2013年flower11月
インターネット法話


 十一月お霜月、親鸞聖人御正当、報恩講が勤められますね。聖人は教行信証の中に、浄土の真宗とか、浄土真宗とお示しになっていらっしゃいますが、実は法然上人は浄土宗をお開きになったのですね。その法然上人の浄土宗開顯に当たって既成教団からと諸思想文化集団からの激しい反論があって、ついに念仏宗弾圧の政令が出され、死罪、流罪、に処せられて親鸞聖人は遠く越後へ流罪となり、罪人としての生活を始められますが、政治家も、文化人も、思想家も、宗教家もそれこそ、新しく掲げられた新仏教。念仏一つで総べての人間が救かる。と言う教えが納得されるはずが無かったのですね。お釈迦様自身、阿弥陀経の中で、お念仏一つで全ての人が救かるなんて、とても信ずる事なんてとても無理なんです。と述べていらっしゃいます。この事を「難信之法」=(信じ難き教え)別の言葉で言えば、〈人間の認識には当てはまらない〉、と、阿弥陀経に述べていらっしゃいます。それは仏様。如来様の認識から出た方法であって、人間の認識から出たものでは無かったからです。そのお釈迦様のお話を聞いていた数学博士であって知恵優れた、舎利弗さんもじっと聞いて頷くほかは無かったのです。その事を身をもって認識された親鸞聖人は、法然上人が示される「浄土宗」こそ「真実の宗教」であるとの発見から「浄土真実の宗教」を「浄土真宗」として、教行信証六巻の中に、如来世尊高僧の文類を集め、自身の体感を添え、真実の宗教此処にあり。と世界に宣言なさって八百年を迎えようとしています。その心に眼を開く時です。