はさみの世界
三国志関係小説の登場人物 設定紹介 そのニ
劉(備)玄徳 …ご存知、蜀の君主。貧乏な母子家庭より出発し、じわじわと力をつけて伸し上がるさまは古代中国版太閤記そのもの。というより、こちらが原型。
当初は河北でぶいぶい言わせていた、義侠の親分であったのが、やがて数々の失敗から学んで、中国でも珍しい、非独裁者タイプの皇帝にまでになる。
曹操における典型的な『英雄』とはまったくちがう型の(つかみ所がないとされる)英雄で、ともかく人の意見を聞き、目下であろうと気にせず、腰を低くし、よい意見に従った。
ただし、意見を求める相手の選別が、非常に上手かったのである。このあたり、ただ素直で腰の低い人物と混同してはならない。
人を見抜く技術を得るためには、老若男女、貴賎を問わず、さまざまな人間と知り合い、その本質に触れることができなければ、なかなかできるものではない。これはさまざまな労苦を重ねたうえで身につけた、一種の技術であろう。
どんな人物をも許容してしまう器の大きさが劉備の魅力であり、その存命中、さまざまな人材が彼のもとに集ったのも、器の大きさゆえである。
だが、義兄弟の死に際し、分別を失い大戦を起こして敗退、その後、死に至るわけだが、劉備は個人の感情のみでそう動いたのではなく、『義人・劉備』という、『ブランド』であるがゆえに、義のために劉備が動かざるをえなかったのではないか。
そうでなければ世人は納得せず、だからこそ孔明も止めることができなかったのではないか。孔明もまた、劉備の義に従う人物、義の系譜に連なる臣であったからで、義による行動を止めることができない。
官僚の長で冷徹な公の代表である法正ならば、劉備を止められるのではと嘆いたのは、このことに拠るのかもしれない。
※はさみの設定※
義の人。義…人として行う当然のことがら。倫理。つまり当時の常識の具現者であろうと務めた人(生まれ着いての常識人は存在しない)。努力の人である。義を愛し、義のために勇を揮うことを好む。
徐州時代に男児を亡くしており、そのことから同じ徐州の出自であり、親子ほど年の離れた孔明に、格別の想いがあるらしい。
いささか子供じみたところもあるが、悪者になりきれない、愛すべき、よき親父さん。お祭り騒ぎが大好きで、健康オタク。趣味は変装(?)。
はさみの設定・2
家族構成
妻1・甘夫人(劉備にもっとも長く連れ添っている、肝っ玉母さん)
妻2・糜夫人(糜竺の妹で、かつて徐州にて劉備の子を産んだこともある)
妻3・孫夫人(ご存知、弓腰姫・孫尚香。わがまま盛りの悩める十代)
妻4・呉夫人(名前が紛らわしいが、こちらは入蜀してより迎えられた、人生経験豊富な豊満な美女)
子・劉封(甘夫人の懐妊がわかる前に迎えられた養子。阿斗が生まれ、孔明が軍師に迎えられてからひねくれた日々を送ることに…)
子・劉禅(阿斗。複雑な家庭環境のあおりをマトモにくらっている孤独な少年。丞相たる孔明にさえ、心を開ききっていないフシが…)
はさみの世界登場作品
短編 「梁父のギンギラギン」「説教将軍、失敗す」「さかなのこころ」
中篇 「古鏡と銀の櫛」
長編 「孤月的陣」「捜神三国志・燭龍本紀」「生まれ出(いず)るこころ」
おばか企画 「ぼうねんかい。」「しんねんかい。」「ぷれ・しんぼくかい行路」
馬(超)孟起 …泣く子も黙る錦馬超。曹操に遷都を考えさせるほど、一時は波に乗り切っていたものの、老獪な魏の参謀群による計略の前に、あえなく敗退。その後、流浪・流転を繰り返し、劉備の客将として入蜀。史実においては、その後はさしたる功績もないまま、逝去している。
※はさみの設定※
つねに変わらぬ余裕の笑みを浮かべ、気障な台詞を臆面もなく吐き、女子供に特に人気のある王子。割り切っているかと思えば、心の中ではずっと引きずっていたり、あるいは、優しいかと思えば、平然と残酷なこともする。極端な二面性を持ち合わせる彼を理解できるものは少ない。蜀に入ってからは、完全に醒めきってしまっている。
はさみの設定2
家族構成 従弟(馬岱。字はまだない。馬超よりは協調性が高く、独自に蜀に馴染みつつある。映画の趣味に問題あり?)
はさみの世界登場作品
短編
中篇 「反典略」
長編 「捜神三国志・燭龍本紀」
おばか企画 「ぼうねんかい。」「しんねんかい。」「ニューシネマぱらだいす。」「しんぼくかい。」「からおけ。」
陳(到)叔至 …趙雲と並ぶと史書に伝わりながら、詳細の不明な謎の武将。
※はさみの設定※
趙雲が、劉備が袁紹の居候をしている時分にスカウトした、武芸の達人。並々ならぬ技量の持ち主で、それだけではなく人を使う術にも長けており、袁紹時代から引き続き、劉備のために情報収集を束ねている。ただし仕事は好きではなく、時間が終わると、いの一番に疾風のごとくまっすぐ帰宅する、家族大好き男。
あんまり表に出たくない、という理由から、高位を目指すことも可能でありながら、趙雲の副将という地位で喜んでいる。
家の餅を囲炉裏端で焼いて、それをエサに部将たちから密度の高い噂を仕入れるのが趣味。煙の立つところ、陳到の姿有り。
はさみの設定2
家族構成 妻(「寒蝉の恋」に登場。趙雲とも顔見知りな、陳到の愛妻)
娘(四人の自慢の娘がいる。長女・銀輪、次女・頂華。陳到は、家では好かれたり、小遣いをせびられたり、邪魔にされたりと忙しい)
はさみの世界登場作品
短編 「黄色い悪魔」「クラッシャー・フェイ」「あなたはわたしのおともだち」「或る備忘録」
中篇
長編 「孤月的陣」「風の終わる場所」
おばか企画