかった。オスロだけは若干不満が残ったが、8日間という短期間で北欧を効率よく回るコースが設定されていたのは高く評価できる。
(3)食事の評価はイマイチ。夕食が宿泊したホテル(2日目は客船DFDS)のレストランでのビュッフェが3度。変なものを食べさせられるのであれば、好きなものを好きなだけ食べられるビュッフェの方がマシであるが、折角外国に来ているのであるから、その地の名物や特産品を食べてみたいと思うのは当然。ビュッフェの場合、そのようなものを見つけるのが難しい。それと、デザートがついていない食事も多かった。酷いのは、2日目のコペンハーゲンでの昼食。たまたま同じレストランで先に昼食を摂っていた他社のツアーにはデザートが出ていたのに、わがツアーには出なかったのはいただけない。
(4)客層のレベルが決してよいとはいえなかった。H社の客層が低いことに定評があるが、今回のツアーでは、それに引けを取らないぐらい顰蹙を買う客が少なくなかった。ところ構わず喋りまくる中高年のオヤジ軍団にはとても閉口した。
(5)高いリピーター率が評価されるC社。それがどんなものか試しにはじめて参加したが、現段階では、ホテルよりも食事を重視する食いしん坊の私たちの評価は、低くならざるを得ない。1度の参加ですべてを判断するのは早計であるが、食事がイマイチだったのが、いかんせん我慢できなかった。しかしホテルを重視する人であれば、きっと満足する内容であったのは間違いないであろう。3日目のロストフースと4日目のスタルハイムのホテルは、個人旅行でもなかなか予約がとれないホテルで、上質なホテルライフを満喫でき、本当に良い思い出になったのは確かである。