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趙雲は孔明の馬車から離れると、自分は自邸のほうへと向かった。
この世界に召喚されてから、すぐにおのれの屋敷の様子を見に行ったが、安堵したことには、おのれの昔と、ほとんど差異がなかった。
大きな厩舎もそのままだったので、趙雲としては、なつかしい馬たちに会えるのがいまからたのしみである。
孔明の屋敷に身を寄せるにしても、すこしは厩舎に顔を出す余裕もあるだろう。
にぎやかな大路からはなれ、自邸につづく細い道にさしかかったとき、趙雲は、馬の足をとめた。
すると、それを追い越すようにして、背中に籠を背負った農夫ふうの男が、かるく趙雲に目礼をして、脇をとおりすぎていく。
「おい」
趙雲が声をかけると、男はびくりと身をふるわせて、ふり返った。
「なにかあたしに御用でございますか」
「逆に聞きたい。俺に何の用がある」
すると、男は、笠のしたの顔をおどろきでゆがめた。
「なんのことでございますか」
とぼけるのがうまいなと、趙雲は変なところで感心をした。
顔をまじまじと見るが、知っている顔ではない。
とはいえ、襲われた瞬間に、すぐさま斬ってしまった刺客もいるから、こいつはそのなかの一人だったのかもしれないな、とも考える。
せっかく平和な三国時代(まさかそんなものが存在するとは、孔明から仕事の話を聞かされるまで、想像もしていなかったのだが)に召喚されたのであるし、こいつも物騒な仕事をしているとはいえ、あまり手荒な目にあわせたくない。
「俺に嘘は通じぬぞ。おまえは平西将軍の屋敷から、ずっと俺たちをつけてきた。そして、俺と軍師がわかれたとき、おまえはすこしためらって、それから俺のほうを選んでついてきた」
「…………」
「想像するに、軍師よりも、俺のほうが危険性が低いと判断したからではないか。ということはつまり、おまえは平西将軍の屋敷で、俺たちのしていたことを見ていたのだ」
すると、男は、それまでの戸惑いの表情を消し、顔をきびしくして、趙雲のほうをまっすぐと見据えた。
顔の細長い、泥鰌ひげの男である。だが、目は猛禽のようにするどい。
「なら、こちらも単刀直入にたずねる」
と、男は乾いた声で言った。
「あんたたちは何者だ。諸葛孔明に見えるあの男が手にしていたものは、なんなのだ」
「それには答えられぬ」
趙雲がいうと、背中の荷物を無造作に地面に落とし、つま先をじり、と趙雲のほうに向け、拳をかまえた。
「教えられぬというのであれば、力づくで聞くまで!」
いいざま、男は地を蹴って、鷹のように飛びかかって来た。
※なにやら晴れているのに冷えますね(^_^;)ここは仙台。ちょっぴり北国。それはともかくとして、アンケートにご協力くださった方、ありがとうございます。コメントも楽しく拝見させていただきましたー(^^♪ こちらの結果もアップしていく予定ですので、どうぞお楽しみにー。でもって、まだまだ投票受け付け中です♪ 本日は二本立てで早めの夜のアップを目標にしています。どうぞお越しくださいませm(__)m
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