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思考停止

アメリカがついに戦争を始めるようである。
テレビの評論家は「99.99%それは避けられない」と言っていた。

アメリカの首脳陣は、この高度で多様で複雑に発達した世の中で、 唯一デジタルで最も原始的な生と死というものを賭けて戦争をしようという。 いっそのこと軍艦将棋で勝負を決めればいいのに。

そのアメリカの「スター・トレック」にはこんなエピソードがある。

宇宙船エンタープライズ号が、ある星から救難信号を受けた。異常気象でその星の生物の 存続が危ういという。エンタープライズ号のクルーは、生まれつき目の不自由な技術者ジョーディー 始め、彼らの星の天災を防ぐ手段を考え、見事に成功を収める。

その星の人々は遺伝子操作により、優秀な遺伝子のみを誕生させ、その文化を育ててきた。 そこには、優秀な人材が多数いて、より優秀な文化が育つはずだった。

「なぜ優秀な人材を育ててきたはずの私達の技術者が解決できなかった問題を、 劣勢な遺伝子を持って生まれてきたこの人は解決することができたのか」
その星の指導者は悩んだ。

その答えはこうである。

多様な人種、多様な価値観、多様な思想とその多様な交流こそが、真の創造の源であり、 健全な世界を作り出す。えったも右翼も日本赤軍もめくらもエレファント・マンも 全てがその存在価値を認められ、交流することで新しい創造がなされるのである。

そして、その多様な考えの中から、全ての人々は最も妥当と思われる政治体系を選び、 日々の生活を営む、それが民主主義である。 ただの多数決と違うのは、全存在が認められるところなのである。

しかし、多様であるとは無秩序であるということでもある。皆がバラバラでは 社会は成立しないし、文化も法もあったものではない。いかがわしい宗教や テロリストが横行し、北斗の拳の世界となる。そこで、権力者、警察の出番となる。

つまり現在考えられる最も良い世界は、権力者の秩序への欲求と民衆の自由への欲求の パワーバランスがよく取られている世界である。

そして、権力者がその強い力で綱を引くことに対し、我々は全力でその綱を引き返さねばならない。 権力者は必ずしも我々の敵ではないが、我々が綱を引くことを忘れてしまえば、 その綱は一方的に引っ張られ、ゆるんでどこまでも引きずられてしまう。

ブッシュは「民主主義を守る戦い」と言う。それはもしかしたら中長期的な 平和を守る戦いかも分からないが、民主主義を守るのとは違う。

それは権力者の秩序への欲求を強化する戦いであり、 その欲求は健全なことでもある。
むしろ権力者たるものこうでなければならない、とも言える。

あーやっぱよく分からん。
とりあえず戦争はんたーい!戦争反対ばんざーい!!
イマジンイマジン。

03.03.13

イラクについて詳しくは→ 田中宇の国際ニュース解説


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