わたしの作品(製作途中ですが……)

2008年9月29日更新

千鳥響(チドリキョウ)というのは、ペンネームです。
  「将来、もしも子供を産んだら付けたい」と思っていた名前。それを2つ並べただけです。囀るイメージで、とても気に入っているのです。なので、どちらが苗字のつもりもありませんが、当然、前が苗字に見えてしまいますね。

*グーグル検索して導かれるものの中に随分と愉快なものがあるようですが、わたしとは一切関係ありませんので(ーー;)
それから、よく言われるのでが、お笑い芸人「千鳥」のファンでもございません。(嫌いじゃないけど)

そして、その千鳥響の比較的短く読みやすい作品を選んで、いくつか紹介してみようと思います。
  これをきっかけに、道が拓けることもあるかもしれないので・・・・・・
  だけど、このカタチで、うまい具合にお届けできるのかどうか、”今は”とても不安です。

ともあれ、読んでくださった方に、 もしも楽しんでいただけたら、とても幸せなことです。

千鳥 響

 

公開する作品を検討しています。
  そのPDFが準備できしだい、公開の予定です。

〜今、しばらく≪準備中≫です〜
公開しました際には、よろしくお願いします♪

ちなみに、わたしの趣味「椎茸物語」の中に、5分足らずで読める同名タイトルのショートストーリーがあります。右に公開中の”paesonifyシリーズ”実験作ですが、 わたしの筆力がどの程度かくらいは、はかれるかとは思います。
  PDFではなくベタ打ちですが・・・ →こちら

 

** Kyon.C’s ”ショートショート”♪ **

(parsonifyシリーズ)

とりあえず1年ほど、月1作ずつ
3分で読みきれる作品を”Webオリジナル”で書こうと思います。

第1作*「雲の色彩」(2008年5月up){読む}

第2作*「煽動的靴音」(2008年6月up){読む}

第3作*「猫らしい彼女」(2008年7月up){読む}

第4作*「ほしぞらウィンミル」(2008年8月up){読む}

第5作*「アレクサンドリアの香り」(2008年9月up){読む}

 

< 猫 ら し い 彼 女 >

千 鳥 響 (Op.28)

 アタシね、ちょっと、いいこと思いついたんだぁ。ショウちゃんに気に入られるために、猫になろうかってね。アンタ、意味わかる?
 わかる。わかるけど、なんでまた、猫? あの猫だろ? にゃんころ。
 そう。にゃんころ。
 あの、ちょっと鬱陶しいヤツ?
 別に、鬱陶しくないけど、ソレ。
 本当か?
 本当。
 彼女の話し相手は、隣んちの子。いい子。
名前も「イイコ」かもしれない。よく、イイコイイコ、って言われてる。彼女は、アンタ、って呼んでる。イイコは自分のことを、オイラ、って呼んでる。
  そんな感じで呼んでる。
 なんかアタシとは違うな、ってたまに彼女は思う。匂いが違う。男だからかもしれない。男は、ちょっと危険な匂いかもしれない。
 とあるコンビニの自動扉に映る彼女は、尻尾を折りたたみ、しょげた顔してる。イイコは、いつも遠くにいて自分を見ず、つまらなそうな顔してる。オイラはブスだからさ、って言うときもあるし、オイラは自動扉が苦手、ってごまかすときもある。
 彼女は続けた。
 聞いちゃったんだぁ。ショウちゃんが、ボク猫がよかったよぉ、って拗ねてるの。でも、ママがアタシを気に入っちゃって、あの家に来ちゃったんだけど、アタシは、ショウちゃんのためにいるんだし、ショウちゃんに気に入ってもらいたいんだよね。
 うん。でも、どうやってなんの?
 猫らしくするの。女は女らしく、ってママがさ、ミホに言ってたんだ。言動や仕草が女らしければ、心も体も女らしくなるんだから、って。
 だれだそれ。なんだそれ。
 ショウちゃんの、男勝りなお姉ちゃんだよ。それってつまり、猫らしくしていれば心も体も猫らしくなるってことだよね。アンタ、意味わかる?
 わかんないかもしれない。
 かもしれない?
 難しいと思うけど、でも、ぜひやってみな。オマエが猫になれば、オイラもなってやる。
 アンタも?
 だってオマエ、トモダチは必要だろう?
 そりゃぁ、必要だけどね。

 彼女は、ショウちゃんに向かって鳴いてみた。難しいんだ、みゃんみゃん、鳴くのは。ショウちゃんはでも、喜んでた。チロルが猫みたいだぁ、って。チロルってのは、彼女の名前。
 それから、丸くなったり、すりすりしたりしてみて、たまぁに素っ気なくしてみた。素っ気なくするのは、イイコを無視する要領で。あとは、誘われもしないのに散歩に出るくらい。これもまぁ、イイコと歩く要領で。
 彼女は、不意に思った。
 イイコといるとき、アタシは猫っぽかったんじゃないか。つまり、猫らしかったんじゃないか、って。
 なんだか不思議な気分だった。
 ある日、イイコが教えてくれた。
 オマエ、猫ってのは、ときどき素っ気ないんじゃなくて、だいたい素っ気ないんだ。
 だいたい素っ気ない?
 そう。いかにも乱暴な不機嫌でもいい。
 いかにも乱暴な不機嫌?
 彼女には、えらく難しいことに思えた。
 引っ掻いてやるくらいが丁度いい按配だ。猫好きってのは、多少、自分の体が傷ついても、猫のせいなら仕方ないと思うもんなんだ。
 アタシは、よく叱られる。でも、猫は叱られない? どうして?
 猫だからだ。
 イイコは、どうして、そんなに猫に詳しいの?
 オイラは、猫に詳しいわけじゃない。オマエは、今さら、どうして、そんなことを聞く?
 アタシはショウちゃんが好きで、ショウちゃんに好かれたいし、それが役目だって思ってるだけだよ。
 オイラだって、そんな気持ちくらいわかるさ。
 アタシはでも、アンタともトモダチでいたいんだよね。
 オマエが猫になるなら、俺は猫になるつもりで、それは、お前とトモダチでいるため。そんなことは、前に話しただろう?
 話した。でも……
 でも?
 アンタは、ときどき臭い。ごめんね、違う匂いがする。男だからじゃなさそう。ショウちゃんも男だし、違う匂いもするけど、アンタは同じような、でも、全然違う匂いがする。アンタ、意味わかる?
 イイコは、なにも答えなかった。
 喜んでいたはずのショウちゃんは、やがて心配顔で、チロルは犬なのにどうして猫みたいに鳴くの? とママに聞くようになった。ママは、知らないわよ、とか、ショウが猫を欲しがるからかもよ、とか答えた。ショウちゃんは、チロルは犬でいいのに、と言った。チロルは犬でいい? 彼女以外に、かわいい猫も欲しいということらしい。彼女は彼女のままでいいらしい。

彼女は、犬らしい猫を知っていた。それを、認めていなかった。彼女に気に入られたくて、犬らしくしている猫を知っていた。
 アンタ、いい子だね。
 久々に、イイコに会って言ってみた。イイコは、わざと意地悪そうにはにかむだけ。
 ショウちゃんが、言ってたよ。
 彼女は、ちょっと悔しい気持ちで伝えた。
 隣んちのみたくかわいい猫が欲しい、って。アタシ、言ったんだ。ショウちゃんに伝わったかわかんないけど、いっぱい吠えて言ったんだ。アイツはアタシのトモダチだよ、って。だから今度、遊びにきてやってよね。
 オイラ、猫として?
  もちろん、猫として。猫は猫らしくていい。どっちでも、アタシはアンタのトモダチだからね。アンタ、意味わかる? 

<了>

 

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