サラリーマンになって、はや3年。その間に思ったことは、大人の恋愛ってのは パッとしないなあ、ということでした。 恋人不在で社会人になってしまった人には申し訳ないんですけど、そして極めて 偏見であることは重々承知の上なんですけど、社会人どうしの出会いってのは、 ど〜も楽しくないなあ、って思うんです。 まずそもそもが、同じ会社内ってのは僕の場合、全く恋愛の対象として見れない、不思議な程に。 どうしても、仕事という空気に、恋愛の空気を流し込むのが下手なんですよね、不器用で。 そしてじゃあ、社外で、あるいは仕事と無関係で出会った人とはどうかっていうと、それもイマイチ。 なぜかというと、 なぜかその人との間には、「どんな会社に勤めているか?」とか「どんな勤務時間か?」とか 「その仕事、会社のステータスは?」とか「給料をどれだけ貰っているか?」とか、なんかそんなものが 横たわっていて、しかも「一人暮らしか?」から始まり、「家が金持ちか?」とか 「実家はなにしてる?」とか「一人娘じゃないか?」とか、 もう挙げればキリがないほど打算が押し寄せてくるのであります。 ほんとうは、お互いの人柄とか趣味とか、そういった純粋なもので 惹かれ合うはずなんですけど、そうならない。学生のころは、そうでもなかったんですけどねえ。 どうしてでしょうか、不思議です。何度も言いますが、あくまで、僕の話です。 しかしそれにしても、この「A2Z」は素晴らしいです。ありていに言うと、極上の大人の恋愛小説です。 これほどの恋愛小説を読んだのは初めてです。大人の恋愛がこんなにいいものなら、 ちょっとしてみたいと思うような一冊です。 でも、よくよく考えてみると、恋愛小説なんて読んだのは初めてかもしれません。 ちょっと思い出せないです。せいぜい夏目漱石の「三四郎」くらいです。 それもほとんど内容を忘れてしまいました。あ、そうだ、三島由紀夫の「永すぎた春」も 読みました。まあ普通です。ん〜、まあとにかく「A2Z」は男の人でも十分に楽しめる恋愛小説です。 山田詠美さんの小説に登場する女性は、(実はそれほど読んでるわけじゃあないんですけど、) ちょっとバブリーな匂いがします。女性のバブリーな匂いというのは、つまりバブルの時代に 自らの欲求を追及した結果、足るを知ることがなく、常に貪欲で、勇猛果敢で、消費過多な女性が 発する匂いのことです。 ひとことでいうと、ワインを語り始めそうな感じの女性です。 そんなことを書くと、読む気が失せてくるかも分かりませんが、まあ、とにかく面白いですから。 ひるがえって、デフレな女性を描く小説家といえば、もちろん「よしもとばなな」さんですよね。 ちなみに、それから、もし、あなたが僕のように、社会人の女性に会って打算のウェーブ がさらさらっと、目の前を流れていくようでしたら、 一刻も早くお相手を探すことをオススメします。そのウェーブは、僕の勘では、 一般に言われている結婚適齢期というものが終わりつつある兆しだと思われます。 そして多分、それは、あなたの予想より早く訪れるのではないかと思います。 若くして結論を焦るのは、もちろん良くないことですが、 幻想の霧が消えてなくなる前にしておいた方がいいことも あります。もちろん、僕なんかに言われなくてもお分かりだと思いますが。 03.06.26 |