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 10人のピアニスト2

2006年6月13日

 六本木スペイン大使館に続く「スペイン坂」の途中にアークヒルズがある。テレビ朝日の本社ビル、アーク森ビルなどの豪奢なビルが立ち並び、レストランやカフェテラスなど店先のテーブルにもひとが賑わっている。その一角にあるサントリーホールで今日「10人のピアニスト2」のコンサートが行われた。

 10人もの一流ピアニストの共演という豪華なコンサート。それぞれの個性が光る。知らないと思っていたひとも曲を聴くと必ずどこかで耳にしているメロディーで、音楽界の時代の先駆者であることを実感した。

藤原いくろう  1.asian river  2.明日
 真っ白に染めた髪。白のジャケットで登場。モスクワでオーケストラとのコラボをするなかで、音楽には国境はないということを強く感じていると言っていた。「世界中のひとが音楽を愛していれば戦争などないと思います」という言葉が印象的だった。

妹尾武  1.海に続く道  2.蒼茫
 妹尾さんも白のソフトスーツで登場。「海に続く道」を演奏した後、ステージをぐるっとひと回り眺め「10人のピアニストの祭りにようこそ」と挨拶し、いつもの海の話を少し。美しい海外の海と言うより、横浜、湘南の海や神戸の海が好きと言っていました。「蒼茫」では何と古川さんが登場。今日は古川さんもシックに(いつも大胆な柄物のシャツが多いのですが)白のシャツと黒のパンツでまとめていました。

木住野佳子 1.Waltz for Debby  2.風に抱かれて
 白のドレスをまとい、女性はやはり華が在る。Bassの安カ川さんとともに登場。Bassは音が低くて主張のない楽器だが、確固たる存在感がある。ジャズクラブにでもきたような、上品な「木住野ワールド」を感じた。

松谷卓 1.Piano Dance  2.TAKUMI/匠
 「Piano Dance」は自分のために作った曲で、一番好きな曲。それをまた大好きなピアノ「ベーゼンドルファー」で弾けることをとても嬉しいと言っていた。映画「いま、会いにゆきます」の音楽を担当している。二曲目はテレビでお馴染み「劇的大改装Before After」のテーマ曲だが、あの感動的な場面とともに流れる静かなメロディーは音楽だけでも充分に感動的。

・・・ここで休憩。何故5曲づつでないのか疑問?・・・

遠野篤史 1.a gift of song   2.for the dream of children
  一曲目が終わったあと、メモ用紙を出して「すみません。話が苦手なものでメモを読ませていただきます」というとワッと笑いが起る。ライブハウスなどの活動が多いそうで、登場から引きまでぎこちない動きで緊張が伝わってくる。しかし、自分の子供のために作ったという「for the dream of children」などとても温かいメロディーで優しい人柄が伺われる。弾き終わったあと大きな声援が飛んでいた。

島健 1.Windows  
    2.Hommege To Ansel Adams Part2“NoonClouds”

 やっぱり貫禄という点ではピカイチ。今の音楽的風潮・・・優しく、エレガントでスマート・・・なんかに傾倒しない。今日の島健さんはあくまでクラシカルで重厚。Bassの納(おさむ)さんとも息がぴったり。「Windows」はチックコリアの曲。ピアノリサイタルを聴いている感じ。しかし、実はサザンの「TUNAMI」や浜崎あゆみの「Voyage」などJ-popでもヒット曲は多い。

村松健  1.光のワルツ〜朝の光に包まれて〜
              2.ハイ・コントラスト
 
今回はどんな話が聞けるのかと楽しみにしていた。「昨晩は眠れぬ夜を過ごしました。村松健です」と自己紹介したあと、やはり奄美の話に。4年前から奄美に本拠地を移し、スローライフを体感しながら出稼ぎに来ていますとはなしていた。生命保険会社のBGMに流れている「光のワルツ〜朝の光に包まれて〜」は静かでじっくりと染み込んでくる曲です。

中村百合子  1.隠された歳月〜母のピアノ  2.ノナの星
 
中村さんは韓国でも6年前から活躍していて、美しい「聴かせるピアノ」です。「隠された歳月〜母のピアノ」は韓国ドラマで使われている曲で、あの切なく透明感のある音楽を日本人ではじめて担当されたそうです。

榊原大  1.暁  2.「ファイト」メイン・テーマ
 
今回一番楽しくて、感動的だった。ギター、バイオリンと三人で登場でしたが、なんとワールドカップのニッポン代表といった出で立ち。ブルーのユニホームというラフな格好で登場し、演奏も足首に鈴を巻きつけ足でリズムを取りながらの演奏。それまでの厳かな雰囲気が一気に払拭され、クラスにひとりは必ずいるおどけ者といった感じ。会場の空気もフッと和む。しかし、演奏はすばらしい。技巧を楽しんでいる。そして、CDの中でも「ファイト」はいつも気になっていた曲。さわやかで軽やかで、心が軽くなる。

西村由紀江  1.明日を信じて  2.あの日の記憶
 
あー、一番期待していたひとです。CDから窺い知る西村さんの曲はどれもやわらかくて、やさしい。たおやかなメロディーはどれも心の底に深く語りかけてくれる。初めて聞いても懐かしいような気持ちになる。生でその音に触れたのは初めてだけれど、その感激よりもまた会えたという感動に近い。これを聴きたくて今日は来たのだと、改めて思う。

そして、最後に10人で2台のピアノを連弾?(というのだろうか)。一台に5人ずつ、ピアノの前に立ち、寄り添ってみんな片手だけ出して・・・想像できますか?この10人が・・・ですよー。

 

 

 
 妹尾 武  「Travelin LIVE」コンサート

2006年5月7日

行ってきました!浜離宮朝日ホール、妹尾武 「Travelin LIVE」コンサート!ゴールデンウェーク最後のお楽しみ、でも何故か今日も雨・・・ 前回の道山さんと近藤さんのコンサートの時も雨だった。


妹尾さんのライブは初めて。道山さんとは熱ーい仲!?で、道山さんのステージでは勿論何度も聴いていたし、チェリスト古川展生さんを加えて三人でのトリオにも魅了されっ放しだけれど、ソロでのコンサートとなれば、またそれとは違う妹尾ワールドが覗けるだろうと期待で胸はいっぱい。

友人とは会場で待ち合わせ。少し早めに着いたのでCDやグッズ売り場をひと回りする。SENOOTシャツ2,900円。ランドリーバッグ・・・いくらだったかな。、妹尾さんが編集した「セノー・ライフ」500円」。タイセツナヒトニ贈る。「十一月、空想雑貨店。」1,700円。そして、もちろんCD「Travelin」。

『タイセツナヒトニ贈る。「十一月、空想雑貨店。」』という妹尾的旅本を買う。ザラっとした紙の手触り。セピアめいた写真。お菓子のレシピ。ワンピースの型紙。街の風景、大自然。
そこに添えられた言葉の数々。何だか懐かしい気持ちになる。
へえー、妹尾さんってこういうセンスのひとなんだーって、ちょっと近づいた気になる。

前半は4月19日発売のCD「Travelin’」中心に、どこかジャズ喫茶にでも来ているようなポップなイメージの曲が続いた。ドラムとギターが加わったせいだろうか、エキゾチックな異国情緒を感じる。
衣装もカーキベージュのタイトなスーツでカジュアルな雰囲気。

CDを聴いておけば良かった。予備知識なしにいきなり「Travelin’」の世界へ。リオネジャネイロの旅。旅先のプールサイドで書いたという「Corcovado Sky」はボサノバのリズム。古川さんのチェロをベースに変えて「碧のノクターン」。ふたりでしっとり・・・のはずが、妹尾さん誰を呼んでいるの〜?と大失敗。笑いを引きずりながら、とっても物憂げな切ない世界へ。

「Sunny Side」とは素敵なコーヒーショップの名前をそのまま曲にしたそうで、「妹尾さんが青春時代に眺めていた海」とは私のイメージ。波のうねりと爽快な風の口笛が重なったような、心地よいリズムの繰り返しに身体もスイング。

妹尾さんのはじめての曲「So Heavenly」も聴けて良かったが、ちょっとパーカッションの音が大き過ぎてピアノの音を消してしまっていたところが残念。この曲だけじゃなくて全体的にそうだった。音量の調整をお願いします。

「Tokyo Saudade」。妹尾さんは暗い曲だって言っていたけれど、私はとても気に入った。哀愁って言葉がぴったりかな。映画を見ているような、ストーリー性の在る風景が広がる。

あと印象的だったのが「夜間飛行」。はじまりから宇宙的。細かいパーカッションのリズムと、あのシャラシャラ♪〜(楽器の名前がわからなーい)の音が星がちりばめられた空って感じで軽やか。

曲の間に入るトークも楽しかったが・・・そうそう、リオデジャネイロではカーニバルで賑わっているのだろうと期待して行ったのに、海岸では若者がロックを聴いて、カーニバルの雰囲気なんてどっこにもない!って。

後半は白のソフトスーツでエレガントに。
ゴスペラーズの村上てつやさんとは仲がよくてやっぱり「旅好き仲間」だそうで、ふたりで作った曲「残照」を。ゴスペラーズといえば最近話題のゴスペラッツも最高。
「旅好きな仲間」と言えば・・・と言い出したとき「ははー、道山さんのこと言ってるな」とは思ったけれど。えっ!まさか・・・もしかして〜〜〜って思ったところで
「たまたま、ちょうど遊びに来てくれていた・・・・」ってウソ〜。

「藤原道山君を紹介します」と言うと、なんと、一番後ろの席から颯爽とステージに。最近よくあるスチュエーションだけれど、今回は想定の範囲外!なんて、なんて!何倍おいしいコンサートなの〜と思わず興奮。
道山さんは何故か、妹尾さんのCDや本を宣伝して・・・「セノー・ライフ」の10ページに私が載っていますって何気に自分もアピールして。


まずは妹尾さんの「蒼茫」をふたりで。もう何度も聴いた曲。この曲は裾野の広い曲って感じ。どこまでも遠く遠く広がっていく蒼。もう一曲は得意の即興で「麗しの浜離宮」。この言葉から二人が連想するメロディーは無限なんだろうけれど、無限の中から一瞬にして生まれ、一瞬で消えていくひとつのメロディー。即興にはいつも新鮮な感動がある。

あとは実は思い出せません。妹尾さんの思い出の曲とか、影響された曲とか、いろいろあったはずなのに。

誰か覚えている方、教えてくださーい。

さいごは賑やかに乗りのいい「Samba de Orfeo」。
アンコールの拍手で「星霜」。

あー、終わってから暫し余韻を楽しむ・・・間もなくサインの列に並ぶ。妹尾さんと話すのは初めて。買ったCDにサインをしていただいて、スペシャルゲストに驚きましたーと言うと、「武道」でよろしくって!ハイハイ、もちろん応援してますよ〜

握手してもらった手が柔らかくて温かくてね。ほっこりした気持ちになりました。

 

 

 
   村松健 ミニコンサート

今日、そごうで村松健さんのピアノミニコンサートを聴きました。
私は初めてでしたが、お名前は「10人のピアニスト」のひとりということで知っていました。
配られたパンフレットには海を背景に奄美三線を弾く写真が載っていて、そこに書かれているメッセージからも沖縄のかただと思いましたが、実は埼玉県上福岡市出身だそうで、ここ大宮も慣れ親しんだ場所だということでした。

16年前沖縄に行ったのがきっかけで、居心地がよく、そこで暮らすこととなりました。「光のワルツ」という曲は、生きていく大変さと未来に希望を抱くようなイメージでつくったそうで、CM(がん保険アフラック)で使われている曲でした。
次におもしろい演出がありました。「south west word」という曲で、自分で弾いたピアノを記憶させておいて奄美三線を生でひとり2役のデュオでした。奄美三線の音も哀愁の在るちょっと儚げな感じがとても良かったです。

彼の沖縄への思いは話の中でとてもよく伝わってきます。
島の生活は「顔の見える生活」で、島のひとは皆顔見知りだそうです。だから、外からの客がくると顔をジロジロと見て、お客様のほうがとまどうようですが、それで仲間になれる・・・ということだそうです。
皆知っているから犯罪も少ないのだそうです。

島の別れは「みぎわの別れ」といって、海で別れる。小さな舟に乗ってお互いの顔の見えるところから、だんだんと海が島と舟を隔て、声が聞こえなくなり、姿が見えなくなり、舟影だけになる。それまでずっとお互いの方向に思いを寄せている。なんだかジーンときました。

「みんな、毎日本当に忙しく暮らしているけれど、その暮らしが本当に自分の暮らしなのか。もしかしたら自分でそうしていることはないか。もう少しゆっくりとひとつひとつの時間をじっくり味わいながら暮らすのもいいんじゃないか」って、そんなことを言っていました。

「別れの舟」という曲を三線で、最後に「約束の渚」をピアノで演奏しました。村松さんのピアノは力強い音、きりっとした音で誰とも違う雰囲気でした。

「別れの舟」という曲を三線で、最後に「約束の渚」をピアノで演奏しました。村松さんのピアノは力強い音、きりっとした音で誰とも違う雰囲気でした。


元気をもらいたくなる時は
海に出かける

波の音をいつまでも聞いていると
自然に頭の中が真っ白になり
本当の自分が戻ってくる

やっぱり、音楽家には「島好き」が多い。

 

 

 
   近藤嘉宏 ピアノ・リサイタル

本格的なピアノのリサイタルを聴くのは久しぶりのことです。
近藤さんのピアノはとても誠実で正統的な美しいピアノです。
楽器というのはピアノに限らず演奏者によって奏でる音がまったく違います。
奏者そのものと言えるかも知れません。

演奏前に作曲家についてのはなしがありました。
あまりおしゃべりは得意ではないと見ましたよ。ちょっとうつむいたままで、抑えた話し方をするんですね。で、自分でしゃべって自分でうけている。

モーツアルトはギャンブルで財産を無くしたとか、ショパンは繊細な性格で豪快なリストとは好対照だったとか。

前半はモーツアルトとショパンでした。モーツアルトのピアノ・ソナタは壮大な曲構成でとても聴き応えのある曲でした。前半いっぱいこれだけで終わるのかと思えるくらいボリュームのある演奏でした。

ショパンの舟歌は情熱的で演奏がが好む曲なのでしょうか。いろんなひとの演奏を聴いたことがありますが、これもピアニストによって全然違うから不思議でたまりません。近藤さんはとても素直な感じがします。

ノクターンは誰もが知る慣れ親しんだ曲で、よく知っている曲がときどき入ると嬉しくなります!
最後のスケルツオは全く印象の違う、スピード感と細かな技巧が織り交ぜられたダイナミックな曲でした。

 

後半はラフマニノフの「ヴォカリーズ」は確かチェロで聴いた曲ですが、ピアノの音がやはり本来の音色なのでしょう。バラキレフの「イスラメイ」は民族的というか牧歌風な香がして心地よい曲でした。

私はリストの曲にはとても優しさを感じ、豪快な性格の作曲家だとはおもえないのです。「愛の夢」などロマンチシズムが溢れているし、「ラ・カンパネラ」も英雄を湛えた曲なのでしょうか、凛々しさを感じます。

近藤さんはとても育ちの良さを感じる紳士でした。タキシード姿もさまになり、笑ったときに光る白い歯が若わかしさを強調していました。

 

コンサート終了後のサイン会も長い行列ができ、根強いファンも多いようです。永い緊張から解かれ、サイン会の時の笑顔が一番良かった〜。