和讃(わさん)
    
和讃は親鸞聖人が深い感動を以て受け取られた
お念仏の教えを書き記された和文の讃歌です
  
 浄土真宗ではお内仏(お仏壇)の前での毎日の勤行(おつとめ)においてまず「正信偈」を読み、念仏して次に「和讃」をおつとめします。

 この和讃は「正信偈」と同様に親鸞聖人が深い感動を以て受け取られたお念仏の教えを書き記された讃歌(うた)です。正信偈は漢文ですが、和讃は和文(漢字と仮名交じり)で書かれ、一首は七五調の四句で構成されています。

 漢字にはすべてふりがながつけられ、さらに一句全体の、あるいは一部分・一語の意味が分かりやすいように仮名で説明が施されています。また漢字の一々に発音の清濁を示す印がつけられるなど、聖人が自分の遇いえたよき人々、聞きえた教法を多くの人々と供に、声をそろえて讃嘆しようという思いによって詠まれたものです。

 今残されている親鸞聖人の和讃は五百十余首におよび、
「浄土和讃」「高僧和讃」「正像末和讃」の三つの名前でまとめられ、この全体を「三帖和讃」と呼んでいます。

 普段の勤行ではこの中から四十八首を抜き出されたものをお勤めしています。
  
 
安正寺所蔵の「三帖和讃」