秋下村塾

フランス旅行記F 3月23日 買い物しようと街まで

 

さてフランス滞在も残すところあと3日。最終日は移動で終わってしまうから実質あと 2日とあいなった。明日は予定がたっていたので今日はそう、土産を買いに行く日であります。

残金と土産を買う人リストを作成し、そこから予算を引き出して考えること数分。大方の目星をつける。
ガイドブックも参照の上、まずは自身の買い物として本屋と文具屋を選択。その方面へ向けて出発する。

最初にやってきたのはfnacという書店。日本でいうところの紀伊国屋新宿本店のようなところだ。 fnac自体は町中に沢山在るが、ここレ・アールにあるfnacは本店で、かなり大きいらしい。
まずはホテルから歩いてレ・アールを目指す。パリでは随分と歩いた。メトロに乗ってしまうと 景色が何も見えなくてつまらないしお金はかかるし、何より地上に上がった際にどっちへ 行けば分からなくなるので極力使いたくはなかった。その結果、パリ市内の殆どを踏破して 帰ることが出来た。

さて目当てのfnacだが、噂に違わずとてつもなく大きかった。レ・アールというのは若者向けショッピングセンターで、 書店の他にもCD、ゲーム、それから服に至るまで、何でも揃っていた。服屋を物色しつつ、書店に入る。
くまなく見物し、面白そうなものを数点購入。例えばフランス人向け日本語練習帳。表紙には厳島神社の写真が デカデカと載っていた。やっぱ日本のイメージってこうなんだなぁ。
その他フランスでは日本研究も盛んのようで、驚くほど沢山の日本に関する書籍があった。日本文学のコーナーには 源氏物語などはさることながら、『正法眼蔵』なんてものまであった。需要があるんだろうなぁ。

そんな一角に若者(というか、学生)が多数群がっているところがあった。何かと思い近寄ってみると 「MANGA」と書かれている。そう、日本の漫画が多数あった。メジャーどころはドラゴンボール、クレヨンしんちゃん、 先日購入したジョジョから果てはぴたテン、ヘルシングに至るまで、それは沢山の漫画が所狭しと並んでいた。 少女コミックも沢山あったなー。寿蘭なんかもあって吃驚した。
近くにフランスのコミック、というか幼児向けっぽい絵本もあったが、日本製のものとは質が全然違う 雰囲気だった。やはりこれは日本の誇れるものの一つだろう。

そんなこんなでお土産も購入し、本屋を出る。そのままセーヌ川を渡って次なる目的地、 メロディー・グラフィックという文具屋に行った。ここはお洒落な便箋や栞があったのでそれを購入して 出る。とても綺麗なペンもあったのだが、万年筆しかなかったのでそれは諦めた。羽ペンなんかもあったなー。

洒落たペンがほしかったのでもう一軒、ジベール・ジュンヌという文具屋に行く。ガイドには 学生がよく利用する文具屋、と書いてあったが果たしてその通り、世界堂のようなその店には オシャレとはかけ離れた一般的な文具ばかりが並んでいた。結局、そこでは何も買わず次なる目的地へ。

その目的地に行く途中、小腹もすいてきたので入り安そうな店を探しがてら散歩をしていた。そこは セーヌ川の南側で、いわゆる学生街の側であった(カルチェ・ラタンの辺り)。確かにセーヌ川を隔てて南側は観光地らしいところや ブティックなどはない。その代わりというか、レコード屋っぽい店が沢山あった。そんな中、 店先にハガレンのポスターを貼ってある店を発見。これはと思い中に入ってみると、あにはからんや、 ビンゴだった。
店内には至るところに日本のアニメ・アニメ・アニメ・・・。奥のショーケースの中にはおジャ魔女のフィギュアが ある念の入りよう。「日本の昔のアニメ」だか何だかいうブースには天地無用初期TV版のムック本やら コブラのムックやら、下手すりゃ日本でも入手困難と思われるものが多数存在していた。
無論これらは全て日本語のものである。かつてフランスは日本に勝るとも劣らないオタク市場が 地下で形成されていると聞いたことがあったが、その一端を垣間見ることが出来たと思う。まさか みさくらなんこつの名をパリで見るなんて夢にも思わなかったしなぁ。
これは後日談で、帰りの飛行機の中でふと思い出したのだが、あのときあの店で 「フランスファイブを知っているか?」と聞いていたらどんな返事が返ってきただろうか。それを 聞き忘れたのが残念でならない。
フランスファイブとは、かつて日本で1980年代前半に、「愛國戦隊大日本」という自主特撮を 作ったことがあり(その後その開発チームはGAINAXとなり、かの有名なエヴァンゲリオンを 作った)、それに感化されたフランス人がそのパロディーである「銃士戦隊フランスファイブ」という特撮を 作った。OP、EDテーマはそれぞれ日本の特撮の曲を使い、それをフランス語で詩を変えて歌っている。 愛國戦隊大日本に負けず劣らずの破天荒な歌詞は今聞いても面白い。

そんな店も発見し、結局カフェでまたまたオムレツとビールを食し、次なる目的地へ向けてメトロに乗った。

続いてはメインとも言うべき、衣服である。何か奮発してイカレたシャツの一枚でも買って帰りたかったので、 プランタンやら三越やら、その辺りに入ってみる。幸いプランタンは春のセール中だったので期待に胸膨らまして 入ったわけなのだが、結果は惨敗であった。
確かに日本じゃ到底売ってないような柄のシャツや純白のスーツなど、そそる物は沢山あったが、 いかんせん相手はパリ。タグをひっくり返すたびに出てくる「200ユーロ(約3万円)」やら 「350ユーロ(約5万円)」やら、果てはスーツに至っては「580ユーロ(約8万円)」やら・・・ 580ユーロって、出発前に交換した金額より高いじゃねぇか。

そんなこんなで儚い夢は藻屑と消え、「ベルギーで一着買っておいて良かった」と心底 思いながら店を出た。
その後もデパート周辺の高級ブティックを尻目に見つつ、移動の疲れもあったので そろそろ切り上げようと思った。パリで服を一着も買わずに帰るのも癪だったので、 今朝行ったレ・アールの店で何か買おうと思い、再びレ・アールへ向かう。
結果そこの「WE」という店(GAPくらいのランクと思われる)でシャツと ネクタイを購入し、ホテルへと戻る。
今日も昨日ビールを買った店で焼きたてのパンとビールを購入し、帰宅。つらつらと TVを見ながら食した。
明日は先輩と会うことになっていたが、だいたいの待ち合わせ時間、場所を決めただけだったので 電話で連絡を取ろうと思い、部屋からかける。けれど、繋がらない。
マニュアルを見て再度挑戦するも、繋がらない。
酒のほろ酔い具合もあり、それが好転したのでフロントへ行って直接交渉。

私「電話が繋がらない。ちゃんとマニュアル通りやった」
フロント「それはおかしい。貴方の部屋の電話は正常に作動している。」

そんなやり取りの末、もう一度かけ方を聞いて部屋に帰る。そしてやってみると 繋がった。かからなかった真相は定かではないが、まぁ繋がったんなら問題ない。
結果、明日は朝9時にオペラ座で待ち合わせということに相成った。
明日の予定も無事決まったので、今夜は大人しく就寝。

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