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「脊髄麻酔記」
8. 麻痺の感覚

さて。
下半身麻酔がどういう感じで効いているのか、について。

当然、下半身だけ感覚がない。ないのだが、
そこに脚がある」感覚は、ある。
この「感覚」がクセモノで、正確には感覚というより「記憶」なのである。

実は麻酔を打たれた後、
帝王切開ということもあって、私は仰向けになり開脚した。
その状態で麻酔が効いていったので、
感覚が残っていた「手術前の最後の脚の記憶」が開脚なのである。
つまり、私は病室に移ってからも、
自分は「開脚」している、とずっと思っていたのだ。

「どうして手術が終わってからも脚を開いているのかなー」
と思いながらも、初めての手術で訳が分からない私は、
「まぁそういうもんなのかもしれない」と妙に納得してた(苦笑)。
さすがに家族が病室に次々に来て、
掛け布団はかかっているけれども自分のカッコは恥ずかしいよ‥と思い、
傍に居た妹に聞いた。
「ねぇねぇ。わたしって、どれくらい脚を開いてるの?」
妹がびっくりした顔で
「えっ?脚開いてるのっ?。まっすぐに見えるよ。」
私もびっくり。
「布団めくって確認しておくれ。」と頼むと、やっぱり真っすぐだった。
そう言われても、「開きっ放しの感覚」しかない。

嘔吐の時など、
脚だけ「開きっ放し」で横を向いて‥
(つまり右向きだと左脚は吊られているような‥きゃぁ考えただけで赤面。
 アンビリバボー!)
そんな妙な感覚だった。

それから、下半身だけ麻痺しているってことは、
上半身は自由に動かせると思いきや、これが違うんだな‥。
下半身麻痺は、腰が動かせない
腰を動かせないってことは、
ベッドで体を横に向くことも、起き上がることも簡単には出来ないわけで‥。
簡単に動かせるのは、腕と首だけ(とほほ)。
人間の行動がいかに腰を中心に成り立っているのか、実感
幸い、腕力があったワタシは、
ベッドヘッドを掴んだりして身体の向きを変えたりできたが、
自分の体重を動かせるだけの腕力が無いと‥辛いなー。

脊髄麻酔前は筋トレが必要だな、うん。
      (↑冗談です)

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