第二回・けっかはっぴょう・ずんだ編

仙台市青葉区の、新旧のビルと専門学校、そしてビジネスホテルと高級ホテルが無造作にたちならぶ一角。
そのなかの、下町情緒の色濃くのこるふるい雑居ビルの3階。
窓には色気のないテープでつくった文字で『フリー スペース』とだけある。
うすぐらい、ひび割れた階段をてけてけとのぼりつつ、突き当たりの鉄の扉をそっと開いて、なかを覗き込んでみる。
「ここでいいのかな? だいじょうぶかな? あのー、すみません、失礼します」
アコが顔をのぞかせると、そこは学校の生徒会室よりもなお殺風景な、ホワイトボードと机と、規格がまちまちの椅子があるだけの部屋であった。
隅っこにはカラオケセットが置かれているが、古い型式のものであることは、メカ音痴のアコでもわかる。
ざっと部屋を見回して、アコはほっとする。
「あ、よかった。ヨーコいない」
そして、見れば、似合わぬことにC.Cレモンを前に、椅子に座って腕を組み、憮然としている強面の男がひとり。
その顔を見て、アコは、ますますほっとして、部屋に入っていった。
「あ、よかったー、子龍さんいたんだ」
アコの声に、不機嫌そうな顔をしていた男は、顔をあげた。
男はおそらくはおのれの顔つきが、女子供に怖がられるものであると自覚があるようだ。
アコが近づいてくると、その顔は、つとめて柔らかいものに転じた。
「なんだか久しぶりだね。元気だった? わたしも一応出ている事は出ているけど、中身がちがうみたいだから、記憶がなくって」
屈託なくいうアコに、趙雲は、なんと答えてよいものかと逡巡している。
そこへ、女王が割り込んできた。
「なんというしょぼい会場であることか! 目の前に高級ホテルがあろうに、なにゆえそこを貸切にせぬのじゃ! わらわは女王なるぞ!」
「まあまあ、そう騒ぎなさんな。余としては、これくらい質素であるほうがうれしいな。宮殿というのは、たしかに豪奢であるが、落ち着かなくていかん。それも、わたしが庶民の出だからかね」
と、椅子にすわって長い足を絡ませ、皮肉げにつぶやいてみせるのはアタチュルクことムスタファ・ケマルである。
そのとなりでは、亮の身から抜け出て、本来の姿に戻っている、清楚な雰囲気をまとったうつくしい金髪の少女がうなずいている。
「これくらいでちょうどいいわ。みんなの顔が、よく見えるもの」
「仕方ない、雑草だらけのこの部屋においては、わらわは少数派。おとなしくしろということかえ。ところでラ・ピュセル、そなた、なにゆえ闇を身にまとっておるのじゃ。いよいよ堕天がちかいのかや」
女王の敵愾心をかくさぬことばに、ラ・ピュセルはいささか頬を上気させつつも、冷静にこたえた。
「闇じゃないわ。陳寿犬よ、よく御覧なさいな。それとも、もう老眼がはじまっているのかしら、お気の毒ね、オールドミス女王」
「なに言うかー! 二度目の火刑は、弱火でじっくりコトコト煮込んでくれようぞー!」
いきり立つ女王に、アタチュルクは、やれやれというふうに首を振る。
「落ち着きたまえよ。アトラ・ハシースにもなって喧嘩はみにくい。それよりも、けっかはっぴょうと行こうではないか」
「ほほほー! みなさんおそろいかしらー! それではけっかはっぴょうといくわよー!」
と、満面笑みを浮かべ、いかにもトリミングしてまいりましたというふうに、長いさらさらの毛をなびかせたシェットランド・シープドックが一匹、遅れて入ってきた。
「なんじゃ、そなた、前回とはえらいちがいじゃのう」
「ほほほ、違いもするわよ! さーて、それではさっそくけっかはっぴょう! 意外な結果となっているわよ」

第二回 けっかはっぴょう

1位 もなか 23票
2位 最上アキラ子 22票
3位 趙雲  13票
3位 司馬仲達 13票
5位 エリザベス一世 4票
5位 姜維 4票
5位 羅貫中犬 4票
8位 うさ馬超 3票
9位 ジャンヌ 2票
-- そのほか 2票
陳寿犬 ゼロ票

累計総合

1位 もなか 51票(前回28票・1位→)
2位 最上アキラ子 36票(前回14票・3位↑)
3位 趙雲  34票(前回21票・2位↓)
4位 司馬仲達 22票(前回9票・4位→)
5位 エリザベス一世 8票(前回4票・5位→)
6位 姜維 5票(前回1票・6位→)
6位 羅貫中犬 5票(前回0票・最下位↑)
7位 うさ馬超 4票(前回1票・6位↓)
8位 ジャンヌ 3票(前回1票・6位↓)
-- そのほか 4票(前回2票)
陳寿犬1票(前回1票・6位)


女王「以外じゃのう、趙子龍が三位とは」
アコ「あれあれ、あたしが二位だ? どうしてだろう」
趙子龍「というよりも、要するに孔明の人気がダントツだという結果だろう、これは。もなかとアコの総計が87、俺の総計の倍はある」
アコ「孔明って、子龍さんが探してた人だよね? どういうこと」
趙雲「あー、つまりだ、おまえはこれでも食べておれ」
アコ「うわー、冷凍ミカンだ。いま流行ってるよねぇ。ちゃんと解凍してある。ありがとう」
趙雲「うむ。しっかり噛むのだぞ」
アコ「いただきます。うわー、冷たくておいしい」
趙雲「なんだ、おまえたち、その生ぬるい目!」
アタチュルク「べつに…」
女王「べつに…」
ジャンヌ「べつに…」
アタチュルク「この男はあれだ、顔に弱いのか、それとも雰囲気に弱いのかな」
女王「顔だとしたら許せぬのう」
趙雲「おまえら、本人を前にして勝手に分析をするな!」
アタチュルク「ではこのテーマは、二次会に持ち越しと行こうではないか。さっそく予約を入れてくれたまえ。趙子龍抜きで」
ジャンヌ「『伊達っこ』に予約をいれたわ」
女王「あそこのほや貝のさしみは最高じゃー」
羅貫中犬「あのう、つづきをしてもよいかしら?」
アタチュルク「すまぬ、めずらしくもやに下がった男の顔が気になって、ついつい話がそれてしまった。ちなみに言わせて貰うならば、これは嫉妬ではない。さあ、どんどん話を続けてくれたまえ」
羅貫中犬「それじゃあ、続けるわよ。さて、もなかだけれど、これだけ強さを示されると、むしろ票対象から外してもいいのじゃないかとすら思うわね。
ただし二位のアコは、前回に引き続き『元のアコも好き』ということで票が入っているので、そのあたりは注意だわね」
ジャンヌ「それでも、アコの姿をした彼が気に入っている、という意味もあるわけだから、素直に受け取っていい数字じゃないかしら」
女王「うさぎの面々の躍進がすばらしいのう。仲達は一気に票が上がったのじゃな。つづいて姜維とうさ馬超か」
趙子龍「姜維については、これはもしやと思うのであるが、『虚舟の埋葬』を一気にアップしたあとに票が入ったのだ。人気投票のほうに姜維の名前がなかったから、こっちに入れた、という動きが、もしかしたらあったのかもしれないぞ」
アタチュルク「なるほど。しかし言わせて貰うが、本編もうさぎもずんだも登場しているわりに、貴公のこの票数は、いささか頼りないように思えるが」
ジャンヌ「そうかしら。彼は人気投票にもエントリーしているわけだから、どちらでも上位というのは、すごいと思うけれど」
アコ「そうだよ、思うんだけど、子龍さんの場合、『準主役だし、あたしが入れなくてもいいか、その代わり、サブキャラに入れよう』と、思ったひとが多いのじゃないかなっていう気がするよ?」
アタチュルク「ふむ、可憐な少女たちがそういうのであれば、そういうことなのであろう。納得しようではないか」
羅貫中犬「そもそも、趙将軍は、投票に票は入るけれど、コメントが少ない傾向があるわね。本人の寡黙さが、投票してくれた方にも移ったのかしら」
趙雲「…………ノーコメントだ」
アタチュルク「余が言いたいのはだ、いささか、ずんだメンバーは奮わなさすぎるのではないか、ということなのだよ。見るがいい、コメントに関しても、ほとんどがうさぎ向け! 
たしかにうさぎは可愛いが、けれど、なぜに女性の登場しないこの作品が人気があるのか、余にはさっぱりわからないのだよ!」
趙雲「女が出ていればよいのか。鬼子母神とかどうだ」
アタチュルク「あれは論外だ」
女王「わがままなトルコ人じゃのう。うさぎは、もなかとくっきーが登場していれば、それだけで話が展開できるのじゃ。お客さんも喜んでくれている。見るがよい、このうれしいコメントの数々を」

≫もなかとくっきーはおしゃべりができるといいな【-│06/03/10 22:33:10】
→ご要望どおりでありましたでしょうか。この二羽の話は作るのが楽しくて仕方ありません(^^♪

≫もなかと趙雲と主公とくっきー、この組み合わせが大好きです!【-│06/03/10 1:08:43】
→主公も再登場をお願いしています。おたのしみにー。

≫180度の彼が動物になったら、鼠ですよね。そこは。【-│06/03/02 15:34:27】
→ごめんなさい、またうさぎでした…(^.^) 鼠でも面白かったかも。

≫姜維の品のある灰黒さが なんか 好きだ (笑)【-│06/01/29 13:49:05】
→ダークグレーな姜維です。気に入ってくださってうれしいです。彼をめぐって、いろいろ展開しいきます(^_^.)

≫「馬超」が「うさぎ」っていうギャップがいいですよね~【-│06/01/15 11:11:53】
→じつは馬超は「うさぎ」を書きながら、ようやく掴めてきた感があったりします。かれもまだまだ活躍予定です。

ジャンヌ
「くっきーは、最初からこうしようと決めて、『彼』を登場させたのよ」
アコ「あと二回くらいで、物語は一気に急展開を迎えるそうです。あのう、ところで、わたしの周りでも、なんだか変なことが起こっているんだけど」
女王「……なんと、マジか、なのじゃ」
ジャンヌ「えーと、それに関しては、こうせいニッキでもちらっとお知らせしたとおり、ずんだGAMEはこのあと、わたしの流れと孔明の流れが徐々に合流し、そこへさらに『birth give to heaven』という流れが影響を与えていく、という話になります。どんな話になるかは、いまは言えないの」
女王「また出たのじゃ、思わせぶり。そなたの『何でも知っているふうなのに教えてくれない』空気が、たったの3票という結果に終わっているのではないかのう」
ジャンヌ「自分が8票も得たからって………でも、結果は結果よ。厳粛に受け止めているわ」
アタチュルク「まあまあ。ラ・ピュセルの場合は、『名前は知っているけれど、じつはどんな功績を残した少女で、どういう性格だったかよくわからない』という読者の方が多いのではないかね。
だから、物語の変転のほうが目立って、彼女の個性がいまひとつ伝わっていないのではないかと思うのだよ」
女王「なんじゃー、そなた、さっきから、ラ・ピュセルを庇ってばかりおるのう」
アタチュルク「余は女の味方なのだ」
女王「わらわも女じゃ」
アタチュルク「訂正。美しい乙女の味方」
女王「むか! 女の敵!」
趙雲「やめろ、醜い争いは! ほら、おまえたちにコメントが来ているぞ!」

≫ムスタファ様、ご活躍を期待しておりますv【-│06/01/17 23:53:05】
アタチュルク「期待にそぐわぬ活躍をしてみせようではないかね。ところで、こうせいニッキにて、あまたある余のエピソードのなかから、特に面白いものをはさみのがチョイスしてお届けする予定なので、こちらも注目してくれたまえ」

≫ジャンヌの話早く読んでみたいですv【-│06/01/15 22:15:38】
ジャンヌ「一回目は如何だったかしら。わたしの登場は、じつはまだ先ですが、これからも見守ってくださるとうれしいです」

≫エリザベス一世の言葉遣いがツボですvv【-│06/01/10 1:24:43】
女王「そなたに第一級の褒賞をくれてやろう! もしもこのGWのあいだによいことが起こったなら、それはわらわの力によるものなのじゃ! わが大英帝国に向かって『女王、サンキュー!』と叫ぶがよい! 変な人に思われても気にするな! わらわがそなたを見捨てぬぞ」

陳寿犬「いいな…………」
アコ「うわ、闇の塊だと思ったら、犬!」
ジャンヌ「ごめんなさい、話に夢中になっていたわ。気を落とさないで、陳寿、たまにはこういうこともあるわよ」
陳寿犬「たまにって………オレ様、いちおう一時は主役だって言われていたのに、ゼロってなにさ……」
アタチュルク「すがすがしいほどの票の入らなさぶりだな。しかし、前回にいくつも票があったのに、今回はまったく無くなったというのなら、嫌われた可能性が高いが、単にもともと少なかったのであれば、最初からどうでもいいと思われていたということで、むしろ伸び伸び出来るのではないかね」
陳寿犬「うがー! なんだ、そのはげまし!」
羅貫中犬「お止めなさい、このひとを悪くあつかうと、マジでトルコから抗議がきそうでこわいからやめて頂戴!」
陳寿犬「くー! 泣き寝入りか! というか、羅貫中、おまえがなんだってこんなに票を伸ばしているんだ!」
羅貫中犬「ほほほ、そこはそれ、この優雅な美貌と教養によるものかしら」
ジャンヌ「同情票だと思うわ」
羅貫中犬「………人がうすうすと「そうじゃないかな」と思いつつも、せっかくいい気分に浸っていたのに、ずばりはっきりと………さすが聖女」
ジャンヌ「気を悪くしたのならごめんなさい。でも、わたしは嘘はつけないの」
女王「現実社会において、むしろそれは欠点ではなかろうかのう」
アコ「あのう、そろそろアメ横の市場が閉まると困るんで、失礼しようと思うんですけど」
アタチュルク「ああ、もうこんな時間であったか。そろそろまとめに入ろう。さて、今回も諸君らにご協力をいただいたこの人気投票であるが、まだまだ続くのだよ。
ずんだの登場人物が増えてきたので、エントリーをまとめて見たのだが、現時点ではさびしいことに、うさぎ関係以外は見事に0票のようだな。
遠慮せず、ばしばしと投票してくれたまえ。投票によっては、物語の推移が変わってくるのは、いつものとおりだよ」
女王「わらわとヨーコがいっしょにあつかわれているのも気に入らぬが、ラ・ピュセルとラ・イールとジルの三人がまとまっているのもどうかと思うぞえ。
ちなみに、『ラ・ピュセルのための覚え書』が気に入ったら、こちらにも入れていただけるとうれしいですとは、はさみのより」
アコ「みなさんに票が入るといいですね。それじゃあ、わたし、帰ります。あ、子龍さんも帰るんだったら、途中まで荷物持ちしてくれないかなあ。じゃが芋とたまねぎをまとめ買いする予定だから」
趙雲「それはかまわぬが」
アタチュルク「ああ、ああ、行きたまえ、好きなところへ行きたまえ。余はちっとも拗ねてない。さー、残された我らはしょんぼりと二次会へ移動しようではないか」
趙雲「なにがしょんぼりと、だ。『伊達っこ』だったな。あとで行くぞ!」
女王「なんだかんだ言って、結局は荷物持ちのあと、夕飯の支度まで手伝って、一緒にご飯食べてきたから、あまり入らないとかいってドリンクだけちょっぴり飲むというパターンに一票じゃ」
ジャンヌ「わたしも一票投じるわ」
アタチュルク「いまいましいが、余もそれに一票入れよう」
趙雲「荷物を五橋に置いたら、すぐに合流しに行く。おまえたちの票は無駄になるだろうよ」
羅貫中犬「なんだか妙に盛り上がっているわね。それじゃあ、こうしましょうか。
もしも趙将軍が、すぐに合流したなら、あたしたちが好きなものを将軍に奢る。でも、女王のいうとおりのパターンになったら、将軍がわたしたちに奢るのよ」
趙雲「賭けは好まぬが、まあよかろう。外貨がどれだけ財布にあるかを確かめておくのだな」

そしてその後の二次会で、趙雲の財布はスッカラカンになったのであるが、それはまた別の話になるだろう。

みなさま、投票ありがとうございました。三回目の投票は続いております。ぜひぜひぽちっと押してやってくださいませー(^^♪ お待ちしております!



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