プレゼンテーションQ&A
Q1;「アイコンタクト」って何? |
A1;「目線」のこと。話すとき相手のどこを見るか、誰を見るかといった技術です。
相手側が一人のときも大人数のときも、気持ちは1対1で話すつもりでいき
ましょう。
大勢の場合、目線が定まらず宙を泳いだりすると落ち着きのない印象を聞
き手に与えます。必ず、一人を選び、その人と目線を合わせてワンフレー
ズ、次は別の人と視線を合わせて……といった具合に満遍なくゆったり皆に
視線を送るのがポイントです。場の雰囲気に慣れるまでは、前方にいる人や
頷きながら聞いてくれている人とアイコンタクトをとると落ち着きます。
一人の場合は相手の目を見て話すのは同じですが、ずっと見つめ続けると
聞き手も息苦しさを感じますので、適度に視線を外します(相手の咽喉もと、
手先など)。相手の様子を把握するためにも決してうつむかないように。
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Q2;真剣な仕事の話なのに笑顔は必要ですか? |
A2;必要です。ずっと硬直していると聞き手は疲れます。
終始、ニヤニヤしているのとビジネススマイルは違います。話し手の余裕・自
信・人間性(爽やかさ、明るさ)が表れる笑顔を、話の締めくくりや、次の話題
に移るときに織り込み、相手に「この人の話をもっと聞きたい」と思わせるた
めのポイントとしましょう。
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Q3;どうも早口のようで、いつもしゃべっているわりには相手に伝わっていないよ
うですが、スピードって調整可能ですか?
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A3;一般的に、遅いのを速くするのはかなり努力を要しますが、速いのを遅くする
のは容易だといわれます。
先ずは、間を取ることを意識してください。ワンフレーズが少々速くても次に
移る際、一呼吸おくだけで随分違います。文章の間が取れるようになったら
意識的に重要な部分(キーワード、キーフレーズ)をゆっくり(自分では一言
一言噛みしめるくらいでちょうどよい)口にします。これで、話全体が一本調
子にならず、リズムが出てきます。
スピードを緩めてゆっくりしゃべり出すことで「ここは聞き逃してはいけない部
分だ」と相手にアピールできるわけです。上手く間をとり、きびきびした口調
で話すのはビジネスでは効果的な技法です。
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Q4;口癖があると同僚に指摘された。これって耳障りってこと? |
A4;癖は誰でももっています。しかし、プレゼンとなると極力、排す必要がありま
す。口癖が気になって「これで何回目」と聞き手に数えられたりしたら目もあ
てられません。話自体に集中してもらうためにも気をつけましょう。
特に、ビジネスの場では「えっと」「あのぉ」を連発すると稚拙な印象を与えま
す。録音して自分の口癖を自覚することから始めてみては?
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Q5;どうも落ち着きがなく、つい見ぶり手ぶりで話してしまう。相手に迷惑では? |
A5;そんなことはありません。ジェスチャーはプレゼン・スキルとして重要です。
話の内容にあわせて自然に動かすのであれば、話し手の熱心さを印象づけ
るのに役立ちます。
ただ、ジェスチャーと無意識の手癖、足癖は別物。貧乏ゆすりをしたり、始
終、髪を触ったりするのは見苦しいので、ぜひ直してください。
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Q6;人前で話すときは服装にも気を遣うべきでしょうか。話の中身がしっかりして
いれば、身だしなみは清潔でさえあればいいと思いますが……。
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A6;よほど、内容に自信があれば別ですが、そう言い切れる人が果たして、どれ
だけいるでしょうか。
視覚効果をふまえ、服装はその場に合ったものを熟考しましょう。社外での
折衝なら会社を代表して行くつもりで、きちんとスーツを着用します。業界に
もよりますが、一般に女性のパンツスーツはインフォーマルとみなされますの
で、面接・重要な商談・保守的なクライアント、の場合はスカートが無難。また
日頃から自分に似合う色を見つけ、顔の近くにもってくるもの(ネクタイ、シャ
ツ、ブラウス、スカーフ)には顔色の明るくなる得意なカラーを選ぶと効果的。
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Q7;地声が低くて聞き取りにくいと言われることが多く、悩んでいます。 |
A7;声の性質は変えられませんが、印象を変える工夫はできます。プレゼン中は
意識的に変える努力をしましょう。
一般に、低い声は聴衆を退屈させ、高い声は疲れさせるといわれます。どち
らの場合も一本調子で話すのではなく、高低・大小・スピード(速い・遅い)を
組み合わせて変化に富んだ話し方を心がければ、どんな地声でも聞きやす
くなります。
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Q8;プレゼンのために機材を使う際の注意点は? |
A8;機材使用の場合、必ず、前日、直前と最低2回は作動するかどうかチェック
しましょう。機械は気まぐれ。昨日は正常だったのに、今日は全く動かないと
いうケースが結構、見受けられます。
また、商談先に出向いて行う場合は先方の環境を予め尋ね、必要なものは
持参するのが礼儀。急に延長コードを貸してくれなどと言うのは厳禁です。
また、機材に頼り切るのはマイナス。例え、機材がなくても説明したい内容が
伝わる(ホワイトボードに書く、等)よう万全の準備をしてこその小道具だと心
得るべきです。
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Q9;レジュメ等の配布物がたくさんある。どのタイミングで配るのが効果的? |
A9;大量にある場合、予め配るとせっかくの説明を聞かず、資料を読み出す人が
必ず出てくるものです。必要なシートをその都度、配るのが効果的。
時間が気になるかもしれませんが、自分ひとりで走り回って配布するのでは
なく、参加者に回してもらうなど、周囲を巻き込むのも雰囲気作りの一環とな
ります(大人数の場合、列毎に渡すなど時間節約の工夫をすること)。これも
テクニックのひとつ。礼を失することにはならないので、ご安心を。
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Q10;どうしてもあがってしまう……。 |
A10;あがるのは真剣な証拠。誰でも、緊張しているのです。ただ、準備不足で自
信がないからあがるというのは問題です。内容を詰めるのは当然ですが、
ぶっつけ本番ではなく、必ず声に出して通しで練習してください。
頭の中で考えるだけでは絶対にプレゼンは成功しません。実際に声を出す
「一人リハーサル」が最大のアガリ防止法。このとき最初の3分間はきっち
り話せるよう、特に念入りに練習しましょう。導入部分が聞き手を惹きつけ
られるかどうかの分かれ道なのですから。
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Q11;質問され、答えに詰まることを想像すると恐くて仕方ないのですが……。 |
A11;分からないときは正直に言いましょう。率直な自己開示が聞き手に好感を
与えます。ごまかしたり、斜に構えた態度では人の心を捉えることはできま
せんし、言い訳も見苦しいだけです。
答えられなかったことはそのままにせず、休憩中に調べたり、会社に戻り
追って連絡する旨、明快に伝えること。約束を守り、誠実で真剣な態度を
印象づけることで、かえって好印象を与えるケースもあるほどです。
パーフェクトを期すぎるな!と自分に言ってあげましょう。
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Q12;効果的な板書の用い方ってありますか? |
A12;ホワイトボードや黒板を使っての板書はキーワードや紛らわしい言葉を聞き
手に明確に伝えるための手段です。注意点は以下のとおり。
@板書中はしゃべらない →聞き手に背を向けるため聞き取りにくくなる
A大きな字で簡潔に →読みにくいとそちらに受講者の気が逸れる
B話し終えたものはその都度消す →話題の転換を促し、ボードもすっきり
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Q13;大勢の前で講義スタイルで話す場合、メモを見ながらだと自信がなさそうに
映りませんか? |
A13;そんなことはありません。必ずタイムスケジュールを記したものを用意すべ
きです。
与えられた時間内で序論・本論・結論の配分をし、どこで何をどのくらい話
すかを箇条書きにして手元に置きましょう。見るときはコソコソ見ないこと。
堂々とメモを手に持ってもいいし、調子よく進行している場合でもチラッと時
間の確認をすることを是非、お勧めします。
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Q14;聞き手に好感をもたれる話し方のポイントが知りたいのですが……。 |
A14;逆説的に考えると分かりやすいです。「こんな人の話は聞く気がしない」と思
わせないためには内容以前に重大なポイントがあります。決して、やっては
いけないことをしないだけでも好感度は格段にアップします。
@聞き手を馬鹿にした態度・発言 →「こんなことも分からないの」「話して
もムダ」「どうせできない」等、禁句!
A決まり文句の繰り返し →退屈で聞く気が失せる。同じ意味でも表現の工
夫を!
B自信のない態度・行為 →うつむく、キョロキョロする、手遊び等、厳禁!
以上のポイントが無意識にでも出ないよう気を配りましょう。
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Q15;質問を受けるときのポイントはありますか? |
A15;スムースな質疑応答はプレゼンの成否を決めます。そのためには、
@質問は最後まで聞き、相手の言葉をさえぎらない
A質問を要約・確認して、自分のみならず他の参加者も分かるようにする
B回答は簡潔に返す
C回答の後は必ず、了解してくれたかどうかを確認する
以上、4段階の手順で行います。
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Q16;こちらから質問する場合のコツを教えてください。 |
A16;質問にはイエス、ノーで答える「閉ざされた質問」と、自由に答えることので
きる「開かれた質問」の二種類があります。例えば、「今日、朝食を食べま
したか」は閉じた質問で、「今日の朝ご飯は何でしたか」が開いた質問。
聴き手の緊張が解けていなかったり反応が鈍い場合、先ずは答えやすい
閉ざされた質問を投げかけてから、開かれた質問へと発展させていくと活
発な雰囲気づくりができます。
質問者の問いかけがうまければ相手は気持ちよく発言でき、好印象を抱き
ます。尋問のように閉ざされた質問ばかりしていると圧迫感を与え、開かれ
た質問も回答がスムースにもらえないと間延びして盛り上がりを欠き、危険
険です。聴き手をうまく巻き込めるよう質問は周到に組み立てましょう。
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Q17;プレゼンを聴く立場になった時の注意点は? |
A17;聴き手は話し手に良いプレゼンをしてもらえれば、自分も意義のある時間
を過ごせます。そのためのポイントは「反応」と「傾聴」。
@反応→関心をもって聴いていることをアピールする。
肯いたり、目があったらを好意的な視線を返し、相手が落ち着いて話せ
るよう気分を盛り上げてあげる。
A傾聴→話の腰を折らない。
質疑応答の時間が設けられるはずなので、途中で質問を挟むのは極
力控える。
プレゼンは相手が一方的に話しているようでも、実は双方向のコミュニケ
ーション。双方で作り上げていくものです。プレゼンというほど正式な場で
なくても、順に発言を求められるケースで自分の番が終わるとおしゃべり
を始める人を見かけますが、周囲の人に大変失礼な振る舞いといえます。
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Q18;プレゼンと言うほどではないけれど、自治会役員になり、人前で発言する
機会が増えました。毎回、会議の度に緊張して胃痛になりそう。
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A18;「他人はそれほど自分に注目しているわけではない」と思うに限ります。
例えば、マンションやPTAの集まり等で自分が聞き手の立場になった時、
発言者の話し方にどれだけ注意を払っているか自問自答してみると分かる
はず。だからと言って、いい加減にやればいいのではなく、Q&A10にある
ように事前準備は怠りなく。話し下手な人ほど、話すうちに混乱して言葉数
が増える傾向があるので、時間を計って声に出して練習すると効果的。
あとは気負わず、淡々と発表しましょう。要点のみ簡潔に述べる発言者の
ほうが会議の席では概ね、評価は高いものです。
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