「正信偈」は、正式には「正信念仏偈」といい、親鸞聖人が長い年月をかけて書かれた主著『教行信証』「行巻」の終わりに記されています。
親鸞聖人が深い感動をもって受け取られたお念仏の教えを、親しみやすいかたちで書き記された「偈」で、7文字を1句とし、120句、60行からなっています。「正信偈」は大きく2つの内容からなっています。
前半は、お釈迦さまの説かれた『仏説無量寿経』(大経)の教えに出あったよろこびが書かれ、後半は、その教えを正しく受けとめ、明らかにし、インドから中国、そして日本にまで伝えてくださった七高僧(7人のお坊さん)の教えと感謝の言葉が書かれています。親鸞聖人のいただかれたお念仏の教えとその歴史がつまっているのが「正信偈」なのです。
真宗門徒の朝夕のお勤めとして、「正信偈」をあげることが定着したのは、今からおよそ5百年前、本願寺第8代蓮如上人の時代に遡ります。蓮如上人はすべての人が日常の暮らしの中で、親鸞聖人のお言葉に親しみ、真実の教えにであうことを願って、それまでお勤めしていたものを「正信偈」や「和讃」のお勤めに変更・統一し、日々の礼拝・勤行と定められました。
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