行き先と日程が決まれば、次は、ツアーの情報収集です。
各旅行会社ともに、ネット上で行き先と日程を入力するだけで、該当するツアーが検索できますので、すぐに見つけることができます。パソコンやスマホでは見にくいという人は、ネットや電話で資料請求すれば、印刷されたパンフレットが送られてきます。
では、ツアーの詳細を入手できたとして、チェックしなければならないポイントを紹介します。
1つのツアーが毎日出発しているとは限りません。行き先にもよりますが、多いときで週に3日~4日、少ないと月に1日~2日しか出発日が設定されていない場合があります。旅行スケジュールを柔軟に立てられる人は、出発日に合わせることができますが、そうでない場合は、気に入ったツアーがあっても、出発日に都合がつかないと、諦めざるを得ません。まず最初に、希望する出発日があるかどうかをチェックしましょう。
ツアー料金は、出発日によって変動します。「季節によるツアー料金の変動」については、前述しましたが、同じ季節の中でも微妙に変動し、1週間違うだけで、数万円も増減することもありますので、希望する出発日の料金がいくらになるのか、必ずチェックするように。
旅行会社によっては、金額ではなく、A・B・Cなどの記号で表記されている場合もあり、誤認しないよう注意してください。
ツアーの場合、どの旅行会社を使っても、最少催行人員というものが設定されています。最少催行人員とは、募集で一定の人員を下回った場合、ツアーを催行しないというものです。その人数は、旅行会社によって異なりますが、少なくて10人、多いと25人に設定されていることもあります。いつまで募集するかも、旅行会社の判断によります。通常は、キャセン料が発生する40日~30日前にかけて催行する、しないの決定がなされます。
予め多くの客が見込める出発日などは、パンフレットが印刷された時点で、すでに催行が保証されていることもありますが、募集状況に応じて、旅行会社から成立・不成立が発表されます。
日々変わる情報ですので、ネットで確認するのが一番です。催行が成立している場合は、日程カレンダーに催行のマークが入っています。「問合せ多数」などは、まだ催行が成立していませんが、成立する可能性が高いことを示しています。
出発30日前の時点で不催行になると、他のツアーに乗り換えるのが難しくなります。参加者数が予定人員を満たし、すでに申込を締め切っているケースが多いからです。したがって、催行が確実なものを選ぶのがベターです。
1週間を超えるツアーでは添乗員が同行するのが一般的ですが、格安ツアーの場合などは、同行せず、現地ガイドが対応するツアーもあります。アジア方面の旅行の場合、日数も短いこともあり、原則として添乗員は同行せず、現地ガイドが対応するケースがほとんどです。
添乗員の同行が絶対に必要かと言えば、一概にはそうとも言えません。しかし、添乗員は、ツアー客が安全で快適な旅行を続けられるよう便宜を図るのが仕事ですので、はじめて海外旅行をする場合は、添乗員がいると安心できます。はじめの方には、添乗員同行のツアーをおすすめします。
ツアー料金以外に旅行会社に支払わなければならないものとして、国内外空港利用税、燃油サーチャージ、1人で参加する場合の1人部屋追加料金、オプショナルツアー料金、海外旅行保険料などがあります。オプショナルツアー料金と海外旅行保険料は、申し込まなければ支払う必要がありませんので、ここでは割愛します。
これには、国内の空港にかかるものと海外の空港にかかるものがあります。
国内の空港から海外に渡航する場合、旅客サービス施設使用料(PSFC)と旅客保安サービス料(PSSC)を支払わなければなりません。
PSFCとは、お客様がご利用になるロビー、フライト情報システムなどのさまざまな旅客サービス施設の維持管理、手荷物カートやお客様案内などサービスの提供に充てるための料金。
PSSCとは、お客様の安全を確保するために行う、検査装置による手荷物検査、ハイジャック検査やターミナルビルの保安維持などサービスの提供に充てるための料金のようです。
成田空港を利用する場合、大人でPSFC :2,090円、PSSC:520円、計2,610円が必要となり、航空会社が代理して徴収します。
海外の空港にかかるものは、渡航する国の法律によって様々ですが、一般的にその国に滞在や経由したりする渡航者に対して、空港使用税、旅客サービス料、入国審査料、保安税などの名目で支払いが義務付けられています。金額も国によって大幅に異なり、外貨で支払うため出発直前にならないと額が確定しません。ヨーロッパを旅行する場合、通常6,000円~10,000円程度徴収されます。
燃油サーチャージとは、原油価格の高騰に伴い、通常の航空運賃でまかないきれない燃料コストを航空運賃に付加して徴収することができる運賃。航空会社は、国土交通省に対して申請し、認可を受ければ、搭乗区間ごとに燃油サーチャージを決めることができます。因みに、燃油サーチャージは、多くの航空会社では2ヶ月に1度のペースで見直しを行っています。
燃油サーチャージの料金は、航空会社や目的地によって異なりますが、高額の場合、ツアー料金の10%以上にも及び、これが付加されるのと、されないのとでは、大きな差が生じます。
「安いと思って申し込んだのに、燃油サーチャージをとられたために高くなってしまった」
このような失敗がないように、必ずチェックしましょう。なお、原油価格が安定してきている現在では、ツアー料金に燃油サーチャージが含められている場合が多くなっています。
海外旅行のツアーは、2人で参加するのが原則で、ツアー料金は、2人で参加するのを前提としたものです。海外のホテルはツインルームが基本で、それを2人で使用するからです。したがって、1人で参加する場合、1人部屋追加料金を負担しなければなりません。たまたま居合わせた1人参加の2人が1つの部屋に宿泊する、いわゆる相部屋という考え方は、海外旅行ではあまりとられていません。
1人部屋追加料金は、ツアーごとに決められていて、一般的にツアー料金の15%~20%相当額です。ただし、ツアー料金のように出発日による変動はなく、均一です。
最近、友達同士の2人で参加する場合でも、ホテルの部屋を別々にしているケースが見られます。いくら仲の良い友達でも、始終一緒にいると気まずくなるからでしょうか。この場合も1人部屋追加料金を負担しなければなりません。
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