伊勢物語
   と
新古今
  和歌集

 
伊勢物語(旧高松宮家禁裏本)
伊勢物語 三条西実隆筆(国立歴史民俗博物館所有)
五十一、五十二、五十三、五十三段と思われる。

 「むかし、をとこ」で始まる伊勢物語は、在原業平(825〜880平城天皇の皇子の

阿保親王の子。親王は薬子の変により、太宰府に左遷。腹違いの兄行平とともに

在原姓を賜って臣籍となった。)の歌を中心にして、ストーリーを作ったもので、

歌の教本として使われたものと考えられています。

 伊勢物語は、誰が書いたのかも不明で、ネーミングもなぜ伊勢というかは諸

説があって一定ではなく、女流歌人の伊勢が書いたから、紀貫之が書いたと

も、伊勢の斎宮への恋が元々の冒頭にあったからと言われています。


 
 少なくとも在五中將日記、在五が物語(業平は親王の五男で中将だった

ことから)、伊勢物語とか呼ばれたものが、統合されていったものと考えられ

ており、源氏物語、枕草子、更級日記にもそのそれぞれ名が記されていて、

藤原清輔以降は統合されていたとのことです。


 
 伊勢物語は、古今集が当然中心ですが、在原業平の新古今和歌集に撰歌

されたものは、すべて伊勢物語によるものですし、物語に登場する行平や有常、

よみ人知らずも撰歌されておりますので、その該当部分を抜粋しました。また、後

世の者が、この歌物語から本歌取りを行ったものも選歌されております。


 
 この物語により、その当時の貴族の風俗からすると普通のことなのですが、

在原業平は、沢山の恋歌から恋多き美男の貴公子と後世の人々から思われ

たことは、誤解であり、彼の歌の才能を評価する六歌仙、三十六歌仙、そして数

多くの勅撰集に選ばれていることからもしても、歌を評価すべきと考えますよね。

女好きかどうかは別として。

 ただし、皇后や斎の宮に手を出すのは当時でもタブーです。本当かどうかは…

そのため、姪が皇子を生んだ時、業平の子と世間は噂したとか。

物語ですから。

 両親がともに皇族なのに、官位が中将どまりだったのも禁断の恋が原因かも。


 現代語訳はしておりませんが、「伊勢物語ワールド」というとても楽しく伊勢物語

を紹介しているサイトを見つけリンク許可も頂きましたので、そちらで御覧いただけ

ればと思います。

 ようこそ 伊勢物語ワールド

 

    新古今和歌集歌

       概 要
一 段
  994 第十一 戀歌一
 
初冠したばかりの時、春日の姉妹に信夫文字摺の

衣を添えて。ませたガキでしたね。
六 段
  851 第八 哀傷歌
女の子を誘拐して鬼に食われたと勘違いして。
八 段
  903 第十 羇旅歌




 
業平が東下りの際、中仙道を通った時、長野の浅間

山が噴火しているの見て

でも富士山も別名浅間山というし、貞観6年(864年)

に噴火しているとのこと。よみ人知らずの歌らしい。
九 段





  904 第十 羇旅歌




  1614 第十七 雜歌中






 
業平が東下りの際、東海道の三河の八橋(8段では、

中仙道でしたが・・・)で、「かきつばた」の

折り句で即興歌を。

知り合いの修験僧にばったり会って、昔の恋人に

手紙を託し。

駿河では、富士山の雪がまだらに残っているのを。


また、武蔵の国で隅田川を渡る時、船頭が、一行が

ぐずぐずしているので、怒って適当に「都鳥」と答え

たばかりに、言問橋や言問通の名のいわれに。

カキツバタ(夏花)からユリカモメ(冬鳥)まで、半

年もかけて三河から武蔵まで。ずいぶんゆっくりの

旅ですね。知人によると今は京都、琵琶湖にもいる

とのこと。「都に住まぬ都鳥」も地球温暖化が・・・。
十六 段
  1496 第十六 雜歌上


 
紀有常を貧乏な貴族として、業平が夜着や寝具など

を送ったことに感激して、有常が礼状に添えて。

いくら貧乏でも貴族だし・・・
二十一 段
  1361 第十五 戀歌五
  1369 第十五 戀歌五
 
ともによみ人知らずの歌を業平の歌と結びつけて、

 
二十二 段
  1362 第十五 戀歌五
 
別れても好きな人から・・・

 
二十三 段
  1368 第十五 戀歌五
  1207 第十三 戀歌三
 
「筒井つの」で有名な幼なじみとの恋。金の切れ目で

金色夜叉な男。二股をかけて飯を盛ったくらいで。ち

なみに1368の歌は万葉集よみ人知らずです。
二十六 段
  1357 第十五 戀歌五
 
詞書ほどの長さですが。五条の辺りの袖が湊って

何? 
二十九 段
  105 第二 春下
詞書ほどの長さですが、
 
三十三 段
  1377 第十五 戀歌三
 
山口女王が大伴家持に送った万葉集の恋歌を借用

して。四五句は「思ふか君が忘れかねつる」
四十二 段
  1408 第十五 戀歌五
浮気性の女性を好きになると、他の男が通ったので

はと心配してしまうのは男の性?
六十五 段
 1151 第十三 戀歌三
 
禁断の恋は、お払いしても治らない。ついには身を

滅ぼすはめに。
七十 段
  1080 第十一 戀歌一
 
六十九段で別れた斎宮に仕える童に、男女の会う
機会を問うのは
ちなみにミルメとは海松布と書いて海草のこと
七十二 段
 1432 第十五 戀歌五
 
去っていく男への女の恨みは、怖い。ちなみに伊勢

の国の女は斎宮? 
八十六 段
 1365 第十五 戀歌五
 
昔付き合って、別れた人と偶然ばったり、同じ職場

となってしまった。男はよりを戻そうと歌を送るが・・。
八十七 段
 1588 第十七 雑歌中
 1649 第十七 雑歌中
 1589 第十七 雑歌中
 
前段は、神戸の布引の滝の歌を兄行平の歌


後半は神戸に住んでいた時の歌。  
百八 段
 1040 第十一 戀歌一
 
紀貫之の歌。人の心を恨んで。ただし、岩は磯となっ

ている。
百十七 段
 1857 第十九 神祇歌
 
平城天皇が住吉に詣でたとき、住吉神が現形して

神託した歌。詞書でも「伊勢物語に」とある。
百二十二 段
 1367 第十五 戀歌五
 
昔結婚の約束を破られたのに、再会したので、女に

歌をつかわしたものの音沙汰無し・・・。苦い思い出。
百三十 段
 1369 第十五 戀歌五
 
三十一段と同じ歌です。定家本にはありませんが。

 
おまけ 八十三 段
 1718 第十八 雑歌下
 
業平の歌(古今集)に惟喬親王の返歌が撰歌され

ましたので。 
おまけ 
四 段
 1409 第十五 戀歌五
七十一段
  911 第十  羇旅歌 
四段に業平、七十一段に万葉集よみ人知らず

の歌掲載されている異本もあるので、ご紹介します。
新古今和歌集の本歌取り

新古今和歌集撰歌のうち、伊勢物語の歌、場面を

本歌取り、参照した歌。
 
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