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「それで、よくいままでやっていけましたな」
「そこがそれ、あいつ、公孫瓚のところで身につけたのだろうが、そういう処世術には慣れててな、本当にソツがないんだわ。頭がいいから、相手の先をうまく読んで、するり、するりと世の中を渡っていっちまうんだな。
だから問題も起こさないかわりに、部下はいても、仲間ってもんがない。儂を慕って来てくれた奴だが、どうも十五のときと、変わってない部分があるなと、それで儂は心配しておったのだが、いやあ、軍師はなんでも解決してくれる。さすが臥龍!」
ひゅう、ひゅう、と奇声を発しながら、孔明をおだてて、拍手する劉備。このひとのこの陽気さは、いったいどこから来るものだろうと孔明は呆れつつ、言った。
「おだてても駄目です。つまり、子龍はよく働いてくれるが、どこか表面だけしか見せていないような気がして、主公としては心配だとおっしゃる」
孔明の容赦ない直言に、むしろ劉備は喜んで、さらに手を打ちながら言った。
「そうそう、そういうこと。いや、本当におまえは話が早いわ」
「お褒めの言葉をいただき、うれしゅうございますが、つまり、子龍はわたしの主騎であることは変更なし、と」
「そうだよ。先に言っておくが、こればっかりはおまえの我侭は通さねぇからな。おまえは子龍を通して、武将という物に慣れる…いっとくけど、あれだけ大人しくて品がよくて、躾けのしっかりしている武人は、めずらしいのだぞ…子龍のほうは、おまえを通して、世に慣れる……いや、世を知る、と言い換えるのが本当か」
「世を知る?」
劉備の言葉に、怪訝そうに孔明がおうむ返しにすると、それまで無邪気に機嫌よくはなしていた劉備が、真摯な顔になって、うなずいた。
「儂はあいつを十五のときから知っているのだが、そのときから、まるで人形のようなやつだと思っていたよ。外見があんまり立派だし、家柄もわるくないし、教養もあるから、ここぞというときに随行させると、まずまちがいない。
それくらい優秀なやつなんだが、あいつの頭のなかじゃ、せっかく蓄えている知恵とか知識といったものが、心につながっていないのだ」
「ますます不思議な御言葉ですな。それでは、主公は、子龍は、知識と経験を元に体を動かしている人形のようだとおっしゃりたいのですか」
孔明の分析に、劉備は戸惑いつつも、応じた。
「まあ、そこまで極端には考えていねぇけれど、知識と経験ってのは心とつながって、はじめて本当に力を発揮するものだろう。どういうわけか、あいつの場合は、それが、きれいに分かれちまっているようなんだ。
頭がいい分、いままで問題なく過ごしてこられたのだが、それとて、新野がずっと平和だったからであって、曹操が南下くるのはまちがいねぇこの状態で、人形みたいな大将に、ほんとうに何万も動かせるか、というか、兵卒たちがついていってくれるか、疑問が出てくる」
※季節が一ヶ月づつずれているような今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。早いものでもう25日。前の会社を辞めてから二週間が経過。ものすごく時間が経ったように思えます。
さてはて、昨日のアップ分、おばか企画やずんだとはいささか趣のちがう馬超をお送りしておりますが、反響は悪くない様子。よかった~(^_^;)こちらは「おまけ」も含めて完結させました!(^^)!あとは校正を待つ状態であります。
さーて、この調子でどんどんいきますぞ。目指せ、アップの皆勤賞。あ、でも体調管理が一番ですね。併せて間抜けなことにならないよう、頑張りますです(^^ゞ
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