ブラックはさみの
〜2006年 第一回・緊急アンケート けっかはっぴょう・2〜
陳寿犬「こういう場所に呼ばれるのも久しぶりだなあ。二周年だな、はさみの」
はさみの「長いようで短い二年でしたねぇ。始めた当初は、なにがなにやらわからないままアップしてました。fftpの使い方すらわからなくて、途方に暮れておりましたっけ。
最初はワードでつくっていたので、Macの方にはいろいろご不便をおかけした様子。途中でHPビルダーを購入し、すこしずつストレスのないサイトにはなっていると思いますが…」
陳寿犬「なかなかTOPページが開かぬときがあるな。あれはなぜ?」
はさみの「たぶん、カウンターの問題。カラフルなカウンターだと、特に遅い事に気づいて、最近は、なるべく単色のカウンターを使用するようにしています」
陳寿犬「ときどき、画面が真っ白になっているのは」
はさみの「ジャストミートではさみのが、なにかをアップしようと四苦八苦していると思ってください。五分くらいで回復するはず。でもって、『ページが見つかりません』となっている場合は、まちがいなく『サーバーダウン』。多いんだ、うちのプロバイダ。
このおかげで、サイトを閉鎖したのではと驚く方も多いはず。むかし四日間におよぶサーバーダウンに陥ったときは、その後、来客数が、一ヶ月くらい、ぺたーんと減ったんですよ。命あるかぎり閉鎖しません(/_;) しばし待ってね」
羅貫中犬「二周年はいいけれど、緊急アンケート、なんだって実施したのか、みんなが不思議がっていたわよ。ちゃんと説明なさい」
はさみの「あーい。緊急アンケートの、ジャンル別はともかくとして、驚かれたのは『裏ページってどうですか?』のほうですよね。さてさて、まずは結果発表からまいりましょう」
1位 書いた物がそうなっちゃったら裏作るとか 20票
2位 裏? あってもいいんじゃない? 16票
3位 なくてもいいと思います。現状の程度で。 4票
羅貫中犬「たくさん答えていただいたわねー」
はさみの「いやはや、マッタク。総数40。はさみの世界の常連様の数とほぼ同じくらいかな。みなさまお忙しいなか、ありがとうございました。いただいたご意見はこちらで紹介しませんが、はさみの、毎日読んで、参考にさせていただいておりました」
陳寿犬「待てい! 裏ページをつくるつもりか! オレ様の目の黒いうちはゆるさん!」
羅貫中犬「アタシはちょっと意見は保留よ。この結果を見るかぎりでは、特に強くは求められていない様子ね」
はさみの「そこですよ。『風の終わる場所』からはじまって、『うつせみ』等のお話をアップしていくうちに、この傾向、はさみのが暴走しているだけであって、お客さんは引いているのじゃないかしらん、という怖さがあったのでありますよ」
羅貫中犬「あんたの『大丈夫かなあ』と危ぶんでいる『本編』は、拍手はいちばん頂いているじゃないの」
はさみの「そこなんですよねぇ。拍手もたくさんいただけるのですが、拍手の数=常連さまのヨロコビとしてみてよいのか、その正確なところがわからないわけですよ」
陳寿犬「たしかにな…」
はさみの「本編と読んでいる一連の流れ、これはどんどん進行(※物語が、という意味で)していくわけであります。いままでは、ずばり、同性愛をにおわせる作品は、『湖』にて紹介していたのですが、これがサイトの構造を複雑にしておりましたし、あたらしいお客さんに対して、ずいぶん敷居が高いサイトになってしまっていた感があったのです」
陳寿犬「たしかに、わけのわからぬ構造だったなあ」
はさみの「そこで本編MAPをつくったわけでありますが、まーだ、なにやら不安がある。うちのサイトの中心は、ここでよいのか。この本編MAPは、裏ページとして設定するべきではないのか…
しかし、よそのサイトさまの『裏』の定義から、だいぶズレるものを、果たして裏としてよいものなのか。そもそも「裏」ってなにさ、という疑問にぶち当たったわけでありますよ」
羅貫中犬「出たわね、思考の袋小路。結論は出たの」
はさみの「ぜーんぜん。どころかもう、わけがわからなくなってしまいまして」
陳寿犬「いつもの自爆か。ばかなやつ…」
はさみの「んじゃ聞きますが、お二方にとって『裏』とは?」
陳寿犬「おそるべきエロエロページ! お子さまが見たら、目がつぶれます!」
羅貫中犬「言い切ったわね、さすが人気投票たったの一票…」
陳寿犬「ヤカマシー! たとえ嫌われようと、ちがうものにはちがうと叫ぶのが巴蜀魂! それでも地球はまわっちょる!」
羅貫中犬「興奮したお年よりは放っておき、そうねぇ、『裏』は、単純に未成年の方の閲覧はダメな内容のページ、ということかしら」
はさみの「理性的なご意見ありがとうございます」
羅貫中犬「そういうアンタの中での『裏』ってなによ?」
はさみの「十八禁の表立って出せない、制約を必要とするページ、かな。実際に同性愛にかるーく触れているだけの作品でも、『うちは女性向けですので、苦手な方はご遠慮ください』と掲げているサイトさまもありますから、となると、うちも女性向けなのかしらん、と迷ったり、そうしなければルール違反なのかなあとびくびくしたり。
でもって、お客さんは最終的に『裏』に行かざるを得ないような結末をもとめているのだろうかと、考え出したら止まらなくなりまして、わからないから聞いちゃえ、というわけで、立ち上がったのがアンケート。意外な結果でありました」
羅貫中犬「意外? そうかしら、アタシは思ったとおりの結果だったと思ったけれど」
はさみの「やはり『裏』というと、性愛描写中心の作品があるページ、という一般認識なのでありますね。もっと『裏』ページがあってもよい、という積極的な意見があるかな、と思ったのですが」
陳寿犬「うんにゃ、はさみの。それはチガウ。なぜかというと、そもそもの選択肢に問題ありだ。
積極的な意見を持っているひとは、『裏があってもいいと思います』にしか入れようがなかっただろう。選択肢として、『ぜひ見たいです!』を入れるべきだったのだ」
羅貫中犬「そうね。ぜひ見たい、という方の場合は、意見を述べるのが難しかったでしょうから、声が埋もれてしまった可能性があるわね」
はさみの「シマッタ、まだどこか、気後れがあったか…」
羅貫中犬「見たくない、という選択肢に、票がまったく入っていなかったことも考えると、あってもよい、という意見が強いように見えるけれど、それだって、どちらかというと、『書いちゃったものがそうなったんなら、仕方ないか』というお客さんの優しさが反映しているように感じるわ」
陳寿犬「ずばり尋ねるが、おまえに「裏」ページを作る気は、あるの、ないの?」
はさみの「いまの予定としてはナシ。ただし、一番ご意見いただいた「そうなっちゃったらつくる」方向で考えを固めています。こればっかりは、書いて見ないことにはわからない」
陳寿犬「やーめーろ、というのに! 裏なんか! 裏なんか!」
羅貫中犬「落ち着きなさい。陳寿犬がやめろというのは、たぶんそればっかりの内容の作品が見たくない、ということでしょう?」
陳寿犬「うみゅ」
はさみの「ああ、陳寿犬がいやだなーと思っている、ほんとうにそればっかりの作品にはなりませんよ。たぶん、それは書けないし、書いていても虚しくなるだけだと思う。
もし出来上がったとしても、かなりストーリー重視のものになります。みなさんご存知のとおり、はさみのは、どうしてこうなるのかの理由を書くほうが楽しい人間なので、かなり理屈っぽくなる、むしろ駆け引きだろ、これは、というようなものになる可能性大。
というか、一種のコミュニケーション描写として書きます。書くとしたらですが。んー、本当に思わせぶりで申し訳ないですが。扇情的なものにはなりませんし、そこは狙わない。もしそこを期待している方……はさみのにそれを求めている方はいないと思いますが……がいたら、かなりガックリする内容になること請け合い」
陳寿犬「はさみの……ブラックと謳うだけあり、なんだか大胆だな」
はさみの「テーマがテーマですし、真正面から行きましょう。たくさんご意見をいただいたのを、ちょっぴり乱暴にまとめると、こうじゃないかなあと思うのです。つまり、『無理してやおいに流れるのはやめてね』という」
陳寿犬「無理とは」
はさみの「うーん、やおいとは、ジャンルなどは関係なく、性愛描写中心を絞って楽しむもので、ストーリー性をあえて薄くしている物が多いと思うのですよ。
なぜそこに至るかの過程、理由、葛藤はむしろ脇役で、性愛に焦点を絞って、楽しむもの、ですね。
逆にいえば、性愛描写ありきで、そこに登場する人物の個性は、むしろ二の次、ときに曲げて表現されることもある。
通常の小説としては、成り立たないものが成り立つのがパロディ、そしてやおいの楽しさであります。
ご都合主義であっても問題がない世界。いや、ご都合主義でなければいけないのですね。なぜそうなるかの説明を加えてはならない」
陳寿犬「ならないって、なぜさ」
はさみの「どうしてかといえば、書き手、読み手の、互いの想像力を刺激するツール、原作の副次品として楽しむもの。それがパロディ、やおい作品だからです。
やおいやパロディに、オリジナル要素がつよく出ている作品って、たまにございますが、浮くし、なんだか半端な印象があるでしょう。
なぜかといえば、やおいやパロディの楽しみ方というのは、読み手が、作品に欠ける『説明』部分を、原作か、あるいは読み手が脳内で想像力をつかって、補完して楽しむものだからです。
羅貫中犬「そのとおり。だからもし、自分の書きたい物がつよくあるのなら、オリジナル設定をきちんとつくって、作品として仕上げなければいけないわ。
パロディでそれをやると、場違いになってしまうのよ。(※ すべてのことには、やはり例外がありまして、稀にこの基本を容易に突破して、独自の世界を築いている方もおりますが、相当な実力者に限られます。しかし、そこで忘れていけないのが、どんなに実力がある方だろうと、基本的に、自分の書いているものがパロディである、という意識がしっかりなければいけない、ということ。でなければ、ただの勘違いになってしまいます。そのあたりのバランスはむずかしい)
オリジナルとパロディの差が、混同されてしまっている場合、つまり、なんだかいまひとつ痒いところに手が届かないもどかしさ、面白さに欠ける場合は、たいがいが、『説明』の部分が足りないのよ。
キャラの内部の作り込みが浅い。みんなわかっているでしょうという、じつは一部の方としか共有していない認識、あるいはこの設定なら、だいたい想像がつくでしょうという読み手への甘えが無意識にあるかして、物語をそもそも説明もなしに押し通してしまっている。
オリジナルなのだから、読み手は、物語の展開する『理由』がないと付いていけないの。
とくに、『はさみの世界』は歴史物中心でしょう。歴史物だから、最終的にどうなるかみんな知っているだろうから、あえて『経過』や、なぜそこに至るかの『理由』を書かない、というのはNG。
読んでくれる方に負担をかけちゃいけないし、人によっていろんな解釈があってしかるべしで、その差を楽しむのが歴史物の楽しみ方のひとつでもあるのよ。そうじゃなかったら、通史だけで十分でしょ? そこを放棄してしまうのであれば、歴史物を書く意味がなくなっちゃうわ」
はさみの「な、なるぺそ…耳と胸がちくちく痛むかも」
陳寿犬「くどいくらいに説明する時と、『もうわかっているでしょう』というふうに説明しないときと、悪い癖があるからなー。だから半端なのだ。でもって、そこからすこしばかり力を抜こうとしたのが、ずんだなわけか」
はさみの「そのとおり。本当に力を抜きたいのなら、歴史にかかわるものはいっさい出さなければよかったのに、出してしまったおろかものが一匹。あとになって気づくものなのですよ、こういものは…」
羅貫中犬「あんたは一応、創作三国志だと銘打っているわけで、演義もほかの三国志関連の作品もあえて見ないでつくっているわけだから、そのあたり、特に肝に命じなきゃだめよ」
はさみの「ウイッス。とりあえず、『はさみの世界』は創作小説のHPでありまして、演義のパロディのHPじゃないつもりなのですが、読んでくれている方は、どう見てくれているのかなあ。パロディではなく、創作のつもりです、ハイ」
陳寿犬「出たな、ぼやきモード。話が逸れまくっているぞ」
はさみの「なんでしたっけ」
羅貫中犬「お客さんの反応の話よ」
はさみの「そうそう、そうでした。つまりですねぇ、一般認識としての『裏』は、十八禁のやおい作品を掲示しているところ、という印象ですよね。
はさみのの言葉が足りなかったせいで、最初にアンケートを出した時は、みなさんのたいはんが『えー、いまさらエロ主体でいくのかいな』と思われたのではないかと推測いたします。
これはわたくしが悪い。あまりに舌足らずでありました。
はさみの世界において、おそらく『裏』をつくるとしたら、はさみの世界の本編の延長線上にある、とても重いものになると思います。
つまりですね、本編を書き進んでいったとき、『これは未成年の方には目のドクだ』と判断できるものが仕上がった場合につくるページになる、ということです。
『風の終わる場所』を書いたときも、『おまえを選んだのだ』で終幕となり、あとにつづく番外編は書く予定はまったくなかったのですが、そこまで書かないと、物語として収束しなかったので、結果、本来のラストよりもだいぶ長い尾ひれがつく形となったわけです。
それを考えると、今後、想定していないところへ話が動く可能性が大きい。
そうなったときに「ごめんなさーい」というのもなにやら計画性ないし、逆に、こわがって筆を抑えてしまうのも問題だろうというのが頭にあったので、みなさんに、『裏』がもしはさみの世界にあったとしてもOKですか、と聞いたわけでありますね」
羅貫中犬「で、結果は『あってもいいけれど……』というところだった、と」
陳寿犬「ええー、マジかー。オレ様反対だ」
羅貫中犬「でも、『あってもいいけれど………』よ? 「………」に籠められた意味を読み取りなさいよ」
はさみの「ういーっす。肝に銘じちょります」
陳寿犬「ほんとかなー」
はさみの「ほんとだよー。アンケートにご協力くださった方、今回もほんとうにステキなご意見をありがとうございました。変な言い方かもしれませんが、はさみの世界のいまのスタンスは変わりません。無理に過激な方向へ行くことはありませんので、どうぞご安心くださいませ。
人間同士の関係、恋愛とはあえていわず、愛情関係と表現いたしますが、これは、肉体関係を結ぶことが究極じゃないですよね。それもコミュニケーションの一種だから。そこをゴールにしちゃったら、物語はきっと行きづまる。おそらく似たような物語の連鎖になってしまうと思うのですよ。
では、どうすればよいか?
まだ結論は出ておりませんが、はさみのなりに考えたものをおそらく発表できるようにいたしますです。
もちろん、創作上の技巧を示したいがために、やたらと物語を引き伸ばすようなこともしないとお約束いたします」
羅貫中犬「言い切ったわね…でも、これだけ大仰に言っておいて、書いてみたら、なーんだ、フツーのオチでおさまりました、という場合は?」
はさみの「それはそれで、ご納得いただけるのじゃないかしらん……って、ダメ?」
陳寿犬「フツーが一番、フツーにしとけ。神よ、はさみのがフツーのところに落ち着きますように」
はさみの「それは、書いてみないとわからない。あらためて、アンケートにご協力くださったみなさま、ありがとうございました。いろいろ考えることができて、楽しかったです。そして、貴重にして感涙ものの優しい(甘やかす、という意味ではなく)ご意見をありがとうございました。
はさみの世界における『裏』ページについて、真剣に考えさせていただきました。これからどうなるか、はさみの自身にもわからない部分がありますが、どの作品も真面目に取り組んでおりますので、今後の展開を見守っていただけたらと思います」
羅貫中犬「あんがい、本当にフツーのところに落ち着くかもね」
陳寿犬「だからフツーがいいってば…」
※補足…えー、このサイトが創作サイトのつもりです〜と主張しておりますが、おそらく「ずんだ」しか読んでいない、あるいは本編は読んでおらず短編・中篇のみという方には「ハア(?_?)」な主張かもしれません。
なになに、そんな難しい入り方をしている方がいるのか? いらっしゃいますです。
「ずんだ」は、はさみの自身の「本編」のパロディのつもりで書いております。おばか企画も同様であります。
裏ページを立ち上げるとしたら、本編の一部として、ということになりますので、ここで論じている話は、「本編」のみが対象となります。
なになに、わたしには「本編」もパロディに読める? むーん、困った。そうなると話が進まないなあ。少なくともはさみのは、本編はパロディのつもりでは書いていないので、これはパロディじゃないよー、と主張させていただきますです。