北陸の旅 2004.6.17〜6.19
1日目・・・6月17日・・・
うち〜金沢
●6:52 最寄駅を出発

○7:48 東京駅 発  駅弁購入
|      初めての「Maxとき」は1階席で視界は低空飛行。おかげでぐっすり眠る。
○9:05 越後湯沢 着  駅を降りたとたんモワァっとした空気。山の爽やかさは・・・無いっ。
○9:13 越後湯沢 発
|      「はくたか」に揺られて2時間40分。
|      椅子は柔らかで居心地よし。窓の外は青い海と山々。
|      おかげですっかり油断して、ものすごい電車酔いになる。
○11:53 金沢駅 着 
おべんと
ときの車内
とき
金沢 長町武家屋敷跡
金沢駅は改装工事中。白い骨組みにガラスがはめ込まれた大きな屋根が出来かけていた。
東口のバスセンターにて下町金沢周遊バスカード(500円)を購入。
0番乗り場から15分おきに出るかわいいバスに乗り、25分。片町バス停で下車。
今晩宿泊予する「アパホテル」で大きな荷物を預ける。身軽になっていざ出発!
徒歩10分ほどで、時代劇に迷い込んだような武家屋敷界隈に着く。
それにしても、この時期の金沢は蒸し暑い・・・チョウチョみたいに日陰を選んで歩く。

金沢老舗資料館(入館100円)は、藩政時代の薬種商「中屋薬鋪」の建物を利用した資料館。
1Fは当時の店内が復元されている。番頭さんが今にも出てきそう。薬だんすや火鉢もステキ。
こんな家具、欲しいのだけど。骨董屋さんへ行かないとだめかなぁ。
土間から裏に回ると囲炉裏のある和室、階段を上ると金沢の老舗商店の資料館になっている。
貴重な調度品などが展示されていて、その中に私好みのかわいいトキ?の柄の扇子をみつけた。
太く大きな梁や高い組天井を見ていると、贅沢な気持ちになる。

あめの俵屋で俵っ子(5本で400円)という棒つきの飴を買う。
米と大麦のみの甘さで砂糖は使用していないという昔ながらの飴。だけど私には新鮮。
味は薄味のカンロ飴のようで、舌触りが柔らかく美味しい。カラメル色の飴を光が透けてキレイ。

武家屋敷跡野村家(入館500円)は、商店とちがって繊細で装飾が多い。
庭園の曲水を眺めるために作られたギヤマン入りの障子戸は、
ガラスが珍しかった当時の人たちにとっては贅の極みだった。
でも、その障子戸のあるキンピカな上段の間は悪趣味なんじゃ・・・
この屋敷は、廃藩ののち北前舟船首の住まいになったりと、衰退と繁栄の波を見続けてきたのだそう。
殆どの屋敷が取り壊され縮小された中、そうして現代まで残り私を驚かしてくれるんだから、前言撤回しよ。

旧加賀藩士 高田家跡は入館料無料の小さな資料館。
ここにあるのは厩と中人(奉公人)の部屋が塀の一部になっている長屋門というもの。
展示物が家のようでありながら実は塀も兼ねていたと分かったときの驚きったら、
「どれだけ大きい家に住んでたんだよ!」とツッコミをいれずにはいられない。
高田家は禄高550石の中級武士だったそうである。・・・加賀藩って大金持ちだったんだなぁ。

このあたりで加賀料理を食べる予定だったけれど、2人とも電車酔いで胃の調子がおかしかったので、
すぐ近くの109の1Fのお蕎麦屋さんで温かいお蕎麦を頂くことにした。
オットはニシンそば(100円)私は山かけそば(790円)。
この山かけの芋は松井秀樹の地元で採れる芋でお店の自慢らしい。たしかにモッチモチでおいしい。

金沢老舗資料館
武家屋敷跡野村家
ギヤマンの障子
町並み
モデル:オット
高田家跡
これが塀?!
尾山神社 ほか
次のバスまで時間があったので、腹ごなしに百万石通りを歩くことにした。
すると右手に変わった建物が見えてくる。寄って見ると、利家まつを祭神にまつった尾山神社だった。
NHKの大河ドラマを2〜3回しか見なかったことを悔やんでみたりしながらお参り。
そうそう。あの変わった建物は神門だった。神社といえば鳥居だと思っていたけど、こんなのもあるのかー。
てっぺんにステンドグラスがはめ込まれていて、和洋折衷な斬新なデザインなのだそうだ。

さらに歩いた右手に尾崎神社という前田家3代目を祭った神社が見えた。ここで右折してみる。
同じ前田家なのにこんなに差つける?と思ってしまう小さな神社。

またさらに歩いて旧高峰亭という資料館を見つけた。拝観料は無料で、こざっぱりした家屋と庭がある。
こちらは何かを発明した博士の邸宅だったそうで、時代も新しいのではないかと思う。大正時代くらいかしら。
・・・すべてあいまいな記憶。ここではトイレをお借りして助かりました。

尾山神社
旧高峰亭
ひがし茶屋街
また百万石通りに出て右に進み、野川大橋を渡り右に折れて少し歩くと、ひがし茶屋街である。
石畳に木造のお茶屋建築の建物が並んでいる。ここも時代劇のセットみたい。

最初に目に入る桃色の建物は料亭の蛍屋を通り越して、志摩(入館400円)へ行く。
ここはひがし茶屋発祥の1820年に建てられた茶屋。暖簾をくぐるとぼんやりと薄暗い、ちまちました空間。
2階の客間の壁は芸妓さんたちの襦袢を連想するような朱色。収納スペースがなく、お座敷遊び専用の空間である。
ぼんやりとした灯り、朱色の壁、七宝焼きの引き手・・・ここにいると、
むかしむかし、ここで艶やかな大人の遊びが行われていたことが、少しだけ感じ取れる。
坪庭を見下ろせるちいさなテラス?では、こんな暑い日、芸妓さんが涼をとっていたにちがいない。
お座敷で使われた道具の展示が1階にある。どれも小さく細工が繊細で、女たちの小さな手を思わず想像した。
ここに遊びにくるということは、特別な時間を過ごすことだったのだろうな。夢のような。
女の子大好きな私にとって、こういう想像をするのはとても楽しかった♪

和雑貨の店くるみやへ。「るるぶ」でここの招き猫を見て「ぜったいゲットだぜ!」と思っていた。
ずっと自分の招き猫を探していたのだけれど、好みのものに巡り合えなかった。
希望は化け猫的で愛嬌のある招き猫だったのだけど、ここの店の猫はどれも可愛らしすぎるくらいかわいい。
メイン通りの裏の路地にある。店内は竹久夢二のグッズが多く、奥は喫茶スペースになっている。
さて肝心の招き猫・・・値札がなくて売り物ではない様子。店員の女性に尋ねてみたところ、
人気商品の張子の招き猫は一つ一つ手作りため品薄状態が続き、大々的に売らないでいるのだそう。
売り物だということは分かったので、気にいったものの値段を聞いたら8000円だという・・・う、高い。
一回り小さいサイズの可愛い招き猫は6000円だというので、これも予算オーバーだけれど、
いちばん私好みのコを選んだ。店員の女性は手放したくないような手つきで丁寧に包みながら、
「かわいがってあげてくださいね」と渡してくれた。猫好きの心は妙なところで繋がってる気がする。

ひがし茶屋街
志摩
2階の客間
2階の窓辺
兼六園
16:00橋場町のバス停から周遊バスに乗り兼六園へ。
日本三名園の兼六園・・・なのに、私たちは暑さにやられて投げやりな気分になっていた。
だって川崎より金沢のほうがずっと蒸し暑いんだもん。地元の人が「今日は暑い」と言ってるの聞いちゃったし。
桂坂口で入園料300円を払い坂を上っていくと、見晴らしのいい手入れの行き届いた庭園が広がっていた。
白い砂利道は歩きづらく私たちをますます疲労させたけれど、池や小川がいたるところにあって涼しげ。
私の妹が教えてくれた「池に片足つっこんでる石灯籠」はすぐに見つかった。兼六園のシンボル的存在らしい。
えっと・・・これのどこがそんない有難いんでしょう。きっと疲れてるから分からなかったんだわ。そうよそうよ。
兼六園には日本最古といわれる噴水や人工の滝がある。江戸時代にはものすごい贅沢だったものである。
水が下から上へ噴出してる姿を当時の人はどう感じていたのかなぁ。不思議だったのか、風雅と思ったのか。
それにしても今日一日、加賀藩の贅沢をたくさん見せてもらったけれど「ここに極まれり」という気分だ。

シンボルの石灯籠
人工の滝
根上松
近江市場 廻る近江町市場寿司
兼六園から周遊バスに乗り、アパホテルへ。ちっと疲れたので休憩。

また周遊バスに乗り武蔵ヶ辻バス停で下車。金沢の町の真ん中にある大きな市場が近江市場である。
私たちが着いた6時過ぎには殆どの店が閉店して人気もほとんどない・・・さみし。
ここでは今日の夕飯、特上海鮮丼1600円を食べる予定である。「るるぶ」に載ってた「廻る近江町市場寿司」で。
この店「廻る・・・」というだけあって回転すし屋さん。わりかしこじんまりした大衆向けなお店。
ほかのお客さんたちもほとんどが旅行客らしく、るるぶに載っていた海鮮丼を食べている。
私たちも特上海鮮丼1600円を頂くことにした。豪華なネタ、さすが特上!あら汁も臭みが無くさっぱりめでおいしい。
「にぎりもお好きなのをどうぞ〜」という親方の声に、「アカイカ」「ガスエビ」という地のものを注文してみた。
アカイカはコリコリした歯ごたえで、ガスエビはまとわりつくような甘い海老でちょっと驚いた。
ほんとはノドグロも食べてみたかったのだけど売り切れていた。残念。

アパホテル 金沢中央
市場からホテルまで、腹ごなしに散策。昼間は気づかなかったが、ホテルの周りには109のほかに、
おしゃれなアーケード街やカフェがあった。そこにキラキラと灯りがともって若人が集っていた。
スタバでストロベリーフラペチーノをゲット。「ごはん食べたばっかりなのに」とオットが呆れ顔で私を見ていた。

20時過ぎホテル到着。すぐシャワーを浴びてさっぱりした。とにかく今日は汗をかきまくった一日だったから。
ところで。このアパホテル、近くにコンビニがあり、商店街も充実していて、バス通りも目の前なので、
金沢観光の拠点にするにはもってこいだ。それになんと14Fに天然温泉の大浴場がある。
その大浴場はヨモギ蒸し?やマッサージやエステなどのサービスもあり、宿泊客以外の人も有料で利用できる。
私は十分美しいので(うそ)まっすぐお風呂へ。小さいけれど露天風呂もある。
薄暗くてよく見えなかったけれどお湯は茶色で塩辛い。すこしヌルスベ感のあるお湯で気持ちよかった。

2日目・・・6月18日・・・
ホテル〜

今回の旅のお供
7時起床。ふだんは8時半に起きるのでとても眠い。
風呂好きのオットは朝から14Fの温泉に出かけていった。
台風が近づいてるというのに、今日もまた快晴で暑くなりそう。嬉しいような悲しいような。
7時半にチェックアウトして路線バスに乗り金沢駅へ。駅ビルで朝マックする。マフィンんま〜い。
8時過ぎ、トレン太くんへ。トレン太くんはカーナビは標準装備なので便利だけど、
このカーナビがすごく使いづらいのである。やっぱりトヨタレンタカーかなぁと思ってしまう。

能登金剛
年に数回しかハンドルを握らないオットとのドライブは、慣れるまで2人とも緊張する。
能登有料道路の入り口「内灘」へ行く途中コンビニで飲み物を調達しておく。
柳田ICで有領道路を降りて249号線をひた走り、道の駅「ころ柿の里しか」に寄る。
楽しみにしていた足湯は、併設しているスパのものなので有料だと従業員の方が教えてくれた・・・
足湯はやめて美味しそうなもを探していると、緑色のイガイガした饅頭を見つけた。異様。一つ100円。
店員さんに聞くと、これは「いがらまんじゅう」といってお米をまぶしたおめでたい菓子なのだそうだ。ゲット。

249号線をそれて権道36号線を走っていくと、景勝地で有名な「巌門」がある。
海に張り出した岩山?に自然のトンネルが出来ている。ここで採れたというサザエのつぼ焼きを食べる。
3個で600円のところオマケしてもらい500円。ウマイ。私は汁をズボンにこぼして磯臭くなり、オット思い切り呆れる。

また249号線に合流したところで、道の駅「とぎ海街道」へ寄る。11:20・・・予定より30分遅れて到着。
ここは裏がすぐ海で、その海を見渡すように世界一長いベンチがある。全長460Mだそうである。
でも夏の日差し照りつけるこのベンチに1分だって座っていられない。引き返すと、あの「岸壁の母」の碑があった。
待ち続けた母はここの出身の方だそうで、道の駅に資料が展示されていた。ここで知られざる真実が明らかに!
母が死ぬまで待ち続けた息子は、実は生きていたのですっ。しかし大きく話題になった母の物語を知った息子は、
今さら帰れないといい、母は息子が生きてることを知らないまま亡くなったそうな。こ、このバカ息子〜。

いがらまんじゅう
なぜこの色?
巌門
豪快な眺め
世界一長いベンチ
岸壁の母になりきる私
249号線をまた反れて海沿いを道を北上すると、またも景勝地のヤセの断崖がある。
駐車スペースから見晴台?まで、ほんの100Mくらいかと思われるが、その間に妙な看板が立ち並んでいる。
「死神を きれぬあなたに 父母の声」みたいな。そう、ここは自殺の名所。
・・・憑かれやすい方は来てはいけないかもしれない。
すばらしい景色も、今朝ささげられたと思われる花束を見つけたら、楽しむ余裕なくなるってば。
しかしオットはこういうの大好きで大喜び。この罰当たりめが!

ヤセの断崖から車で10分も行かないところに関野鼻がある。
海に下りていく階段を進むと「裸弁天がこの先にあります」というような怪しい小屋がある。
それを見て帰ってきた青年グループは、なんだか気恥ずかしそうに横を通り過ぎていった。
そんな恥ずかしいもの見逃すもんですか!ということで、さらに海へ続く道を進むことにした。
が、遠い。500Mくらいか。それに道も悪い。それに変な虫が何百匹と地を這っている・・・これってフナ虫?
ダンゴ虫的な胴体に、ムカデ的な足が生えていて、ゴキブリ的なサイズなヤツ。ひぃぃぃ。
そして私が進むとゾゾゾ〜と逃げていく。これってインディジョーンズに出てきた景色と一緒だ。
視線を遠くにおいて無心で進むうち、洞窟が見えてきた。なんか冒険チックだ。
そして主役である裸弁天さまは薄暗い洞窟のなかに、なまめかしい姿で鎮座しておられました。
内心、こんなのを見るためにここまで来たのかと泣きそうになった。でもこの冒険は笑えた。

妙な立て札いっぱい
ヤセの断崖に立つオット
この奥に裸弁天が!
輪島〜千枚田

千枚田
249号線に合流して、浦上の交差点から海沿いへの道を目指したのだけれど、
山道で迷い、戻ってまた迷い、予定よりずいぶん遅れてしまった。
こんなことがなければ、一生行くことのないはずのキレイで寂しい漁村に出た。
・・・結局249号線に戻り輪島へ向かうことにした。
輪島の道の駅で何か海の幸でも食べようかと思っていたのに、そんなメニューはなく、
地元のうどんを食べた。北陸の道の駅はなんか力が入ってないぞ〜。

と叱咤激励しつつ、次の道の駅「千枚田ポケットパーク」に到着。
ここからは海に流れ込むような棚田を見ることが出来る。
四角いのじゃなくて丸っこい形の田んぼが、段々になっている。
機械が入れないので手作業で田植えも稲刈りもするんだよなぁ。
この長い段々を上ったり下りたりしながら。
だから気軽に「がんばって残してください」とは言えないけど、美しくて見とれた。
道の駅の前で小さなお店を開いてるおばあちゃんが、
美味しそうにソフトクリームを食べていた。心がじわわっとした。

曽々木海岸〜揚げ浜式塩田
249号線に戻って10分ほど走ると、窓岩という看板あり。
駐車場から見てみると大きな岩に穴があいている。これが窓岩らしい。
目の前は曽々木海岸。水が澄んで砂浜は砂浜しかなくて、清らかというのはこういうことかと思った。
迷わず靴を脱いで海に足を沈めてみた。こんな海なら、私も海水浴すきになるだろうな。
砂浜じゃなく小さな砂利なので、足の裏がちょっと痛い。小石の中からキレイなのを拾ってオットと遊んだ。

窓岩
曽々木海岸 海遊び
拾ったキレイな石
249号線に戻りまた10分ほど走ると、左手に揚げ浜式の塩田が現れる。
ちょうど作業中のおうちがあったので道端から見せてもらった。家族総出で汗だくでの力仕事。迫力あるなー。
奥能登塩田村」(入館300円)で揚げ浜式製塩の技法を詳しく知ること出来る。
簡単に説明すると、海から汲んだ海水を砂の上に撒き、乾燥させて濃い塩水を取り出し、煮詰める、というもの。
裏手に本物の塩田があり、この日は横の小屋で採取した塩水を大釜で煮詰めていた。すごい熱気がこもっている。
受付でこの塩を買って舐めてみたら、塩味が柔らかで辛くない。曽々木海岸のあの海を食べている気がした。

揚げ浜式塩田
大釜でグツグツ・・・
録剛崎灯台〜地獄のドライブ
海沿いの道をまっすぐ30分ほど進むと、能登半島の先端録剛崎灯台に到着。時刻は15:30。
畑っぱたの細い坂道を15分ほど登ると芝生の公園と白い灯台が見える。中には入れない。
一日中、日本海を眺めていたので、能登半島の先っぽの景色はそれほど感慨深くないけど、達成感は捨てがたい。

あとは今日の宿泊地「和倉温泉」を目指すのみ!夕日を眺めながら気持ちよいドライブをして。
ナビで目的地を指定してみたら、なんと予定到着時間が19:30と表示された。えっ?!ここから3時間半もかかる?
地図上では2時間ちょっとだろうと思っていた行程だった。宿にも18時に着くと伝えてある。とんだ見当違い。
とりあえず、249号線をぶっ飛ばして南下。ここからがオットの地獄であった。悪条件が重なる重なる。
視界の悪い夕暮れ時、歩道のない漁村のクネクネ道、雨。しかもナビが恐ろしく遠回りな道を指定してくれて迷う。
疲労から睡魔に襲われるオット・・・しかし努力の甲斐あって、予定到着時間は19時まで縮まった。
18時に、予定より一時間遅れて到着することを宿に電話する。

能登半島の先っぽの景色
録剛崎灯台
和倉温泉 旅亭はまなす
今回の宿選びはさんざん迷った。ウェブで検索しても和倉温泉でピンとくる宿がなかなかみつからなかったから。
団体旅行客の来るような大型ホテルはイヤだし、循環式の温泉もイヤ。でも貧乏臭い旅館もイヤ。
この旅亭はまなすは、掛け流しの天然温泉とお料理が自慢の宿、というのが決め手だった。
宿泊料は1泊二日、1室2名で25200円なり。

19時ぴったりに、旅亭はまなすに到着。とても分かりづらい場所で迷ってしまった。
いざ着いてみると予想に反して、華やかでキレイな建物、そして仲居さんや女将さんの出迎えまであった。
おばあちゃんの仲居さんが、2階の海が少しだけ見える部屋へ案内してくれた。
客室もとてもキレイでユニットバス付き。(でもバスカーテンには黒カビが・・・マイナス5点)
汗だくで疲れていたので、すぐお風呂に入りたかったけれど、私たちの到着が遅れて迷惑してるらしく、
すぐ食事をすすめられた。(マイナス10点)
お料理はどれもほんとうに美味しくて感激した。刺身のツマまで、ひと手間あって美味しい。
特にウニとゴマ豆腐の小鉢と、この時期にはめずらしい生の蟹が記憶に残る。デザートの果物のゼリー寄せも美味しい。

大浴場は小さめだけれど清潔で居心地よし。一人サイズの露天風呂あり。
お湯は無色透明で、泉質は「含塩化土類強食塩泉」。
飲用のコップが置いてあるので少し飲んでみると、ものすごく塩辛くて苦味がある。にがり味?
やっぱり天然100%掛け流しの温泉はいいなぁ。自然のパワーありがとう!という気分になるもんなぁ。

夕食 その1
夕食 その2
朝食
3日目・・・6月19日・・・
はまなす〜バッグ置き忘れ&能登有料道路(ガス欠の恐怖)〜
7時半に朝食。食後、もう一度大浴場で温泉を堪能して8:30チェックアウト。
昨日は暗くて気づかなかったけれど、温泉街の中心に公園?があり、ここでも温泉の湯が飲めるようになっている。
こりずにまた飲んでみたらやっぱり強烈にしょっぱ苦くて「うへぇ」となった。で、車に乗って出発したのだけど・・・
ベンチにバッグを忘れてきた。急いで戻ったらまだあった。自分の間抜けさに朝っぱらから落ち込んだ。オットは爆笑。

能登有料道路に乗って金沢へ。ガソリンがないけど、途中のパーキングで入れればいいね、と話していたら、
どこまで行ってもGSがない。ない。ない。早くもメーターには空っぽというランプが点いた。
点いてからけっこう走るんだよね、とか楽天的なことを言いつつ、私は内心とても恐ろしかった。
それでもなんとか終点の内灘について、最初にあったGSに飛び込んだ・・・備えあれば憂いなし、ってほんとだよ。
そこから北陸自動車道に乗る。ここで金沢人の運転の荒さに気づく。車線変更が急。金沢の人はせっかちでは?思う。

東尋坊
金津で降りて、東尋坊へ。「きっと荒涼としたところにあるんだろうな」と思っていたら、住宅地のすぐそばだった。
駐車場のはげしい勧誘競争に負けず、ずっと奥まで車を進めると、無料の駐車場がある。東尋坊まですぐだし便利。
にぎやかな土産物やさんが立ち並ぶ通りを抜けると、断崖絶壁が見えてくる。ちっとも怖くないや、と思った。
のは気のせいだった。なんとフェンスやも柵もなんも無いので、断崖の際まで行けてしまうのである。これは怖い。
ここには妙な立て札などない。落ちるのも飛びこむのも自己責任。大人だねぇ。

ちょうどお昼時なので、海鮮丼の店に入った。表にサバの塩焼きの看板が大きくでてたので、それも注文した。
忙しいらしく、しばらく放置されたのち「サバは焼くのに40分かかるんですけどー」と言い出した。カチーン!
でもこちらも腹減りで時間もないので「じゃ、いいです(怒)」といって海鮮丼だけ食べて出てきました・・・くやしい。

断崖絶壁
足元は崖っぷち・・・
山中温泉

山中座
東尋坊から車で30分ほど?にある温泉地「山中温泉」で立ち寄り湯。
駐車場は、すぐ横の福祉センターの地下にある。
共同浴場の菊の湯は総湯とも呼ばれて温泉街のシンボル的存在。男女の建物は別。
歴史のある温泉街だけれど、女湯の「山中座」は2002年に建てられたもので、
とても新しくキレイ。*男湯も広くキレイだそう。
受け付け窓口のおばちゃんはでは常連さんと楽しいおしゃべり中。
入湯料350円を支払い、脱衣所へ。地元の年配の方たちでいっぱい。みんな顔見知りらしく、
「今日は暑いねぇ」「もう今日は3回目」などと話してる。
浴場も洗い場も広々していてキレイ。かけ湯をして、いざ入湯。およ?深い!1M以上ありそう。
浅いところもあるけれど、立って入るとのびのびして気持ちいい。
豊かに溢れ出しているお湯は、無色透明、無臭。某サイトによると、源泉そのまま掛け流しらしい。
泉質はカルシウム・ナトリウム、硫酸塩泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。
外に飲用の温泉が出ていたので舐めてみたら、ゆるいお粥のような味がした。

〜金沢
15時前に山中温泉を後にして、加賀ICより北陸自動車道にて金沢へ。15:30、レンタカー返却。
駅ビルでお土産探し。さすが和菓子が有名な金沢、和菓子屋さんが多い多い・・・見てるうちにどれも同じに見えてくる。
デパート厳選和菓子10種みたいなのを作って欲しいね、とオットと話しながら何も買わずに出てきてしまいました。
金沢発16:25の北陸本線に乗る。高岡で寄り道16:48着。

高岡 まんが道
私たちの大好きな漫画「まんが道」(藤子不二雄Aの自伝的まんが)の舞台になった高岡で寄り道。
高岡は主人公の満賀と才野のふたりの出身地であり、2人のまんが道がスタートした記念の場所である。
ほんのすこし2人の足跡を見つけられたらいいな、と思い高岡に寄ることにした。

駅の観光案内所で町の地図をもらい、まずは大仏を目指す。その途中、すえひろロードで「文苑堂」という本屋を発見。
2人が通いつめていた本屋と同じ名前!もしかして同じ?それとも支店?とにかく嬉しいので意味もなく入ってみたりした。
さらに進んで右折、御旅屋通りをまっすぐ行く。えんじゅ通りを過ぎると右手に高岡大仏がドーンと現れる。感動っ。
物語によく登場する大仏さまだけれど、とくに満賀が涼子のキスシーンを目撃してしまう場面が印象的。
近くに寄ってみると、お堂?のよこに藤子不二雄寄贈の小さな記念樹があった。あー嬉しい。
御旅屋通りをさらに進むと、高岡古城公園がある。
ここもまんが道によく登場する。アイデアにつまるとここへ来て、マンガが完成したらここへ来て・・・といった具合に。
私たちは、満賀と才野のお気にいりの場所である”二つ山”らしい場所を探してあるくことにした。
軽い気持ちで探し始めたものの、どこを見てもそれらしいし、どこもちょっと違う気がして、
結局1時間もさまよい歩いて限定することが出来なかった。同じくよく登場するお太鼓橋も分からなかった。
※後で調べたところによると、二つ山は土俵のすぐ近くの小高い場所らしい。う〜下調べしておけばよかったっ。

あの文苑堂?
高岡大仏
記念樹
太鼓橋?
二つ山?
高岡〜うち
○18:50 高岡 発
|      はくたか 2時間10分
|      駅前で買ったカツ丼とおやつを食べ続け、電車酔いを防止する・・・
○21:00 越後湯沢 着
○21:11 越後湯沢 発
|      「とき」 1時間17分。
|      「笹に包まれた餅はちまきだ」と言い張ってきかないオットに証明するため、
|      新潟名物の笹だんごを買う。ここ数ヶ月、論争を巻き起こしていた問題が解決。
○22:28 東京 着

●うち 11:30すぎ到着。
あ〜、やっぱりうちが一番!

旅行後記
帰りの新幹線の中で買った笹だんご、家に帰ってから冷蔵庫に入れようかと表示をみたら、
なんと賞味期限の表示が1週間も前に切れているではないですか!
久しぶりの楽しみな笹だんご、800円もした笹だんご・・・JRゆるせまじ。
ということで悩んだ末、2日後、JRのサイトのお問い合わせフォームに書き込みした。
その2日後に届いた回答のメールによると、賞味期限は印刷間違いで実際は切れていなかったのだそう。
販売元が謝罪したいというので電話番号を知らせたところ、すぐに電話がかかってきた。
とても心のこもった電話で、製造元と一緒にうちへ謝罪に来たいという。
その電話だけで満足したのでお断りして「笹だんごさえいただければ・・・」と食い意地全開で答えた。
その後、笹だんごとどらやきまでたっぷり届いて一件落着。

いろいろあった楽しい2泊3日だった。「夏の北陸はもう行かないぞ」とは思ったけれど。
私の抜け作ぶりがあらわになった旅でもあった・・・いろいろ反省。