もくじ
子供たちへの導きを含む序文
私の大切な子羊たち、これからあなたたちは他のよい子たちがしたことを聞くでしょう。その子たちがどんなに泣いてお祈りしたか、どんなに真剣に主イエス・キリストにある恵みを叫び求めたかを心に刻むことになるでしょう。彼らがどんなにその両親に従順だったか、どんなに熱心に本を読んだか、どんなに聖書と教理問答書をよろこんで学んだか、これから読むことでしょう。彼らがどんなことを質問したがったか、どんなにうそを恐れ、どんなに悪い交わりを嫌い、どんなに聖く生活し、どんなに深く愛され、そしてどんなに喜びに満たされて死んでいったか、あなたたちは忘れることができるでしょうか。
でも、私に答えてほしい。私の大切な子どもたちよ。その子たちがしたほどに、あなたたちもそうするかどうか真実に答えてほしい。あなたたちは自分の生まれつきのあわれな状態を感じたことがあるでしょうか。罪のために泣いて恵みとゆるしを祈りもとめたことがあるでしょうか。お父さんやお母さんのところに行って、先生たちのところにいって「私をあわれに思って、私のために祈ってください。私が救われるためにはどうしなければいけないか、キリストを得るため、天国を得るため、栄光を得るためにはどうしなければいけないか教えてください。」と願ったことがあるでしょうか。あなたたちはよいことを教えてもらうのを愛するでしょうか。さあ、真実に答えてください。私の大切な子どもたちよ。私はあなたたちが永遠の火に落ち込むことのないように、できる限りのことをしたいと思います。キリストがその腕の中に迎え入れ、祝福されたあの小さな子たちの一人のようにあなたたちがなるなら、私は何よりもうれしい。
あなたたちは自分の時間をどのように過ごしているでしょうか。悪い子らと一緒に遊んだり、むなしいことをしてでしょうか。あえて神さまの御名を軽々しく使ったり、はきすてるように言ったり、うそをついたりしてでしょうか。お父さん、お母さんが禁じていることをあえてしたり、命じていることを怠ったりしてでしょうか。主の日にあえてかけずり回ったりしてでしょうか。それとも、自分の本をよく読んで、あなたがたの善良な両親が命じたことを一生懸命学ぶでしょうか。子よ、あなたはどう答えるでしょうか。あなたたちはどっちでしょうか。私にもう少し質問させてください。
1.この子どもたちは、神さまをおそれ、両親に従順なかわいらしい子どもたちではなかったでしょうか。彼らのお父さんやお母さんたち、それに神さまをおそれる人たちはみな、この子たちを愛し、ほめていたのではないでしょうか。彼らは死んで、いなくなりましたが、今はどうなっていると思いますか。彼らはどうして天国へ行き、み使いといっしょにハレルヤを歌っているのでしょうか。彼らは栄えに満ちたものを見、喜びと楽しみのほか何も味わっていません。彼らはもうけっして罪を犯すことがなく、けっして懲らしめを受けることがなく、病気になったり、痛みがあったりすることはけっしてありません。
2.あなたは、お父さんに愛されたいと思いませんか。お母さんにほめられたいと思いませんか。先生からよいことばをかけてもらいたいと思いませんか。神さまとキリストに愛されたいと思いませんか。死んだら、喜びながら天国に入り、敬虔なあなたのお父さん、お母さんと栄光の中でいっしょに住み、永遠にしあわせでありたいと思いませんか。
3.いいつけを守らず、なまけて、うそをついて、悪いことばを使って、安息日を守らない子どもたちは、死んだらどこへ行くと思いますか。このような子たちはどこへ行くと思いますか。教えてあげましょう。うそをつく子は、その父親である悪魔といっしょに永遠の火あぶりに行かなければなりません。お祈りもしない子には神さまの怒りが注がれます。そして地獄の炎の中から彼らが願って求めても、神さまはゆるしてくださいません。彼らはそこにいつまでも、いつまでもいなければいけません。
4.あなたは悪魔とその使いたちといっしょに焼かれるために、地獄に行きたいと思いますか。あなたは悪い子たちと同じようでありたいと思いますか。ああ、地獄はむちで打たれるよりも千倍も恐ろしいところです。神さまの怒りは、あなたのお父さんの怒りよりも恐ろしいのに、神さまを怒らせたいと思いますか。ああ、子よ、悪者は死んだらみんな、必ず地獄に行かなければならないことは、もっとも確かなことです。そして、いったんそこに行ったら、もうけっして出てこられません。
5.地獄の火に投げ込まれる以外なら、何でもしたいと思いませんか。この世でキリストと恵みと栄光を自分のものとするために何でもしたいと思いませんか。
6.さて、それでは、あなたたちはどうするつもりですか。この本を少しだけ読みますか。お母さんがそうさせるからですか。これが新しい本だからですか。でも、読み終わったらすぐに遊びに逃げていき、もう考えることもないでしょうか。
7.この本を読んで、かわいそうな子よ、どのような影響をあなたは受けるでしょうか。この本を読み始めてから、涙のひとつも出ましたか。神さまがあなたをこの幸いな子どもたちのようにしてくださるように、ひとりひざまづいて乞い求めましたか。それとも、あなたは以前と変わらず不注意で、愚かで、不従順で、悪いままのあなたですか。
8.あなたは死んでしまった小さな子どものことを聞いたことがないのですか。そして、もし他の子どもたちが死んでいったのなら、あなたが病気して死ぬことはないとどうしていえるでしょうか。その時、もしあなたの心の中に少しも恵みをもっていなかったら、そして結局ほかの悪い子どもたちと同じだったことがわかったとしたら、子よ、あなたはどうしますか。
9.次に死ぬ子どもはあなたではないとどうしてわかりますか。もしあなたが神さまの子どもでなかったら、その後どこに行くことができるでしょうか。
10.あなたが永遠にできあがらないままでいることのないように、あなたのたましいにキリストをくださいと、寝室にかけ込んで神に乞い求めるのをさらに引き延ばすつもりですか、私の愛する子よ。すぐにでも部屋のすみに行って、涙を流してお祈りしますか。私は、泣きはじめ、ひとりになって考え、 そして天の王国に入れる小さい者のひとりとしてくださるように、立派に主にさけぶ一人のかわいい子羊をきっと見ると思います。私はそこにキリストと天国のために心を決めたかわいらしい子どもたちが立っていると思います。その小さな男の子はよいことを学ぶ心がそなわっているように見えると思います。私はある子がこのように言っているのを聞くと思います。「ぼくはもうぜったいうそはつかない。もう悪い子たちとけっして仲よくしない。その子たちはちかうことを教えたりするし、わるいことばを言う。その子たちは神さまを愛さない! ぼくは教理問答書を学ぶよ。そしてお母さんにお祈りをおしえてもらい、行って涙をながしてキリストにさけび、主がぼくにお恵みをくださるまでだまらないようにする。」と。ああ、これこそまことに私の勇敢な子です!
11.しかし、あなたは自分の約束したことをすぐに忘れたりしないでしょうか。あなたはキリストの力によって、よい子になると心で決めましたか。ほんとうにそうですか。ほんとうに、ほんとうにそうですか。考えてみなさい。大切な子よ。神さまはあなたの若い日に、あなたの創造者をおぼえるようにまねいておられます。神さまは小さい者たちがご自分のところに来るとき、やさしく受け入れてくださり、深く愛してくださいます。そして敬虔な人々、特にお父さん、お母さん、先生たちにとって、真理の道を歩いている子どもたちを見るよりも大きな喜びはありません。
12.さあ、私のかわいい大切な子よ、あなたはどうするか私に告げてください。私はあなたのことを本にしましょうか。あなたのために祈り、あなたのために願い求めましょうか。あなたの善良なお母さんはあなたのことで泣いていますか。あなたがすばやく主に向いて、私たちみなを喜ばせてくれないのですか。キリストはあなたを愛していると言ってくださるのに、あなたはキリストを愛さないのですか。あなたはこの本の中の子どもたちのようになるようがんばりますか。私は神がこの本によって何人かの小さい子どもたちのたましいに、よいことをしようと思っておられるのを確信させられます。なぜなら、神さまはその子たちのために祈るようにと、その確信を私の心にたくさんくださったからです。また、私がこの本ですでに経験したあわれみを通して、この本の性質はむなしいものではないということを確信させられます。
それでは導きのことばを与えて、あなたたちを去らせようと思います。
1.うそをつくことなど、あなたが悪いと知っていることに気をつけなさい。ああ、それは本当になげかわしい罪です。わるいことばや、主のみ名を軽々しくつかうことや、主の日に遊びまわることや、わるい子たちと仲よくして、不敬虔な子どもたちと一緒に遊ぶことも同じです。でも、そのような子どもたちと学校に行くのなら、彼らに教えてあげなさい。神さまはそのような人は愛してくださらない。それどころか、ずっと悪いままでいたら悪魔につかまるよ、と。
2.あなたのお父さん、お母さんが言われることは、よろこんでそれをしなさい。そして、お父さん、お母さんが禁じることは何もしないように気をつけなさい。
3.熱心に聖書を読み、教理問答書を学びなさい。そして、わからないことは必ずその意味をたずねなさい。
4.自分だけで、時々、神さまのこと、天国のこと、自分のたましいのこと、何のためにキリストが世に来てくださったかなどを、少し考えてみなさい。
5.もし、そのようなことを考えることができないなら(あそびのことはいろいろ考えられるのに)、ちょっと考えてごらんなさい。「ぼくがよいことを気にとめないのはどういうことだろう。これは神さまの愛する子どものひとりのようだろうか。ぼくは神さまの子どもじゃないのではないかと恐れる。ぼくは神さまに近づくのをよろこんでいないように思う。ああ、どうしよう。ぼくは神さまの子どもか、悪魔の子どもかのどちらかだ。ああ、どうしよう! どんなことがあっても、悪魔の子どもではいたくない。」と。
6.それから、あなたのお父さん、お母さんか、だれかよい人のところに行って、神さまの子どもになるにはどうしたらよいかたずねなさい。自分に恐れがないこと、そして神さまを愛するようになるまで満足できないことを彼らに告げなさい。
7.自分ひとりで寝室か、ひとりになれる場所へ行き、ひざまづいて、涙を流して、悲しみながらキリストに告げなさい。キリストが私を愛してくださらないんじゃないかと恐れる、と。でもキリストの愛をよろこんでいただきたい、と。キリストが恵みとあなたの罪のゆるしをくださり、あなたをご自分の子にしてくださるように乞い求めなさい。神さまに告げなさい。神さまが愛してくださるなら、自分を愛してくれない人のことも気にしない、と。神さまに言いなさい。「あなたは、このあわれな小さい子どもの私を祝福してくださらないのですか。お父さま、あなたは私、この私のために祝福をおもちでないのですか。ああ、キリストにある祝福をください! ああ、私ができあがらないままで永遠にいることのないようにしてください!」と。
このように、あなたたちのいのちのために乞い求め、答えをいただくまで満足することのないようにしなさい。これを、毎日、できるかぎり真剣に、少なくとも日に二回、行いなさい。
8.自分自身をキリストにゆだねてしまいなさい。そして言いなさい。「愛するイエスさま、あなたは、小さい子どもはあなたのところに来るのをゆるされなければならないと命じられました。主よ、私はできるだけ正しくあなたのところにまいります。私はよろこんであなたの子になりたいです。私の心をとらえ、これを低くて、柔和で、敏感で、従順な心としてください。愛するイエスさま、私は自分自身をあなたにおささげします。私にあなたのみこころを行ってください。そして私を愛し、あなたの恵みと栄光をお与えください。」と。
9.敬虔な人々に親しみ、よい質問をしなさい。彼らの話しを愛するように努めなさい。
10.キリストに対する深い愛を抱くようにはげみなさい。キリストの苦しみの歴史を読み、その苦しみの理由をたずねなさい。
11.もっとも力強い説教者の説教を聴き、もっとも心をさぐる本を読みなさい。そのような真剣で、導きとなる本をあなたのお父さんに買ってもらいなさい。
12.一生涯、よい事を行い続ける決心をしなさい。それでこそ、あなたたちは、キリストがご自分のみ腕に引き寄せて祝福し、王国の冠と栄光をお与えになったあの可愛い、小さい者たちのひとりのようになれるのです。さあ、それでは、愛する子どもたち、私は語りました。私はあなたたちのために書きました。私はあなたたちのために祈りました。でもあなたたちがどうするか私にはわかりません。ああ、子どもたち、あなたたちが私を愛してくれるのなら、両親を愛するのなら、自分のたましいを愛するのなら、地獄の炎を逃れたいと思うのなら、死んだら天国で生きたいと思うのなら、行ってあのよい子たちのようにしてください。あなたたちがご両親の喜びとなり、国の誉れとなり、神への畏れのうちに生き、そして神の愛のうちに死ぬこと、これがあなたの親愛なる友の祈りなのです。