秋下村塾

フランス旅行記D 3月21日 国鉄駅徘徊

 

8時半起床。うつつだった時にタイマーにて起こされた。フランス行きの際に、私は目覚まし時計を 持って行かなかった。どうせホテルにモーニングコールなどがあるだろうと思って、特に深くは 考えずに行ったのだが、実際、テレビにタイマー機能がついており、初日からそれを利用していた。
実のところ、昨日まではこのタイマーに起こされることはなかった。慣れない異国の地ということもあり、 眠りも浅く、常にタイマー前に起床していた。
ところがフランス滞在も4日経ち、ほどよい慣れと連日の散策の疲れからか、今朝は初めてタイマーの お世話になった。

毎朝の日課である朝食をとりに食堂へ。そろそろ従業員の顔も見慣れてきた。
食事を済ませ、部屋へ戻る。今日はまだ何をするか決めていない。正確には今日と明日の行程が 決まっていなかった。
フランス滞在も今日から後半戦。最終日は留学している先輩と会う約束をしていたので、その前日は 土産を買う日と決めていた。渡航前はその日程と、行けたらいいなという感覚で19日のベルギーを 予定に入れていたくらいだ。あとは行った後でガイドブックを見ながら決めればいいやという気持ちでいた。
何だかんだでベルギーにも行けたし、前半戦は上手い具合に進んだ。残す目的は、やはりフランスの鉄道に乗ることだった。 できればTGVに乗りたいなぁと思いつつ、『フランス鉄道の旅』という、地球の歩き方を出している出版社の 鉄道旅行専用のガイドブックを眺める。
第一希望はマルセイユだった。ここに行けば白いプジョーのタクシーも見られるし(映画「TAXI」参照、 マルセイユに実在するらしい)、地中海も見られるし、TGVにも乗れる。けれども、移動に時間がかかり、 電車賃も安くはなく、何より日帰りで行くのが勿体無かった。よってマルセイユは却下。

次に海と山の選択となったが、何だか無性に海が見たかったので海方面を考える。すると選択肢は北部の ノルマンディ方面か、ちょっと足を伸ばして西のブルターニュ方面に絞られた。
所要時間を考えるとブルターニュはやはり遠そうだったので、こちらも却下。結局、ノルマンディ方面へ行くことにしたが、 じゃあ実際ノルマンディの何処にしようかという点でまた悩む。
暫くガイドブックを眺めていると、エトルタという場所を見つけた。そこはルパンの生みの親であるモーリス・ルブランの 家があり、ルパンの「奇岩城」の舞台となった断崖もあるという。これは良いと思い、明日はエトルタを目指すことにし、 今日はエトルタ方面への切符を買いに行く為の外出ということが決定した。
加えていうと、19日のベルギー行きで分かった通り、フランスの駅には改札がない。故に、電車好きの私にとっては 楽園のような場所であり、今日はフランスから出ている6つの主要駅全てに行ってみようと思った。これで 良い時間つぶしにもなる。

そうと決まれば早速行動開始。ホテルを出てまずはメトロでサン・ラザール駅に向かった。ここは明日お世話になる駅で、 パリから北方面へ行く電車が出発する。
ここでパリの主要駅についておさらいしておくと、パリには7つの国鉄駅がある。北駅、東駅、サン・ラザール駅、 リヨン駅、パリ・ベルシー駅、モンパルナス駅、オステルリッツ駅である。まぁ、東京で言うところの 東京、上の、新宿、池袋、品川、浅草のようなものだ。サン・ラザール駅とベルシー駅からはTGVが発着していない 駅である(正確にはサン・ラザールは一日一往復通勤TGVが走っている)。これまでに北駅には行ったので今日は それ以外の駅全てに行こうと思った。

まずはサン・ラザール駅で明日のル・アーブル行き急行のチケットを購入。片道3000円ほどかかった。
続いてサン・ラザール駅近くにあるレール博物館へ行った。日本の交通博物館のようなものを期待して行ったのだが、 鉄道グッズは書籍・DVDが多く、小物は殆どおいていなかった。オシャレな小物があれば買って帰りたかったが、 プジョーのマフラーが50ユーロもしたので何も買わずに出ることにした。

そのまま即メトロに乗るのも勿体無かったので、パリ北西部を少し歩き、目新しい店もなくなったあたりで 再びメトロに乗り、モンパルナス駅へ向かう。モンパルナスタワーを見つつリュクサンブール公園を経て パンテオンを通り、カフェで一服する。
ここで写真。上から何でもないパリの街並み、サン・ラザール駅に停車中の国鉄、逆光だけどモンパルナスタワー、 そしてリュクサンブール公園。

 

 

その後オステルリッツ駅〜ドゴール橋を通ってリヨン駅、そしてベルシー駅へ。 ベルシー駅は田舎の雰囲気が出ててとても良かった。
写真。ドゴール橋からメトロを激写。下はセーヌ川。リヨン駅にならぶTGV。TGV最新型の 二階建て車両。そしてベルシー駅付近からTGVを激写。

 

 

またメトロに乗り、パリ東端のヴァンセンヌの森へ。ここは公園内に池もあり、とても落ち着くところだった。
マラソンをしてる人、散歩している老人、カップル等々・・・。パリ市内の喧騒を忘れられる場所だった。

 

その後はリヨン駅までメトロで戻り、バスで帰宅した。パリのバスには一度乗ってみたかったのだが、 生憎17時過ぎに乗ってしまい、帰宅ラッシュと重なった為にとても時間がかかった。
空いているときのバスはとても軽快に見えるが、渋滞中は日本と同じく鬱陶しいものでしかなかった。

今日もビールを買って帰ったのだが、今日のはテキーラが混ざったものであり、あまり美味いものではなかった。失敗。

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