ekou
line

熊本県長洲町安正寺

エコウ4月号第471号
2015年4月1日発行

真宗興隆

光明名号信一念 C

 親鸞聖人、釈尊御誕生と共に、年度初めの四月ですね。お釈迦様は人間として生きる正しい道をお示しになりました。と同時に親鸞聖人は釈尊の真意を受け継いで浄土真宗の教、行、信、証を顕かにお示し下さって七百五十年。釈尊の教えである仏法が、また親鸞聖人の浄土真宗が如何に真実であるかと言う事が今日愈々明らかになって参りましたね。 釈尊をライテッドマンと称しています。いわゆる光の国から来られた人、と表現しています。光を持たないこの世界に永遠の真実道を掲げて下さったのが教主であり御開山ですね。それはこの世に正しい人間道を敷き、一人一人が自信を持って障りなき道を歩けるように歩いて下さったのが親鸞聖人でありました。念仏者は無碍の一道、と、歎異抄にお示し下さって、其のいわれを詳しく述べて下さっています。それは聖人御製作の正信念仏偈に応信如来如実言。応に如来如実の御言葉を信じなさいこのお言葉を戴く他に人間世界の平和はとても実現は不可能であると言う事ですね。武力をもって他を制しても、武力をもって応えてくるでしょう、キリストは左の頬を打たれたら右の頬を出せ、と言って、報復を禁じています。宗教が宗教になっていないのです。宗教の宗は、命の中心、精神の基底を示しています。其れなくして人間とは言えない、と言う事です。そこに真の自覚が必要になってまいります。清沢先生が、自己とは何ぞやと、問いかけ、現在の境遇の此処にある自身と答えて、その自身は、幸せの条件の総ての条件を兼ね備えた諸仏如来の護念の中に生かされている。とお示し下さっています。それは人としての思慮の全体を用いても無しえない絶対真実道を、為すべき精神と行動の全体を南無阿弥陀仏自身の名として成就し遂げて、総ての人々の命となってくださってあるのが、南無阿弥陀仏の御名号であります。だから法然上人は「唯念仏せよ」とお示し下さったのです。唯それだけでは納得できない人々に向かって自身を通して、御名号の中に如来の命の願いと、命を懸けた大行とが掛けられて、現在只今行ぜられてある働きを御受けになった事を親鸞聖人は浄土真宗とお示し下さったのであります。それより他に世界を平和にする道はありません。お浄土の世界は南無阿弥陀仏の言葉によって成り立っています。言葉は精神を表し、行動の基本になります。不言実行ではなく、有言実行。有言の処に、真実の実行があります。名号そのものが真実の精神と実行を表しています。如来の御心を本願とお示しになり、本願成就の働きを、名号と示し、本願成就の御名号こそ、十方衆生、神仏共に、真実の行、信、其の物であります。