アザラシの保護個体の近況について
今年保護収容したアザラシはつぎのとおりです。
収容月日 |
種 類 |
名 前 |
性別 |
保護した場所 |
05.12 |
ゴマフアザラシ |
オギッペ |
メス |
浦河町荻伏 |
05.19 |
ゼニガタアザラシ |
ナナミ |
メス |
えりも町えりも岬 |
05.25 |
ゴマフアザラシ |
サマコ |
メス |
様似町 |
06.18 |
ゴマフアザラシ |
シズオ |
オス |
えりも町百人浜 |
以上の4個体は現在アザラシプールで飼育されております。
例年は、この時期はすでにリリースが終わっており水族館には、残っていないのですが、今年は秋サケ定置網漁が終了する12月ころにリリースすることになりました。このため、リリースするための訓練もこれまでのように慌ただしく行わなくてもよくなり、それぞれの個体管理がうまく調整されております。体重は保護収容時よりもそれぞれ3kgから6kg増加していることから、飼育上でのアクシデントは起こらないものと考えられます。
しかしながら、6月18日に保護した個体の眼球に異常があることが判明しました。この個体は保護収容した時点からおとなしく、じっとしていることが多く観察されていました。視力が弱いことがわかったのは自力で餌を摂れるようになってからでした。当館には片眼が見えない個体が3個体おりますが、両眼に異常のある個体に接するのは初めての経験となるので少々とまどいがあったのですが、ここの環境の中で必死に生きていこうとする生命力が伝わってきます。この個体をリリースするかどうかは今後の経過をみて判断いたしますが、ここの環境の中では十分生きていくことができると考えております。
7月8日にはこれら全個体の採血を行い健康診断するとともに、一部をDNA鑑定にまわしております。検査結果からは特に問題はないように思われますが、リリース前に再度血液検査を行いデータの比較をしたいと考えております。なお、採血とDNA鑑定につきましては帯広畜産大学獣医科の渡邊さん平松さんのご協力をいただきました。お二人には深く感謝申し上げます。
血液採取の様子(1999.7.8)
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