2001.10.21〜10.31
10月21日・ 3手先読むアイコンタクト。
男と男は、夕日を背に気が済むまで殴り合えば、友情が芽生えるの。
「はぁはぁはぁ、お前、けっこうやるじゃねえか」きらきらした笑顔。
青春の定番だから、そうなのね。・・・わからん。
女同士のケンカは絶対こんな結末にはならないでしょう〜。
だってさ、殴り合っても気は済まない。
精神的ダメージの証拠が見て取れなきゃ勝った負けたになんない。

スポーツ根性マンガのさわやかな結末も、この精神構造よね。
わかりあえる、グッと来る、戦うもの同士の熱い想い。
狩猟時代からの本能のなせるワザ?
戦闘意欲と恋愛感情の生まれる場所が隣合ってるんだってね、男の脳は。
揺れが伝わるのかぁ。

今日のフットサルの試合は3チームで回した為、点数計算できませんでした。
なんか勝ってた気がする。そのくらいの差。(笑)
運動部経験ゼロの私には、点が入ったとかボール取られたとかしか、見えない。
だから、チョコボが身体を張ってゴールを守るとすごくカッコいいと思う。
けど、足にピンポイントでくれるもりしゃんの方が、上手いGKなんだって。
ケガから復帰したLINDAさんが、30分も前から来て走り込みしていた。
嬉しくて張り切ってんのかと冷やかしちゃった。それも間違ってたわ。
心配だから入念にアップしてたんだと、後から気がついた。

試合中、控えのメンバーが「オッケー!いいよー!」って声かける。
何かをしようとした気持ちに対してだから、場面としては見えない。
相手の考え分かるから「お前けっこうやるじゃねえか」なのよね。
くれ!って言わなくても欲しい所に投げて来るもりしゃんにしても、
瞬時に心を読みあってるから出来るんだものね。
そういうのって男は普通にやれるのかしら?
女もスポーツやれば分かるようになるのかしら?
それとも、あたしだけが人の心と通じ合えてないのかしら?
・・・フットサル見る度に疑問と尊敬が深まるのでありました。ふむ。

10月22日・ ドリームズ・カム・トゥルーの嘘つき。
日本人の子供は大きな夢を持ってないんだそうです。
日・米・台・韓の国際比較調査結果だそうで・・。
なんか笑っちゃった。大会社の社長、優れた大学教授、正義感の強い裁判官、
著名な芸術家、難病を治す医師・・には「なりたくない」
そんな「大きな夢」でなくても、金持ちになる、仕事に成功する・・程度にも、
「無理かもしれない」・・いやいや、正しいよ、日本の子供たち。
こんな、大人の考える「夢」にまじめに答える必要な〜し!
教育が悪いと嘆く新聞やTVのコメントに仰天だよ、まったく。

現実に今、大会社の社長がどれだけ大変か、情報は子供にだって入って来る。
だいたい質問につく形容詞がベタだよな〜。
質問者は基本的に「人生の成功は金なり」主義は明白。
弱肉強食の人生に勝ってエライ人になりたい!そんな夢のない子供はヤダヤダ。
「お花屋さんになりたい」・・素敵な夢じゃん。
純粋に花が好きな人のお店は、きっと繁盛するよ、結果としてね。

ところで、アフガンや北朝鮮の子供は、どう答えるだろうか・・?
エライ人になって、お腹いっぱいご馳走を食べてみたい。
・・夢は叶う。・・とは誰も言えない。

10月23日・ ジオラマ。
「世界遺産・ポンペイ展」@江戸東京博物館。
チケット売場に長い列。「65才以下の方はアチラの自動販売機でどうぞ」
お年寄りの団体に占拠されてま〜す。なぜに、ポンペイ?

紀元前からの文明が一夜にして滅ぶ。火山灰に埋もれた街、人、犬・・。
ここには生活を楽しんでいた証がそのまま残っている。
高度な手法で作られた美術品のような日用品。豊かさの意味を考える。
便利なんてつまらない。美しい装飾の水差しを毎日使う、当たり前。
いろんな側面の美学が置かれている。
・・だからさ、おばあちゃん、ひとり占めしないでね。

「村上隆展〜召喚するかドアを開けるか回復するか全滅するか」@現代美術館。
スーパーフラットの定義は、もひとつ理解しきれない。
でも、潮流なんだとは解る。こちとらオタク文化のただ中を泳いで来たんだ。
その美少女のバルキリー的な変型もさ、セル画彩色の指定もさ、身近なの。
こういう超え方は予測できた気もする。リミックスと変容。好きだもん。
DJが声明を流す中、日本画を学んだオタクがアニメな個展を開催する。
そりゃ〜外人にゃタマンないわ。・・て、あたしも好き〜。
この場合はカタログじゃないだろうと、DOBくんTシャツ購入したです(笑)

20世紀イタリア展なんてしょーもない併設も見て、くたくた。
それでも気になるから、来年購入予定のマンション建設現場まで歩いた。
橋から眺めた。もう11階まで出来てた。ここに住むのか〜・・。
水のそばに暮らすのは、なんだか落ち着く。都市の端で小さくなろう。
たくさんのトラックが橋を揺らしていく。夜が照らされている。
今日、すれ違った人々がみんな生きてるなんて、不思議な気がしたよ。

10月24日・ 検査しなけりゃイケナイってのが不安なの。
風評が一番こわい・・。うう〜ん、ここまでとは・・。
そういう事にはまるで無頓着な先生が「夕飯は焼肉」と言った。
いいけど、付き合うけど、・・冒険だ。

スーパーでは牛のコーナーが豚に侵食されている。
オージービーフだから安全!とかじゃないのよね。
なんとな〜く気分が悪いじゃない?他にも肉はあるんだし、ねー。
関係者の皆様のご苦労は知りつつ、避けて来た主婦のひとりです。
「狂牛病」ってネーミングが不気味なんだもん。

近所のたまに行く焼肉チェーン店。客一組もなし!!
て、いう前に、7−8人いた従業員がいない!
店長と、もうひとりだけ。うわわわ、緊張感が漂ってるよ・・。
なんだろう。焼肉のタレはテーブルに置き忘れ、スープは辛くて飲めない。
たぶん担当の人がいなくなって、店も混乱してるんだな。
店長が愚痴をこぼしていく。さっさと片付けに入る。まだ食べてんのに・・。
サービス業だってこと忘れてない?こんなんじゃ、もう来てあげない。
やる気なくなっちゃうのも分かるけどさー、そういう時こそ頑張ろうよ。
なーんて、いろいろ棚にあげて無責任なエール。

あたしの生活から牛肉が無くなっても別に困らない。
たとえは適切ではないけど、水道水はもう飲み水じゃなくなった。
沸騰させないで飲むなんて何年もしてないや。汚くなってないのに・・。
冷たい水はミネラルウォーターを買って飲む。イメージ変更されている。
そういえば、かいわれ大根もアレ以来、めっきり御無沙汰。
出されれば食べるけど、購買意欲は失われた。

なんとなくの習慣。あと半年も牛肉無視してたら、そうなるかも。
んー、鳥と豚だけじゃバリエーションが持たないか・・?
羊とかワニとかダチョウとか、ニューフェースも売り出して欲しいな〜。
社会に参加してない主婦は、なんとな〜くそんな感じよ(笑)

10月25日・ 既にそこにあるもの。
早いなー、何もないうちに一日が終わっていくよ。
何もない一週間が4回、何もない月が12回、何もない年が80回。
何もない・と・何もしない・の違いは・し。
生きてる実感の為に行動は必要か?

引きこもり。部屋でひとりでいるのが楽しいならいい。
そうしたい・から・する。
山にこもって自給自足。空と大地のささやかな変化を喜ぶ。
何もない・けど・幸せ。

犬も歩けば棒に当たる。行動すれば他人と当たる。
当たれば、痛い。痛いという実感・が・変化を起こす。
自分になかに、他人の影響が入ってくる。
感情は、まだ機能しているか?

あったり、なかったり。
いたり、いなかったり。

10月26日・ 青春は駆け抜けた。
渋谷でのボイストレーニングは、本日がラストになりました。
ファンキー浜田先生が独立。私も来週から恵比寿に行くの。

カラオケが流行してから、誰もが人前で歌うようになった。
歌うのって、昔は恥ずかしいことだったんだぞ〜。
でも今じゃ「特技・歌」なーんて書かれると逆に恥ずかしい。
歌が下手な若い人に会ったことないもんな〜。

さて、写真はレコード発売キャンペーンでのひとコマです。
わははは。アイドルしてます。まだレコード時代ね、許してちょ。
当時は、何度も何度もイベントで歌ったけど、慣れなかった〜。
間奏が長いと持たないから、振付けも自分で考えてさー。
どっかで見た会場のアオリ方マネて、客にマイク向けたりさー。
盛り上がっても、自分じゃな〜んか寒かった。
アレだね、ナルシストになんないと歌はダメだね。

全部で何曲、レコーディングしたんだろ?
「キャプテン翼」のED、私の歌が毎週TVで流れてたの覚えてる?
私は、忘れた。もうメロディーも歌詞も全然。(笑)
そんな事実さえ、最近まで忘れておりました。
あ・・、思い出させてくれなくていいから!
この間、音楽著作権協会の人から電話があった。
印税の支払い方法の変更が云々・・。
まだ、お金になってます・・あの頃の歌。
坂本千夏・高橋美紀と。
デパートの屋上か・・?
10月27日・ 究極の消費。
行楽日和に芸術三昧。充実の休日でございました。
横浜トリエンナーレ、残りを制覇せん!と汽車道から運河パークへ。
おお!コンチネンタルホテルにバッタもとまってる。
気持ちの良い海風にピクニック気分ね。

あはは。真昼間、海に浮かぶ草間作品、健康的なり!(笑)
ここで解説おじさんに捕まり、ピカソやゴッホを語られまくる。
「あの玉、取ってきてやろうか?」・・写真だけ撮ってもらいました。
ワールドポーターズのおしゃれ系カフェでランチして、赤レンガ倉庫到着。
いきなり入口の虎にヤラレる。そんな顔で泣くなよ〜。・・もう爆笑〜!
ここは会場自体が作品。石階段より高い位置に設置された透明アクリル階段。
浮き足立つ・・とはこのこと?人に全然優しくないのが、面白い。
ステラークの蜘蛛マシーンに乗ってみたかったな。手が可愛いの。
キャンディ・ファクトリーの処刑台遊技場で遊ぶ子供がいい絵になってた。
土曜日なので、めちゃ混み。ゆっくり見られず残念。

神奈川県民ホールに移動して「インバル・ピント・カンパニー」。
イスラエルから来た、幻想のコンテンポラリーダンス。
今、ダンスシーンではイスラエルが面白いんだという噂。
あぁ〜キッチュでヌケてて刺激的〜!
展示されてた衣装デッサンも、そのまま絵本にしたい不気味可愛さ!
欲をいえば、もう少し狭い会場で見たかったな〜。

夜の横浜。カップルに混じって公園で夜景を眺める。
雑貨屋で散財、中華街で飽食し、最後の場所へ・・。
どうしても夜に見たかった、オノ・ヨーコの作品だ。
ドイツから運ばれた貨車。打ち込まれた多数の銃弾。その穴から光。
まるで星座のように美しい。そして天までそそり立つサーチライト!
人のうめき声が音楽になって、貨車の走るリズムを作ってる。
メッセージに迷いはない。なんて・・すごい。
あたしの存在なんて、馬鹿みたい。

音を伝えたいね〜。
高校時代からの友・弥生と。
10月28日・ タッコでぇ〜す。
ず〜っと髪を伸ばしっぱなしだわ。
ロングにしたいんじゃなくて、さぼってるだけ〜。
リカちゃん人形かよ?なギシギシの手触り。肌を刺すホウキの毛束。
あ〜も〜ウザイ!・・なら切りなさいよ。そうなんだけどね。
一つくらい面倒を抱え込んでるのって、結構イイんだよ。
我慢して我慢して「はぁ〜スッキリ!」みたいなさ〜。
意味な〜い。でも、あるでしょうー?そういうの。

あたしの髪型の史上、最高のトンデモヘアは坊主刈りです。
22歳だったでしょうか・・。3ヶ月ごとにモデルチェンジな女でしてね。
クルクルパーマの前髪チョロっとだけ残して坊主にしてみた。
「anan」のグラビアに載ってたの見て即決心。可愛かったんだもーん。
山田邦子とかしてたでしょ?坊主。
一週間だけ可愛かった(笑)・・あとは何処までも立ち上がる髪との戦い。
今だったらオレンジ色とかに染めるんだけどな〜〜。

翼をやってる頃、ロンドン帰りの美容師さんに切ってもらった事があるの。
三杉くん役の溝口綾が通ってた所。いかにも最先端なお店。
「絶対、似合うから任せてくれる?」「はぁ、好きにやっちゃってください」
笑える髪が出来上がった!ギザギザショートの前髪一筋だけが口まで長い。
スタジオでもアヤシがられた。かなりヘンだったらしい。
慣れて驚かれなくなったある日、驚いた。チェッカーズがデビューした!
あたし、フミヤだった!

日比野朱里命名記念に髪まっ赤に染めてる写真が、まだ出回っているの。
あれから営業用写真撮ってないからな〜。
さてさて、次はどうするべ?おすすめ・・ある?

10月29日・ 宗教統一のなされた国。
なんとなく買って読んだ本。タイトルは「オサマ・ビンラディン」。
いかにも緊急に発行した「伝記」?
「タリバン」を読みたかったんだけど、置いてなかったんだ。

戦争は昨日今日始まったんじゃないんだな〜。
彼らは長いこと戦い続けてる。その中で、あの日、米国が揺れただけ。
日本人の犠牲者も、もうとっくに出ていたんだね。
エジプトで観光客がテロで死んだ事件、ビンラディンの指示だって。
あとフィリピンの航空機が落ちた事件でも犠牲者が出てる。
「これは戦争だ!」「なに今頃いってんだよ、お前ら」んな感じ。

あれ以来、米国ではお菓子や高いブランド物が消費を伸ばしてるんだって。
ストレスが溜まると甘いモノを食べる。ショッピングして嫌な事を忘れる。
ビンラディンの敵はまさに、その精神!「反省してねーじゃん!お前ら」
40度を越える場所でも冷房を使わず節約生活。イスラムの規律を守る。
それ以外は、堕落。米国はその典型。
だから、攻撃対象に一般市民とか兵士といった区別はもともとないのね。

「俺サマの価値観を教えてやるぜ」どちらも正義の味方なんだ。
なんか「海のトリトン」の最終回を思い出す。
自分と他人の信じるものや生き方が違うのなんて当たり前じゃない。
教えて変えてあげようなんて口出して、手出して、殺しあうなよ。
そんな簡単な事じゃない?そうなんだけど、根っこはそこじゃないかな。

そういう側面でいえば、日本はホントウはもっとヤバイ気がする。
他人に興味持たなすぎ。口すら出さない。関係性のフラット化。
なくなっちゃってるし、すでに関係も個人も信じるものも・・。
宗教へのこだわりなんて、とっくにない。大事なのはイベント。
でも、あたし結構ラクだよ。「愛だけあればいい」記号でも充分幸せ。

10月30日・ カレンダー、めくる時しか見ることもなし。
来年のスケジュール帳を買いました。・・は。
もはや終わるか。な〜んもしなかったな〜。
まるでエッセイストにでもなったかのように日記書いてた2001。
それは、それで、新しい挑戦だ〜ね。

あたしは30才になる時、未来設計について考えた。
このまま声優を続けていていいのか・・?
声優になるってのは10代の頃の夢。それは叶えた。
デビューした時の目標は「代表作といえる作品を持ちたい」だった。
それも出来た。オーディションに受からなくてもレギュラーが決まる、
アテるコツも掴んだ、いろんな役も一通りやった。
そこそこ手を抜いてやってる自分を発見した。で、やめる決心をした。

「ロビンJr.」の打ち上げは、あたしの送別会になった。
マネージャーさんが泣いた。脚本の園田さんが徹夜考えた「送る言葉」くれた。
一生にいっぺん誰にでも、主役になる日があるんなら、今日だ・・。
ドキドキしながら、そう感じてた。こんな幸せな声優はいない、と。

20代にやりたくなったのは、劇団を作ること。
それは30代のあたしが叶えてあげようと思った。で、劇団作った。
才能はないかもしれないけど、自分なりに満足のいく作品は出来たつもり。
これ以上は無理っちゅうとこまでやった。
自分勝手な表現をしてゆくのに、集団では限界がある気がした。
あたしはもっと気楽になりたかった。疲れてた。で、解散した。

そういえば、あの頃、スピードが欲しかった。
台本書いても舞台に乗るのは2〜3ヶ月後になる。
オンタイムで感じたこと流せてる今は、夢が叶ってるってことなのかな。
そんな大げさなモンではないか・・。やりたきゃやれる環境でよかった。
来年も、欲望は生まれるか・・?
6穴の手帳は一年の区切りがない。必要な分だけ持ち歩く。
曖昧な希望。満足なんてないかもね。でも来ちゃうのよね、来年。

10月31日・ 暗闇で行き交うコウモリのように・・。
波長が合う。どんな波がどこから出てる?
波長が合わない。どんなにしても合わない人は確かにいるねー。
性格がどうとか、容姿がどうとかでなく、安心できる相手。
波が合うなら、相手からしても合ってるんだろうね。
大切にしようと思って気を遣うと波が崩れるから、しな〜い。
そういう優しさ。

頑張らなくても波に乗れて、それが心地よい人とは長時間いられるね。
そのうち、お互い正直になってヨソ行きじゃない顔になる。
キレイだな・・って思えたりして、癒されてることに気がつく。

渋谷の小さなエリアに一日いました。
カバンをひとつ、選んで買う。それだけするのに9時間。
同じ店に3回行った。
買ったカバンはどこでも買えるけど、買えないものを貰った。

あふれんばかりの人間がぶつからずに渡る渋谷の交差点。
波は絡んで、自分の波を出す隙間もない。
自然体。眩しい虚飾の街、振り向きたくなって振り向いた。
こっちを見ているキミがいた。

まだまだ