2003年の記録

 

 ツインギター・パーカッション・尺八 スーパーライブ  in SOMEDAY 3・20         

 地下鉄東西線 神楽坂の駅から2分ほど歩いたところに SOMEDAY はあった。 オフィスビルであろうか、そのビルの地下への階段を下りるとドア一枚だけの小さな入口があり、ドアの上の木製の板に”SOMEDAY”と書かれた看板があった。 店の存在を知らない人が気軽に入れる という感じではなく、音楽好きな常連の集まる店 というのが最初の印象。 指定された時間に行ったが まだリハーサル中ということで外で待たされた。 今回は長男の光平を連れて行った。 一人で来るつもりでいたが、これも社会勉強 とついていて来てくれたことに感謝。 皆 仲間と楽しそうに談話していたし、待ち合わせをしている人なんかもいて、一人ではとても寂しくい雰囲気だったから。 

 しばらくして中へ通された。二重ドアの中は思ったより広く 100人位は入れるようだった。私たちを含めて三組しか来ていなく、好きな席にどうぞ と言われ迷った。ステージに用意されているセットを見ながら、あそこがギター、あそこがパーカッション、そしてあそこが尺八。場所を確認しながら真中の一番見える場所にしたが、がらんとした広い場所で真中に座っているのもなんだか落ち着かず 気恥ずかしくて 早くお客さんが来ないかと内心落ち着かなかった。

 宮野弘紀とツインギター というタイトルだったが 宮野氏は急病で出演できず、伊藤芳輝氏のギター、海沼正利氏のパーカッション、藤原道山氏の尺八 という三人の構成。 伊藤氏のギターは情熱的で、弦の上を指が踊っているように見える。 海沼氏のパーカッションは本当に楽しい。 椅子の下に張ってあった板 とか 周りには風鈴に使われているような細い金属の棒とか貝殻のようなもの 鈴 etc いろいろあって 何でも自在に操ってしまう。 音の出るものなら何でも楽器にしてしまうのではないか と思えるほどだ。ソロの部分は本当に壮快。あのリズムって どうしてあんなことできるんだろう? 藤原氏の尺八も素晴らしかった。目にも止まらぬ速さで指が動く。おかしいんだけれど 本当に穴が5つなのかって指の動きを見ながら確かめたりした。 間違いなかった。 もう魔法に近い。 一つ分かったことがある。 去年一年間 藤原氏の尺八を いろんな形で聴いてきて、尺八って 既成概念に捕らわれなければ 結構どんな楽器とでも合うんだな と思っていたけれど、違うかも。 藤原氏だから出来ること。 何とでも合わせちゃうんだ。 違和感なく聴かせてしまうんだ ということ。絶対そうだと思う。やっぱり 魔法だね。

 終わった時はもう10時30分をまわっていた。光平も楽しめたが少し疲れた感じだった。「折角来たんだから何か話をしていけば」 と言われたが、なかなか自分から声を掛ける勇気がない。 帰ろうとコートを着て席を立つと 覚えていてくれたのか藤原氏の方から声を掛けてくれた。「ありがとうございました。 お久しぶりです。」 うれしくて、でも何を話したらよいのやら。やっと来られたこと、光平を連れてきたこと、掲示板がにぎやかで でも入って行きにくくなってしまったこと etc、思いつくまま支離滅裂。 いつも目が輝いていて 切れ長の目が好き。 聞きたかったことはひとつも聞けなかったけれど、とても満たされた時間を十分楽しみました。ありがとうございました。 またお会いしましょう。

 

  J-WAVE in 丸ビル  イーストカレント 4・17

 丸の内と言えばビジネス街というイメージが強い。東京駅南口の正面に新丸ビルはそびえ立っていた。モダンで風格を感じさせる旧丸ビルに比べ、新丸ビルはスタイリッシュで斬新。ショッピング、グルメを盛り込んだ複合ビル。その1階、丸の内仲通りと続くイベント会場 ”マルキューブ” はガラスの吹き抜けで開放的な空間が演出されている。

 10日、ポストに届いた一枚の招待状。J−WAVE公開録音、2名様ご招待!心踊る一週間が過ぎた。ハイーソな雰囲気のある丸の内。マルキューブへ着いたときはまだ人はまばらだった。7時を過ぎて座席もほぼいっぱいになったころ公開録音ははじまった。

 中国のある村に琴を弾くのが好きな少女と、尺八を吹く少年がいました。二人は何時しかお互いに惹かれあい結婚の約束をするのです。しかし、二人の結婚は周囲の猛反対を受け叶わぬこととなってしまいました。あまりの悲しみに少女は一人日本へと旅立ってしまったのです。少年は少女を追って日本へとやってきました。・・・ その二人が今の時代によみがえったとしたら。まさに今のイストカレントの二人ではないでしょうか。

 こんなナレーションではじまった。ナビゲーターは金子奈緒さん。知的で透明感のあるひと。流暢な司会でイーストカレントの魅力を次々と引き出していく。大学の先輩、後輩の二人がイーストカレントとして活動するまでのエピソード、楽器を始めたきっかけ、楽器の制限のなかで作る音の苦労や楽しさ。微笑ましい二人。姉御肌で話を展開させていくみやざきさんと スローペースでついていく藤原君。息の合った二人の会話。 二人の後ろに 仲通りを行き交う車のライトや、チラチラと目配せしながら通り過ぎていく恋人たちのシルエットが 演出効果を高めている。吹き抜け、ガラス張りという開放的なホールに、二人の演奏は鮮明に響きわたった。うれしかったのはリクエストした ”みつばち” を演奏してくれたこと。別に私がリクエストしたからっていうわけではないでしょうが・・・。 初めて聴いたときから かわいくて大好き! ピアソラも素敵。 聴くたびに好きが大きくなっていく。世界に向けて大きな流れを起こして欲しい。 世界に通づる二人と信じている。

 

牧野由多可作品展 そのV  in abc会館ホール  4.21

 この演奏会では 箏の音の美しさが何と言っても素晴らしかった。 目を閉じて聴いていると 大自然の中にようやく訪れた 新芽の吹き出すにおいを含んだ風を感じ、メロディーの移り変わりとともに ふくよかな春の景色だんだんと変化していく。 「春の詩集」 では、待ち望んだ春の訪れと活気ずく自然の賑わい、心弾ませる人々の喜びにあふれた情景、反面 去っていく冬への哀愁も感じられる。 曲の美しさのみならず 「日本民謡による組曲」 では、木曽節、稗搗節、花笠おどり が三楽章でつづけられていて、それぞれの曲調の変化がとてもおもしろい。楽器も 箏、十七絃、三絃、尺八、打物の編成、総勢23名という大舞台で迫力いっぱいに迫ってくる。

 最後に牧野氏からのあいさつがあった。 牧野氏は車椅子にのっておられたが、とても嬉しそうな様子で 偉大な業績をしのばせる風格があり、出演者、客席から厚い尊敬の眼差しと 敬虔な拍手が鳴り止まなかった。 

 

 平成邦楽レボリューション イーストカレント  in  曼荼羅 5.2

 銀座線表参道から 歩いて5分。なだらかな坂の途中に ライブハウス Mandara はある。 ゴールデンウィーク中の街はいつもより静かで、南青山の洒落たブティックやカフェにも 人はまばらだった。 友人と駅で待ち合わせをし、早めに会場へ入った。ここへ来るのは2度目。 昨年 因幡晃 のライブに夫ときた。あの時も満員で合い席をしてやっと座ったことを覚えている。 偶然にもあの時と同じ場所に席をとった。ステージからは少し離れているが、音を聴くにはちょうどバランスの良い場所だと思う。

 今回のライブは初めての曲が多くうれしかった。CD発売記念で、収録曲が中心かと思っていたが、最後のカバティーナ1曲だけだった。 CDは発売の翌日に購入し、すでに何十回と聴いている。だから、CD以外の曲が聴けるのはとてもありがたい。 今回、八月や十七歳など 昨年始めて「和音」で聴いた曲もあり、「あー この曲」 と思い出して懐かしかった。 グリーン・スリーブスもよかった。みやざきさんの曲はやさしさに包まれていて、鋭くまろやか。 声が透き通っていて、歌も魅力的。”17歳”は聴くたびに切ない。 学生の頃、田舎の燃え盛る緑の上で 一人寝転び ブーンと飛び交う虫の羽音をぼんやり聞いていた日のことを思い出す。 ”妖精の踊り”は 聴いている方も息苦しくなるほどの 長〜い演奏で、どこで息継ぎをしているのか と思うくらいだ。 音を出すだけでもかなりの肺活量がないと苦しいのに。流石です。 循環呼吸?

 池袋五番街 インストアライブ  5.23

 こんなに近くで聴いているのがとても不思議な感じ。 近くに行こうと思えば 手の届きそうな一番前までいくこともできた。 でもその場所は初めて聴く人のために空けた。(と言うより とても恥ずかしくてそこまで行ける筈も無く・・・) 私はステージから少し離れたところにある大きな柱にへばりついてじっと聴いていた。「潮流」「りんごの唄」「カバティーナ」「タンゴの歴史1900」 どれも何度となく聴いた曲。 でもCDと違う。 生演奏だから ということではなく、曲をアレンジしている。同じ曲でも同じ演奏は二度としないと言っていたけれど。  その後のサイン会も遠くからしばらく楽しんで 夢のひととき。 始まる前にアナウンスで 「あの有名な尺八奏者の藤原道山さんを迎え・・・」 と何度も言っていた。う〜ん、有名になったのねえ。 それがうれしいような 寂しいような ちょっと複雑(‘‘: 

EAST CURRENT  2003.5.28.Wed. 

  こんな日が来ることを待ち望んでいたのは私だけではない筈です。イーストカレントを知って以来、CDの発売とコンサートをずっと願ってきました。尺八を通じて箏、十七絃を知り、邦楽に興味を持ち そのお陰でいろいろな演奏会にも足を運び、美しい音楽をたくさん耳にするようになりました。しみじみと心豊かになり、人生が変わったような気がします。 今、生活のいろいろな場面でこれらの音楽に助けられ、パワーを貰って 自己実現を目指しています。 人に流されず自分は自分 と言える自信。自分に必要なものと そうでないものをきちんと見極める力。 イーストカレントに出会ったことで自分の内面も変化してきたことを実感しています。 音楽は全面的に聴く側の主観で捉える訳で、百人に百様のメッセージとなって伝わっていきます。 だから音楽の力は自由で無限なのです。

 今回のコンサートはCDの曲が中心で、もう十分に聴き慣れたと思っていたが どれもすばらしいアレンジがされていて、新たな装いで迫ってきた。一瞬も気が抜けない緊張感で時の経つのも忘れた。定番ともいえる「アメイジング・グレイス」にはじまり みつばち、カバティーナと続く。後半では一度会ってみたいと思っていた 一ノ瀬響氏とのコラボレーション 「琥珀の道」は感動。そして、尺八ソロの「妖精の踊り」は聴くたびにパワーアップしていき とどまるところを知らない。私には尺八の限界に挑戦して楽しんでいるように見える。 あのシンプルな楽器から奏でる無限の音。 芸術的音楽。 目が離せない。

 ツインギター・パーカッション・尺八 スーパーライブ2  in SOMEDAY 10・14

 朝からどんよりと重いl雲を広げ、冷たい雨がふっていました。 新橋から地図を片手に店を探して歩きました。SOMEDAY は3月に一度行っていますが、新橋に移転し新しくなっていました。 宮野弘紀と伊藤芳輝のツインギター、海沼正利のパーカッション、藤原道山の尺八。魅力的なユニットです。音楽がこれほど自由で楽しいということ、ひしひしと私の心に迫りくるものがあります。 高まった緊張から一瞬にして解き放たれる安堵感に包まれます。 いつも誰かに伝えたいとか 感動を共有したいという思いがあり 友人、知人を誘って出かけていましたが、今回ひとりで来てその世界を独占したような満足感があります。 ひとに教えるのがもったいない、このままのかたちでいつまでも存在して欲しい、そんな心情です。言葉はいらない。日常を放れ 心をリセットするための秘密の場所が出来ました。 この場所をずっと大事にしていきたいです。 甘い水はどこまでも甘く。

宮野さん、伊藤さん お誕生日おめでとうございます。

 

 第三回 曠の会 in  紀尾井小ホール  2003・11・22

 開演時間に少し遅れてしまったため、すでに一曲目のがはじまっていた。曲が終わるのを待って会場へ入ると既に満席で空席が見つからない。案内の女性に「こちらへどうぞ」と連れて行かれたのはなんと最前列の真中。これにはちょっと躊躇したが、すぐに次の曲が始まってしまうし、仕方なくその席に座った。舞台と近すぎて演奏者の息使いまで聞こえてきそうな場所だ。3曲目が終わったところで休憩が入り、隣の席の方が帰られ、代わってとてもきれいな女性が席につかれた。ところが、この方は演奏中ずっと寝ていて、こっくりこっくりと私の方へ倒れてくる。起こしてあげるわけにもいかずずっと気がかりだった。
 須磨の嵐が好きだ。なんとなく耳障りがいい。小督曲は永くて、演奏も大変なんだろうと思う。ところで、藤原氏は演奏中に表情を変えない。息の長い曲でも顔色ひとつ変えずに平然と演奏する。そこが他の人と違うところだと今回分かった。