|
「アンタタチ、サッキカラ黙ッテ聞イテリャ、勝手ナコトバッカリヌカシヤガッテ、泥棒ハ泥棒デショ。コッチハテキパキ訴エルヨ」
「なんだか片言のような、ぺらぺらのような」
「ソノマエニ、ゴメンナサイデショー? ナンダロ、最近ノ若イ者ハ、躾ガナッテナイヨネ」
「ヤッパ、乱世セイジャナイノ?」
「時代ノセイニスルノハ、責任転嫁ッテモノダヨ。コリャ、個人ノ資質ノ問題。コイツラ、特別ニ図々シイノヨ」
「それはすまなかったな。たしかに人のものに黙って手をつけたのは悪かった。このとおり、潔く頭をさげようぞ。しかし、聞いてはくれぬか。こうなったのも、いろいろと事情があってだな」
「ナンダカ誠意ガ感ジラレナイ。言イ訳ハジメタシ」
「盗人タケダケシイネ」
「なんだか悪い言葉を覚えているようだな。ずいぶんとわれらの言葉に堪能なようだが、どこで覚えたのだ」
「太守ノトコ。ワレワレハ食客トシテモテナサレテイタヨ」
「なんと。もしや、この建物は、太守の屋敷なのか?」
「そのわりには、ずいぶんと人の気配がないが」
「太守ノ屋敷ナワケナイジャン? ココハ我々が間借シテイル、オ金持チノ別荘ダヨ。デモ、住ンデイルノハ、我ラ三兄弟ダケ。寂シイモンヨ」
「アリガタイオ話ヲシテヤッテルンダカラ、モウチョット歓迎シテクレテモ、イイト思ウヨネ」
「ダメ、コノ町ノ漢族、『ノリ』ガ悪スギ。説法聞イテモ、マルデ反応ナシ。マサニ馬ノ耳ニ念仏状態。コッチハガックリ。悪循環ネ」
「浮屠教の布教に来たわけか。隴西に、洛陽のような立派な寺を建てる目的だったのか?」
「ッテイウカ、オ布施ガ集ラナイト、コッチハ死活問題ダシ。ワレワレダッテ、人間ジャン? 食ベナキャ声ニ力ガハイラナイカラ、アリガタイオ話モ、イマイチニナッチャウワケ。ソレッテ意味ナイジャン?」
「なんとなく、この三人が珍重されない理由がわかった気がするな。それに、なんとも得体の知れぬ風体をしていることよ。いったいどこの国の生まれだ」
「安息国ノ男ヲ父ニ持チ、天山ノ麓ニテ暮ラス牛飼イノ娘ヲ母ニ持ツ、ワレラ生粋ノ西ノ人」
「要するに、ごちゃまぜというわけだな」
「ゴチャマゼハ、失礼。コレダカラ漢族ハ、イバリンボ。セメテ、国際交流ノ結実ト」
「『国際』ってなんだ」
「よくわからぬが、われらとちがう世界観を持っているらしいな。では、国際交流とやらの結実たる三人組、漢族を代表して言わせてもらうが、そなたたちのように『ありがたい話をしてやっている』という態度では、だれも耳を貸すまい。とくに、われらは、他民族より図抜けて誇り高いのだからな」
「低姿勢デ行ケッテカ」
「言イ訳ノツギハ、説教トキタモンダ」
「盗人ノクセシテ、高飛車ナ態度ハ、如何ナモノカト」
「う。見かけによらず弁の立つ。そう畳み掛けるようにいわなくても良かろう。すまぬ、こちらの立場をよくわかっていなかったようだ。この衣は、もちろん返すが、しばし貸してくれぬだろうか。
金はあるのだ。いますぐ市場に行って、自分たちの衣を買って、それに着替えたら、ちゃんと洗濯して返す」
「金」
「金ガアルンダ」
「おい、迂闊に金のことをいうな。なんだかこいつら、目の色が変わってきたぞ」
「うむ、失敗したかもな。子龍、どう見ても、こやつら、金持ちの屋敷にいるというわりには、三人揃って栄養失調で痩せすぎだ。われらが全力で逃げたら、追いかけてこられないのではないだろうか」
「うん、あんたのとろい足でも、逃げ切れるかもしれないな」
「とろいは余計。さあて、話がまとまったところで、逃げるとするか」
「ダメ。逃ゲタラ、三人デ大騒ギスルヨ。アンタタチ、警吏カラ逃ゲテイルンジャナイノ?」
「ワレワレ、読経デ、ノドハ鍛エテイルカラ、大声ダセルンダヨ」
「ツマリ、逃ゲラレナイッテコト」
「……さきほどとは、あきらかに目つきが変わってきたな。そなたら、本当に僧侶なのか? なにが目的だ。言ってみるがいい」
「ワレワレヲ西ニ連レテイケ」
※ぐっすり眠って気分爽快。金曜日にして月初めという忙しい日ですが明日はお休み。がんばるぞ。さて昨日、うれしいメッセージをくださった方ありがとうございます(^^♪ 復活に向けて、とっても励みになりましたー。さあて、やるぞー!(^^)!
|