いろはにどうじょう
ごあいさつ

休昭「うっわー」
文偉「どうした、いきなり奇声をあげて」
休昭「だって奇声もあげたくなるよ。おばか企画が絶えて久しいうえに、こういう場に呼ばれることもなかったのに、いきなりだもの」
文偉「それは仕方あるまい。なにせいまは全体が椒聊ベースで進んでいるからな。椒聊の緊迫感を持続させるためにも、われらがおばか企画でうろちょろすることはできないのだ」
休昭「それって意味があるのかな。だって、椒聊を連載しているあいだはおばか企画の閲覧もできないというのならともかく、そうじゃないわけだろう。
どうも今年に入ってから新規のお客さんが増えているようだし、そうした方々は比較的とっつきやすい短編→おばか企画と進むのじゃないかい。
で、更新履歴にある連載がどんなものかしらと目をとおし、なんだかわからないから最初から読む。でもやっぱりいまひとつキャラがわからないから、いちばん最初の『古鏡と銀の櫛』から読み始め、いっぽうでおばか企画を読む、という。
だとしたら、椒聊を理由にわれらが登場する短編やおばか企画をアップしない理由にならないのではと思うのだよ」
偉度「休昭は椒聊のおかげですこし進化したな」
文偉「というより、進化せざるをえなくなったのだろう。なにせ行動を共にしているのが趙将軍だぞ」
偉度「自然と弁も立つようになるというわけか。目のしたのクマがまぶしいぞ、休昭」
休昭「ただでさえ不安定な十七歳に、この状況はきついよね(くわしくは椒聊よ、遠き条よをごらんください)
文偉「まあ、それはともかくとして、いったいなんなのだ、唐突にはじまったこの『いろはにどうじょう』とは」
休昭「いろはに同情? いろはかるたに同情するのだろうか」
偉度「犬も歩けば棒にあたるに同情してどうする。文字通り、『いろは』は、有名な短歌『色は匂へど』の、いろはだ。
ちなみにこの短歌の作者は不明であるが、弘法大師という説と山上憶良説、柿本人麻呂説がある(小学校のときのテストの裏に、よく日本語マメ知識的コラムが載っていませんでしたか。はさみのは国語のテストの裏にあったコラムで柿本人麻呂説を読んだ記憶があります。通常ですと、いろは歌は仏教の教えをうまく織りこんだうえに47文字を重複させることなく連ねた神秘的な歌として紹介されておりますが、じつは柿本人麻呂が、自分が横死しなければならない無念さを暗号にして伝えたという説でありました。たしか当時は万葉集なども暗号だという説がはやっていたと思います。親が古代史大好きなもので、よくTV番組なども見ておりましたし、梅原猛氏の著作をもとに、あれこれと教えてもらった記憶があります。そのためか古代史の知識にミョーな偏りが。それはともかく、万葉集に関しては、現在はなんだかトンデモ説らしいということで、あまりクローズアップされることもないようですね。蛇足ですが、はさみのは、仏教にくわしい、いまではあまり名前の伝わっていない人がこの歌の原型をつくり、それがあまりにうまく出来ていたので、多くのひとがこれを口にするようになり、伝わっていくうちに、どんどん磨かれて、四十七文字が重複しないうえに、意味が美しくとおる歌になったんじゃないかなあ、などと考えています)
休昭「そのいろはがどうしたのさ。かるた大会でもするの? カキノウエノヒトマロってだれ?」
文偉「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」
休昭「それは正岡子規だろ」
文偉「柿上人麻呂がわからないで、どうして正岡子規がわかる」
休昭「いま『坂の上の雲』を読んでいるんだよ」
文偉「どうでもいいが、暗号というのなら、この俳句とて柿上人麻呂と法隆寺、すなわち聖徳太子を暗に示したものだとこじつけられないだろうか。つまり、柿上人麻呂の横死と、おなじく政変によって悲劇的な死を迎えた聖徳太子の一族を結びつけたものなのだ。
柿食えば…すなわち柿上人麻呂が死んだのを嘆き、おなじく殺された聖徳太子の一族…つまりは法隆寺の鐘が鳴っているよという」
休昭「なんとなく意味がとおるところが不気味だが、でも正岡子規がそれを詠む意味がまったくないよね」
文偉「そこは気合と根性でこじつけるのだ! なんだか細かく突っ込んでいけば、柿上人麻呂と法隆寺と正岡子規、そして夏目漱石までもつなぐあらたなルートが浮かび上がるかもしれん! 『ダ・ヴィンチ・コード』のつぎは『カキクエバ・コード』! 
たとえばじつは聖徳太子の一族が蘇我氏の襲撃からなんとか生き延びており、影から日本を操る秘密結社を作っていたのだ!」
休昭「その組織の名は?」
文偉「えーーと、いま考案中」
休昭「作るなよ」
文偉「なんだかそれっぽい名前を挙げて、有名どころがその組織のトップだったというふうにしておけばみんなが喰らいつく。平将門の謀反があっさり失敗したのも、信長の死も、この秘密結社の暗躍が影にあったからなのだ! 
がんばってそれらしいエピソードをひろってパッチワークみたいにつなげて、『これってマジです。みんないままで騙されていたんですよ』と囁けば、あとは冗談みたいに『それらしい』話がくっついてくる。ふしぎなもので、化学反応みたいに、嘘っぱちの話には嘘っぱちの話がうまくリンクするようになっているのさ。
さあ、がんばって一冊書けば、夢の印税生活。やったね!」
休昭「そんな印税生活いやだ。きっとずっとインチキ呼ばわりされることになるぞ」
文偉「安心しろ。本の隅っこに、『このお話は歴史をモチーフにした作品です』と記載しておけば、言いぬけはできる」
休昭「心臓に毛の生えた文偉だったらできるかもしれないけれど、普通は無理だよ。バッシングされまくるだろうなあ」
偉度「おい、莫迦坊ちゃんども、そろそろ戻っていいか」
休昭「待っていてくれたのか……偉度、なんだか気が長くなったね」
偉度「ほっとけ。それより、本題に戻るぞ。といっても、べつに説明することもないような気もするが、ようするに、この『いろはにどうじょう』というのは、よくある『お題をもとに小説を書きましょう』というやつのいろは版だな」
文偉「よく『○○のお題』ということで、テーマがいくつかあって、それに添って小話をこなしていくというやつだな。素直にどこからかお題を借りてくればいいじゃないか」
偉度「テーマに沿って書く、というのはすでにDan Shuiでやっている。けっこうむずかしいらしい」
休昭「で、『いろはにどうじょう』は、どうちがうの?」
偉度「文字が一文字だけ決まっているだけで、言葉は自分で好きに設定できる、というところがちがう。
すこし話が飛ぶが、こうせいニッキで連載していた『塔』。あれはト書きをいっさいなくしたセリフのみのものだった。それはそれで勉強になった部分もあったが、弊害が生じた。つまり、はさみのはト書きが下手になった」
文偉「もともと下手だったのが、自覚が出来たという話じゃないのか」
休昭「文偉……はっきり言いすぎだろう」
偉度「思い切りシビアに言うなら、まったくの素人というほどでもないが、玄人には届かない、という中途半端なレベルだろうな。ト書きとセリフのバランスが悪い。登場人物のセリフ以外での感情表現がどうも単調になりがちだ。もっともっと精進しなくてはならん」
休昭「まあ、そうだろうねえ」
偉度「とはいえ、はさみのの性格からして、『なんとかしなくては!』という追いつめられ方をされると、かえって駄目だ。むしろ悪い風にひらきなおり、『あとは野となれ山となれ』となりかねない」
文偉「大いにありうるな」
偉度「と、いうわけで、『いろはにどうじょう』は、はさみのの弱点である短編で、文章力を向上させ、しかもストーリー重視でセリフに頼り過ぎない作品をつくる、という大前提のもと、いろは順に作品をしあげていくというものになるのだ」
休昭「なんだかわかってきた。でも、なんだってひそひそと立ち上がったわけ?」
偉度「ここで紹介する作品の多くは『文章力の向上&ストーリーをともかく動かす』ことに特化するため、まずははさみの世界に馴染んでいる読者を対象とする。
つまり、はさみの世界の人物設定を知らない方が読んだら、なんだかわからない作品が多くなるというわけだ」
文偉「それはそれで問題じゃないか。初見の方でも読める短編というのが理想だろう」
偉度「その理想に近づくには『短編を仕上げられる』力があることが大前提だろう。だから、第一段階の課題が、ともかく『文章力の向上』なのだよ。
自分でそろそろ力がついてきたなと判断したなら、初見の方でも楽しめる短編を作ることを目標に修正するのだ」
文偉「なるほど」
偉度「だからこそ、この『いろはにどうじょう』のリンクは、湖のみに貼る。HPはあくまで表の部分、大きな意味で、どなたに目を通してもらってもかまわない作品であるが、『どうじょう』の名のとおり、試作品がここに多く入る予定なので、『まあ、こんなネタがありますが、短くおさめてみたけど、いかがざましょ』とひっそりアップするので、湖に入る。
あえていつもの基準以下のものも加えて行くことで、読者の方にシビアな眼でうまい下手を見分けてもらえるのだな。少なくとも、湖にあれば、『こんなもん読ませるな』というふうにはならんだろう」
休昭「ちょっと甘えている気がしなくもないけれど、あえてハードルを下げないと、はさみのが動かないということもあるわけだね」
偉度「まさにそのとおり。それに、修行という意味だけではなくて、最初に休昭が言っていたように、椒聊ベースで運営が進行している現段階で、休昭や文偉を出しづらかったり、パラレルを作りづらかったりするわけだ。
また、はさみのは長編づくりへの欲がつよいので、ネタを思いつくと、なんでも長編に放り込む。だからこそ、ひとつの話が異様に長くなるのだ。あえてそこを自制し、ひとつの話として独立させようという意図もある」
文偉「プロトタイプが多く含まれることもあるわけか」
偉度「ネタの時点で面白くても、実際に文章にしてみると、なんか面白くないときもあるからな。たとえばそういう意味で、ほんとうは長編に組み込むはずだった話でも、意外とうまく馴染まなかったので、あえて切り捨てたものもある。
それを別バージョンとして、一部だけ発表することもあるかもしれない」
休昭「ちゃんと話とは成り立っていて、お客さんへのサービスに値するエピソードだったら発表するというわけだね」
偉度「そう。でもって、『どうじょう』なので、三国志ネタばかりがここにあるわけではない。さきほどちらりと触れたが、パラレルや現代編などの、思いついたのでちょっと書いてみようというようなものも含まれる。ずんだやジャンヌもの、下手をすればケマルや、そのほか、いままで発表しなかった歴史もの、オリジナルなども出てくるかもしれない」
休昭「そうなると、ますます人さまに見せるものなのかというところが問題じゃないのかな」
偉度「はさみのの性格から考えろ。自分だけで楽しむものを書くより、人様にお見せするのだという意識がつよいほうが、どうしたって文章に緊張感が出るだろう。そのあたりのギリギリのラインで考えての『常連さんしかおそらく存在を知らない湖』でのアップなのだよ」
文偉「内容にエログロが入る予定は?」
偉度「流血沙汰はあるかもしれないが、それこそ過剰にすぎるエログロは入らないだろうな。二次創作や夢小説も、もちろんない。理由は、あっちこっちで、つべこべと、はさみのが言っているから参考にしてくれ」
休昭「アップの頻度は?」
偉度「思いついて、とりあえず形になったらアップ。アップの告知は『湖の位置が変わりました』か、あるいは『どうじょうに『○がお目見え』(この○に、『いろは』のうちの一文字が入ります)』という文章がひっそりと、ニッキの端書か更新履歴のはしっこに入る。
この湖の移動の告知のためだけに更新履歴が変わる予定は、いまのところナシ。動かしてみないと、どれくらいのものになるかわからないからなー」
文偉「いろは歌の順番どおりにアップになるわけか?」
偉度「それがいちばん楽かもしれないな、と思うが、未定だな」
休昭「それじゃあ、最初は『い』だね。『い』から始まるものって、なんだろう……『イトミミズ』?」
文偉「『イソギンチャク』かもしれないぞ」
偉度「にょろにょろ系から離れろ。どんな話だ。それと、アップされる話は基本的に全部読みきり。長くても一話につきA4で10枚くらいかな」
文偉「長編の書き方に慣れてしまうと、10枚って入らないんだよな。削るところがたくさんでてきて、すごく不安になるんだと」
偉度「ほら、だからその加減を見るためのものでもあるのさ。たとえば椒聊のように長い話だと、このあいだの十四話の六のように、ひたすら尚書令の説明と現状のエピソードを紹介するということもできるわけだが、短編だとそれは不可能だ。
ひとつのエピソードに対し、登場人物がどれだけ必要か、場面展開はどれくらいでちょうどよいかなど、そのあたりも勉強できるだろう」
休昭「アップされるたびに湖の位置が変わるって、ちょっと不親切じゃないかな」
偉度「移動といっても、たいした移動にはしない。それこそ、二行目にあったのが三行目に変更とかだな。例の手順をいちいち踏まなくても、ここか、とわかるようにはするつもりだそうだ。
ちなみに湖にリンクがあり、『どうじょう』マップに飛ぶ。そしていろは順の作品が読めるという次第」
文偉「またも携帯のお客さんに優しくないなー」
偉度「すまんな。基本的にPC向けのサイトなのだよ。携帯での閲覧も視野に入れていくと、管理がむずかしい。
とくにこの『どうじょう』に関しては、すべてのお客さん向けのものではなく、『おまけのおまけ』的スタンスで始めるものだから、そのあたりはご了承願いたいところだ」
休昭「『どうじょう』が『同情』にならないといいね……」
偉度「初っ端、かなしいことを言わないように。まあ、このところずんだならずんだだけ、椒聊なら椒聊だけという、いささか傾向に偏りがある運営にアクセントをつけるのが目的でもあるのだ」
文偉「あっちこっち手を伸ばしすぎじゃないのかあ」
偉度「どういうことになるやらだ。ま、とりあえずは実行だな。現段階では企画途中だ。『いろはどうじょう』本格始動をあたたかくみまもってやってくれたまえ」

というわけで、思いつきで始まったこの企画、まずは始めてしまえ、というわけで、今後どんな運営になるかわかりませんが、お付き合いいただけたらと思いますm(__)m

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