
CHAPTER 2 さらに待つ人 VS 待たせる人
ノースウエスト航空の機内食、チキンバーガーを選んだが、暖め方が悪いのか、水分を
吸って、ブヨブヨである。食わんがマシ。
車窓好きな私は、常に窓際に座ることを心がけている。旅先では思わぬ発見があるもの
だ。野糞するおばさんとか(in India )。ずっと外を見ていたが、雲が多い。
まもなく到着、という時、放送が流れる。サイパンの天候は、曇り。
「まあ、雨季だから、そりゃ少しは雨も降るわい、なあ、諸君。」
無事に、サイパン上陸。日本で、レンタカーの手配を済ませていたので、早速借りに行
こうとすると、ツアコン曰く、
「ホテルのチェックインを私がやりますので、どなたか一緒にバスに乗って下さい。」
とのこと。そこで、哲&日出子はバス、宮下&松藤は車、という組み分けにした。
バスには、30人くらいの客。第一ホテルでどっと降り、一気に我々と、もう一組の客に
なった。その一組も、次のハイアットで降りてしまい、貸切状態で、マリアナリゾートホ
テル(僻地)へ。これは、香港の時と同じパターンだ。どうも、世間一般とは相容れない
らしい。
道が悪くなる。思ったよりガラパン(中心街)より遠い。
「車を使えばそれ程気にもなるまいが、しかし、宮&松が着いて来る気配がしない。
先に行ったか?」
ホテルで、ツアコンが、男から女へ交代。我々の荷物が、第一ホテルで降ろされたこと
が判明、宮下たちもまだ来ないので、待つことに。
30分経過。荷物は到着したが、奴らがまだ来ない。うぬっ、またか。思い出した。車を借りるとき、空港を出てすぐ目の前のオフィスに、“ Heart's”(今回借りたレンタカー
屋)と出ているのに気づかず、延々駐車場の果てまで捜し歩いていた、2人の姿を。
「買い物にでも行ったんでしょうかねえ。」
いや、違うと思います、お姉さん。もう、一々説明しませんが、彼らはこういう人たちなんです。
1時間後、2人到着。宮下の第一声、
「いやあ、道に迷った。やっぱ地図見ないと駄目だな。」
「そう、あそこはやっぱり左やったね。」(松藤)
「いや、あれは右でいいんだよ、それよりさあ、あの信号のところで、おれがこっち
じゃねえかって言ったのを、松藤が逆に行ったから…」
「いや、違うって、あの最初の所がやっぱ左やったとて…」
死ぬまでやっとれ。
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