ねぎま、オナベになる

(一番下に写真へのリンクが貼ってあります)


≪手術を受けるまで≫


2004年4月。ねぎま1歳の誕生日を目前に迎えて私は悩んでいました。

ねぎまの避妊手術のことです。

ねぎまをブリーダーさんから譲って貰った時から避妊手術を受けさせることは

決まっていましたし、発情を迎えるのに子供を産ませないことによる弊害が

大きいことも良く知っていました。

しかし、体が小さくて今までも発情したかどうかはっきりと判らない程おとなしい

ねぎまに「今」避妊手術が必要なのか、もっと後でも大丈夫じゃないのか

判断に苦しんでいたのでした。

そして何よりも、超が付く程臆病なねぎまが1泊の入院に耐えられるのか

それが一番の心配事だったのでした。

かかりつけの獣医さんによると、避妊手術は生後6ヶ月から受けられるとのことで

手術するなら何度も発情が来る前にした方が良いとのことだったので

(あくまでその獣医さんの意見です)、1歳というのは良い区切りではあるのですが・・・


そんな悩みを知らないねぎまはノンキに1歳の誕生日を迎えました。

と同時に私の悩みを吹っ飛ばす出来事(大げさ!)が起きたのでした。

それは・・・粗相でした(笑)。

ねぎまの粗相の3大原因は

1.ストレス、不満がある

2.踏み心地の良いモノがある

3.発情(たぶん)

です。

今までにも何度となく粗相されていたのですが、今回の原因はどうやら発情のようです。

私は現場を見なかったのですが、居合わせた夫によるとちっちがあちこちに

飛び散っているし色や臭いも普段と違う、おまけに落ち着きが無い、ということで

発情じゃないかと言うのです。

普段から濁声で鳴くねぎまは声で発情を判断できないので、今までも発情なのか

そうでないのか良く判らなかったのですが、どうやら今度は本物のようです。

食欲もあまり無いし、粗相は何度も続きます。

ほとほと困った我々は、とうとうねぎまに避妊手術を受けさせることを決意しました。


発情もおさまった4月10日。早速ねぎまを病院に連れて行きました。

病院に行くと、わんこがわんさかいるじゃありませんか!

しまった〜春の狂犬病予防接種の時期だったか〜(汗)ねぎま、大丈夫か?

人懐こいわんこはねぎまの入ったキャリーに鼻をつけてクンクンしています。

ねぎまは、と言うと小さくなりながらもウゥ〜と唸り声。

キャリーの中までは入って来ないから大丈夫だってば(苦笑)。


さて、順番が来て診察室へ。

今日は手術に対する適応性を調べる血液検査と手術日の予約をします。

「はい、血液検査しますからね、その前に体重を測っておきましょうか」

という先生の言葉でねぎまをキャリーから出します。ねぎまは既に硬直気味。

「体重、2.35キロですね。じゃ、血液採りますんで待合室で待ってて下さいね〜」

と追い出される我々。

診察室でいったい何が!?(火サス風にお願いします・笑)

多分腕辺りから採血されたと思うのですが、ねぎまに聞いても答える訳ではないし、

アルコールの匂いもしないし、結局良く判りませんでした。不覚!

何事も無いまま再度診察室に呼ばれると、助手の先生が一言。

「ちょっぴり気が小さいみたいですね〜」

ははは・・・ここでも言われちゃいました。

ねぎまを見るとかちこちに固まって、呆然自失状態。

しかし、獣医さんって色んな動物診てますよね?

その獣医さんにそんな事言われるなんて、よっぽどだねぇ、ねぎま。

「結果出るまで10分位なんで、もう少し待ってて下さいね。

ねぎまちゃんはもう良いですよ」と言われてねぎまをキャリーに戻します。

そそくさと入って行くねぎま。

その後出た結果を聞くと、健康状態はバッチリのようです。

白血球の数が少なかったりすると手術できなかったりする場合もあるらしいのですが

ねぎまの場合は・・・

「問題ないですね。こちらの数値は(と言いながら結果の紙を見せてくれる)

貧血かどうかの数値なんですが、低いと貧血ね。基準値に比べると・・・

ちょっと高いです(笑)。まぁ、標準範囲内だし問題ないですから」

おいおい、高いのか〜い! ねぎま、血の気多い(笑)??

と言う訳で、手術も問題無く出来るようです。良かった、良かった。


さて手術ですが、ねぎまは女の子なので開腹手術になります。

前日の夜からご飯を食べないで来院、昼頃に全身麻酔で手術

その後病院に1泊して翌日帰宅というスケジュールです。

余談にはなりますが、雌猫の避妊手術の方法は2種類あるそうです。

ひとつは卵巣だけ取って子宮を残す方法

もうひとつは子宮と卵巣両方取ってしまう方法だそうです。

前者の方法だと稀に発情する場合があるし、子宮の病気になることもあるので

後者を推奨します、とのことで子宮、卵巣共に摘出する手術をする事にしました

(あくまでその獣医さんの意見です)。

帰宅する日と翌日は傍についていてあげたかったので

金曜日に手術、土曜日に帰宅というスケジュールでお願いしました。

手術日は4月16日!

とうとう、ねぎまの避妊手術が決定してしまいました。




≪手術前日から翌日まで≫


オンナでいられるのも後1週間だよ、不憫じゃのぅと思う我々を尻目

に何も知らないねぎまは相変わらずノンキに過ごしています。

さて、手術前日。夜ご飯とお水を隠して就寝することになりました。

眠る前に必ずご飯を食べに行くねぎまは、いつもご飯の置いてある場所を

確認しては不思議そうな顔をしています。

我々は見て見ないふり(汗)。

普段から食に執着するねぎまではないので、ご飯は無ければ別にいいや

という感じではありますが、やはり喉は渇くようです。

暗い台所からピチャピチャと音がします。

えっ!水飲んでる!?

慌てて見に行くと、シンクにほんの少し付いている水滴を舐めるねぎまの姿が・・・(涙)

ご、ごめんよ、ねぎま。今日だけ我慢して〜

あーたも辛いかもしれないけど、お腹にモノが入ってると

手術中に怖い事になることがあるんだよ。私はその方がもっと嫌なんだよ〜(泣)。

そしてシンクの水滴もきっちり拭いて(鬼?)、就寝したのでした。


翌日。

私はどうしても仕事を休めなかったので、夫に病院までねぎまを連れて行ってもらいました。

仕事中に夫から来たメールには「ねぎま、キャリーに敷いたフリースの中に潜っちゃって

可哀相だった。」という一文が。わぁ〜ん(号泣)!!

手術は昼頃に終わるとのことだったので、午後病院に電話したところ

手術は成功(喜)!ねぎまも麻酔から覚めて、今は眠っているとの事でした。

気もそぞろで仕事を切り上げ、帰宅。

玄関を入るといつもお出迎えをしてくれるねぎまは居ません。

ゴロゴロ言いながら肩に乗って甘えるねぎまを邪魔じゃぁ〜と思ったこともありましたが

居ないと妙に淋しいのです。

すっかりねぎまがなくてはならない存在になっていることに気付いてちょっぴり涙。

夫も帰宅して静かだね〜、淋しいね〜と言います。

昨晩は久しぶりにねぎまが居なくてのんびり出来るねぇ、あれして、これして

と計画を立てていたのですが、出てくるのはねぎま、どうしてるかな

ちゃんと眠れてるかな、とねぎまの話ばかり。

病院からも再度経過の電話を頂いて、明日朝一番にお迎えに行く事にしました。


明けた翌日。いつもねぎまに起こされる休日の朝。

珍しくも早く目が覚めてしまった2人は、病院が開く時間を見計らって

早速ねぎまを迎えに行きました。

「おはようございます〜」と入るなり先生が顔を出しました。

「あ、ねぎまちゃんね、起きてますよ」と先生。

まぁ、すっかり名前を覚えられて(笑)。

少し待っているとキャリーに入れられたねぎまが戻ってきました。

覗き込むとお気に入りのフリースの上に香箱を組んだねぎまがちんまりと座っていました。

だけど、別の猫では?と思うほどの憔悴しきった表情です。

「ねぎま?」と声を掛けると「ひにゃ〜」と聞いたこともないほどか細い声で

お返事をしてくれました。あ。ねぎまだ(笑)。

先生曰く、手術は問題なく終わりましたが

傷口に貼ったバンソウコウは舐めてしまうので、取っても良いですよとのこと。

抜糸は完全に傷口がふさがる2週間後に来てくださいとのことで

化膿止めの錠剤を頂いて病院を後にしました。


病院では一度もトイレをしなかったとの事だったのですが、

帰る道すがらキャリーの中でねぎまがゴソゴソし始めました。

ん?と思っているとカグワシイカホリが・・・(汗)

どうやら安心して気が緩んでしまったみたいです。

慌てて帰宅し、まずキャリーの扉を開けました。

ねぎまは恐る恐る出てくると周りを見回して「ウゥ〜」と唸っています。

家でそんな事をした事がないので、夫も私もびっくり。

きっと病院ではキャリーを出されると嫌な事をされたので、警戒しているのでしょう。

2度ほど唸るとやっと家だと認識したらしく

ヨロヨロする足で家の中をチェックして回ります。

お腹もぺっちゃりと凹んで、一回り小さくなってしまったねぎまは見ていて痛々しい・・・

どうやら病院では全然眠っていなかったようです。

犬の鳴き声なんかが怖くてまんじりともしない一夜を過ごしたのでしょう

目の下の隈は物凄く、泣きはらしたように濡れて腫れぼったくなっていて

しっかりと目が開いてくれません。

あぁ辛かったのね、ねぎま。もう大丈夫だからゆっくり眠りなさいね・・・

と、その前にやるべき事が。

キャリーの中でちっちしてしまったので、ねぎまにもちっち臭が。

おまけに体中を舐めまわしたせいか、なんだかボサボサで見るも無残な姿になっています。

さすがに術後すぐにシャンプーという訳にもいかないので

蒸しタオルでねぎまを拭く事にしました。

ちょっと落ち着いたねぎまを蒸しタオルで拭くと、気持ちよさそうです。

ちっち臭が無くなった所で、ねぎまのお腹の様子を見ると

意外と広範囲に渡って毛が剃られています。

切った傷は2センチ程度のようですが、バンソウコウに血がにじんでいます。

糸はワイヤーで、3針ほど縫ったようです。

舐めるとチクチク痛いので、自然に舐めなくなりますよ

と先生は言っていたけれど、どうかなぁ。

エリザベスカラーは、付けるとかえって暴れて体力を消耗する子がいるので

獣医さんの方針で付けないのだそうです。

ちょっぴりエリマキトカゲ猫を楽しみにしていたのでがっかり。

良い被写体になりそうだったのに(笑)。


ねぎまは我々の傍でようやく落ち着いて眠りはじめました。

眠りから覚めても、お水を飲んでちっちをするのが精一杯のようで

高い所に上るなんてもってのほか。

椅子に座る私の膝の上にも上がれない程の消耗ぶりです。

ヨロヨロと水を飲んでは泥のように眠るねぎまは本当に見ていて辛いものがありました(涙)。

夕方、いつになってもご飯を食べようとしないねぎまを心配して病院に電話をしました。

先生に話すと、麻酔から覚めた直後はまだ麻酔の影響も残っているし

食欲もないので、好きなものを食べさせてあげてくださいとのことでした。

ねぎま自身は何で手術されたか判っていないとは思うけど

自分の身に起こったことは判るはずだから(そりゃそうです、痛いですもんね)

ショックも受けているでしょうから

無理しないで本人のペースに合わせてあげて下さいとのことでした。

と言う訳で、缶詰を開けてねぎまが食べやすいように少し水で緩めにしてみました。

けれど、やっぱり食べない(泣)。

お薬だけは飲ませてくださいね、と言う先生の言葉に従って

無理矢理薬は喉の奥に放り込みましたが

ご飯を食べないと胃が荒れるんじゃないかと心配。

薬の飲ませ方、夫はとっても上手で一瞬で飲ませられるのですが

私は30分格闘してギブアップ(笑)。

その後再度格闘の末飲ますことが出来ました。意外と大変なんです。

コンコンと眠りつづけるねぎま。今は睡眠が一番の薬だと言い聞かせて

静かに我々も眠りについたのでした・・・




≪手術後から抜糸まで≫


ねぎまの回復力には目を見張るものがありました。

病院から帰ってきた翌日はまだ眠っている時間が多く

歩き回る事も無かったのですが、ご飯も少しずつ食べ始めました。

目が覚めた時に我々の姿が見えないとか細く「みゃ〜」と鳴いて

自己主張もするようになりました。

さらに翌日には短時間ですが、じゃらしで遊んでみたりして

(傷が開くのが怖くて強制終了してしまいましたが)。

さて、ちょっぴり元気が出てきて一安心したところで、

相変わらず骨と皮のねぎまの体重はいかに?と体重測定をしてみることに。

体重計に載せてさて、体重は・・・

1.9キロ!?マ、マジですか〜!!??

手術前の体重は2.4キロだったので500グラム減ったことになります。

人間で言うと500グラムなんてたいしたことないのですが

(そう、減ったうちに入りませんね・泣)

ねぎまの500グラムは大変な減りようです。

全体重の20%OFFって事です。自分の体重と照らし合わせてみてください。

それだけ減ったらどんなにスリムに・・・あ、話がずれた(汗)。

慌てた我々、ねぎまお気に入りの缶詰を「食べろ食べろ」とどんどん与える事にしました。

傷口の方は、と言うと、先生の指摘通り翌日にはバンソウコウは剥いでしまったのですが

傷口を舐めると糸がチクチクするらしく、舐めて飛び上がって、を繰り返して

3日程で舐めなくなりました。

1週間飲ませつづけたお薬のお陰で化膿することも無く、綺麗に治ってきています。

剃られた毛が生え揃うにはまだ時間がかかりそうですが。

そして体力の低下ですが、3日目位からキャットタワーに挑戦しようとしては

あきらめていたのですが、4日目には私の膝に乗れるくらいに回復し、

5日目にはいつの間にかお気に入りのキッチンカウンターの上に乗って

得意げな表情をするようになっていました。

泣き声はドスの効いた濁声だったのが

お腹に力が入らないのか術後可愛らしい声になったのもつかの間

すぐにもとの声に戻りました(笑)。

まぁ、これはこれで良いんですけどね・・・

こうして徐々に元気を取り戻したねぎまは、

抜糸予定の2週間後にはドライフードをばりばりと食べ

キャットタワーの上段まで駆け上れるほどにまで回復したのでした。


そして、黄金週間真っ只中の5月1日。

抜糸の為に病院に行く事になりました。

ねぎまは我々が準備をしている間に不穏な空気を感じ取って逃げ腰になっています。

しかし、抜糸をしない訳にはいかないので、

嫌がるねぎまを無理矢理キャリーに詰め込み、病院へ向かいました。

家を出る直前までキャリーの中で「ひ、ひにゃ〜」と情けない声を出していたねぎまも

病院へ行く道々からずっと一言も発せず固まっています。

病院に着いて、早速抜糸です。

抜糸自体は5分も掛かりませんよ、と言われていたのですが、なんて言ってもワイヤーです。

抜く時は痛かろう?と思っていたのです。

先生はハサミとピンセットを両手に持って、さながらシザーハンズの様相。

「はい、万歳してがっしり捕まえておいてくださいね〜」との言葉に

夫がねぎまを後ろから羽交い絞め(笑)。

「し、尻尾が・・・」と言う先生の言葉にふと見ると

怖さで硬直しているねぎまの尻尾がくるりと丸まって、丁度傷口を隠しています(爆笑)。

慌てて尻尾をどかして抜糸開始。

ワイヤーをパチンと切ってピンセットでちょいちょい。

で、5分どころか1分?位で終わってしまいました。

ねぎまもすごすごとキャリーの中へ退散。

「あ、傷も綺麗にくっついてますね〜、うん、綺麗綺麗」と先生も満足げ。

これだったら毛が生え揃ったら判らなくなりそうです。

女の子だけに、良かった、良かったと一安心です。

そして、「お世話になりました〜」と病院を後にしたのでした。




≪後日談≫


ねぎまの避妊手術はこうして無事終了しました。

まだお腹の毛は生え揃っておらず

ごろーんと寝転がった時など間抜けな感じではありますが

本人は大して気にしていない様子です。

一時2キロを切ってしまったねぎまの体重も

抜糸時には2.4キロと元の体重にすっかり戻っていました。

今では所定の給餌量以上食べる日もあるので

逆に太ってしまうのではないかと気が気ではありませんが、今のところ太る気配は無く

食べた分は全て消費してしまうのではないかと思うほど良く動き回るので

これはこれでいいのかなと思っている所です。

そして、性格は少し変わったかな?

以前にも増して甘えたさんになりました。

甘えが高じると尻尾をピーンと伸ばしてブルブルと細かく振るわせることがあるので

こちらとしては「マーキング!?」と焦るのですが、そうではなさそうです。

声にもバリエーションが増え

大体鳴きかたで何が言いたいのか判るようになってきました。

と言っても「遊んで」「ドア開けて」「淋しいの」「眠い」位だけなんですが(笑)。

これに「○○してくれなきゃ暴れるぞ」とか「ねぇちょっと聞いてよ〜」

とか色々なバリエーションがあります(爆笑)。


そして、最大の問題だった粗相の件です。

発情が原因だろうと思われた粗相は、術後ピッタリと止みました(喜)。

手術から帰ってきた翌日に一度粗相をしたのですが

それは病院へ連れて行ったことへの抗議の粗相だったようで

それ以降今まで一度も粗相はしていません。

踏み心地の良かった羽根布団が衣替えと共に仕舞い込まれたせいもあるのかもしれませんが

このまま粗相の無い生活が続けばなぁと淡い期待を抱いている今日この頃です。


とても長くなってしまった避妊手術レポートですが

最後まで読んで頂いてありがとうございました。


手術前後のねぎまや傷口の様子はこちら。


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