◇「ダーティペア」のキャラクター紹介◇


〜 小説版「ダーティペア」のストーリーとは… 〜
ここで説明する「ダーティペア」とは、高千穂遥氏原作、安彦良和氏作画のシリーズをさす。
宇宙の悪を相手に戦うケイとユリは19歳の可憐な乙女達。
美しくって魅力的な二人のことを、人はなぜか「ダーティペア」と呼ぶ。
華麗に事件を解決するおまけに惑星一つが破壊されるわ、大量の死者や怪我人が続出するわで、この二人が事件に関わると、いつも「ダーティな解決」で終わってしまうからだ。
ケイとユリは、「WWWA」の犯罪担当のトラブルコンサルタント。
正式名は「世界福祉事業協会」(WORLD WELFARE WORK ASSOCIATION)。略してトラコンと呼ばれている。
(「WWWA」は、作者である高千穂遥氏が、格闘技ファンである経緯からそのネーミングがもじって使用。)

ケイとユリは強烈な個性を持ったキャラクター。特に、ケイは話術の天才! 
本家の小説でも、ケイ女史による一人称私文体の軽さが作品に独特のテンポを与え、面白さとスピードにのって、読者を一気にひきつけていく。
連発される「あによぉ」、「うっさいわねぇ!」という子気味よい名セリフ。その上、捨てゼリフは当たり前。
そんな言い回しなのに、ちゃんと『小説』のスタイルが成立していて、面白いし読みやすい。
かの、中島梓女史も賞賛している。

〜 ダーティペアのキャラクターの謎  〜
商品化されるごとに、流行の美少女キャラクターに変化しているケイとユリ。
では、どうしてこんなに変わってしまうのだろう。
それは、安彦良和氏と高千穂遥氏の気持ちの変化に原因があるかもしれない。
まずは、安彦良和氏。
このキャラクターデザインのもとは、「地獄の黙示録」という映画に出てきた「ベトナム戦地慰問のショウガールのチラシ」だった。
60年代のノリだと安彦氏は解説している。
しかし、「ダーティペアシリーズ」は80年代、90年代と書き続けられてく中で、変わらぬキャラクターデザインが、今の時代に合わなくなってきたと思われたようだ。
その一方で、高千穂氏も「ダーティペア」の年齢を引き下げて新シリーズを書いている。
それは女子高生が流行を作ってしまう時代にあって、その流行や世俗的な価値観を敏感に取り入れつつ、作品の設定を素早く変化させてきたとも考えられる。
しかし、近年、この「オリジナル」が復活しつつある。ファンサービスであるとともに、繰り返される流行を敏感に感じ取った結果なのかもしれない。


◇製作されている「ダーティペア」の作品◇
◆小説オリジナルシリーズ ダーティペアシリーズとして4巻まで刊行。「ダーティペアの大冒険」以下、「ダーティペアの大逆転」「ダーティペアの大乱戦」「ダーティペアの大脱走」。ネットで発表された「ダーティペア独裁者の遺産」と続く。特に「〜大乱戦」では、同作者の代表作「クラッシャージョウ」の外伝と同舞台で、ジョウの父親であるクラッシャーダンのチームと共演している。「〜大冒険」と「〜大逆転」で高千穂氏は星雲賞を受賞。最新刊は「ダーティペアの大復活」。
◆テレビシリーズ テレビシリーズとしてキャラクターデザインに土器手司氏を起用。原作の設定をいかしながらも、原作シリーズとは別のオリジナルシリーズとして製作された。放映タイトルは「ダーティペア」。60.7.15〜60.12.26。日本テレビ系。このキャラクターで映画、ОVAと製作され続け、もっとも作品数が多いシリーズとなる。キャストは、ケイ/頓宮恭子、ユリ/島津冴子。
◆新OVAシリーズ いわゆるリメイクになるのだろうか。94年から96年にかけて、「ダーティペアFRASH」というタイトルで1巻から16巻まで発売されている。キャラクターデザインは木村隆宏。キャストはケイ/松本梨香、ユリ/国府田マリ子。この内容に関しては未見。
◆新バージョンのノベルシリーズ 私の手元にあるカバー紹介には「単行本」となっている。調べた中では3巻までが紹介されていた。「ダーティペアFRASH1天使の憂鬱」「ダーティペアFRASH2天使の微笑」「ダーティペアFRASH3天使の悪戯」と続く。イラストはるりあ046。ケイとユリは17歳、性格も最初のシリーズのものとは違うようだ。こちらも未読。