『仏説無量寿経』(ブッセツムリョウジュキョウ)
     
真実の教を顕(あらわ)さば
すなわち『大無量寿経』これなり


 仏教ではその教えの依り所となる経典を正依の経典とよびます。浄土真宗においては『仏説無量寿経』『仏説観無量寿経』『仏説阿弥陀経』の三つの経典を正依の経典とし「浄土三部経」とよびます。親鸞聖人は、その中で『仏説無量寿経』を「真実の教を顕さばすなわち『大無量寿経』これなり」と示されました。          

 『仏説無量寿経』は『大無量寿経』(大経)ともよばれ、普く万人の救いを成就すべき真実の法を顕かにする経典です。そこでは、すべての人を平等に救済する法は阿弥陀仏の本願であり、その本願のこころを具体的にあらわすのが阿弥陀仏の名号であると説かれています。                                

 『大経』の上巻に説かれている如来の本願(四十八願)の中で中心となる十八番目の願(第十八願)はそれまで「念仏往生の願」と伝えられてきましたが、親鸞聖人はこれを「至心信楽の願」と定められました。

安正寺所蔵の『仏説無量寿経』
  
『大経』上巻に説かれた本願(四十八願)