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水の柱は、小男の背中の真ん中に突き刺さるものの、小男の様子が変わることはない。
しかし、天井にはりつく小男の身体からこぼれた水が、ほかの男たちに降り注ぎ、それを男たちがいやがって暴れだした。
孔明にも水は降りかかったが、暴れるほどのものではなく、ふつうの水滴である。それは趙雲や馬超もおなじらしく、男たちがのたうちまわる様子を、ぼう然と見つめている。
「阿聞さま! わしらはこれは耐えられませぬ! 溶けてしまいます!」
男たちのうちの一人が叫ぶと、阿聞と呼ばれた小男は、おおきく舌打ちした。
「ったく、情けないわね。これくらい耐えられなくってどうするのよ、へっぽこ!
あんたたち、それでもあたしに魂を売ったガッツマンなの! ガッツで乗り切りなさい!」
「無理です!」
見れば、水滴は酸とおなじ威力を、男たちにはふるっているらしく、水滴を身に受けた男たちの肌は、火傷を負ったようになっていた。
「軍師、たしか阿聞というのは、尚書令に金蛇の腕輪を売ったやつではないか?」
孔明を庇いながらも、暴れる男たちに剣を向けつづける趙雲が、記憶力のよいところをみせてたずねてきた。
「そうだ! けれど、いまはそれを探っている場合ではない。子龍、逃げよう!」
趙雲は、ちらりと孔明のほうを振り向いた。
「おまえもそうしたほうがいいと思うか」
ここで『敵に背中を向けるなんぞできるか』などと言って駄々をこねないのが、趙雲のよいところである。
孔明はうなずいた。
「あまりに事態が把握できない。すぐに応援を呼ぼう。われら二人だけでは対処しきれぬ」
「わかった。だが、俺から離れるなよ」
と、趙雲は、油断なく剣を男たちに向けたまま、空いた手のほうで孔明の手首をつかんで、ゆっくりと後退をしようとするのだが、天井にいる小男のほうは、めざとくそれを見つけた。
「お待ち! ここで逃がしてなるものか、もろともに死んでおしまい!」
いうと、小男は大きく口をひらく。
とたんに、その口そのものが変化し、鳥のくちばしのように尖った。
さらにはその先端から、光る雨のようなものが、孔明らにむかって降り注いでくる。
「いけねぇ!」
来哲が叫んだ。
※あしたもアップを予定中。ぬーん、早めのアップを目指しておりますが、どうなるかなー。うまくできますように(^_^;)
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