
〜第6回 「女、見るだけ」〜
さて、女性達と分かれ、折角だから、観光らしいこともやっておこうと、インド最古の
博物館、“インド博物館”へ入ってみることに。入場料は、2R。安すぎる。
ここは、静かで、昼寝するにはよさそうだが、別にインドの歴史や文化に、それ程興味
があるわけでは無い、4人なのである。ガイドブックには、「ゆっくりと見たら3日がか
り。急いで半日くらいかけて見学しよう。」と書いてあり、確かに陳列物は多い。しかし、
私の目を引いたのは、動植物のコーナーくらいだ。私はまだいい方で、他の3人にはもっ
と退屈な時間だったに違いない。2時間弱で、出てきた。
夕食はどこにしようかと、そこら辺を適当に歩き、比較的高級そうな店に入る。そこで
は、バンドの演奏が行われていた。
食事中、2つのバンドが演奏していたのだが、最初は、メンバー全員がスーツを着た、
GSのような感じの曲をやっている、4人編成のシンプルなバンド。客の受けは今一つ。
次に出てきたのは、ボーカルが男女2人で、笑顔と言うより、ニヤケ面の兄ちゃんが、どうも癇に障る感じだったが、お客さんは、喜んでいるようだ。
「これが、普通のインディアンポップスなんだな。」
さて、飯を注文しようと、ウェイターのおっさん(爺さん、に近い)を呼べば、いまい
ち英語が、通じない。通じる英語力も無いが、ここで奥の方から、もう少し偉そうな感じ
の人物が出てきて、注文を受けた。
ここは、店の雰囲気に相応しく、料金も高めである。私の分で 117R。内容は、昨日と
あまり変わらないのだが、値段は3倍である。松藤が食っているタンドゥーリチキンが美味そうだったので、少し頂いたが、これは美味かった。
ちなみに、今回の旅行においては、殆どの食事がいわゆる“カレー”である。パターン
としては、朝、トーストにチャイ(ミルクティ)、昼、カレーかチャイニーズ(炒飯か炒
麺)、夜、カレー。
「インドにはカレーが無い、と言ったのは何処のどいつだ。」
「カレーライスが無い、ってことだろう。カレーは色々あるな。」
カレーは、チキン、マトン、ヴェジタブルを、ローテーションで食い分ける。マサラと、
カリーの違いは、何かに書いてあったが、忘れた。マサラのほうが、値段が高い。
これに、ラッシーとナン、トマトスープを併せて食う。
宮下の注文した一品が出てこず、伝えると、偉い方の人が謝まりに来た。が、爺さんは
しっかり最後にチップを要求してきた。納得いかないが、少しだけ払っておいた。
食事後、チョーロンギーからサダルst.にかけて出会ったこと。
1.子供が、「バクシーシ(よく分からんが、「お恵みを」みたいな意味か)」と言って、
逆立ちをして付いて来たので、10P(パイサ、Rの下の通貨単位)渡すと、そばにいた、
母親らしい路上生活者のところへ、嬉しそうにその金を見せに行った。
2.おっさんから、「ヘイマスター、女見るだけ(日本語)」と、声を掛けられた。
3.ホテルに戻るまでに、10回くらい「ハッパ、ハッパ」と、売り込みされる。
サダルストリートの、ありふれた夜、ありふれた人々。
前回へ/
「西憂記」topへ/
次回へ