米のデンプンは、水溶性のアミロースと上溶性のアミロペクチンで構成されている。
うるち米(ジャポニカ米)がアミロース17~20%とアミロペクチンで構成されているのに対し、糯米はほぼ100%がアミロペクチンである。
インディカ米のアミロースは25%程度。
グルコース分子が直線状に繋がって構成されているアミロースに対して、アミロペクチン分子はグルコース分子の鎖が房状になっており、捏ねることにより鎖が絡み合って粘りを生む。
房状のアミロペクチンは、生デンプンの状態では緻密な構造(ミセル構造)をしている。
うるち米の飽和吸水量は米重量の20~25%、糯米の飽和吸水量は米重量の40%程度。
加水量はうるち米が重量比150%、糯米が70~100%程度。
デンプンの糊化には少なくとも30%以上の水分を加えて98℃以上で20分以上加熱する。
→糊化。ミセル構造の内部に水が浸潤して澱粉粒が膨潤し、透明度が増大し、粘度が上昇する。
分子量の大きいアミロース・アミロペクチンでは、分子同士が複雑に繋がり合い、分子全体が引きずられて動くようになる(糊化)。
糊化したデンプンを低温に置くと、デンプン分子が再配列して規則性を持つ(老化)。老化によりデンプンは硬くなる。(冷蔵庫で保存したぽろぽろごはん状態)
→膨潤した澱粉粒が収縮するが、元の状態に戻るわけではない。また、pHが高くアルカリ性が強いほど澱粉は老化しにくくなる。これはグルコース残基のOH基が弱酸性を示すため、アルカリによって水素結合が切れやすくなるからである。一般にpH4~5の弱酸性で最も老化しやすくなるが、これは弱酸性で水素結合が最も形成されやすく、しかも安定なためである。pHが3以下になると澱粉が加水分解を受けるため老化は抑制される。
糊化:αーデンプン
老化:βーデンプン
水分と親和性の高い砂糖を添加するとデンプンに対する水分量を減らすことができるため、老化の抑制が期待できる(例:ぎゅうひは硬くなりにくい)。
炊飯時に竹炭を水に入れると、竹炭からの成分溶出によりアルカリ水溶液となる
。
アルカリ性ではデンプン分子の膨潤・崩壊が進み、糊化が促進される。充分に糊化したデンプンは老化が抑制される(硬くなりにくいごはん)。
アミロース:水溶性
アミロペクチン:上溶性。
糠:糊粉層・種皮・表皮からなる。セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの上溶性食物繊維を多く含む。
亜鉛末は、還元性があるので一部染料に対してその酸化を防ぐことで防染剤の役割をする。
ゆっくり乾燥したデンプンは冷水に分散しないが、強アルカリを水素結合切断剤として用いれば水への分散を助ける。
石灰はアルカリ性。CaO。アルカリ性は水素イオン指数。
水分子は分子全体では電気的に中性だが、水分子中の各原子は荷電している。これが他の水分子と引き合う引力を水素結合と言う。