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「なんだ、地鳴りか? いまの音は?」
「ああ、獄吏に飲ませた酒の眠り薬が効いたのだよ。ほら、ぱたりと倒れて、気持ち良さそうに鼾をかいているじゃないか。すばらしい効き目だな。
さて、いま鍵を取ってくるから、待っていてくれ。太守のほうはニキたちがうまくやってくれているとは思うが、すぐにここを出よう。あなたの顔を知っていたという兵卒が、名前まで思い出さないうちにな」
「そして塔へ向かうのか。旅はそこで終わりになるのだろうか」
「わからない。首尾よく塔へ行くことができたなら」
「成都に帰るのだろう」
「そのつもりだったが」
「つもり?」
「いま決めた。いずれ成都に帰るにしても、そのまえに、あなたの行きたいところへ行こう。わたしはずっと、あなたをわたしの道に付き合わせてきた。今度は、その逆を行ってもよかろう。あなたの行きたいところへ行くのだ。どこへ行きたいか、いまから考えておくように」
「呆れたやつだな。公職にある人間の言葉か? 劉予州のことはどうする」
「人生は長い。たまの回り道もわるくなかろう。それに、成都には、龍ほどではないにしろ、人を化かしているんじゃないかというくらいに有能なキツネがいるからな、なんとかなる」
「どんなキツネだ」
「おや、記憶にないというのが、いささかうらやましい。そのうちに紹介するよ。
けれど、あなたが主公のことが気になるというのなら、成都に帰ればよい。まあ、すべては塔にたどりついてからだ。それまでは時間はあるのだから、じっくり考えておいてくれ」
「とんでもない道を示すかもしれないぞ」
「それでもいい。いま、鍵を取ってくる」
「静かだな。宴は終わったのか」
「そうかもしれない。が、好都合だ。ニキたちはどこへ行っただろう。かれらは僧侶ゆえ、たとえわれらとの関係が露見したとしても、害されることはなかろう。いまのうちに早く屋敷を出よう」
「待て。様子がおかしい。あそこに見えるのは、炎ではないか」
「そのようだ。火事だろうか……いや、ちがうな。声が聞こえる……太守を捕らえたとかなんとか言っていないか。おや、あれは許都からの客人ではないか」
「許都からの客人が、剣を鞘から出したままうろうろするものか? うむ、どうやら、客人のなかに叛徒がまぎれこんでいたようだ。燃えているのは町だ。叛乱が起こったのだ。
いかん、武器を探そう。声がどんどん近くなっている。おそらく場内の叛徒が、外にいる仲間を引き入れたにちがいない。掠奪が起こるぞ。あんたはその格好をなんとかしろ。勘違いした輩に狙われる」
「襲ったほうも驚くだろうよ」
「そうかね。それはそれでよし、とかなんとか思われそうだが」
「それは困る。ええい、暗いし不案内ゆえ、どこをどう歩いているのか、見当もつかぬ。着替えの衣が首尾よく見つかればよいのだが」
「太守たち酔いつぶれているところを叛乱するとは、ずいぶんと計画的だな。屋敷の中も調べつくしている可能性が高い。この奥は、どうやら倉らしいな。ひとまずそこに逃げて、どさくさに紛れて屋敷を出るぞ」
「こういう点にかけては、あなたのほうが得意だろうから従うけれど、ほかに三人を助けなければならないことも忘れずにな」
※やっぱり真央ちゃんはすごい!なんだろう、この彼女の脅威的な精神力。安藤はともかくとして、村主が残念だったなあ…挑戦をやめないでほしいな。と、フィギュアで熱くなってしまいました。さあて、今日は仕事収め+残業でした。今年もあと二日なんだ…いろいろと内面的にも変化のあった一年でした、って、なんだか締めの言葉のようだなあ(^_^;) アップはつづきます。でもって、拍手くださった方、いつもいつもありがとうございます。とっても励みになっております(^^)/ このご恩返しはいずれ!
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