伽哩

ぶらついているとどこからともなく漂ってくるあのにおい、路地裏の家からだったり、商店街の店からだったり、たまらなく鼻につくのがそのにおい、 胃袋を必要以上に刺激するこのにおい、無性に食べたくなる。確か昭和の時代に変わった形の車が音楽を流しながら街頭で宣伝しているのを よく見かけたのを思い出すなぁ。オーリエンタルカーレーェー。と言うことでカレー激戦区と言われている神田神保町、小川町界隈をぶらりとするか。

欧風カレー、ボンディ。定番のビーフカレー、付け合わせに茹でたジャガイモが二個付いてくるね、どんなこだわりなのか。 ジャガイモはカレーに入って煮込まれたのが好きなんだけどなぁ。 ところで、欧風ってなんだ。

こちらも欧風カレーの店、ガヴィアル。こちらにもジャガイモが付いてくるね、欧風はこれがスタンダードなのか。 付け合わせの「らっきょう」がいいね。  わが国にはインドからイギリスへ持ち込まれたものが入ってきたとあるな、じゃあ、英風じゃん。


  

目についたのが共栄堂の看板、場所柄どうみても書店だよなぁ。本屋の中にあるスマトラカレーと言う名の店かと思ったら、 なんとここがカレーの店で書店ではないと言うこと。いや、むしろ神保町にはふさわしい名か。

キッチン南海、ここは名前にあるとおり専門店ではない。カツカレーを食いたいね。それにしても昼時とはいえ、こんなにも人は並ぶものかね、ここは時間帯をずらそう。


 

小川町の三角地帯、まさにひしめいてるね。その中のひとつ、ばんび、名前がなんとも、お子様御用達甘口カレーの店かと思わせるね。 1番人気のポークカレー、角煮風の大き目の豚肉、ジャガイモ、これは揚げているかな。

ばんびと背中合わせにあるのが、MAJIカレー、店内はとてもコンパクト。ポークカレー、具の豚肉はごろっとした感じ。辛さは普通、とろみはちょい緩め。 隣にもカレー屋がつづいているが、こんなにも接近して存在できているのが不思議なくらい。


     

隣がスープカレー鴻オオドリー、う~ん、表記が戦前だぞ。また薄緑の外観とのこのアンバランス感はなんだ。確かに黄色はカレーの店 にはふさわしいけど。何を狙ってのことか。しっかりスープって謳ってるな、ご飯にかけるのか、スープにご飯をいれるのか迷うな。


   

そのまた隣がエチオピア、店名からはカレーのイメージがわかないが、専門とあるね。ビーフカレー、ここもジャガイモがサービスで出てくる、これはこのあたりの文化か。 辛さがゼロ倍でもうっすらと汗がにじんでくるのに、70倍まで選べるとは、そこがどんな世界なのか想像も出来ない。


  

店名で差別化しようとするのはありだけど、ちょと考え込むのも多いな。べっぴん舎ときたか。ディスプレイを見ないと何屋かわからんぞ。ここも小川町の一角。 ここら一帯の密集度、もはや常識を越えてるとしか思えないカオスの世界。神保町の主戦場って感じ。生き残りをかけた戦いか、互いに切磋琢磨で共存か。

まんてん、揚げ物の種類が多い、赤いウインナーソーセージがなんか懐かしい。商品の陳列ケースも古風、お値段もリーズナブルで学生には好まれそうな店か。カレーのルウーは驚くほど、ドロッとしてるね。こちらも店の横には人並ができていたな。


   

パンチマハル、はたしてカレーにパンチはあるのか。カレー&ヌードルと書いてあるな、カップ麺を連想させがちだが、カレーうどんは出てくるかな。

同じ通りの向かいにあるのがインドカレーのカーマ、大きなジャガイモがなんともインパクトありだね。


   

カレー食堂たんどーる。いわゆるワンオペの店か、名前からすると、インドカレーになるのかな。ポークカレー、豚肉はバラか。付け合わせがないのはチョットさみしい。

広域展開している店もあるね。日乃屋カレー、神保町とあえて書くあたり他の支店とは違う感を出してるな、 激戦区で勝負できることが宣伝にもなるか。


   

上等カレー、看板に大阪と書かずとも、いかにもって、においがするねぇ。ここのカツは牛か。いや豚だ。

激戦区だけに新たに出店してくるのもあるね。その名も男気豚カツカレーだって。ここ神保町で豚とあえてことわるのはなぜなんだ。

カレーはシャバシャバはいけません、辛さが後々残り続けるのもいただけません。適度なとろみと、色はこげ茶でなく黄色、むしろカレー色、 ジャガイモとニンジンがその存在を主張しつつ肉と調和し混然と一体化している、カレーライス。これだね。 やっぱカレーは道に漂ってくる匂いをかいで、あのカレーを思い浮かべながら、鼻腔に纏わりつく、その至福を楽しむ、これに勝るものはないな。