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アザラシのレスキュー活動

 

 

    6.旅立ちの日(わかれ)

北海道にも短い夏がやってきました。
春に保護した赤ちゃんアザラシは体重が20kgにも増え、リハビリも終えて7月中旬 いよいよふる里の海に帰ることになります。
3ヶ月ほどの短い飼育期間でしたが、やせ細り弱って保護されてきた日のこと、少しづつ元気を取り戻し餌をおねだりするようになった日のこと、生きた魚をやっとの想いで捕まえうれしそうに食べた日のこと、無邪気にプールで遊んでいた姿を思いだすと別れはとてもつらく涙さえ出てきます。
元気であればこそ、もう二度と会うことのない別れ。


 

 

 

本当はせつなくて、とても悲しいのです。
けれど、彼らは北の海でたくましく生きる野生動物。自然の中が一番似合います。そう自分に言いきかせ、これからはじまる彼らの新しい生活を笑顔で見送るようにつとめます。
波間に見え隠れしながらやがて姿が見えなくなった時、この年のレスキュー活動に終止符がうたれます。

忙しい日々の仕事の中で、野生動物にかかわることの誇りを持ち続けるかぎり、これから先もアザラシのレスキュー活動は毎年くり返されることになります。

なお、1999年のリリースは個体の体力増強をはかるため12月に行われました。
放流時には例年の場合よりも体重が10kg増の30kgとなって、無事ふるさとの海に帰ることができました。
また、赤ちゃんアザラシのミルク代としてご寄付を寄せられた皆様にはこの場をかりて厚く御礼申し上げます。

 

 

 

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このページは2005年11月3日に閉館してしまいました北海道の「広尾海洋水族科学館」のサイトの一部を了承を得て保存し公開しているものです。

「あざらしみてきたよ!」 http://www.ne.jp/asahi/kanda/azarashi/