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豊かであるというリスク

きっと、若いあなたも僕と同じように、母親とか祖父母とかから、「ちゃんと栄養取ってるの?」 とか聞かれて、「はいはい」って生返事をしていることだろうと、思います。 一人暮らしをしている方などは、実際ちゃんと栄養を取っていないのでしょうね、カップラーメンとか。

でも、もちろん、カップラーメンばかりでは、体にガタが来るのは目に見えてますが、 それとは別に、年代が上の方たちとの温度差を僕は感じるんですね。つまり、豊かであるってことは リスクなのだ、ということなんです。

景気が悪くなって久しいですが、個人消費という点で、僕は景気の足を引っ張っているうちのひとりです。 つまり、お金を使わない。無駄なお歳暮を贈って余らせたりしないし、食べもしない食べ物を 買ったりしないし、どうせ貰っても喜ばれないものを贈らないし、さんざん甘い物を食べ尽くしておいて、 ダイエットダイエットって無駄な通販商品に手を出したりしない。

つまり食べ物に関して言えば、今、栄養が足りないことはもちろん良くないことですけど、 栄養が足りすぎてて、成人病にかかったり、太って見苦しくなったりすることの方が、 多いんですよね。そっちの方が危険ですよね、間違いなく。

あと、モノに関して言えば、定価28万円もするソファーを買ったり、17万円もする 天然麻のラグを買ったりしてますが、それをもう一生使い続ける覚悟を決めてますから、 もうお金を投入することはないんですね。だって、生活がギリギリの人には申し訳ないですけど、 買うのは簡単なんです、大変なのは捨てることなんです。

無駄なお歳暮とか、接待ゴルフとか、行き過ぎたグルメとか、そういった必要のない消費が バブルの日本を支えていて、今モノが売れない時代とか言われてまして、 魅力ある商品があるとかないとかもあるでしょうけど、 それはただ買って使わずに捨てていたり、腐らせていたものを、世の人たちが買わなくなったって いうことだ、と僕は思っているんですよね。

「地球にやさしく」なんていうコピーが的外れだとか、傲慢だとか、言いますけど、 まあ、でもとにかく、毎年毎年気分によって、新しいものを買い続けて、 使わなくなったものをため続けて、それで例え景気がよくなったとしても、 その先には、くら〜い未来が待っているだけなわけですし、そんなことなら、ず〜とこのまま くら〜い世の中のままでいてくれて構わない、とさらに僕は思っているわけです。

だから、これからは中国の時代だとか、そういうことを僕は信じないのです。 確かに、大量生産という点において、もう日本は中国に勝てることはないでしょう。 生活も彼らは日本に追いつき、追い抜くかも分かりません。でも、それは日本の何年も前の 姿でしょ。

我々は、中国の大量生産の安ッちいものを買うのではなくて、ホンモノの職人や、ホンモノの システムの上に作られたホンモノを選んで、もっと精神的に豊かで、満たされた生活を 送ってもいい時代に入っていると思うんですよね。

だから、もう100円SHOPで目先の欲望を満たすのは止めましょう。
男にブランドのかばんをいくつ買ってもらった、って自慢するのは止めましょう。
毎年毎年着もしない服を買いにバーゲンに出かけるのは止めましょう。
買うかどうか迷ったら、買うのを止める。どちらを買うか迷ったら、高い方を買う。
もちろん不当に高いものは買わない。

それで、いきましょう。消費欲なんて空しいだけです。

03.06.15


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