今、人知れず、悩んでいます。他人様にこれを打ち明けるのは恥めてのことです。 大抵のことはなんとか頑張って解決してきたのですが、こればっかりは どうしても上手くいきません。 お店の人から上手く「お釣りをもらう」ことができないのです。

もちろん、１００円の買い物に、１万円札を出して、

「おつりはいいからね〜」

「あ！ありがとうございます」

「うん、いいの、いいの（泣）」

とかいうことではないです。そんなにかっこよくないです。そうではなくて、 店のレジの人と上手く息が合わせられないのです。まず、お金を渡します。すると、

「おつりが９９００円のうち、大きい方、さきに９０００円のお返しです。」

とか言ったりして、先に、千円札９枚を渡してくれたりします。 それはそれで、「気を使ってくれてるんだな」と嬉々とするのですが、問題はそこから。

僕の財布には、どうも大きいお札にとって居心地が悪いからか、 すっと入ってくれない。そこで、僕がお札にうまく言うことを聞かせられずに、 のろのろしていると、もうレジの人は、 ９００円を差し出して待っている。僕はもう恐縮のあまり、 冷や汗がたらっと、頬をつたって、

「ああ、すいません」

と、謝らなくてはならない羽目になって、急いでお札を財布に入れるのだが、 後ろの並んでいる人からは、 完全に「ノロイやつ」呼ばわれで、ときに「はやくしろよ！」と怒り狂い、 店員ですら、うっすらとその営業スマイルの裏に軽蔑の表情を浮かべている。 「スムーズに日々の生活を送る」がモットーの僕にとって、これはその存在を 脅かす重大な問題に膨れ上がっていて、日々此れ僕の精神を蝕んでいる。 なぜ毎回毎回お金を支払うたびに、このような事態になってしまうのか？

「だいたい、客がまだ財布にお札を入れているのに、バカ面で、小銭を手にのけて差し出している なんて、サービスとしてなってない！お客様をせかすな！」などと怒ってみても仕方ない。 なぜなら、ここは百戦錬磨の主婦の皆様が長蛇の列を作って、レジをベルトコンベアーの 如く回転させて、その稼働率を競っている安売りスーパーなのである。 そこで、サービスが云々、などと言ったら、あっという間に蹴飛ばされてしまう。

お札を先に渡されたからといって、その間に財布に入れようとすること自体が、そもそも 思い上がりなのか？

実は、このスーパー、ポイントカードなるものもある。毎回毎回、

「ポイントカードはお持ちでしょうか？」

などと聞かれるのが嫌で嫌で、渋々そのポイントカードを作ってしまった。 すると、どうだ。 毎回、お札に小銭にカードと、渡し渡されるものが増えてしまった。 とんだ食わせものだ。ますますお釣りが上手くもらえなくなってしまったじゃないか。

しかも、人によっては、小銭が多くても、お札が多くても、カードと全部一緒に 渡す店員もいる。これはこれで悪くない。しかし、カードを先に渡す者、 お札だけ先に渡してカードと小銭を渡す者、お札、小銭、カードと順に渡す者と 組み合わせにして、僕の対応能力を完全に凌駕している。はふー、ダメだ。 人を混乱させるのもいい加減にしろ！

あー、生きてく自信がなくなってしまいそうだ。

03.09.05

画像拝借： 顔アイコン専門Web素材集-がんがん村 ←素敵なサイトです。