BETH NOTE

このおはなしは、ちょっとした「ずんだGAME」第二部のまとめであります。

楽屋うら。

女王「なにやら出番がなくてヒマなのじゃー」
陳寿犬「オレ様はようやく、それらしい出番が出てきてほくほくだぞ」
羅貫中犬「ほくほく…死語にちかい言葉じゃないかしら」
陳寿犬「うるさし」
女王「ずんだはキャラが多すぎて、わけがわからぬしのう。場面展開をもっと早くしたほうがよいのではなかろうか」
陳寿犬「現時点で、なにがどうなっているのか、二部に入ってから、よけいにわからなくなってきた気がするぞ。
最近、このHPに寄ってくれているお客さんは、まずわけがわからないで困っていると見た! オレ様もよくわからんし」
羅貫中犬「そういうあなたのために、まずはエピソードの時系列を並べてみました。こんな感じ。
一部ネタバレがあるので、これから「ずんだGAME」を全部見ます、という方は、読まないことをおすすめするわ」
女王「まとめとはありがたい。このノートに書きとめておくのじゃ」

と、あらわれたのは、白いノート。
タイトルには『BETH NOTE』とある。

陳寿犬「なんだ、それ」
女王「わらわのノートに問題でも? ELIZABETH だからBETH NOTE なのじゃ」
陳寿犬「さいでっか……」
羅貫中犬「さーて、じゃあ、いくわよー。時系列エピソード。
2003年初春? 馬超、ウトナピシュテムに召喚されうさぎに。しかし獣化の呪詛、解除に失敗し、うさぎ人間に。
呪詛が孔明に移行。言葉を封印されてしまったため、うさぎのもなかとして趙雲に飼育される。
仲達、孔明をからかい、代償としてうさぎのくっきーになる。
ロキが基本世界の一部を襲い、人類を滅亡に追い込む。
この事件を利用し、神になろうとするウトナピシュテムが、姜維の野望につけこみ、これを堕天に追い込む。
孔明と仲達、女神たちの協力を得て、姜維を救うべく、ロキの城へ。ウトナピシュテムとも対決し、帰還。(ここまでが『うさぎが観察日記』)

基本世界において、12月上旬、最上アキラ子、事故死(?)。2003年12月24日、浅野父子襲撃事件起こる。飼い犬クロ、救いをもとめてアトラ・ハシースを召喚。基本世界とリンクしない『夢の世界』が生まれる。
12月の悲劇の起こらない『夢の世界』。しかしその影響が、リンクしていない汎世界および基本世界に出始める。
『夢の世界』の誕生を危惧した、未来人である千台家、最上家の子孫であるレティクル星の移民人の軍団が襲撃を仕掛けてくる。
これを受けて、『夢の世界』の責任を負うヴァルキューレ・ブリュンヒルデがあらたにアトラ・ハシースを召喚。
レティクルとの戦いが始まるが、アトラ・ハシースが連合していなかったため、巧妙な作戦によってアトラ・ハシース同士の意見が分裂。孔明とジャンヌが対決することとなり、結局、全滅する(プロローグ)。
この状況を憂いたブリュンヒルデが、仙台市に配置した世界樹に、あらたに12月から世界をやり直すことを命令する。

ループの開始(ずんだGAME ずんだの章・1)
アトラ・ハシースが街中に、それぞれ記憶を失った状態で、存在する。そこをレティクルたちが襲撃してくる。
それぞれが覚醒して戦うが、全員が合流することはできずに、不利な状況を覆すため、あらたにループ・2へ移行する。

キャラクター別状況としては、以下のとおり。
孔明→最上アキラ子に補填する形で同化。ヨーコ、女王らと合流するも、ジャンヌとは出会えないまま、意味深長なセリフをつぶやきつつ、二部へ。

趙雲→孔明をホロ・コースと状態で彷徨うが、途中で合流。フツーに就職しながら、ジャンヌらしい少女を発見するも、やはり合流できず。二部へ。

ジャンヌ→最上白百合(巫女)に憑依。ストーカーのジルに悩まされつつも、陳寿、ラ・イールらとともに、夏目マナブを守りつつ、レティクルと戦うが、最上一樹によって倒される。なんとか消滅をまぬがれるものの、そのまま二部へ。

エリザベス→最初の世界で肉体を失うも、気合と根性で世界に留まり、趙雲、孔明らと合流。途中で千台ヨーコと同化する。レティクルと果敢に戦いながらも、二部へ。

ケマル→なんでも屋として記憶を失ったまま、訳知り顔のイスメト君とともに、美少女メアリの依頼で、シグルト・ウェルズングの元妻『B』を探す。孔明とも何度も接触しながら、記憶がないのですれ違いのまま。互いに記憶のない状況で、ジャンヌとも対面している。最後に覚醒するも、そのまま二部へ。

羅貫中犬→浅野家で陳寿犬とともに、創造系アトラ・ハシースとして、世界を支える。さんぽの途中でレティクルに襲われ、逃亡後、記憶を取り戻す。女王、孔明らと合流したあとは、ヨーコを守りつつ浅野家に駐留。ヨーコに基本世界で起こったことを教え、そのまま二部へ。

陳寿犬→主役として登場しながらも、なんだかんだと記憶が戻らないまま、二部へ」

陳寿犬「おおおお? オレ様の扱い、ひどくない?」
羅貫中犬「だって、そのとおりじゃないの」
陳寿犬「泣いてよろし?」
女王「泣くなど不健康なのじゃ。わらわが、このノートの力によって、そなたを幸せにしてやろうぞ」
陳寿犬「は? それってただの大学ノートじゃないの?」
女王「ただのノートとしても使えるが、その実体は、霊具『BETH NOTE』! 
このノートに名前を書かれた者は、なぜだか善行がしたくなる!」
陳寿犬「えええ? なにそれ、幸せになるのじゃなくって、善行がしたくなるわけ?」
女王「たわけ者。幸福になるための最短距離は、人に善行を施しまくることなのじゃ! 
わらわのノートが素敵にそれをお手伝い! というわけで、そなたの名前を書いてみる。ちなみに効果は40秒後」
羅貫中犬「そんなノートがあるなら、さっさと出しなさいよ。というか、最強じゃないの。
そこにジルの名前やレティクルの名前、千台潮とか、最上一樹の名前も書けば、大団円になるのじゃない?」
女王「じつは、本編では『ノートは下宿先にうっかり置いてきた』ことになっておるのじゃ」
陳寿犬「使えねぇ!」
女王「黙りや! そなたには、わらわより、特別使命を与える!
『わらわの素晴らしき伝記を書きまくる』のじゃ!」
陳寿犬「どこが善行じゃい!」

四十秒後……

陳寿犬「ふおおおおお! なぜだかわからない! わからないけれど、ムショーに『女王エリザベス』を書きたくなってきたー!」
女王「ほーっほっほ! 書きまくるがよいぞー! ちなみに10ページ書くごとに、ウォルシンガム(エリザベスの忠臣で、今で言うところのMI6の長官みたいな人)の悪口をかならず入れること」
陳寿犬「かしこまりました、女王様! 承祚、書きまーす!
羅貫中犬「悪口って……善行じゃないじゃない」
女王「大人の事情があるのじゃ」
羅貫中犬「どんな事情なのかしら…知りたいような、知りたくないような。

さて、気を取り直して、悪役のみなさんの状況は、こちら↓

レティクル→ロンドン塔に幽体となって彷徨っていたメアリ・スチュワートに、力を貸して、アトラ・ハシースとする。アトラ・ハシースたちがどこへ消えたか、霊具の気配をたよりに襲撃を仕掛ける(アスカロンの気配につられたため、もっとも最上白百合に集中して襲ってきていた)。
千台潮と最上一樹に力を貸しながら、不死の呪詛をかけられている吸血鬼ジル・ド・レとも協力し、アトラ・ハシースたちをぎりぎりまで追いつめるが、『世界のやり直し』がはじまったため、殲滅失敗。二部へ。

ジル→レティクルとも協力しつつ、ジャンヌの命令も聞く自由な吸血鬼。戦士の角笛を吹いてループが始まるきっかけを作る。
しかしその後は、ヒヒイロカネほしさに千台家に協力したり、少年を襲って霊力を得たり、孔明を襲ってみたりと、かなりやりたい放題。
最後の最後にストーカーとしての本性を現して、ジャンヌを吸血鬼化させようとするが、失敗。しょんぼりと第二部へ。

千台潮→選民主義的な暴君。ヨーコを虐待する一方で、おなじ年のアキラ子には父親のような愛情を抱く。
ジルを地下に匿いながら、レティクルとともに世界を基本世界に近い状況へ持っていこうとするが、ループが終わったために果たせず。第二部へ。

最上一樹→白百合の兄で学の父。レティクルの直接的な先祖にあたるため、黒幕は、潮よりも、むしろこちら。
ヒヒイロカネを大量に保有していることや、レティクルにとっては、千台家よりも、むしろ自分のほうが重要だとわかっているため、ループがやり直しになると知っても、まるで動じず。そのまま二部へ」

女王「一部はわりとわかるのじゃが、二部は複雑じゃのう。一部で名前だけ出てきた人物なんかが、急に主要人物になっているし、どうなっておるのじゃ」
羅貫中犬「登場人物は、増えたわねー。まだほとんどが合流できていないという状況で、エピソードがつづいている、というところかしら。
もうちょっとがまんしてお付き合いただけるとうれしいわ。念のため、いまの状況。

孔明→不明。そのかわり、最上アキラ子は元気で、彼女の周辺で異変が起こっている。隣人がケマルから、ナゾの詩人になっていたり、宅配便でしゃべるうさぎ「くっきー」が届いたり、管理人が歯が全部犬歯というなぞの女になっていたり、あるいは変死事件の目撃者になったり……そして、彼女はヨーコと連絡が取れない状況にある。

趙雲→不明。それらしき鈴木剛志なる浅野の部下で、基本世界においては一家心中に見せかけた殺人事件で命を落としている人物が登場。
かなりの浪費癖で自己破産寸前ではあるが、海に突き飛ばされた原因で(?)本人は記憶喪失状態。

ジャンヌ→今回は封印されないまま、ヨーコと行動をともにする。ラ・イールとのみ連絡が繋がっている状況。

エリザベス→いろは横丁のパワーストーンショップ(樽宮が借りた店)に封じこめられていたが、ラ・イールのおかげで脱出。

ケマル→今回は封印されないまま、初っ端、千台潮と遭遇。いきなりこれをハムスターに変えてしまう。その後、夏目マナブ、潮の甥のタケシと出会う。
最上一樹が仙台の中心部にアジトを構えていることを知り、現在、対抗策を思案中。

羅貫中犬→鈴木剛志と行動を共にしている。

陳寿犬→今回は封印されず、一子をうながし、孔明と趙雲を探すが見つからず、私立千台栄華学院へ。

イスメト君→千台ヨーコの母・ナミに封印されてしまい、青葉山に立て籠もるレティクルが橋を超えてこないようにするため、ライフル所持で防衛体制に入っている。

ラ・イール→唐突にあらわれた「怪談」の裏を探るため、町を移動している。その途中で女王を解放するが、本人は、まだそれが女王であったことには気づいていない。

最上白百合→ジャンヌ覚醒のあいだの記憶はないが、それ以外の記憶は保持。叔父の家である「たんたかタン」が消えてしまっているため、混乱。クロウに保護されるかたちで、行動をともにしている。

クロウ→ナゾの女子中学生? 普通の人間であるが、霊具をあつかえる特殊な訓練を受けてきた。
その目的は奥州藤原の命令で、ヒヒイロカネの外部流出を防ぐこと。「ヒヒイロカネはただの鉱物ではない」など、いろいろと世界の裏を知っている様子。

シマノ→最上アキラ子のまえにあらわれ、ヨーコの所在を聞いてくる。一方で、ヨーコのいる世界においても、なんらかの意味を持って登場する予定。
千台ナミやタケシらと同様、ヨーコのエピソードにくい込む予定のキャラクター」

女王「わらわの出番は、まだなのかや」
羅貫中犬「もうすこしお待ちくださいな。二日目は、エピソードが時系列的に、並行して並ぶ進行になっているわ。
一部もそうだったけれど、ややこしくなっているのは、アコのいる世界がいったいどこなのか、というところよね。
クロウやジャンヌが意味ありげなことを口にしているけれど、孔明が一部のラストに言っていた『入ることはできないが、出ることはできる』という言葉がヒント」

女王「もったいぶるのう。次回より連載が再開するわけだが、この作品、ちゃんと終われるのかや?」
羅貫中犬「まー、終わることを祈りましょう」

陳寿犬「仕上がりました、女王様!」
羅貫中犬「早っ!」
陳寿犬「タイトルはずばり『女王エリザベス 華麗なる中世の白薔薇。日の沈まぬ国の女王の光輝と苦悩の物語! 誘惑の甘い罠に白い背中がむせび泣く! 女二人のすさまじき権力争いの行方は? 人々の思惑を乗せて、寝台特急がひた走る!』」
羅貫中犬「気のせいかしら……まるで土曜ワイド劇場のタイトルみたいなのは。だいたい、どうしてまた寝台特急が走っているのよ」
女王「あたらしい枕詞なのじゃと言うたであろう。よくやったぞ、陳承祚。褒美に、そなたに『サー』の称号を与えよう!」
陳寿犬「YES、HER・MAJESTY! ありがたき幸せ! おお、なるほど、幸せの最短距離を突っ走った気がする! 幸福です、女王様!」
女王「ほーほほほほ。苦しゅうない。苦しゅうないぞえー!」
羅貫中犬「なんだかいろいろ、まちがっている気がするわ……ともかく、こんな感じでずんだGAMEは、まだまだつづくわよ」


その後、陳寿犬が書き綴った『女王エリザベス 華麗なる中世の白薔薇…以下略』は下宿先において販売された。
『高潔な文章である』と評価される一方で、
『簡略すぎて、無味乾燥な部分がある。またも注釈が必要か』
という意見もあったものの、おおむね好評で、今年のベストセラーに入ることはまちがいはない。
ちなみに注釈には、例によって例のごとく、『最初から共同執筆にしたらどうよ?』とみなに思われている裴松之が担当することに決まった。
10ページごとに書かれているウォルシンガムの悪口については、賛否両論が出たのであるが、肝心の本人は、いっさいのコメントを拒否している。


下宿先の、某所。

孔明「…………」
趙雲「どうした、暑くもないのに冷や汗をかいて」
孔明「いや、さっきから、あの物陰で、はあはあと息を荒くしている黒衣の男がいるのだよ。おそらくフランシス・ウォルシンガムだと思うのだが、具合が悪いのだろうか。それとも別な理由だろうか」
趙雲「本を読みながら具合を悪くしているやつはおるまい。といっても、身過ごすこともできんな。声をかけてみよう」

ウォルシンガム「うう、はあはあ…」
孔明「例の陳寿の本を読んでいるようだ」
趙雲「悪口に打ちのめされているのだろうか。
そういえば、生前から、女王とウォルシンガムは関係のバランスが悪く、尽くしまくるウォルシンガムに対して、女王は冷酷すぎると、ずいぶん嫌っていたということだからな」
孔明「人間関係のむずかしさだな。おーい、だいじょう……」
ウォルシンガム「こんなに……こんなにたくさん、わたしの悪口が……。あっちを見ても、こっちを見ても悪口! 
どんなときでもツボを外さない、この冷淡さ! ああ、最高です女王様! 
もっともっと、わたしの心を踏みにじってくださいませー! 踏みつけて、ぼろぼろにしてください! 一生つきまと……いえ、ついていきます!」

孔明「…………」
趙雲「…………」
孔明「見なかったことにしよう」
趙雲「そうだな。俺たちは、なにも見なかった」
孔明「帰ろう」
趙雲「ああ」

ある一日のおはなしであった。

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