けっかはっぴょう番外編
三国本音対談! 自分の上司のここがイヤ!

前編


※ 対談の参加者のプライバシー保護と身の安全をはかるため、匿名にさせていただいています。あらかじめご了承ください。なお、対談は覆面をかぶっておこなわれております。

A氏 呉に仕える。びっくりドンキー。
B氏 魏に仕える、中途採用組。首がぐるぐるまわる。
C氏 蜀に仕える、新規採用組。首がまわらない(借金で)。


司会「いきなりですが、それぞれの直接の上役を教えてください。無礼講ということで、尊称略でかまいません」
A氏「え、いいんですか。えーと、孫仲謀です」
B氏「なんだかんだと曹公子、いえ曹丕です」
C氏「最初は劉禅。でもなんだか実質的には諸葛孔明、かな?」
B氏「蜀はなんやかやと、ぜんぶ諸葛亮であう。なんとかならぬのか、あの独裁体質」
C氏「いやー、本人は独裁体制を敷いている自覚はまったくないし、あの輪に巻き込まれてしまうと、現状に疑問を抱かなくなるっつーか。
だって仕方ないですよ、丞相より才覚のある方がいないのですから。いろいろ周りは気をつかっているんですけどねー。
あのひとってば、ふつう気づかないところまでなんでも気づいちゃう人なんで、だれも気づかないと、わたしがやる! と、なってしまうんですね」
B氏「下っ端がいくらでもいるだろうに」
C氏「信用していないというのとはちがうと思うんですが、たぶんやり方が気に入らないとか、そいうこまごまとしたことが、かえってストレスになるんで、だったら自分でやってしまおうという、そういう発想なんだと思います」
B氏「小さい! そういうところがちょっとダメ!」
C氏「えー? そうですかあ? いいところもいっぱいあるんですよー」
A氏「す、すみません…」
C氏「? あれ? なんだってあなたが謝るんです、呉のお方」
A氏「いや、えーと、あははは。気になさらずに」
司会「それでは、みなさまのアンケートの結果から発表させていただきます。

1位 孔明
1位 趙雲
3位 劉備
4位 曹操
5位 仲達
5位 周瑜
7位 賈文和


A氏「やはり蜀中心のサイトですし、選択肢が偏っていたということもあって、むしろ当然の結果ですね」
B氏「えへ、えへへへ、えへへへへへ」
C氏「どうしたんだろう、魏の人が、まだ対談が始まったばかりなのに、壊れた!」
B氏「いや、ごほん、すまん、気にしないでくれたまえ。しかしこのアンケートの面白さは、むしろいただいたコメントの中にある」
A氏「………わが君は、0票……周都督は2票を得られておるのに。ああ、なんとお伝えすればよいものか」
C氏「なんと申し上げてよいやら、ご同情いたします。 そちらのご主君あてには、こういうコメントが到着しておりますぞ」

≫余談ですが酒乱で晩年には忠臣を遠ざけるような孫権だけは上司になって欲しくありません【-│07/02/05 1:02:57】

A氏「うっ、手厳しい!」
B氏「起こしちゃえ、クーデター!」
C氏「いきなり爆弾発言、しかも倒置法!」
B氏「だーってそうであろうが。主に戴く者に節度がないようでは先も暗い。
おのれとおのれの一族の命運がかかっているのだ。しがらみや惰性なんぞ気にしておられるか! 
男子に生まれた以上は、ぱーっとやれ、ぱーっと!」
C氏「ぱーっとクーデター? うわあ、すごい割り切りのよさ。このひと、前科あるっぽいよ!」
B氏「酒乱ならばだな、酔ったのを介抱するフリしてうしろからグサッとか、いろいろ狙いどころがあったと思うのだが、そうならなかったのは」
A氏「やはりわが君に徳があったから?」
B氏「いや、まわりの、孫家に対する忠誠が高かったというより、やはり婚姻などによって地縁を固めていたことや、孫権自身が、家臣の子らを手元に引き取って、まわりを固めていたことが原因であろうな」
A氏「そんな分析、とてもではないが持ち帰れない…」
C氏「あー、なるほど。たしかに呉は、うちとはだいぶ雰囲気がちがっていましたよ。
わたしも、あの方にはだいぶいじめられたっけなあ。宴席のたびに、丞相の甥とかいう生意気なやつに論争をふっかけられて、更衣に行くとうそをついて離席して、だれにも見られないように気をつけながらカンペを作ったつらいあの日々。
あ、思い出したらムカムカしてきた」
A氏「す、すみません……ほんとうに」
C氏「? 腰の低いお方だ。なぜにあなたが謝るのです」
B氏「そうそう、諸葛亮の甥で思い出したが、孫権は酔うとひどい悪ふざけをする男でもあったようだのう。
諸葛亮の兄がロバ顔であるのをからかって、ロバの顔に紙を貼って、『諸葛子瑜』と書いて笑いモノにしたとか。
そういう思いやりのない行為は、いくら酔っ払いとはいえ、さすがにわたしも引くのう」
A氏「うっ」
C氏「あ、呉の人が泣き出した! どうなされました、呉のお方!」
A氏「すみません、思い出してしまって。もしもあのとき、息子……じゃない、諸葛子瑜の長子が、その字の下に『之驢』と字を書き加えなければ、きっと諸葛子瑜は、泣きながら家に帰っていたことでしょう!」
B氏「ふうむ、孫権に可愛がられてはいたが、よほど父が侮辱されたのが悔しかったのであろうな。子供心に切なかったにちがいない。
だからけんめいに知恵をつかったのだろう。そう考えると泣けるのう」
C氏「そうか、ほんとうに丞相の甥っ子か? っていうくらいにいやなやつだったけれど、いろいろと苦労していたのだなあ……」
A氏「ううっ」
C氏「まだ泣いている」
A氏「す、すみません。またまた泣けてしまって。
そのときの機転のよさが、ますますわが君に気に入られて、あの子はさらに重用されることになったのですが、そのことが、あの子を驕慢でなんとも鼻持ちならない、亮から、思いやりと愛嬌をさっぴいたような子供にしてしまったのです」
C氏「丞相から愛嬌と思いやりがなくなったら、最悪ですよ……」
A氏「ですから、最悪でしたー!」
B氏「報告されてものう。父親はなにをしておったのだろう」
A氏「すみません、すみません」
C氏「また謝っていますね」

B氏「先に進むか。やはり人気は諸葛亮であるが、しかしこのサイトが諸葛亮中心のサイトであると考えると、ライバルのわた……いや、司馬仲達に人気がある、というのは注目に値するのではなかろうか」
C氏「ほんものの勝ち組ですからね。世間の評判を気にしなければそれでいいかも」
B氏「世間の評判? いいだろ、わた……いや、司馬仲達は!」
A氏「妾がたくさんいると聞きましたが」
C氏「本妻に若いころいじめられたのを根にもって、晩年はいびり返したという、せせこましいエピソードも残っておりますぞ」
B氏「そんなことないぞ。仲達、けっこういい人だから! ほら、こんなコメントも来ておる」

≫ある程度自由にさせてくれつつ最後には勝ち組になれそうな仲達に一票【-│07/02/05 0:59:45】

B氏「うーん、よく見ておられるのう。そのとおりだ! こまごましたことにも鷹揚でいられるのは、金持ちの余裕だから!」
C氏「それはうらやましいですね。うちも一応、名族だったんですけどねぇ」
B氏「ぬふふふ、うらやましかろう。金持ち、ケンカせず」
C氏「ケンカはしないけど、クーデターは起こすんですね」
B氏「だって、それは仕方なかろう。もうどっちが生きるか死ぬかってくらい切羽詰っていたわけだから、窮鼠猫を噛む、という感じで、こう、ガブッ、とね」
A氏「くわしいですね」
B氏「え? いや、ほら、クーデターのあと、ヒーローインタビューしたから、わたし!」
A氏「ヒーローインタビュー? クーデターで?」
C氏「クーデターといえば、ぼけたフリをして政敵を油断させたとも聞きました」
B氏「あ、それ微妙にちがうから」
C氏「へ?」
B氏「そのとき司馬仲達はすでに高齢。相手も心のどこかに『あんなじいさんにクーデターを起こす元気があるのか』と疑っておった。
司馬仲達はそれを知っていたから、逆手に取って、『司馬仲達はすっかり老人性痴呆がすすんでおり、お粥も自分で食べられないほどだ』とニセ情報をながしておいた」
C氏「そこまでは知っております」
B氏「そこからがちがう。おそらく、だれかが噂を確かめにくるであろうことは予想がついたが、いくら司馬仲達が千の仮面をもつ男であろうと、間近で観察されたら、ほんとうに痴呆がすすんでいるのかどうか、見破られてしまう。
そこで、自分にそっくりで、ほんとうに痴呆が進んでいるお年寄りを探し出させ、司馬仲達に化けさせた。
薄暗い部屋にお年寄りを寝かせて、司馬仲達そっくりに見えるように化粧すれば、たいがいの者はだまされる」
C氏「ええ? 初耳!」
B氏「そうであろうとも。で、仲達はというと、やってきた使者を案内する係になって、巧みに『司馬仲達はボケている。政界復帰はもう不可能』と思い込ませたのだ。
あ、ちなみに雇ったお年寄りの面倒は、最後まできちんとみた、とっても面倒見のよい司馬仲達。歴史の裏側の美談であろう」
A氏「それは感心ですね。というより、勝者の余裕というべきでしょうか」
B氏「ふふん、まあな。そのときは勝負服を着て、気合十分、絶対に成功するとわかっておった」
C氏「はあ。勝負服って?」
B氏「五丈原で諸葛亮から贈ってもらった女物の衣」
C氏「はいぃ?」
B氏「いやー、どこで調べたものやら、サイズがぴったりでなー。色のセンスもいいし、デザインもスタンダートで古びないし、質もいいし、もう最高。沓やアクセサリーまで完璧にコーディネートされておったのだぞ。
諸葛亮って、なんだって、こんなにこっちのことを理解していたんだろうか。
ここまで徹底されると、なんだか泣けてくるよね。
っていうかもう、ほとんど恋?」
C氏「恋って………。そんなに完璧にコーディネートして贈った丞相も丞相だけど、それを勝負服にした、あんたもあんただ」
B氏「え? わたしではないって。仲達、仲達!」
C氏「待てよ。ということは、丞相が送った衣が仲達に運を呼び込んで、その孫が晋をたてる基盤をつくったというのなら、まわりまわって丞相が自分で自分の国をほろぼす原因をつくったということにならないか? 
うわあ、これは教えられない! ぜーったいに秘密にしておこう!」
A氏「でもわたしも聞いてしまいました」
C氏「いやもう、あなたも黙っていてくださいよ、びっくりドンキーさん。手紙とかで報せたらだめですからね!」
A氏「ドンキーって、し、失敬だな、君は!」
C氏「だれかさんの呉に仕えているお兄さんがドンキー顔だったよなあ」
A氏「う」
B氏「なんだ、呉の者の覆面の下から、大量の汗が流れ出してきたぞ!」

C氏「さて、それはともかくとして、つぎは周公瑾どのですね。たいそうお美しい方だったと聞いておりますが、あいにくとわたしはお会いする機会がありませんでした。
どんなお方だったのですか」
A氏「周都督は、それはもう、ちと強引で音符にうるさいお方でしたが、それを除けば、才覚はもちろんのこと、弁舌もまろやかで耳障りでなく、気遣いも天下一品、上にも下にも分け隔てなくふるまい、場を盛り上げることに関しては、右に出るものがいないというほどの見事な人物でありました。
いまだにファンクラブに入ってます」
C氏「すごい、ファンクラブがあるんだ…」
B氏「蜀にも諸葛孔明のファンクラブがあるだろう」
C氏「うちのはファンクラブというより、『諸葛孔明対策委員会』ですよ。
それより国外で『諸葛孔明についてひそひそする会』なる、あやしげな秘密クラブがあると聞きましたが」
B氏「ひみつだから、おしえない」
C氏「あやしい……なんだか会員っぽいな」
A氏「魏の方の覆面の下から、大量の汗が流れてきましたぞ」
B氏「ええい、いまは諸葛亮より美周郎であろうが! わたしも会ったことがないが、晩年はともかく、赤壁で戦うまでの評判は、悪いものはほとんどないのう」
C氏「うちの丞相も美貌という点では、ほかに類がないお方だったと思うのですが、周都督はいかがでしたか」
A氏「まったく タイプがちがう美貌でしたね。周都督はまさに日輪のようなお方。
男に惚れられる凛々しいタイプでありましたね」
B氏「男気のある人物だったと聞いたが」
A氏「もちろんですとも。ですから親友にして義兄であられた孫策どののご遺志をまもるべく、後継となったわが君を、けっして邪念をおこすこともなく、あれほど親身になってお守りすることができたのです。
なにせ名声は、大きな声ではいえませんが、周都督のほうが上。やろうと思えば、いつでも独立できたはずなのです。
けれどもそうしなかった、この志の高さ、亡き友へささげた友情のうるわしさ! 
その点からすれば、比較するのもなんだが、蜀の丞相に引けを取ることはまったくございません」
C氏「む。そういわれると、ちょっと反発したくなるなあ」
B氏「これだけ評判のよかった人物ではあるが、やはり音符にうるさかったというエピソードでだいぶ損をしている気がするのう。
いただいたコメントはこちら」

≫周瑜。文武両道で頼りになり、面倒見よさそうです。あっ!でも一々音楽のズレとかに突っ込み入れられるのは嫌かも(^v^;)【-│07/02/04 18:59:46】

C氏「そうだよなあ、多少まちがえたっていいじゃん? 音楽は、本来はみんなでワイワイ楽しむものだと思うけど、だめなのかな」
B氏「その一方で、こんな前向きなコメントもある」

≫趙雲とまよいにまよいましたが…音大生の私は周朗のもとで修行をつみたいと思います…!【-│07/02/08 13:22:43】

B氏「音大生……女子大生。いい響きだのう」
C氏「感心するところがちがいますよ。って、趙将軍をふっても周公瑾なのかあ……人気のある人なのだなあ」
A氏「しかし、すこし困ったことがありまして」
C氏「おや、なんです」
A氏「カラオケが盛り上がりませんでした」
B氏「だろうなー」
A氏「いやはや、うちは酒を飲めばわが君があばれるし、カラオケをすれば周都督がきらりと目線を送ってくる。
これじゃ身が持たないというので、ここぞというときはアルコールとカラオケのない宴を催すのです」
C氏「つまらなさそう。それってただの食事会といいませんか」
A氏「ギリギリ出せて、こどもビールです。あれが販売されたときは、雰囲気だけでも出せるというので、みんなして喜んだものですよ……(遠い目)」
B氏「ちなみに美周郎の得意の歌はあったのか」
A氏「基本としてなんでも歌いました。ヒップホップから演歌、レゲエ、ゴスペルまで。
全部プロ並み。あの方は天才です」
C氏「うちの丞相も歌はうまいけれど、そこまで器用じゃないなあ」
A氏「そうそう、クリスマスになると、周都督が指揮を買ってでて、みんなで合唱するのです」
C氏「あ、いいですね。なんだか心温まる話が聞けそうだ。
なにを唄われたのですか。やっぱり『きよしこの夜』? それとも『もみの木』?」
A氏「いいえ。DJ OZMAの『アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士』
B氏「クリスマス、ぜんぜん関係ないし!」
A氏「思い出しますなあ。コーラスは呉の国営放送で放送する特番にて発表する予定だったのですが、リハーサルで盛り上がりすぎて、だれかがうっかりアルコールを持ち込んだのですな。
で、それをわが君が飲んでしまわれた」
B氏「あ、読めた。裸スーツでワルノリして、場はめちゃくちゃになったという話であろう」
A氏「ははは、そんなことではありませんよ。スーツどころかナマの裸を出しまして」
C氏「見たい(おねーちゃん限定)!」
A氏「ダンサーは全員男でした」
C氏「地獄だ」
A氏「クリスマスだというのに抗議殺到。デモ隊まで出動する始末でして、以来、禁酒法が発令されたのですが、悪いやつはいるもので、マフィアが密造をはじめるようになり、国内は大混乱に陥ってしまったのです。このマフィアのなかでも大ボスといわれていたのがアル・カポネという悪党で、それはエリオット・ネスという人物が登場するまで暗躍がつづき……」
B氏「これ、国も時代も変わっておるぞ。三国時代にもどってこい!」
A氏「はっ! すみません、トリップしておりました」
B氏「大丈夫か、こやつ」

C氏「なんだかわやくちゃになったところで、つぎ、曹孟徳にまいりましょう。
うちなんぞは『曹賊』と呼ぶ者もいたようですが、いまとなっては、それも畏れ多い気がいたします」
B氏「巨人。ひとことでいうならそれだな。曹公がずーっと生きておられるというのであったなら、司馬仲達もクーデターを起こすような状況に追い込まれなかったように思う」
C氏「あんなに磐石に見えていた魏ですら、世代交代はうまくいっていなかったのだなー。むずかしいものですね」
B氏「やはりポイントは二代目だな。どの王朝、政権にしても、二代目が、どれだけうまく橋渡しができたかで、長期政権になるか、それとも短命でおわるかがわかるという」
A氏「ところで話はすぽーんと飛びますが、『あなたのしてみたいことはどれ?』のアンケート、『趙雲といっしょに阿斗を助ける』がいまだ0票ですな」
B氏「これはもう、趙子龍は阿斗を助けるな、という民意のあらわれか?」
C氏「あっ、ひどっ! でもすぐには、『そんなことはない』という具体的な例を口にすることができない自分がうらめしい!」
B氏「助けろ、というか、むしろ助ける趙子龍をわたしが助ける」
C氏「あ、やさしい」
B氏「だって、劉禅が相手のほうがこっちは楽だし」
C氏「前言撤回。鬼だよ、このひと」
A氏「まあまあ。曹操に戻りましょう。
能力に自信があるなら、いちばん仕え甲斐があった人物のようにも思えますね。いただいたコメントはこちら」

曹操さんが上司なら部下で頑張れそうな気がします。案外面倒見も良さそうなので適材適所で仕事が上手く回りそうだと思いました(笑)【-│07/03/16 21:58:48】

B氏「……たしかにそうなんだけどさ」
C氏「どうなされました」
B氏「よく見ているよ。面倒見もいいよ。仕事は適材適所でやりやすかったよ」
C氏「至れり尽くせりではありませぬか。そのうえ、魏なら安定俸給。ボーナスが平均4か月分ってホント?」
A氏「それはいいですね。だから分家は羽振りがよかったのか……」
B氏「けど、そこに至るまでが、問題あり! わた……いや、これも司馬仲達の話なのだが、世間の評判がよくなったので、曹公が仕官せよと命令してきたのだな。
ところが、知り合いは、就職する気がちっともなかった」
C氏「なぜです」
B氏「人間関係上のストレスに悩まされたくなかったし、稼がなくても、金持ちだし」
C氏「うらやましいご身分で」
B氏「ともかく、断わったのであるが、スカウトの強引なこと、強引なこと。
一族全員に仕官への支度金とうそぶいて賄賂を配るわ、山に逃げたら逃げたで、山を燃やして焙りだすと脅迫してくるわ、もうめちゃくちゃ。
森の仲間たちに迷惑をかけるわけにはいかんと、結局その知り合いは、健気にも仕官を決めたのだ」
C氏「贅沢な話のような、気の毒な話のような。
うん? もしもこのひとが曹操に仕官していなかったら、その後の歴史もだいぶちがっていたから、うちにとってはマイナスなのか?」
B氏「だから、わたしではないって。仲達、仲達!」
C氏「えー? もうなんだかバレバレっぽいし、覆面脱ぎません? でもって、酒でも飲みながら話をしましょうよ」
A氏「いやです」
B氏「ヤダ」
C氏「……いいです。言ってみただけです。それでは落ち込みつつ、後半につづきます」

後編につづく…
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