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真宗興隆
光明名号信一念 K

 表題のもとお尋ねして最終回十二月を迎えました。八十歳を迎えてから、毎年親鸞聖人の歳に準えて歩んで参りましたが、八十八歳の十二月二日、弥陀如来名号徳という文章をお書きになり御門徒の主たった人に書き写させていらっしやいます。それは、今年の題意を明らかにする物でした。光明は無量無辺無碍。それは名号となって私達に働き、如来のお心、真の一念を与えて下さる働きの事実を感じ摂って欲しいと言う、切なる願いでありました。蓮如上人も毎年御正忌をお勤めになって、歳を重ねるにつれ、聞いてくれ、聞いてくれと言う願の連続であった事が蓮如上人晩年のおふみを読まして頂けばヒシヒシと追って来る物を感じます。阿弥陀佛は生命の真実として現行しています。親鸞聖人の九十年の生涯は、人間の真実の在り方を、釈尊の教法の全体を見つめて、七祖の開顕を通して真実を見極め、浄土の真実として真実道を顕開して下さっています。佛に念ぜられる道、それを念仏と言います。住職であった私も今月をもって終了。前住職の位置に着き新しい住職が継ぎ、新しい感覚をもって引き受けます。新しいと言っても、真実に変わりはありません。今後共宜しくお願い致します。