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1999年はじめての保護個体

 

1999年5月12日、午前9時20分、浦河町役場水産港湾課から広尾水族館へ、アザラシの保護収容依頼の連絡がはいりました。このアザラシは浦河町の荻伏漁港東側の海岸にストランディング(漂着)していたとのことで、発見者は何度か海に戻したがまたすぐに海岸に戻ってくるためやむ終えず保護し、荻伏漁業協同組合市場に一時収容しているとのことでした。また、この個体を野鳥が攻撃していたという情報もあり、ケガを負っている可能性があるとのことでした。
これらの状況から判断すると早急に収容・治療することが必要と考えられるため、とりあえず元気になった時点で海に帰す条件を提示し、当館でこの個体を預かり収容することとなりました。

 

 

保護個体データ           (収容 1999.5.12)    




 種   類  ゴマフアザラシ
 性   別  メス
 年   齢  当歳(生後4週間から5週間と推定される)
 大 き さ  全長:91cm、体長:75cm、体重:11.3kg
 保護された場所  浦河町荻伏
 保護した人  沢谷 ハル さん
 一時収容場所  荻伏漁業協同組合市場
 連 絡 者  浦河町役場水産港湾課 塚田 さん
 搬 入 方 法  当館トラックにて引取
 運搬所要時間  1時間45分 (浦河町荻伏〜広尾間)
 個体の健康状態  左眼球に小さな傷を確認
 やや痩せぎみで衰弱している
 現地での治療  カテーテルにてブドウ糖液100ccを経口投与
 抗生物質(ビクタス) 1cc 筋注
 搬入後の飼育治療

 

・14:00 水族館到着、ボディーチェック及び体重測定
 点眼後隔離容器に収容。
・17:00 ブドウ糖100cc経口投与、点眼
 体温37.5℃、心拍数64回/分、呼吸数15回/分
 疲れきっているためほとんど眠っている状態である。
・翌13日よりホッケの切り身を用いて強制給餌を開始。
 正常な排便を確認。ブドウ糖経口投与。
 ビタミン剤・整腸剤投与、点眼。
・14日より自力摂餌できるようになる。
 与える餌にブドウ糖を添加。
 健康状態は良好で、日中は起きていることが多く
 なった。

 

 

その写真はこちらです

 

 

 

 

このページは2005年11月3日に閉館してしまいました北海道の「広尾海洋水族科学館」のサイトの一部を了承を得て保存し公開しているものです。

「あざらしみてきたよ!」 http://www.ne.jp/asahi/kanda/azarashi/