2002.6.4〜6.30
6月4日・ 青に染まれ!
目の前が青になりました〜!稲本が決めた瞬間です。うわわわ〜!
サッカーカフェ高橋では来店者に青い勝ちTが配られます。
み〜んなが叫んで立ち上がると、小さいあたしの前は青。
それに、たいてい乗り遅れるのよ、一瞬の判断と瞬発力がないのかしら。
ほら、鳥肌は立ってるんだけど、歓喜の爆発より真っ白でぼ〜っとなる。
で、すぐ次の守備の心配とかしてしまう・・損な性格だわ。
試合が終わってから、ジワジワ〜っと感動を反芻するのが好き。
それとね、なにより喜ぶ人の表情を見るのが大好き!

日本の初戦、対ベルギー戦は先生とLINDAさんがスタジアム観戦。
ウチにはもりしゃんと清水くんと岸くんが、それぞれ友達を連れて来た。
合計10人。初対面でも気持ちはひとつ!日本中がそうだと思うだけで感動よね。
代表で戦う・・国のプライドをかけて。それがこのパワーを生むのかぁ・・。
W杯の価値の意味付けに成功してるからサッカーに燃える人が多い面もある。
サッカーを愛すると国を愛するがイコールになるなんて不思議なのにね〜。

ここに集まってる男達なんて、サッカーないと生きていけない。
日々を生きるためにサッカーが必要なんじゃない。サッカーの為に生きてる。
ふふ、もりしゃんてば韓国の試合中に完全睡眠。岸くんもうつらうつら・・。
すっかり燃え尽きてしまったようです。全エネルギー日本の応援に放出〜。
神様から「死ぬ前に一度だけ好きな時間に戻してあげよう」といわれたら、
迷わず「2002年6月」とこの人たちは答えるんでしょう・・。
いえいえ、もっとスゴイ日がやってくると信じて夢見てるのかもしれないです。

6月7日・ 女王さま降臨。
今月はサッカーの話題しか書きませーん。
テレビの番組もみんなそうじゃん。いいのよ、いいのよ。
な〜んていってると、影でいろんな事が進んでたりするので気をつけましょう。
新聞の3面、お詫び記事だらけだし、中山美穂は結婚してるし・・。
浮かれてると足元すくわれてても気づかないからねぇ。

で、サッカーなんだけど(笑)本日もいつものメンバーが3試合連続観戦。
すっかり寛ぐ術も心得た様子。もう誰のウチだかわかりませぬ。
あたしも男手は使っとこうってんで、清水くんをアッシー君(死語)にしたり
庭師に任命して芝生の管理させたり、すっかり女王さまなのですわ。
男ばっかりに囲まれるのにも慣れちゃった。
ミッションスクールに通ってた頃は男性恐怖症だった、なんて信じてもらえる?

今日は嬉しいゲストがいたわ。LINDAさんの友達の光樹くん。
「これ、どこ製ですか?センスいいですよ〜」ってね、家具に詳しい。
初めてインテリアを認めてくれる人がウチに来てくれた〜〜。きゃ〜。
いっぱい説明しちゃった。やっと一仕事終わった気になれた。キラキラ。
ほらほら、サッカーバカの皆さん、見習いなさいよ。このサービス精神。
うふふふ、褒められて有頂天さ。よっしゃ、これからも頑張ろう〜〜!

光樹くんは超有名ミュージシャンの
弟クンなのである。
日本人なら誰でも知っている。
ええ〜?ほんとに〜?
6月8日・ わたしはここにいます。
「バンザーイ!バンザーイ!」日本人で良かった〜〜っ!!
スタジアムが揺れ続けた夜、ここにいる実感が夢そのものです。
うわ〜、勝ったよ〜!これワールドカップなんだよぉ〜!
ごめんなさい皆さん、この目で見ましたロシア戦。肌で感じました、緊張感。
必死の応援。気持ちが先走ってバラバラでした。そうです、これが真実。

「今日、勝っちゃうのはどうかと思うんですよね〜」
始まる前、心配性のもりしゃんは分析した。モチベーションの問題だって。
横浜国際競技場入口には、入場者と入場でない方との分かれ道があった。
チケットないのに外から応援しようって人が何万人も集まって来ている。
これだけの熱い想い。計算なんてしてられっか。勝つのよ、絶対!
10万人の気合いは妙〜な空気となって会場を覆ってる。
もりしゃんはフランス大会にも行ったベテランだから冷静で正しいのかもしれない。
ああ、息がうまく吸えないわ。豪華お弁当の味がよく分からないわ〜。

そして、歴史のキックオフ!前半はすごく早く過ぎていった。
後半、稲本のゴール!一瞬、シン。大声を出す前の、息を吸う空白の間。
ぅわああああああああ・・・!!スタジアムがひとつの生き物みたいに動いた。
なになに?ホントに勝つの?うっそ〜?・・そこからが長いハラハラドキドキ。
ロスタイム2分。・・え?今、笛?・・ぅわあああああ〜〜〜!!!
最後もちょっと確認の間があった。実況中継なんてないのが現実。

後はもうお祭!唄いながら、踊りながら、笑いながら、叫びながら帰ってく。
チケットもぎってた係りの人とハイタッチ!いっぱい喜んでいいんだぁぁ。
帰宅したら日付は変わっていたけど、先生はこれからテレ朝の番組取材。
午前3時。地元のスポーツバーに寄って帰宅したもりしゃんからメールが届く。
その30分後、LINDAさんからもメール。まだ六本木で騒いでるらしい(笑)
きょうが終わっちゃうなんて、ほんと、もったいないね。

歓喜のサポーターに困る警察官。
「ほらほら降りなさい」
「あと一回だけ、お願いします!」
「仕方ないなぁ・・」
「オオー、オオオ、オオ・オ〜♪」
・・ずーっとやっていた(笑)
6月10日・ アズーリとの一夜。
え〜、わたくし本来の予定であれば、仙台にいたハズでございました。
正式なインビテーションを、「日比野朱里様」でご招待を受けておりました。
そのパーティー、フォーマルのドレスコードになっており、慌てて購入です。
ブルーシフォンに流れるようにラメの入った露出度高めのロングドレス!
「ドレスに負けてないわ。すごくお綺麗・・」ふははは。自分でもかなり満足!
よ〜し!これで悩殺よ〜!・・・・という予定でございました。

誰を・・?って、トッティー。(笑)
イタリア代表との親善パーティーだったんですもの〜。
HPトップの写真もゴスペラーズからアズーリへ華麗なるバトンタッチなんて
夢見ていたけど・・それどころじゃなくなったのは、イタリア代表。
まさかの敗戦にパーティーなんかやってる余裕一切なし!
親善してる場合じゃなくなったと連絡があったんですね〜〜。

考えてみれば、予選の最中にパーティー組むなんて、2勝確実と踏んでのこと。
そんなの油断。甘い考えじゃ勝ち残れないのがW杯じゃないか〜。
フランスだって自分たちは優勝国!な〜んて思ってたのが原因ですよね〜。
予選なしで他国開催、むしろハンデだったのに・・。
優勝候補に名が挙がる、それは過去の統計結果にすぎない。
アフリカ勢に続きアジアも力をつけて、これからが本当のワールドカップ!
ヨーロッパの危機感が、もっとサッカーを面白くしていくといいな〜。

あ〜しかし、この大枚はたいて買っちまったドレスはどうする?
お願い、誰か結婚式やって〜!


6月14日・ だって、初体験なんだもん。
駅は青い人でいっぱいだった。その人々を振り向かせながら男がやって来た。
必勝のハチマキに日の丸マント、顔や腕にこれでもかのペインティング。
なにより満面の笑みが存在感を大きくしていた。・・きゃ〜!LINDAさん派っ手〜!!
決勝Tに王手のチュニジア戦。恵比寿にある「ZEST」ってレストランで観戦だ。
LINDAさんが友達に声かけたら総勢18人も集合しちゃった!
2階まで立ち見でギッシリ、200人くらいかなぁ。私達はスクリーンの前のテーブル。
DJが煽り、始まる前から熱狂のニッポンコールが鳴り響く。

スタジアムとは違った楽しみ方。ビール片手に騒ぎたいだけ騒いでヨシ!
にわかファンの女の子が相手にボールが渡っただけで「イヤ〜ん」て悲鳴をあげる。
客たちの真ん中で、LINDAさん椅子に立ち上がって応援団長よろしく音頭取る。
うわ〜気持ち良さそうだ〜。これがやりたかったのね〜〜。
・・あ、たけぽんが醒めた目で睨んでる。(笑)

後半、ヒデが2点目のゴール!店の人がクラッカーを節分みたいにバラ撒いた。
「試合が決まったら一斉に鳴らしましょう〜!」く〜、演出するね〜。
パンパンパン!!その瞬間はすぐにやってきたけど歓声でかき消されてしまったわ。
すごいよ日本!もりしゃんとハイタッチ!知らない誰かと抱擁〜!

店の外でもニッポンコールは止まない。青い人なら皆、友達だ。
「国立帰りは渋谷に集結」そんな噂が広がっていて、見物がてら行くことになった。
と、すでに改札から警官の列。続々と青が増殖、混乱が始まってる。
きゃ〜〜!トルシエのお面を付けたLINDAさんが群集に捕まり胴上げされてる〜!
どこ行くのLINDAさ〜ん!・・生き別れた。

「キミ!何するんだね!」売店で雑誌買おうと手を出したもりしゃんは注意された。
青い人はもうフーリガン扱いだ。それも納得。身の危険感じる人数と喧騒だよ〜。
ビールを掛けられ、さすがに退散。渋谷の若者よ、Jリーグって知ってるか?
W杯は無礼講。TVの情報に踊らされ、流行に乗るだけの日本がそこにあった。
サッカーの歴史も浅く、民族意識も薄い日本人。喜び方も初心者だよなぁ・・。
「中山出せ〜〜!」
LINDAさん、ゴンと顔そっくりです。
うわ〜全員、青いぜ。
6月15日・ ソフトフォーカスに沈む。
梅雨だからぼ〜っとするのかな?
最近、にぶい。忘れやすいとか身体がダルいとかもそうだけど、
動かないのよね、心が・・。グワ〜っと揺れる感動が来ないんだなぁ・・。
だから、積極的に芝居や美術見にも行かなくなってる気がする。
好奇心て行動の原点。面白い〜!に反応したい・・のにしない自分。
・・サッカー?うん、楽しんでるよ〜いろんな意味で。
でも、違うんだなぁ・・。もっとこう、奥の方が揺れる感動が欲しいの。
ストレスたまってるか、栄養素が欠けてるか・・?
たまに揺れが来ると、泣くからなぁ。深層が何かをロックしてるのかも・・。

美形男性ユニット「*pnish*」が癒し系演劇やるっていう。
癒し系?ちょっと時代遅れな気もするが、癒されたいから見に行った。
パニッシュはシロ×クロと名乗ってた頃から、全部見てるんだ〜。
お顔につられてファンは増え、どんどんアイドル化している。
そして今回、自らアイドル宣言ともとれるような内容をやってしまった。
ああ〜、違うなぁ。メンバー全員、芝居も上手いんだから演劇やろうよ。
はっきりいって、安っぽいファンサービスのショーじゃん、これ。
・・癒されずに寂しくなってしまった。
パニッシュ〜!もっと高い所を目指しておくれ〜。

帰り、一緒に行った事務所のスタッフと久々に呑んで語った。
ストレスって言われて最初に頭に浮かんだものがストレスの原因。
解消法は、まず自分がそこから離れること。・・なるほど、そうだわ。
どんなに癒しても、所詮は散らしただけ。根本的には治らない。
誤魔化し続ければ、何かがマヒしてくるのかもしれない。
そして気づかぬうちに、別のとこが痛んで来たりするのよね〜。

お、光明が!スッキリへの道、発見か?
脳の回路がパスッと開いて、風景に色が戻って来た。
思考することを怖がってはいけない。
フルで動く頭がなければ、感動の波も起きない。伝わらないのだ。
そして、ドキドキするような行動の決心をした。

6月17日・ 俺が楽しむ世界の祭。
五輪の対アメリカ戦、楽勝ムードが災いして負けたじゃ〜ん。
ちっとも反省してないんだから〜・・と始まる前から警告発しておりました。
「日本×トルコ」チグハグな試合は、日本人の国民性が作った気がします。
あおるマスコミと浮かれたにわかファンが、戦場を祭りに変えてしまったか・・。
・・え?作ったのはトルシエ?ま、そうおっしゃいますな。

雨の朝、先生・LINDAさん・清水くんがバタバタと仙台へ出掛けて行きました。
我が家には、もりしゃんをはじめサッカー通が5人。
醒めた解説と罵声の中に、勝利への願いと代表への本気の愛が感じられます。
あたしにはサッカーが見えてない。それでも分かる今までとの違いといえば・・
意識のベクトルがバラバラだった。選手も応援も初めての経験に浮ついちゃった。
自分達のいる場所の価値や目標の設定が整理できないまま試合したみたい。
トルコの戦術なのか雨のせいか、違和感から抜けられず時間だけが過ぎた。
そういう時ってあるよね〜。な〜んて素人は思ったのだった。はふぅ。

で、落ち込んだ気持ちを笑い流そうと、みんなで「少林サッカー」のビデオ鑑賞。
適度にほっこりとしたものの、続くは韓国×イタリア戦である。
うわ〜!なんだよ赤!まさに異様。赤い悪魔たちの本拠地は現実感まるでなし。
スタジアム全体が巨大な化け物。そしてソイツに食われたのは審判だった。
12人目の選手は試合で最も活躍したんだ。ただ「応援した」日本との大きな差。
「代表に勇気をもらいました」おい!貰ってどうする!?与えなくちゃダメでしょ。

試合が決まると、サッカー通たちは悲嘆に暮れた。
先生は帰って来て「田舎者の応援!試合見てない」と吐き捨てた。
ニュースは勝っても負けても同じ顔で川に飛び込む若者を映し出す。
彼らの欲しているのは「祭」である。古来からこの国にあったバカ騒ぎの場。
その必要性は再認識したが、W杯で代替されては困る。
日本を代表した選手がサッカーの試合を世界とする。きっともっと大きい事。
オフサイドも見抜けない初心者の私は、サッカーの本質に酔う人々に囲まれて、
ミーハーにもなれず、ましてや批判も出来ず、体験を溜め込んでいるだけなんだ。
ひとりの中途半端な日本人だもん、そのへんで勘弁してね。

6月21日・ 三途。
久々に声優の仕事。
東京郊外に建設される大型マンションのモデルルームか何か(詳細知れず)で
流される宣伝用アニメ。ほんの5分程度のもの。
大きい事務所だとこういったお仕事がいっぱいあるんだけど、ウチみたいな
マネージャーもいない弱小にはなかなか入って来ないんだな〜。

アニメや洋画用のスタジオは人数の関係でそこそこの広さが必要。
MAと呼ばれるCMやナレーションを録るスタジオは3畳間個室って感じ。
そこに定員ギリギリ出演者4人分の椅子やモニターが用意されてた。
と「立ってやりたいから、机と椅子とっぱらってください」の声。
仰天〜!慌てて「いえ、このままで結構です」とスタッフに泣き笑顔の私。
同じ事務所の役者として、冷や汗が滴る〜。

他の3人、アニメでは皆10年選手だが、こういった仕事には慣れてないのかも・・。
一言一言にこだわりながら丁寧に録音するから、立ってやるこたぁ、まずない。
アニメにアテるのは同じだが、かなり別分野の仕事と私は思ってるんだよね。
ああ、また「タイミングわかりませ〜ん」なんて平気でいう!
Qランプの場所を指で教える。そういやカフ使ってないんじゃないか?
あたし座る場所間違えたかなぁ・・。3人は己の素人っぷりすら気づかぬようだ。
教えてあげればいいのかしら?けど現場でやると、クライアントを不安にさせる。

外は夏。ギラギラの太陽を照り返す川に立つパンダ。
・・パンダ?そう大きなパンダが垂直に揺れていた。水面に頭のてっぺん浮かせて。
沈むでなく浮くでなく進むでなく、水中に立っていた。後ろ向きで顔は見えない。
捨てられたぬいぐるみの放つ不条理の世界に、しばらく皆で見入った。
何処にゆくのか・・。何を識るのか・・。白と黒が禅問答を仕掛ける。
橋を渡り終える頃には、自分がとても空腹だったことを思い出していた。

6月23日・ 男と女の相対性理論。
強い男に憧れる。
男はそうなりたいと思い、女はそんな男に守られたいと思う。
男は闘争本能で、戦うために戦うが、女は守るために戦う。たとえば子供。
自分の命より大事なもののために戦うのだから、母なる女は強いのさ。
男だって女を守るために戦うって?それは女の本能の策略に引っかかってるだけよ。
ほら、アタシこんなに弱いの。アタシを守ってちょうだい。と、生き延びる作戦。
保護欲が闘争本能に火をつけ、戦うオレに陶酔する男。

「PRIDE.21」@さいたまスーパーアリーナ。
観客にオスメス化した人間率高し。青年コミックに登場する典型的カップル。
肩出しヘソ出しミニスカートにヒール、ロングヘアをレイヤーで流す女は、
シャツの襟を開けて大声で威嚇するように話すグラサン男に寄りかかる。
ある意味とても人間くさいね。そういう世界も覗いてみたい。なれないけど・・。

PRIDEも3回目、「お、また流血だよ〜」なんて、かなり余裕です。
「グレイシーやシウバって名前の選手が多いのはなぜ?」
「落語でいえば、林家とか桂なんとかみたいなもんですよ」
ほら、質問だってちょっと知ってる人っぽいでしょ〜?(笑)
秒殺に始まって、百発顔面連打に終わる。寝技はまだよくわからないや。

はまちゃんが別れ際に言った。
「少しは格闘技、好きになりましたか?」
あまりにも真剣な顔で聞くから、胸にサクッと刺さった。
・・あ、はまちゃんは傷ついていたんだ。あたしが最初「嫌い」って言ったから。
自分の愛する格闘技をけなされたから・・気になっていたんだ。
「殴られたら人の顔ってあんなになるんだね」興味を惹いた事、素直に話した。
無神経でゴメンね。これからもちゃんと見るからね。言葉にはしなかった。

試合前にイラストレーターのナカムラミツル(326)さんを紹介してもらったの。
「あ・・、今、描くものないんで・・」先生と向かいあって、お互い固まってた。
シャイな者同士、その間の長いこと・・。かなりおもろい風景でありました。
ひょっとして、静かに静かに戦っていたのかもしれませんな・・。ふ。

6月26日・ トルコ国旗は星を上に掲げるものか。
準決勝である。トルコ×ブラジル。
さいたまスタジアムの階段をいっちばん上まで上がる。足つりそうだ〜。
後ろの方で花火が盛んにあがってるけど、中からは全然見えない。
お弁当の御飯は冷たく堅くて食べられない。見かけ倒しでくやしいなぁ。

決死の覚悟でプレステージチケットを購入したんだよね〜。バカ高いやつさ。
お弁当もひどいけど、お土産ってのが最悪。成金オヤジ嗜好で使い道なし。
ネクタイピン、札入れ、豪華黒塗り住所録・・・。会場ごとに無駄が増える。
おエライさん向けに販売されたチケットなんだろうけどさ、センスなさすぎ!
座席カバーとポンチョは毎回付いてくる。限定Tシャツ1枚の方がまだまし。
このぶん安くするか、選択性にして欲しかったわ。

試合はとても面白い。パス回しのキレイなトルコを応援。
日本が負けた国だから悔しい・・から応援しない、か、勝ち続けた国に負けたんなら
強かったと思える・・から応援する、か。考え方はいろいろね。
優勝当たり前のブラジルより、判官びいきでトルコ・・のつもりだったんだけど、
あれ、こりゃ〜強いよトルコ、日本戦よりず〜っと。
プレイスタイルが好きだから・・が通の応援らしいけど、そんなのまだ見えない。

「延長にならないかなぁ・・」いい試合はもっと見ていたい。
日本が出てない試合が楽しいなんて、あたしも進歩したもんだ。
両国の応援団の印象も最高。ああ、これがW杯の雰囲気とあらためて知る!

6月28日・ ヴァンゲリスに歌詞?
2002 FIFA W杯オフィシャルコンサート、KOREA/JAPAN DAYに行く。
「ねぇ、東京スタジアムってサッカーもするの?」女子高生の会話に笑う。
サッカー=W杯なのか?それともJリーグ自体知らないのか?
どんなに視聴率がスゴくても日本代表の結果すら興味ない友達いるもんなぁ。
そんな人も音楽なら聴く。W杯関連とはいえコンサート主催、FIFAなんだな。
ある意味世界制覇してるよ、巨大企業FIFA。

16時開演。ローリン・ヒルはアンプラグド。まだ客席半分の入り。前座扱い?
平井堅は1曲ごとにバラード。いちいち立ったり座ったり観客も忙しい。
T-スクェアはトイレタイムか?F-1のテーマで盛り上がる。おいおい。
CHEMISTRY。堂珍に手拍子、川畑に横振りを要求され困る。リハしてないの?
ぎりぎりヤバイMCだった倉木麻衣。花火打上げ、売れっ子をアピールした。
で最後は・・知らなかった!ゴスペラーズって踊るんだ〜!(笑)
計算されつくしたエンターティナーぶりにビックリ。観てみるものだわ〜。

アーティストごとに特徴が出て面白かったけど、演出に差がありすぎだったな。
もっとW杯らしさが企画されてるのを期待してたんだけど・・。
全員で歌うとかさ〜。ん?そういえばないんだっけ、相応しい歌。
「翼をください」みたいなの、あったら良かったのにね。

6月29日・ 前夜。
ああ、終わる〜。あと2日だ。
名残惜しいじゃないか。もう、やり残したことはないかい?
韓国×トルコの三位決定戦もみんなで見たいね〜。
そうだ!SOPH.のサッカーラウンジ「FOOTBALL IS BEAUTIFUL 」に行こう!
先生の突然の提案。集合を慌ててかける・・。

表参道の裏道を入った所にこっそりあるチープさがオシャレな店。
SOPH.社長の清永さんがW杯期間限定、趣味で作ったラウンジだ。
まったりとした夜のカフェって感じ。サッカーフリークの贅沢な秘密基地。
清永さんは自分の好きな洋服を売って成功してる。青年実業家ってやつだな。
W杯はスタジアムで見まくり。この為に仕事頑張って来た!と言い切る。
ちなみに奥さまは女優の小島聖さんである。まさに人生の勝ち組だ。

奥のソファに陣取って、さぁ〜始ま・・あ〜!もう入っちゃった〜!
サッカーって漫画より漫画な展開ばかりだ。誰にも予想がつかない。
10数分遅れて来た大村くんがポカ〜ンな試合展開。御気楽に盛り上がる。
欧州勢とのピリピリ感もなく、力の限り熱血な試合。スポーツだなぁ・・。
いろいろ物議を呼ぶ韓国だけど、彼らなりの今の全力なんだと思う。
発熱は毒素を露呈させ、薬を選ばせ、やがて快方に向かうのだ。

赤と白のユニフォームが交互に手を繋いで声援を受けている。
なんて美しい光景なんだろう!どうして人はこれを美しいと感じるのだろう!
世界中が瞬間を共有している。そして、明日がやってくる。

6月30日・ 夢を叶えた人々。
横浜インターコンチネンタルホテル内、アディダスの企画したレストラン。
そう広くない店、ユニの展示やCMのメイキングビデオが流れてる。
百人程のおじさんが昼間からビール飲んでる。
そこへ、ふつう〜に登場したのは、あのトルシエ監督だ!
「みなさん、もうかりましたか?」アディダスの関係者(?)にこう挨拶。
フランスジョークを交えて代表の裏話やら、質疑応答によく舌が回る。
トルシエの会見と聞いて来たけど、記者なんかいない。親睦会なんだな、これ。

「トルコ戦でスーツを変えましたね?」「ここからは2006年に向けての闘いだ、
新しい気持ちでいこうと・・。紺色のスーツを着たのですが・・終わってから選手に、
燃やしてしまえ!といわれました。」「今日はどちらが勝つと思いますか?」
「6対4でドロー。私は計算が苦手なんです(笑)・・サッカーは計算できないと
言いたいわけですが・・。一部ではアディダス対ナイキとも言われる決勝戦、
ここではやはりドイツを応援する、と言っておきます(笑)」
うわ〜、世渡り上手そうだ〜トルシエ〜。頭の回転めちゃ早いや〜。

「次期フランス監督に名前が挙がっていますが・・?」
この質問には真剣。私はもはや外国人だとか、中山のようなスピリットがどうとか、
マジでやる気みたい。もう頭に構想がどんどん浮かんで仕方ないって感じ。
最後に全員と撮影会!おじさん方もしかしたら株主さんかもしれないなぁ。
「マンガ『ホリー&ベンジ』の作者と声優の・・」握手して挨拶して・・握手(笑)
大きくて柔かい手でした。あれ?「ホリー&ベンジ」ってイタリア版じゃなかった?
どちらにしてもトルシエ監督は「キャプテン翼」読んでないよなぁ・・。
赤レンガ倉庫のホールに移動。今度はアディダスの社長さんとご対面。
翼がアディダスのイメージキャラクターになったんだそうだ。
「少し太ってるな」先生の描いた社長さんの絵は肩幅デカイ。お気に召さない?

「アディダスアートフィーバー・ユニセフチャリティーオークション」を見る。
本物のオークションて初めて!ほほぉ、値段はオークショ二アが決めるものなんだ〜。
あれ?トルシエ監督〜!なんとあたしの前列ひとつ横に座った〜。奥様も一緒だ。
トルシエ画伯の作戦画も数点出品されてる。呼ばれもしないのに熱弁ふるって説明。
1枚30数万円で落札されてました。サイン入りボールは俊輔が最高額。人気高し。
トルシエ監督も指でベットして特別参加。P.プシニャック作「最初の試合」購入〜。
まだまだ買うぞ!とカタログ広げて奥様に相談してた。

さて、途中退場し、ホテルに帰って御飯と休憩。先生は爆睡。
午後6時、横浜国際競技場に向かいます!最後の試合だ〜。ワクワクするね〜。
席はびっくり最前列!着いた途端に旗の端を持たされ、式典に参加。
わぁ〜、大きい旗の下ってこんななんだ〜。早くも感動〜。

最前列は試合がフカンで見れません。記者の列、看板、スタッフもバタバタ・・。
だから、どんな試合になってるんだか実はよくわからない。
でも、選手はこの目線なんだよね。すごく広い。ゴールってあんなに遠いんだ。
近くに来ると表情まではっきり!リアル!そんな激しくぶつかったら痛いよ〜。
ああ、同じなんだ〜、フットサルやってる皆と。人間の筋肉!
空飛べるわけじゃない、20数年生きてるだけの同じサイズの人間がやってること。
何回も優勝したのは国、選手は別人。きっと神経性胃炎なったりするんだろうな。
「頑張れ〜!」届くんだよね、応援の声って。わかるよ、ここにいると。

無数の折り鶴が舞い降りてきた。
黄金のワールドカップが目の前を走る。
興奮を冷ませとばかりに雨は激しくなったけど、黄色い熱はスタジアムを燃やしてる。
日本でのW杯。優勝の空気。
自分自身の目で見たという贅沢な経験。
この先の人生、もっとスゴイ事があるかもしれないが、これはかなりスゴイ事よね。
2002年、6月。絶〜対ッ忘れない。

では、また4年後に・・。