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仕事がえりに、燃え落ちた屋敷あとを見に行けば、すでに屋敷はきちんと整地され、早くも土台ができあがっていた。
現場監督に聞いたところ、
『ご注文のとおり、耐火性にすぐれた最新のツーバイフォー工法でぱぱっと仕上げますんで、土台さえ出来れば、あとはすぐに組みあがりますぜ』
との言質をとった。
早く一家みずいらずでのんびり過ごしたいものだと思いつつ、法正が趙雲の屋敷に帰ってみたところ、どうやら屋敷の主は夜勤であるらしく、離れの明かりは消えている。
が、興味深いことに、離れの入り口が、ほんのすこしだけ開いているのだった。
法正は、思わず周囲をみまわした。
いまは黄昏どき。
夕餉の支度にいそがしいのか、気配はしているものの、だれも外に出ていない。法正の帰宅にも、だれも気づいていない様子だ。
法正は、さりげなく、従者を厩のほうに追い立てて、ひと目につかぬよう注意しながら、趙雲の離れの扉を、そっとくぐった。
離れは、思った以上に狭かった。
趙雲は身の丈が八尺あり、七尺の法正でも、手を伸ばせば天井に手がとどくほどであるから、もっと狭く感じているにちがいない。
しかも奇妙な構造をしており、入り口を入ると、ずっとえんえんと廊下がつづいており、突き当たると、左に向かって、また廊下がつづき、さらに突き当たると、ふたたび左に廊下がつづく。
その両脇は壁となっており、装飾はいっさいない。
もちろん、ひとがひとり、やっと通れるはばしかないため、置物のたぐいも置いていない。
そろりそろりと先に進みながら、法正は、かたつむりの殻のなかをぐるぐると回っているような感覚に陥った。
そしてわかってきたことは、どうやらこの建物には、おどろいたことに部屋がひとつしかなく、その部屋は、建物の中央にあって、扉がひとつしかなく、窓がないという構造になっているらしい。
窓がない、扉がひとつ、という秘密めいたつくりに、自身も後ろ暗いところをたっぷりと持っている法正は、ぴんと来た。
趙子龍は、秘密を持っているのである。
こうなると、俄然、気持ちが高揚してくるのが法正である。
これはなにも、人の秘密を暴き立てることが楽しいのではなくて、自分と同じく、秘密を抱えている人間がいることを知ることが、仲間ができるようでうれしいのだ。
そして、ついに部屋に行き当たり、法正は、中をそっと覗いてみた。
※またもやおかしな時間にアップ。ブログは夕方以降のアップとなります。なにやら仙台、雨か雪だそうです。そういえば冷えるなあ。あと二日でまたもお休み。みなさまお体にはお気をつけて(^^)/
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